宮城県の水道民営化問題

命の水を守るため、水道の情報公開を求めていきましょう!

近代水道始まりの地・大崎市古川で、みやぎ型 管理運営方式の質疑・討論が行われました!!

2020年2月8日、大崎市吉野作造記念館にて、ふるかわ平和のつどい・ふるかわ九条の会主催の第14回市民と市議会議員の新春懇談会が開催され、「水道の民営化を考える」というテーマで質疑・討論が行われました。永澤才吉

「みやぎ型管理運営方式」(コンセッション方式)について

 

宮城県企業局 次長兼公営事業課長 佐藤謙一さんのお話

みやぎ型管理運営方式は、世間一般に民営化と言われるが、水道法上の水道事業者は、今後もずっと宮城県のままで、水道事業全体の中の一部について、民間の方に運営権を委ねるもの。

水道事業を民間に委ねることは、前の水道法でも可能だったが、水道事業を全部民間に譲り渡して、民間が運営するというやり方しかできなかった。宮城県の責任を最後まで残してやっていくために、水道法を改正していただいた。

みやぎ型では、上水道だけではなく、工業用水道と流域下水道にも運営権を設定するが、本日は時間が短いので、みなさんのテーマである水道、上水道に絞って説明させていただく。

宮城県のやっている上水道事業は、水道用水供給事業と呼ばれているもので、市町村に水道水の卸売りをしている。市町村にもよるが、だいたいは、そこに自分達の水源の水も混ぜ、県から買った水と一緒に売るという形になっている。

宮城県浄水場の運転管理は、県の職員はやっていない。既に30年間、だいたい、5年委託という形で民間で運転している。

みやぎ型になって、今までと何が変わるかと言うと、運転管理をしている方々が、日頃使っている浄水場の機械設備を一番よく知っているので、その機械設備の更新もやってもらったほうが適切だし、さらに調達価格も安くなる。また、浄水場の薬品の購入もやってもらう。

それ以外の浄水場を出てから大崎市の受水タンクまでつながっている管路の維持更新工事や、水道法に基づいた水質検査51項目プラス150項目の合計200項目ぐらいの水質検査は、みやぎ型導入後も、県がそのままやる。

これから人口は急速に減り、2050年には今の宮城県の人口が50万人ぐらい減って180万ぐらいになると予想されている。 今、大崎広域水道の水道使用量は1日当たり7万5千㎥ぐらいだが、40年後には5万㎥ぐらいに減る。 

水道事業は装置産業と言われていて、みなさんが支払う水道料金のほとんどは、施設・設備にかかるお金。借金をして浄水場を作り、長い管路を作って、何十年とかけて返していく。水の使用量が半分に減ったとしても、かかる経費はそんなに減らない。

このまま需要が減っていけば、いま1㎥当たり120円ぐらいのものが、40年後にはおそらく160円ぐらいになる。

4~5年前に宮城の水道ビジョンというこれからの水道事業の経営見通しを作った中で、こういうシミュレーションをしてみたところ、将来大変なことになるとわかり、何とかでないかと3年前から検討して来たのがみやぎ型管理運営方式。

大崎広域水道事業は、今のままやっていくと、20年間で630億かかるという試算だが、施設の更新などを民間に任せると549億になり、事業費削減効果は82億円の見通し。

その結果、今124円ぐらいの水道料金が、このままいけば160円近くまで上がるが、 140円弱まで抑えられる。

どうして民間に任せるとコストが削減できるのか? 

水道料金は、施設・設備の更新費用が非常に多額で、それを20年間の減価償却費で返していくので、設備の更新工事費を抑えれば、大きな節減になる。

県は公共調達なので、県のほうで予定価格を作って入札をする。それに対して、民間の工事は、工事業者を呼んで価格交渉をする。「来年はこういう工事を予定していて、 来年の工事も任せるから安くしてくれないか」とか、「ここで安くしてくれたら、今後長い付き合いをさせてもらう」とか言って安くしてもらう。公共調達と民間調達では、建物は1割以上値段が違っているのが現実。我々は、価格交渉した段階で、警察に捕まる。

一昨年、水道事業のいろいろなメーカーの方々にヒアリングをした結果、82億の削減額が算出された。これから3月に募集要項を公表して募集を開始する。いま県がやって いる630億のうち、民間に任せるのは360億で、募集をする時は、これを「298億より下でやりたい方、手を上げてください」というやり方をするので、募集の段階で、間違いなく県がやるよりも安くなる。

ただし、この水道料金は、あくまで県から大崎市に卸す時の卸値になる。日本中の水道と同じように、大崎市の水道の経営は苦しい。県の卸値からどういうふうに水道料金を設定するかは、大崎市の経営の戦略になる。

今後のスケジュールについて。

コンセッション事業は、本格的に手続きを踏んでいくためには、議会の議決が必要になっている。 昨年の11月の県議会で、この議決をいただいた。3月中ぐらいに募集要項を公開して、募集を開始する。ここから約1年かけて運営権者を選定する。

なぜ1年もかけるのかと言うと、ただの価格競争ではないから。 水質を守るための要求水準書に対して、民間企業は、自分達はこういう体制でやる、こういう中身でやるという詳細なものを出してくるので、それを我々が見る。

たとえば、「県は毎日人手でやっているが、自動測定の機械を入れたほうがいい」などと提案があれば、県はそれを受けて、民間企業に要求する水準を再検討する。こういう繰り返しを3回ぐらいやって競争的対話をするので、1年ぐらいかかる。

そして、民間事業者が決まった段階で、さらに1年半ぐらい後、令和3年の6月議会か9月議会で、この事業者とこういう内容の契約を結んでよろしいかという運営権設定の提案を議会に出して議決すると、運営権の設定ができることになる。

加えて、厚生労働省がその中身を審査して、許可を得なければならない。いまの全国の水道と同水準が守られるか、急に撤退することが起こらないような制度をきちんと作っているか、災害の時にはどういうやり方をすることになっているかを全て審査を受け、そういうものが現在と同等以上であれば厚生労働省の許可を得られる。 現在のところ、事業は令和4年の4月にスタートしたいと考えている。

事業の継続性について。

1年かけて業者を選んでいく中で、単なる価格競争ではない、事業の継続性をどうやって担保するのかの提案をさせる。この事業をやるためには、新しい会社を民間に作ってもらう。一般的には、金融機関、設備のメーカー、運転管理をする会社、そういう会社が集まり、新しい会社を作ってこの事業をやる。

提案の時には、新しい会社の親会社になる会社、たとえば金融機関とかが、事業の経営状況が芳しくない場合は、自分達が責任を持って資金を調達するとか、あるいは、こういうものに対応できる保険をかけるとか、さまざまな事業の継続性を担保するやり方について提案をしてもらう。

会社のグループの代表企業の資本金は、50億円以上でなければならない。資本金50億という水準は、東証1部上場企業のだいたい上位半分の規模の会社。

今回、新しく、経営審査委員会という第三者機関が、経営状況などを監視する。水質をどうやっているかの体制なども含め、第三者の目で、あるいは、専門家の目でチェックしてもらう。県も、経営状況は随時見ていく。

それでも何かの事情で事業を撤退するときは、勝手に撤退してはいけないという契約の条件になっている。まず県に違約金を払い、新しい引継ぎ先が決まるまでの間は、事業を継続しなければいけない。

災害時の対応について。

県の水道事業は、そもそも、県職員が浄水場を運転管理していない。今でも、民間企業がやっている。この前の地震の時は、民間企業と県が協力して復旧をした。

浄水場の運営権が民間に移ったとしても、法律上の水道事業者は宮城県のままなので、当然、今までどおり国の災害復旧制度が使える。国からお金を持ってくるのは県の役割になるので、県がイニシアティブを取って災害復旧にあたるのは、今までと変わらない。 

諸外国では民営化された水道が公営化されているというという声に対して。

誤解がある。そもそも、みやぎ型管理運営方式は、どちらかというと、民間の仕事を増やす、範囲を広げるもので、民営化という概念ではない。

それでも一応海外の話をすると、フランスは今全体のうち96.8%は民営のままで契約を更新している。民営から公営に移ったのは1.1%で、同じ期間で公営から民営に移ったものが2.1%。件数は、民営から再公営化したのは68件で人口は64万人。それに対し、公営から民営に移ったのは68件で人口は111万人。

ベルリンの例は、東ドイツと西ドイツが合併した時に、東ベルリンの水道がものすごく老朽化していたため、ベルリンの水道公社はお金が必要になり、民間に出資を募った。公社だが民間資本がたくさん入ったので事実上民間主導となった。その後、老朽化した東ベルリンの水道をどんどん工事したため、水道料金がどんどん上がった。

これに対して市民が怒り、しかも水道料金を上げるときのルールがしっかり決められていなかったので問題になり、民間の資本が入った株式を公営側が買い戻した。その金額が1700億ぐらい。

「命の水を民間にというのは不安がある」という気持ちはよくわかるが、我々も、そういうことが決して起こらないような制度設計を相当緻密にやっていて、契約書も150頁ぐらいになる。是非ご理解いただきたい。

 

「コンセッション方式」に対する市水道部の考え方について

 

大崎市水道部部長 中川博さんのお話

みやぎ型導入にあたり、私共受水市町村としては、これからの水道を取り巻く環境は、人口減少によって給水量が減り、収益がだんだん減っていき、高度経済成長期に建設された水道施設の老朽化でこれから集中的に更新をすすめなければならないため、巨額の事業費が必要となる。宮城県も市町村同様に厳しい環境にあると思う。

そうした中で、将来に向けた解決策の一つとしてコンセッション方式を導入したと理解している。これまで宮城県からは幾度となく市のほうへ企業局の管理者をはじめ担当の方々が来られて、ご説明をいただいている。また、県内受水団体の担当者を対象に、県情報会も多数開催されてきた。

私共も初めの頃は、削減が果たしてどのくらいになるのか、また、削減された費用が、受水費にどう反映されていくのかが、良く理解できない所があったが、説明をその都度いただいているうちに、導入にあたっての宮城県としての立ち位置、あるいは外部からの監視体制、そして水質の確保など、用水供給事業としてしっかりとこれまでと同様に責任を持って進めるということが示されてきたので、受水団体としては、責任ある立場の維持と安全性の確保、そしていくらかでも安い料金を目指してもらえるのであれば、将来の厳しい経営に対する宮城県の有効な対策であると受け止めさせていただいている。

コンセッション方式導入に対しては、県内はもとより全国でもいろいろな意見が出されている。本市議会においても、この方式に各受水団体も含めて進められていくのではないのか、水の安全性はどうなのか、市のメリット・デメリットは何があるのかという質問をいただいた。

市がコンセッションに入るか否かは、市町村で行うことになっており、強制ではないということ、水の安全性については、これまで同様に宮城県が水質検査を実施し、第三者委員会でのチェック、国からの立ち入り検査も実施して、これまで以上の安全性を確保するということ、市のメリットとしては、導入によって事業費用が削減され、受水料金の値上げの抑制になるということ、デメリットについては、この方式導入によって心配されていることに対して、宮城県では解決できるよう制度設計をするとしていることなどから、本市としては、この方式により効果が上がることを期待するとした。

現在、大崎市では、総給水量の約65%を大崎広域水道に頼っている。リスク分散という考えからすると、もう少し市の自己水の割合を上げていきたいが、受水市町村の要望によって建設された大崎広域水道なので、自分の所だけ受水量を減らせばよいというわけにはいかない。そのことについては、受水団体の給水量の実態を踏まえていただきながら、県と協議ということになると思う。

6割以上の水を県水に頼っていて、支出額においては総費用の約3割を占めているので、この影響はかなり大きい。本市としては、できるだけ安い料金で安全な水を、安定して届けていただくことが第一と考えている。宮城県には、その点をしっかりお願いしたい。

ここで少し、本市の水道の歴史をご紹介させていただきたい。

本市の水道は、1市6町が一つになったもので、旧古川市の水道は、明治16年に、当時の古川村においてコレラが大発生して死者60名を出したことをきっかけに、水道建設に着手し、翌年の明治17年に完成して給水されたのが始まりで、全国でも横浜市に次ぐ歴史を持っている。今年で創設から137年目ということになる。

この間、人口増に伴う何回かの拡張工事が行われ、昭和55年には、大崎広域水道からの受水が開始した。このことにより、旧町では自己水から県水に100%切り替えた地域もあり、県水を受水していない地域もある。

県水を受水してから今年で満40年目を迎え、施設も老朽化が進んでいる。次世代に安全な水を安定して供給するには、施設の耐震化や更新が必要で、昭和一桁に敷設された管路も存在しているので、早期に更新していく必要がある。

今後は、人口が減って、給水量が減っていくので、これまでの能力を有する施設として更新するのではなく、ダウンサイジングしていきながら進めることが大事だと思う。

また、災害時の給水拠点として、配水地の耐震化、緊急車団体のまだ設置していない所へ設置を行って、水甕としての役割を持たせなければならないし、配水池から遠い地域には緊急貯留槽の設置が必要だと考えている。 このように、これからも水道事業では、持続性と災害対応の観点から整備をすべきものが沢山ある。

次世代へ大崎市の水道を引き継ぐためには、こうした整備をすすめつつ、一方では整備に見合う収入も必要となる。収入が上がらなければ料金を値上げするということだけではなく、どんな経費削減が有効であるかなど、広域連携も含めて、これからどう進めるか地域を超えて考えていかなければならない。

現在、国では、各水道事業体の経営基盤の強化を図るために、水道法で、各都道府県に広域化の推進役を位置付けて、県内の水道事業体のために水道広域化プランを策定するよう求めている。そのプラン策定の基礎として、広域連携のいろんなシミュレーションを実施し、各事業体と協議しながら、令和4年末までに策定し公表するとなっている。

宮城県では、この広域連携について、県内を4つのブロックに分けてそれぞれ地域部会を設け、部会の検討に入っていくという段階である。大崎市は、平成18年に合併して、11年かけてやっと、平成29年に7つの市町の水道事業が1本の上水道に統合されたばかりだが、今後、この広域連携をどのようなものにしていくか具体的に協議して、さらなる経営基盤の強化につなげていき、こうした観点を踏まえた情報も、市民のみなさんにはお知らせしていきたい。

大崎市水道事業の概要

大崎市水道事業の概要

現在、水道部の職員は33名で、この他に、これまで民間に委託していた運転管理業務と料金収納業務、給水装置等関連業務の3つの業務を、平成28年から大崎水道サービス 株式会社に包括委託して丸4年になるが、こちらは59名なので、合わせて92名で、市の水道事業を進めている。

県水を受水している割合は、古川が約7割、三本木・松山・鹿島台・田尻は100%県水、岩出山鳴子温泉地域はそれぞれ自己水源で100%賄っている。 

 

質疑・討論

 

大崎市議会議員 小沢和悦さんのお話

小沢和悦

水は空気と同じように、企業の売り買い、儲けようという企業に任せるという考え方は間違いだ。いま地球温暖化でどんどん渇水している。世界では飲み水も含め水がなくて住めなくなって、中国で2億人もよそに移住しなくてはならないという3~4日前のNHKの報道もあった。そういう時代に、企業が水を支配するようなことに行政は手を貸すべきではない。

海外でどうなのか。 フランスの例が県の佐藤さんのほうからあったが、2000年から2016年までの16年間で、32か国267自治体で民営化したのを元に戻すという海外の流れになっている。だから、水道法の改正をやる際に、国会で「世界の様々な事例を十分に検証するように」という付帯決議が付いている。

私は昭和54年に市会議員に初当選し、55年から宮城県の大崎広域水道が供給された。 あれでものすごい水道(料金)が跳ね上がった。この大崎一円の市や町というのは、 松山や南郷のほうは、全国1位、2位だった。古川もだいたい5位以内に入るという大変な高いものになった。

なぜ高いかは、さっき県の佐藤さんがおっしゃったが、当時は山本知事の時代で、長期総合計画で工業化がどんどん進んで人口が急増するということで、ものすごい莫大な水が必要だということから計画が出て、漆沢ダムが作られ、南川ダムが作られた。

やっと投資した金の回収が終わって、いわば身軽になったその時に民営化しようということは、一体どうなってるんだと思う。ダム当時、古川は使っても使わなくても2万7千4百トン。受水町村全部で「おらほの希望は、将来はなんぼ」と出した。それで余ったのが一日7千4百トン。それをウチが全部かぶった。

県のこれまでの説明の中では、水道料は将来2倍3倍になる。それを1割程度下げるためには、民間にこの部分は委ねたほうがいいという考え方のようだが、当初、この事業に参入したいという関係業者35社から聞き取りをやっている。それを見ると、一番少ないところは10%ちょっとのコストダウンができる、一番大きいところは4割削減できるというが、そのデータは黒塗りして出さない。

今後一部民営化をした場合に、水道料を県議会の議決で決めることができるからいいと言うものの、情報公開がなければ、料金が妥当かどうかの判断を県会議員はできない。県民もできない。

私は40年議員をやっている。この間、談合問題に常に関心を持っていろいろやっている。民間がやると安くなって、役所がやると高くなるという仕組みがあるから、民間にしたほうがいいと、さっき佐藤さんが言われたが、それは違うと思う。

予定価格と調査基準価格、これを設けてやる場合もあるし、調査基準価格を設けない 場合もある。業者間で本気の競争をやってもらえば、大きく下げることがある。

大崎広域事務組合の処理施設を北郷に作った時、談合問題が告発された。直接私たちが仙台に呼び出されて、談合に入ったという方々に聞いた。もともと予定価格の設定から始まる。釣り合いのために参考見積を出してから、「お宅のほうはなんぼ入れてくれる?」と始まるという。これをやっぱり破らないと駄目だ。あの当時は予算から見れば7億4千万。安い金であそこを卸すことができた。7億4千万というと、一つの学校が出来上がる。やり方によってそういうことは可能。

以前は、人件費が3割下がると県は説明していたが、今日、佐藤さんからは、設備更新の際、民間のほうが安く上がるんだとお話があったので、このことを申し上げた。

大崎市江合川の伏流水を使っているが、県はさっき言ったようにダムの負担はすでに止まったのだから、大いに自己水を使えば、県がどんなことをしようとも、わが方はしっかり持っているという対応が必要だと思う。

山の自然を守って、しっかり水が供給できる体制を作るというのは、役所だけではなく、市民協働の事業として、そういったところから災害を抑える、飲み水も確保できる、そういう素晴らしい地域づくりの一環として、水問題を取り上げていかなければならない。 

大崎市議会議員 八木吉夫さんのお話

八木吉夫

水道事業の民営化という話を聞いたときに、先ほど小沢さんが言うように、空気と水は命に関わるものですから、これを民間に委ねる、「えっ」て思った。命をゆだねるのと一緒ですからね。

そういった意味で、私も中川部長さんにお話を聞いて、議会でも問い、納得したのが、水質管理、水の保全は、行政が手を抜かないでする。民間に任せることができるのは、補佐的なこと。 水の管理は行政がきちんとやる。管の工事、集金業務、そういったことは民間で既にやっている。

一番不安をあおったのは、国会議員の麻生さんの発言だ。アメリカに行って、「日本の水道事業は民営化をします」と。なんで自分の国のことを、アメリカに行ってPRしなきゃならないのか。

もう一つ。先ほどお話を聞きましたら、資本金50億以上ということで、もう大会社ですね。上場会社となると株式を公開するが、いろんな方が証券会社を通じて株を購入する。私が一番懸念するのは、外国資本。外国の方々が日本の水を商売に扱ってもらっては困る。

日本は何を売り物にできるかと言うと水なんです。水道水を安心して飲めるのは日本だけ。いま中国の方は、北海道の水源地を買い漁る。水の権利まで海外に牛耳られるようなことがあってはならない。

いま大崎でやってる水道事業の運営の仕方は、水の水質管理、管理運営に関しては行政がやる。集金業務、工事、配管、そういったものは民間、大崎の管工事組合がやっている。仙台の業者は入っていない。東京の業者も入っていない。みなさんと関係ある地元の業者、地元の企業が、我々が使う水、命に関わる仕事を扱ってもらう。こういう在り方が一番理想でないのかな。

行政もこれからは民営化を図っていく、そういった民営化は止めることはできないと思う。ならば、どのような形ならいいのか。自分たちが住んでいる、我々地域にプラスになるような在り方でなければ、ちょっと考えなければならない。命に関わるものに関しては、皆さんとご一緒に考えて、ご意見をいただきたい。

会場のみなさんとの質疑応答

Q1. 古川のAさん

今現在、導入済みあるいは検討中の自治体はどういうところがあるのか? 

私が知っている範囲では、橋下大阪市長の時に推進の側で、外国から資本を入れて何が悪い、外国の資本を入れないと大阪は国際都市になれない、と。あと浜松市が検討している。 河北新聞で、白石市長山田裕一さんが、老朽化による更新は小さい自治体では難しい、と。白石市は40年以上の経年化率61%で、他市の平均は20%で、みやぎ型を投入すれば、料金の上昇は抑えられるのではないかという。

どういう業者を想定しているのか?

海外の事業と(日本の状況は)違うと思う。それをそのまま日本で心配だというのは、短絡的だ。

A1. 企業局 佐藤次長

みやぎ型は、水道で一日当たり2万5千㎥以上の浄水場を3年以上継続して運転した経験があるという条件を付けている。2万5千というのは、大臣認可と言って、ある一定以上の水道は厚生労働大臣の認可が必要で、そういう規模の水道を運営した経験があるところじゃなきゃいけない。さらに、日本法人であることという条件を付している。外資系の企業が日本法人を設立するということはあり得るし、そういう会社が応募することはあり得る。

国内では、下水で言うと、浜松市はもう2年前からやっている。四国の須崎市でもやっている。上水道宮城県が今一番進んでいるが、大阪市が、宮城県と運営権を設定する部分は違うが、今度の2月の議会にコンセッションの条例を出すと聞いている。

宮城県がやっているのは、大崎市に卸売りをしている事業なので、宮城県の水道事業の範囲の中で今回コンセッションと言っている話で、大崎市の水道の経営形態は全然関係ない。それは大崎市が決める話。

ただ、これから市町村の水道もどんどん厳しくなっていく。宮城県がこれから浄水場の運営権を設定して民間にお願いする計画をしているが、もし大崎市がその事業者に自分の所もやってほしいというのであれば、大崎市が協議できるという制度にしている。

が、基本的には宮城県だけの話である。大崎市に卸す卸値をできるだけ下げたいという話で、決して大崎市の水道の在り方が変わるわけではない。

Q2. Bさん

この間、傍聴でもお聞きしたんですけど、まだ納得いかない。 さっきの小沢さんと八木さんの話に、非常に私は賛同する。命の水は民間にしちゃいけない。

佐藤さんも中川さんも、種子法廃止されたのを知っていますか? あれは、昭和27年、国民を飢えさせちゃ駄目だというのでできた法律。それが今度、安倍政権で廃止になった。民間を導入しなくちゃ、もっと活発化させようということだが、宮城県には、渡辺採種場とかサカタとか、日本でも種苗会社いっぱいある。あれの意図は、海外のモンサントとか、遺伝子組み換えの種をどんどん日本に入れようとするための廃止だ。宮城県では条例を作っていたが、水道民営化も、伏線はそこにある。

私は、村を守る会を30年以上やってきたが、藤沢の上流は森林だ。水源と取水と浄水場と配管、そこまで県がやっているわけで、一番肝心な部分を民営に任せるというのは、まるっきり間違えている。結局、民が入ると海外の企業が入りやすくなる。

とりあえずは国内の企業だろうけど、国有林まで狙われてしまう。国有林なので国民の財産であり、それを崩すのはなかなか難しそうだが、こういうみやぎ方式だと、国有林を県有林にしろって言うんです。東北はみんなブナ界で水源が多い。それが狙われるんじゃないか。

経費削減は、まず人件費でAIを入れると言うけど、いま「AI崩壊」という映画をやっている。よかったら見てください。10年後の日本です。私も民を入れることに反対です。

A2. 企業局 佐藤次長

浄水場というのは、ダムとか川の上流から水を取って、薬品などを入れて汚れを落とし、最終的には塩素を加えて水道水に作って出す。浄水場は、30年間もうすでに民間が水道水を製造している。大崎市も、民間が浄水場で水道水を製造している。検査は、法律に基づいて県がやっている。それは今も全く同じ。

私も、水がホントに大丈夫なんだろうかというご心配が湧いてくるのを決して否定ない。私自身も、最初「ん?」と思った。しかし、中身を詰めていけば詰めていくほど、これは今と基本的に変わらない、その中でどうやって経費を削減するかという話であると、私自身も認識を深めながら仕事をしている。

Q3. 八木市議

経費を削減するには、民間でなければならないという考え方は違うと思う。

前に、国会議員が値下げ方式というのを提唱してやった。紙切れに書いて出すのではなく、オープン入札で、どこどこはなんぼ、どこどこはなんぼ、とみんなオープンにする。この値下げ方式は法律に則ったやり方で、法律違反ではない。

ウチの会社はいくらでしますよ、それを見た別のA 社は、「いや、ウチの会社はなんぼだよ」と。 実際に入札があったのは、事務用品とか消耗品費で使われた経緯がある。 こういった在り方もあることを、県の職員の方々は研究しているか伺いたい。

昔、古川の人たちが言った話だが、「市役所の職員は、休まず遅れず仕事せず」(笑いが起こる)だそうです。「こんで駄目でないの」ということを、ずうっと訴えてきて、今は、一所懸命仕事なさっている職員の方いっぱいいますけど、「ここまででいいわ」「それ以上先、俺はいいわ。他の人にやってもらう」と、自分で仕事の枠を決めてしまう。民間と公務員というか、行政の違いはそこに出てくると私は思う。

県の職員の方々、経費をいかに削減するかといういろんな議論をなさったんでしょうか? お伺いしたい。

A3. 企業局 佐藤次長

水道事業は総括原価方式といって、かかった経費を全部水道料金で回収するという仕組みなので、我々企業局では、常に経費削減、経費削減で、人を減らすというような話をずうっとやっている。入札制度でも、宮城県は予定価格を公表している。

一昨日、多賀城市収賄で、予定価格を漏らしたということで捕まっているが、宮城県は予定価格を公表した上で、みなさん競争してくださいということもやっている。癒着や官製談合ということが起こらないようにそういうこともしている。

なぜ民間で安くなるかというところの大半は、機械設備とかの更新工事。

厳しい競争の中で下がることは、我々にとってはありがたい。一時期仕事がすごく減った時代に、度を越えた叩き合いになって、価格が下がりすぎて民間の業者の方々が疲弊したということもあったが、適正な競争をということはおっしゃる通りだと思う。

我々も、きちんと手順を踏んで、いろいろ競争性を高めるということを念頭に、いくら以上の工事の場合は30社は応募できる業者がないと駄目だとか、いろんなものをどんどん追加している。もちろん最初は、本社が県内にある事業者を条件に入札をさせたいが、30社を割り込むような数だと談合につながりかねないので、その時は仕方がないので、県内に支店があればいいというふうに条件を緩めて、とにかく応募できるところが沢山になるようにして、入札とかをする。

我々も競争性を高めるということには常に配慮しているが、現実問題として、公共調達と民間調達では、建物を建てるとき1割以上違うという調査もある。入札制度を、これからも改善しなければいけないというのは、おっしゃる通りだと思うが、そういう現実の中で、こういうような方式の制度を考えてきたということはご理解願いたい。

Q4. 小沢市議

予定価格の設定については、決まりがある。その時々の物価とか、役所の場合は単価表というのがある。もちろんこれを参考にして積算するが、もう一つは、実勢価格を反映するようになっている。

さっき私が例にあげた7億4千万、15億以上で落札しようという談合だった。それを7億減らした。全国の同一規模のここ最近の入札状況を押さえて、ものすごい差があることがわかった。談合通りの価格だったら議会は認めないという釘をあらかじめ打って、札入れをやってもらったら、いきなり下がった。実勢価格を反映した予定価格を決めるかどうか、役所はそれ本気にやってない所が多い。

私は、病院建設で法人の入札にも関わったことがある。私がある協会の理事をやっていて、地元の業者がジョイントベンチャーを組んで、何とか地元で仕事取りたい、と。 片方はものすごいゼネコン大手。できるだけ安くするために、ゼネコン側にも協力してもらって、ある線まで下げて入れてもらった。やり方はいろいろある。

公共事業は 税金でやっている仕事なので、みなさんに迷惑がかからないように、特別な負担にならないように、多賀城のようなことはあってはならないし、大崎市でもいろいろあった。宮城の場合は、県知事が逮捕されたり、市長が逮捕されたり、とんでもないことが何回もあった。我々がしっかり目配りして、競争原理をしっかり発揮してもらうとだいぶ違う。

フランスでは、レストランで食前に飲むのは、「水がいいかワインがいいかビールか?」というので、値段を聞くと水のほうが高い。日本のようにこんなに素晴らしい水がただで飲めるところもあるが、これを海外の資本に狙われたらとんでもないことになる。

Q5-1. Cさん

大崎市は今のところ、コンセッションは取らない。県は、コンセッションは非常にメリットがあると言っている。現状を見ると、管路の問題にしても、給水量の問題にしても、大崎市のほうが切羽詰まっている。それがなぜ、大崎市のほうがコンセッションに手を出さないのか? 私コンセッション賛成派じゃないが、そんなにいいものだったら、県に右ならえしてコンセッションしたらいいじゃないかと単純に思う。

世の中すべて、供給者と需要家がいたら、お互いに利益が相反する。供給者は高く売りたい。需要家は安くていいものが欲しい。水の場合、 需要供給者の相反する利益、利害関係をどういうふうに考えたらいいのか。市は県と市民のただ単に橋渡しをしてるだけなのか。

小沢さんが「県から給水を受けるようになったら値段が暴騰した。全国で数えても5番目ぐらいに入る」とおっしゃった。この暴騰した原因は何なのか? ダム建設の費用を県が肩代わりしているというか、その部分も総括原価方式の中に入るのかどうか教えていただきながら、コンセッション問題を考えていきたい。 

A5-1. 企業局 佐藤次長

宮城県ができるかどうか調査した時に、村田町も自分のところで出来ないかという調査をした。FS調査と言われる調査で、小さい事業体では、コンセッションのメリットが 出にくくて、民間企業は参入意欲が起きないだろうという結論が出て、村田町は断念した。ある一定以上の事業規模がないと、コンセッションということで募集をしても、 民間企業は応募してくれないだろういうのが実情。

料金高騰のお話。大崎広域水道が必要だという話になったのは昭和45年ぐらいの時期で、昭和46年には、当時の大崎行政事務組合の筆頭だった古川市長が、大崎広域水道を作ってほしいと県に要望書を出した。漆沢ダムに水利権を求めて、大崎広域水道を作ってほしいという要望だった。当時は人口が増えていく中で、それが必要だという判断だったと思う。大崎地方の市町村と県が相談をして、漆沢ダムを作る時に、水利権という水道用水の水を取る権利にお金を払って、大崎広域水道に水を引くようになった。

水利権もそうだが、取水施設や浄水場を作って、管路を作って、市町村の受水タンクまで管路を引いてというように、水道事業は、最初1円も入ってこないのに、まず設備を全部作ってからでないと始まらない。水道事業は常に借金から始まる。その建設当時の借金を、20年30年をかけて水道料金で回収していくしか方法はない。

今でも、大崎広域水道の料金は確かに高い。宮城県の広域水道は、全国的にみるとまだ新しいほうで、まだ借金が残っていたり、膨大な初期投資をした減価償却がまだ残っていたりするので、どうしても高上りになる。ダムの水利権の他に、毎年毎年、ダム管理の負担金も払わなければならない。

A5-1. 小沢市議

県は初め、「この市町村で事業団を作ってやんなさい」と言った。実は私が古川の与党の時だったが、当時の知事と議長の遠藤要から話が市長になって、丸ごと揃って「おらほ応援すれば県営にします。県の広域水道でやります。」と、いきなり自民党のビラを配り始めた。

山本知事の時代、県の長期総合計画を作った。「大和町に新たに、4万から5万の規模の都市が出現するなど、県北の工業化がどんどん進んで人口が急増するので、今から水を確保できる施設を作らなければならない」と、県のほうが漆沢ダムや南川ダムを作った。片方8万、片方4万。それに必要な管路その他に大金がかかった。この大金かかったのを回収するということで、大きな負担が県民にかかることになった。

基本料金として、大崎市は使っても使わなくても2万7千4百トン掛ける単価、重量料金は、1年間にこのくらい、と契約を結び、使わなくても8割は納めてもらうという設定だった。大崎広域水道に変わった途端、自己水だけでやっていた所が県水を使わなければならなくなったので、いきなりゴーンと跳ね上がった。

長期総合計画どおりには人口は増えなかったし、農村は疲弊するし、進出した企業は 海外に移転するし、ということで滅茶苦茶になった。今、そのダムの負担は終わって、県が卸単価を下げてもよくなってきた。今回も、卸単価は下がったので、大崎としても運営はしやすくなったが、将来のことがあるので水道料金は下げないで頑張っている。

Q5-2. Cさん

とすると、需要動向の誤りということで、県にそれなりの責任が出てくるんじゃないか。払い終わった払い終わってないという問題ではなく、今上がった段階で、コストを削減ということで汲々としているが、過去の需要増予測の誤りについて、今、検証が なされているのかどうかが心配だ。

このプロジェクトをみやぎ方式と言っているということは、県だけのプロジェクトで、市町村は最初から相手にしていない、広域も相手にしていないということになるのか?名前の付け方そのものが、ちょっとおかしいんじゃないか。

村田町は規模の問題で引っ込めた。大崎は、広域にしても規模が小さいわけですか? 

A5-2. 大崎市水道部 中川部長

大崎の規模は小さいのかどうか、宮城県や村田町のような事前の調査は、我々はやっていないので、業者が食いつくくらいの規模かは判断できないが、需要の将来の試算を、更新をしたりといったものの額を大崎管内全部集めても、たぶん県ほどの規模にはならないので、削減効果というのはあまり見えてこないのではないか。

需要動向の誤りは、当時は人口が右肩上がりの時代だったので、市町村は、何万人というところで出した。宮城県は、それに基づいて給水量を出し、広域水道の施設を作った。今それを検証するのは難しい。

Q5-3. Cさん

私が不安に思っているのは、ダムを作るための口実として、需要予測に影響が出てたんじゃないかということ。これからは需要減と言っているが、その辺の予測については、県が、コンセッション導入の口実にしているが 、それは本当に精査できているのか。 前のような誤りを犯さないか? 

A5-3. 企業局 佐藤次長

当時の人口予測は、今となれば、間違っていたと思う。当時、見通せる人がいなかった。日本の人口は、昭和50年代に急激に出生率が下がっている。今の人口が減っていくという予測は、基本的には外れない。今5歳から15歳くらいまでの子供が、20年後に25歳から40歳ぐらいになる。母親になる数がもう決まっている。

ただ、ものすごい大工場とかがやって来て、ものすごい人が来るということになれば、事情は変わるかもしれない。

Q6. 古川のDさん

事業一般ではなく、公共サービスの事業をどうするかということに絞らないと、ズレた議論になる。たとえば、教育とか公衆衛生とか人権に関わることは、それを支えるのが基本的人権なので、それにふさわしいシステムを作ろうということで公共サービスの事業がある。民間企業、住民、行政の協働で行うのが公共サービスの基本だと思う。

それを誰が担うかというのは、その地域、地域、時点によって、事情が変わるので、 公共事業だからすべて民間に渡してはいけないという考え方ではない。基本的には、 みんなでやっていこうじゃないかということ。

問題は、今回出てきたきっかけが、公共サービスをどうやって前進させるかということではなく、2015年に麻生元首相がアメリカで、「活性化のために公共サービスを民営化するんだ」と言ったというところにある。何のためにやるかというと、「儲けるためにやるんだな」という印象を与えている。そうじゃないんだと否定しなきゃいけない。

そこのところが出てないから、みんな心配している。儲けのために公共サービスが食い物にされるんじゃないかという心配がある。「そうじゃありませんよ」と言うけれど、じゃあどうやるんだということが全然触れられていない。

たとえば、住民が参加するシステムをどう作るかという問題がある。

公共サービスについては基本法がある。その中に、国民の意見を反映して、住民の意見を反映して設計しなきゃいけないということが書いてある。それは今回、全然出てない。「民間企業が参加するんでよろしく」ということだけが前面に出てきて、国民の意見を反映した公共サービスに、どう変えていくのかというのが出されていない。

これは誰のせいかというと、提案した人に責任があるけれども、そういうことについて、議会であるとか、一般住民が発言する場所をもっと確保しなければいけない。そうやって成熟させて、いい事業に変えていく。だから今回のやり方は、拙速にすぎる。

パブリックコメントの結果、賛成というようなコメントを出した人はごくごく少数であって、多くの意見が、心配、不信というような状況だった。そういう状況なんだから、3月には新しい議会を通すなんていうふうにしないで、もう一回住民の合意を作り上げるという方向を考える必要があるだろう。(拍手が起こる)

Q7-1. Eさん

今の水道はこのままじゃ続かないというのが、この話の前提になっている。コスト削減というときに、私は公務員の給料を下げるべきだと思う。民間の1.7倍の給料をもらっているが、1.7倍は働いてくれない。コスト削減の中で、人件費というのは大きい。

削減の内容は材料費なのか人件費なのか、内訳を教えていただきたい。新聞報道でも、10年間で200億円ぐらいの削減と出ているが、その中身がわからない。公務員の高コスト構造を残しておきながら、削減の部分は全部、民に押し付けるという構造じゃないか。

私は、民営化に基本的に賛成。公の肥大はどうしても高コスト構造を維持する。民間の知恵を借りるのは当然だ。ただ、公務員のところには全然メスが入らない。

人口削減で施設が過大になると、廃棄という問題が出てくる。廃棄という決定は、どう上手くできるのか? 

A7-1. 企業局 佐藤次長

今のまま県がやったとすると、下水なども全部含めて3,314億円かかるという試算をしているが、そのうち1,464億円がコンセッション後も県に残る仕事で、今は県がやっていて、コンセッション後は民間の移るところが1850億円。

コンセッションモデルでやると、3,067億円になり、247億円の削減になる。県の分は1,414億円になって、ちょうど50億円削減になる。ここがなぜ削減になるかというと、設備とか機械の更新工事を民間に委ねるので、今それをやっている県の職員がいらなくなるため。

運営権者に渡す部分で197億円削減されると試算しているが、一番削減されるのは人件費ではなく、何度も言うが、設備とか機械の更新工事費。197億のうち、120億ぐらいが更新工事費だったと記憶している。

Q7-2. Eさん

事業が縮小する時に、儲けられないような事業には、民間企業が入ってこないんじゃないか。

A7-2. 企業局 佐藤次長

公募をして手を上げるところがなければ、失敗だということになるが、そうならないように・・・。

ダウンサイジングは、今もできるところはやるが、使えるうちは使う。

Q7-2. Eさん

最終的には、ダウンサイジングの権限は宮城県が持つということで、民間業者は持てるわけがない。

「みやぎ型管理運営方式」を可能にする条例改正案可決後、初の県民向け事業説明会!!    大崎合同庁舎での質疑応答の後編です!! 

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休憩時間が設けられることもなく、質疑応答はまだまだ続き、みなさんの知恵と経験に裏打ちされた珠玉のようなお話がどんどん語られていきました。

こういった一人ひとりの思いや意見を持ち寄ることによってこそ、本来社会は作られてきたのだということを実感させられる3時間という長丁場でした。

 

Q8.-1 古川のHさん

聴衆の関心に合わせた説明をしないと。ズレてます。

緒方さんのお話は、一所懸命されたんだけども、聞きたいことにちゃんと答えてない。今後また説明の場所あると思うんですけども、聴衆の関心に合わせた説明をしないと。今まで出た質問、みんな同じですけどね。ズレてます。 お考えになったほうがいいと 思います。

民間企業というのは公共団体ではない。住民意見の反映ができなくなるんじゃないか。

で、わたくしが言いたいのはですね、途中で説明があった中で公共管理を残すと明確に述べて、この点はわたくしも了解したんですけども、この点をじゃあどういう形で残すのかというかとについても、説明が僕は足りなかったと思うんだね。

要するに、住民意見の反映を今後どのように図るのかということで、これは今までと変わりませんと言ったけれども、みんな変わると思ってるんですよ。

要するに、途中で民間企業が入ってくるね、民間企業というのは公共団体ではありませんから、営利事業に即して動くわけですよね。で、そこのところで、住民意見の反映ができなくなるんじゃないかと心配してるわけです。そこをどう担保するかなんです。

公共管理が残るってことは、要するに、公共サービスとして、今後も展開されるという意味でいいんですね。公共サービスの事業であると、水道事業は。いいですね? 

ということは、法律で言いますと、公共サービス基本法というのがございますね。これの第3条の4項、あとでご確認ください。いろいろと長いんですが、大事なところだけ言います。「国民の意見が公共サービスの実施等に反映されること」って書いてあるんです。それがホントに担保できるかどうかなんです。

www.shugiin.go.jp

たとえば今の場合ですと、市役所に対して注文付けたら、県行政に行って、なんとなく返ってくると、なんとなく信頼関係にあるように見えるんですよね。ここで民間企業 ポンっと入った時に、「そこは秘匿事項です」というふうに切られる可能性が出てきますよね。いや、冗談で言ってるんじゃないんだよ。

要するに公営事業、公共サービスがきちんと貫徹されるかっていうことが問題で、それを補償するような仕組みができてますかって聞いてるわけです。

たぶん民間企業の場合ですと、企業の秘匿性事項が沢山出てきますよね。あるいは、その事業範囲が限定されますね。そういった場合に、公共サービスとしての機能が落ちるということは十分予想されるわけだ。そこの説明がないです。

わたくしは基本的に、公民連携そのものは否定しません。だけれども、公民連携、官民連携じゃないよ。地方自治体というのは官庁でありませんから。公共団体ですから。

公民連携をやるためにはですね、やはり独特のルールがあるんです。ここが壊れることになるからみんな気にしてるわけです。今度はこの説明をきちんとしてください。あの、期待しておりません、今。大したこと答えられないでしょ。 

A8.-1 緒方昭範企業局次長

県の事業として動かしていくことは変わらない。その一部を民間にお願いする。

お答えしてもよろしいですかね。基本的に官民連携というのが公民連携で、官は国だということはその通りかなと思いますが、まあ一般論的に官民連携という言葉を使わせていただきますので、官民連携とお話させていただいています。公共サービスであることについては変わりはございません。

で、ここでご説明したとおり、水道事業者という県の立場は変わっておりませんので、県の事業として動かしていくことは変わらない。その一部を民間のほうにお願いしているということになりますので、県の会計監査上も民間事業者の会計内要因も含めて監査していただくことになると思いますので、それについては、今と変わらない感じで見ていくことになるというふうに認識してございます。

また、ウチは、先ほどもお話したとおり、水の卸売り事業でありますので、水道に関するご意見については、市町村を通して今と同じように住民の方々のご意見を賜ることが可能ということには変わらないということに認識しております。

Q8.-2 古川のHさん

水を守るのは、行政だけではできない。住民と一緒にやんなきゃいけない。

ちょっと、反論させて。県の事業だから公共だとは、私は信用してないんだ。公共団体であることは間違いないですよ。だけれども、先ほど言いました公共サービス基本法に書いてある基本です国民の意見が公共サービスに反映されるかどうか、ここんところについて、実際に、県の事業は即公共サービスかってのは、ちょっと疑わしいところありますよ。あんたの説明はだいたいそうだったからね。「皆さんの要求はこうですか? それに対してどう答えます」という議論じゃなかった。「県はこういう方法でやってます。これが公共サービスだ」と言ってたんです。

どうやって国民の水を守るのか。これは行政だけでできるはずがないんだよね。住民と一緒にやんなきゃいけない。まさに協働の事業なんです。そういう観点で仕組みを残すかどうかという時に、肝心なところを民間企業に任せちゃったら崩れるじゃないかという心配をみんな持ってる。それを崩さない、崩れない方法があるんですよってことを、全然説明してないですよ。以上です。

Q9. 古川のIさん

市民とか専門家とか行政、業界の方と意見交換、公聴会等をやって決めていくべき。 

皆さんの意見、専門的な知識のある方の発言が多いようなんで、私は全然知識もないんで、それこそ感覚で意見と質問をしたいと思います。この説明書とか提案の件の今回のコンセッションの前提条件ですか、35ページなんですが、

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人口減少、節水型社会、設備・管路の更新、この3点については誰も異論がないと思うんですよね。こういう状況になると、分母が人口減ですよ、分子が設備の更新とか維持管理ですよね。そういう意味では、分母が少なくなると料金は上がるという算数ですよね。という意味では、そんなに認識というんですか、前提条件は、県の説明と私とは 違わないと思います。

という前提で、まず最初言っておきたいのは、説明の中で変わらないのがベストだと、あと20年先はわからないという主旨の発言があったんだけども、ちょっと無責任じゃないかなあというふうに私は思います。

変わらないのがベストであれば、現状の運営方式、経営方式でいいんじゃないですか? で、こういう意見が出るのは、先ほどの浜松市の事例を例示してくれた方がおりました。

浜松市って、なんで民営化というんですか、そういう方向性が凍結されたのは、市長と市当局と専門家と市民が、何回も意見交換して、議論をして、その結果、凍結になったんですよね。

宮城でそういう痕跡は、私はないような気がするんですよね。村井知事が先走ってトップダウンで方針を示して、県がシナリオを描くと。で、条例が通って、実際にやるとなってやっと説明会ですよね。そういうふうに言われても、市民も、要するに利用者も、業界のみなさんも、市議の行政の方も、困惑しますよね。やっぱりね丁寧にやるということが、市民とか専門家とか行政、業界の方と意見交換、公聴会等をやって決めていくべきじゃないんですか? という意味で、えらい違和感を感じています。

で、質問です。1点は47ページのグラフです。

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この折れ線グラフでお聞きしたいのは、大崎広域水道のグラフでは120円で出発して、令和21年あたりで160まで上がってますよね。

で、下のほうの仙南仙塩広域のほうは、出発点は125でだいたい同じですが、ところが令和21年145ぐらいですか。

結構、差ありますよね。この差はどういう差なのか、結構グラフの傾斜がありますから、その辺わかったら教えてください。 

それから41ページですね。

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みやぎ型管理運営方式の表がありますけれども、いわゆる薬品・資材の調達、設備の修繕・更新工事。私思うのは、設備の修繕工事、20年間民間に委託するんですよね。そうすると県のほうに設備管理のノウハウが残るんでしょうか? 残らなければ、監視とかモニタリングとか、精査検証はできません。その辺のお考えをお聞きしたいです。

で、最後です。65ページですね。 

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3段階モニタリングの実施ということで、3のほうですね。(仮称)経営審査委員会。 ここで言われているのは、中立的な立場で客観的な評価分析云々ありますけども、構成する方々ですね、専門家が中心なんですよね。私は様々な行政組織の中で、専門家が中心となって提言とかを言って決まるというパターンをずうっと見てきたんですが、やっぱりこれからの時代、専門家だけでなく、素人の市民ね、利用者、住民も入れるべきじゃないかと。そういう審査委員会でなければいけないと思うんですが、その辺お聞きしたいと思います。以上です。 

A9. 緒方昭範企業局次長

今になって急に説明会やってるんじゃないかって話ですが、私もここにきて3年ほどになりますが、一番最初に説明会開催したのは、2年以上前の10月でした。その時に、初めて、皆さん業者向けだとか言うんですが、一般市民県民向けに説明会を開催してきております。そこからシンポジウム的なものを5度ほどやりましたし、説明会についてはさせてきていただいてると思っております。また、市町村の議会のほうにもご説明に行かせていただいておりますので、説明はさしていただいていると思っております。

まず、46ページのほうでございますが、46ページと47ページの違いについてということですが、大崎のほうはですね、設備投資、大崎のほうが古いんですね。ですんで、大崎のほうが設備投資の量がちょっと多いという部分と、水の減り方がですね大崎のほうが早いというか、こう見ていただくとグラフの軸が違うんですけれども、大崎のほうが水の減りようが早いという部分が、このグラフに反映されているというところであります。

あと、設備のノウハウがなくなるんじゃないかということですが、今回の設備の維持管理・更新工事を民間の方々にやっていただくんですが、その更新した設備が性能発注上、性能を有してるかどうかというモニタリングなり、検査なりというものはやって いかなくちゃいけないので、その分については県としても設備職の人間をまるきり外すということはないというふうに考えております。ですので、そのモニタリングを通じて、設備に関わるノウハウについては維持していきたいというふうに思ってございます。

また、65ページの今いただきました委員の構成上ですね、一般の市民の参加についても検討したらどうかという部分は、前々からいろんなご意見もいただいておりまして、今検討はさせていただいておりますが、やはり内容がですね、あまりにも専門的な部分もございますので、どうなのかなあということは考えておりまして。まあ消費団体の方々とかですね、ある程度知識をお持ちの方々について入っていただくことも含めて、今、検討させていただいているところであります。以上でございます。

Q10. Jさん

みんなで考えてこの行政を進めていただきたい。

いま議論されていることに関連あるんですけれども、ちょっとこう、踏みとどまって、みなさん命の水とおっしゃってるんだけど、もう子供でも大人でも年寄りでも、みんな意見を持ってるんです。ね、それで生きてるわけです。ですから命の水です、ね。そういう意味で理解なさらないと。

あんまりにも細かく分解した理屈ばっかり述べて行政なさってるけど、まあ、水道事業てのは大変忙しい歴史持ってるんだと思うんですね。何年ぐらい水道事業の問題研究されてるんでしょうか? 

眺めて見ればですね、治山治水という言葉、良く話題になりましたよね。治山治水ね。水を治め、山を治め、つまり水源の所から考えていく命の水ですね。ですから、濁った水があったり、腐ったり話題になるの当たり前で、みんな基本的におんなじなわけで、そういう意味で、市民参加というよりは、みんなで考えてこの行政を進めていただきたい。

そういう意味では、今回の流れは、有りきです。国ありきで、国の問題を最初に取り上げて始めてるの宮城ですね。他からの野次を聞くと、「宮城県であんまりやってくれるなよ」と。「私のほうも困るよ」と。同じような悩み持ってますよ。

じゃあ、これからの進め方について申し上げますが、やはり市民参加というか、みなさんで、説明会を受ける形ではなくて、水の受け手と送り手の間で信頼を持つことが、 水の行政の基本であることは間違いないわけですから、その線を崩さないで運営をしていただきたいと。入札は今年の3月のようですけど、そういうこととは別にですね。ですからこの説明会についても、やっぱり、きちんとなさっていただきたい。

2点ほど、今気が付いたことを指摘します。

たとえば、水質についてお話ありましたけども、漆沢ダムがこの辺の水源ですけども、あの水が濁ったことがあります。ご存知でないでしょうか。お年おいくつですか?

三十何年前、61年の夏、ちょうど水害になった年です。私は毎日ペットボトルの中、 水筒に水を確か入れて、ひと月ぐらい持ち歩いた経験があります。ここにおいでの方、いないですか? まあ、みなさんお若いから、わかんないんでしょうけど。

三十何年前、四十年ちょっと前です。当時、宮城県では、ブナを守る運動が盛んに行われてまして、新聞開けば、命の水、水源涵養保安林、山の木切っちゃダメだと、水がダメになるよというお話などが、先ほどのお話になった〇〇さん中心にありました。

結局、営林署は解体されたんですね。ご存知でしょう? つまり水源ですよ。こういうところから、みなさんの関心、持ってるので、どの方もどの方もみんなご意見持ってるはずです。ここ、ここに至らなくても。その水が、濁ったんです。そして、濁った水のために飲めないから持ってた経験がございます。この中に同意される方おられると思いますね。

それからもう一つ。今度は最後のほうに、一番最初の質問にあった外国の例についてお話がありました。フランスとかドイツとかですね。あれは実は、しっかりちゃんと定説になってるお話でございます。今年の夏に、私はこのお話されてるライターの橋本さんという方にお会いして直に聞いたことがございます。ですから先ほど申されたお話は、全部真っ赤に嘘でございます。全部訂正してください。

ドイツの例もフランスの例も、やっぱり一遍やめた水道の方式を、また元に戻すときに大変苦労したというお話が先にあります。数字も出ています。そしてその原因はですね、今度はそれを扱う人がいなかったと、つまり民間に丸投げした結果、真面目にやったんでしょうけども、継承されなかった。つまり、ここにもいっぱいおられると思いますが、専門家の方を全部切ってしまう形になる。それが民営化の一つの欠点だろうと思います。そういう意味で今日のお話は2つ間違いがありました。どうですか。お答えいただきたいと思います。

A10. 緒方昭範企業局次長

水質が濁ったことがあるというのは、私はちょっと承知しておりませんでした。そこは申し訳ございませんでした。

一点、外国の話ですが、橋本淳司さんについては、私も存じてございますけども、まあ表現の仕方がそれぞれ違ってるというふうに私は思っておるのでございますので、橋本さんはそういうふうに考えているということだと思います。私は、外国と日本との関係の話もありますので、全くもって橋本さんの言うとおりであるというふうには思っていないということでございます。

Q11. Kさん

2点確認です。

住民説明会、こういった説明会行ったということでした。それから検討会は有識者等、企業、銀行、専門家内部の検討会が4回やってます。その後、シンポジウム何度か。

そして、説明は市長村長まで、私は確かに開示請求して見ました。しっかり来てます、市長村に。ただ、市町村から出てないんじゃないですか。そして、出てないということは県の責任を、市町村長に今預けたということです。要するに、地元のせいにしたということです。悪く言えばね。

コンセッションにすると、地方自治法が及ばなくなるのではないか? 

もう一点。民営化、コンセッション、様々批判ありますけども、私は建設行政ずっと 携わってきました。土木事務所とか港湾事務所、ダムの事務所で監督員も。検査も受けましたし、検査もしました。定年退職して、泥もかぶりました。で、なぜ思ったかというと、税金をいただいて、それを公共調達して現場が動くわけです。で、監督員が地方自治法の履行確認義務あります。会計法、余計強え財務規則、みなさんからいただいたお金は、必ず完成検査をします。その前に、監督員が現場臨場して、しっかり品質とか規格とか、週一でも、前は毎日行きました、現場に。そうじゃないと 品質も規格も、あっぺとっぺなんです。今はしっかりしてます。それが民営化、コンセッションでも いいんですけど、地方自治法が及ばなくなるんではないですか? 監督員が指名できません。恐らくそうなんです。以上です。

A11. 緒方昭範企業局次長

住民説明会は確かにさせていただいていますが、市町に預けたのではないかということについては、市町村民の方々のたいていの窓口が市町ということになりますので、市町のほうの建設課なり水道課のほうにですね、説明会を開催したいんですがというふうなご相談はさせていただいております。

住民向けというふうになるとですね、シンポジウムとか除いて行く、実施方針説明会とかですね、そういう具体的な中身の説明会を除いていて、住民の方々のほうに行ってこういう形で説明したのはどのくらいにあるかと言われると、仙台市さんの主催においてやった2回と、あと今日、大崎氏と白石市のほうでやっております。あとは、富谷市のほうでですね、200人ぐらい参加いただきまして、市民説明会というのもやってございます。

あと工事監督の責任がなくなるんじゃないのかということですが、モニタリングを通じてですね、やはり作っていただいたものについては、すべて県のものということで帰属しますので、それは検査をしたうえで県が引き取るということになりますので、そこについてはきちっと検査をさせていただきたいなというふうに思っております。

Q12.-1 Lさん

水道民営化のお話って、県庁のほうではいつくらいから出てたんですか? まず最初にこれなんですけども。

A12.-1 緒方昭範企業局次長

水道民営化ということは一切考えたことはございません。官民連携の話はですね、企業局のほうで平成26年ぐらいですかね、次の水道ヴィジョンなどを考えていく中で、20年50年先を見ていくと、やはり非常に経営は厳しいという部分がございました。ですんで、やはり市町村の料金改定上10年を見たうえでですね、料金改定をしてきてたんですけども、やはりもっと長いスパンで水道事業の会計を見ていかなければ駄目だなということに気づいた。ですんで、その中で、何がベストだと。やはり公共調達の限界ということもありまして、やはり民間側の力を借りることも一つの考え方ではないだろうかというところから、内部検討が始まったのが26年ぐらいです。

Q12.-2 Lさん

ありがとうございます。あの続いてなんですけども、みやぎ型管理運営方式の背景ってのがありますけども、人口減少、節水型社会、あと管路の更新、これって、ずうっと前からわかってることですよね、管路の更新とかって。中小企業とか、自分とこの設備なんかは更新するために備蓄してってるわけですよね。で、その備蓄金で機材の更新とか行うわけなんですけども、なんかそういう未来に向けたビジョンというのは、昔はなかったんでしょうか? 人口減少なんていうのは、すんごい前からわかってたことですよね。まあ宮城県は311っていう特殊な災害に見舞われて、まあ、ちょっと違った背景があるかと思うんですけども、人口減少とか、こういう設備っていうのは、もうだいぶ前からわかってたことで、そういうことを全然考えないでやっていたのかなって、疑問に思ってしまうんですけども。お願いします。

A12.-2 緒方昭範企業局次長

ハイ、人口減少は、当面の大きな方向性として見え出したのは、20年ぐらい前ぐらいかなあと思ってございます。ただ宮城県の水道事業をお話した通り、大崎が、えーとー、何年でしたっけ、55年で、仙南仙塩広域水道が、平成2年ということで、宮城県の水道事業始まったばっかりに近いです。最初に設備とか管路とか投資したお金、減価償却が終わってないということで、お金が詰める状況になっていないということが一つありました。そういうこともありまして、やはりその準備が足りなかったんじゃのかというのはあったんですが、減価償却が進まない中で、次の投資にかかるお金を積むということは、料金を倍にしなくちゃいけないということもあって、その辺は市町村との関係上、今の現状水準の料金に設定しているということです。

Q13. Mさん

もう一度3ページなんですけど、

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さっき〇〇さんが言われましたけど、水が腐って濁ったんですね。においがして、それで麓山浄水場を視察しました。活性炭の使用量がですね、かなりの量になってました。

それで今、私が一番危惧するのは、世界的に水戦争と言われてますね。このダムを見てください。ダムの上は森林です。その森林までね、ここを民営化しちゃうと、森林まで民営化、今ここを言うんです。それを私は一番危惧しますね。だから、ここを手付けちゃ駄目なんです。きちんと県でやってあるから、今のね、水道がきちんとなるんで、水戦争は森林に行くんですよ。その窓口をね、開くようなもんですので、絶対、民営化はしちゃ駄目だと思います。意見です。 

Q14. Nさん

企業の粉飾見抜けますか? 非常に危なっかしい。

えーとー私も意見になるのかな。今企業局のほうで事業計画読める人います? それから財務諸表、これ読める人いるんですかね? 危なっかしくてしょうがないですね。

民間企業に委ねると言いながら、財務諸表ホントに読める人いるのか、モニタリングがホントにできるのかっていうことなんですよね。

たとえば、企業の裾切り、資本金50億をラインにして。企業なんてのはね、資本金ではわからないんですよ。そんな資本金の多い少ないで、ここは適してる、ここは適してない、そんなもんじゃないですよ。

企業の粉飾見抜けますか? モニタリングするということは、その程度の能力を持ってないとできないんですよね。非常に危なっかしい。

それと、やっぱり、環境、水ってのは大事ですから、トータル的に、やっぱり、保全を図っていかないといけない。この一部分がですね、切り崩されていくと、とても恐ろしいことになるだろうなというふうに思うわけです。従って、私はこの件については反対です。

Q15.-1 Oさん

せっかく大崎市でやっていただいてるんで、ちょっと大崎市の話をしたいかなと思います。

あとで44ページのほうで、大崎市の水道事業で施設の統廃合、ダウンサイジングを考慮した金額というふうにまずなっている状態で、

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38ページのほうで、大崎市は昭和55年から開始して、仙南仙塩の南部山浄水場よりは古い状態でスタートしてるものとして、まず開始して、だいたい今で40年ぐらいですかね。20年後になるとだいたい60年使った資産ということで、まあそれなりに、土木構造物とかも、60年くらいたってるよという状態で、まあ、次のこの運営権者から20年契約が終わるという状態で受けると思うんですけれども、その20年後の姿というか、資産の在り方っていうのは、なんかお考えとしてあるんでしょうか? 

たとえば、中古の資産をまず業者さんにお渡しして、業者さんのお金で維持管理するんですけど、20年後、損料というか、それなりに損耗が進んでいる状態で、20年後資産返された時に、まあどういう状態であるというのが、適正なモニタリングというか、要求水準書に書いてあるとか、そういう形が、今難しいかもしれませんが、教えていただければと思います。 

A15.-1 緒方昭範企業局次長

今回民間企業のほうにですね、設備の維持管理更新工事をお願いするということになります。これは、県がですね、今後20年間やったとした場合に、県側の計画を民間側にお出しします。それを予定水準のベースになります。ですので、その計画に基づいて、 民間のほうで精査をしていただいて、もう少し長寿命化が図れるだろうとか、もうちょっと早めに更新したほうがいいよねって話があると思いますが、それをベースに更新していただきますので、20年後においても現状と同じベースの資産状態でお返しいただくことになるというふうに考えております。

Q15.-2 Oさん

すいません、ありがとうございます。ちょっと引き続き追加で聞きたかったんですけど、先ほどの最初の統廃合、ダウンサイジングっていうのも、その中に含まれていて、まあ、大崎市って、他に比べれば人口の減少が大きいのかなっていうイメージはあるんですけど、その辺もモニタリングをして、たとえば「もう2年後にはやめる施設はもう修繕しないよ」とか、「ポンプ3台あるのを2台でもういいよ」とかいうのは、県からの計画を業者さん側に伝えて実行するというような流れでよろしいんでしょうか?

A15.-2 緒方昭範企業局次長

ハイ、県としてですね、将来的に人口見合いで使わなくなるであろう施設というのも想定はしてございます。ただ人口の減少はですね、現状の想定ベースになっておりますので、実際に誤差はあるとは思うんですが、その段階において、たとえばですが、大崎はですね、麓山浄水場から行ってる水と、あと一部ですね、中峰浄水場というところからですね、黒川郡に送っている部分があるんですね。現状ですと、まだ2つの浄水場を持たないと、松島まで供給できない状況になっております。

ただ、20年ちょっとぐらいすると、たぶん、中峰浄水場はなくても送れるようになるんじゃないかなあと踏んでますので、中峰浄水場への過剰な設備投資はしないというベースを今回も提案はしております。

また、管路についてもですね、人口が減れば今の太い管路じゃなくてもいいんですが、今、ダウンサイジングをしていくということは、非常に無駄です。まだ管路の減価償却部分ございますので。

下流側からですね、耐震性能の向上とか、そういう部分で管路を取り換えなければならない部分については、そのダウンサイジングを考慮して、今350の管を将来的には300で良くて、今でも300で充分送れるよって部分については、小さくして入れていっているのが現状であります。

Q16. Pさん

下流細くしたら詰まっちゃう、そうだよね。なんか、あの、下流を細くしたのならば、上流が太くて下流を細くしたら、どうなんでしょうねえ。

A16. 緒方昭範企業局次長

下水と逆ですから、水道は下流、末端が一番少ない量が流れているので、一番下のほうから小っちゃい細くなっていって、一番浄水場に近いところが太いというのが現状であります。

Q17.-1 美里のQさん

42ページ、43ページについてなんですが、この9事業合計で約247億円削減効果とあります。先ほど、どなたかも質問したんですけども、その根拠ですね、根拠がよくわからない。それと同時にこの247億円というのは何年間の話でしょうか? 

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A17.-1 緒方昭範企業局次長

期間は20年間ですね。20年間県がやったとすればというのに対して、247億円削減できるのではないだろうかというふうにしています。

これは、左側の現行体制モデルを、人件費とか、動力費とか、いろんな分配でですね、費目ごとに分けまして、それで費用をお出ししました。それに対して、民間側にお聞きしたところ、人件費についてはこれくらい削減できるよね、というような話がございまして、それを集計した結果をベースとして、今回の試算値という形にさしていただいたということです。 

Q17.-2 美里のQさん

20年間という話でした。じゃあ20年後はどうなるんでしょうか? 心配なんですよ、そこがね。先ほど説明者の話だと、20年後については私は言えないと。これからずうっと水道続くんですよ、私たち。

そういった意味で、43ページに、「料金上昇の抑制を期待するものです。」

期待では私たちはね、安心できないんですよ。みなさんがこれだけの提案をするのですから、これからずうっと大丈夫ですよという答えがなければ、私は、直ちに撤回すべきだと思うんですね。20年後どうなるんですか?

A17.-2 緒方昭範企業局次長

20年後どうなるのかっていうのはちょっと、なんとお答えすればいいのかわからないんですが、20年以降もそれぞれの設備にかかる更新費用は出てまいりますので、同じようなペースで削減していただけるんじゃないかなと思うんですが、今回改めて応募さしていただいて、入ってきた数字が最終的なこの削減効果という形になったと思います。

ですので、ここはあくまでも期待値でしかないというのはおっしゃるとおりです。ここについて、将来的に上昇抑制を期待するというのは、いくら期待できるかということに対しての言葉でございまして、ここで削減された分は、あくまでも県民や市町村へ還元するものだというふうに書かせていただいたのであります。

Q17.-3 美里のQさん

20年というと一時ですよね。私たちがずうっと生きている限り、水は飲みます。だからこれだけの削減ができるんだという期待が、みなさん持ってると思うんですね。

ところが、20年経ったら、それはもう今度逆転して、さらに料金に加算してくる可能だってありますよね。だから、じゃあ20年後はどうなるんですかっていうことを、はっきりと明示していかなければ、私は、これに対してみなさん不安はずうっと持ち続けると思います。

A17.-3 緒方昭範企業局次長

20年後はどうなるんですかっていうのは、先ほどからずっとお話させていただいてるんですが、この35ページのように、水道の使用量これから減ってくるでしょう。 

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それに伴って、これくらいの水道料金を上げざるを得ません。ですんで、これを、これくらいコスト削減が図られれば、これくらい抑制することが可能になるんではないでしょうかという話をさせていただいています。

ただ、この幅については先ほど言ったとおり、この247億円というのがいくらで入ってくるかによって決まってまいりますので、そこだけはちょっとわからないと言っております。ですんで、20年間については、この試算値どおりコスト削減が図られれば、20年後には、料金は、20年間の間については、ここまで抑制することは可能ではないのかと思ってございます。

ただ、この水道料金というのは、我々は卸売りの値段として、市町村に卸している値段になりますので、一般の方々が水道料金としてお支払いしているのは、最初にお話したとおり、市町村の水道事業の運営費を含んだ形で水道料金決定されておりますので、 このまますっかり、このまま市民の方々にいくかどうかは、各市町村によってわからないということであります。 

Q18. Rさん

今、将来のお話出ましたけど、今までのことについて、こちらではどんなふうに把握されていますか。水道事業が宮城県で始まって何年経ってるか、どういう結果になったか、もしあったらお知らせください。

申し上げますと、実は、せっかく古川にいらしたんですからお話したいと思います。 ご存知かもしれませんが、日本で水道事業が始まったのは、コレラがあったんですね。それで、古川もその中に入ってまして、全国で2番目の水道です。明治16年、年号で 申し上げますと1883年です。

osaki-water.com

その当時の古川は村でして、大柿村と稲葉村と中里村の三つが一緒になろうという時期です。で、そこで、資産家の方が、村長というか、公益のチーフになられてね、水道を作られたという記録がございます。そして、それを記念する胸像が、市民会館の入り口のところにずうっとありました。それから、そういう経過の歴史を、古川市ではなんか40年ぐらい前に、古川の水道の100年という冊子を作りまして、みなさんにPRされております。

ですから、今日みなさんが説明会なさってますが、古川ではそういう水のありがたさ、それから水の送り手と受け手の間のいろんなことについての苦労話、あるいは水道事業が大変だということなどについて、ちゃんとPRというか理解をしています。そして、大崎市が出来上がっているし、隣の鹿島台では水害との歴史を持っています。

ですから、よくぞここへ来ていただいたということになります。ただ話の中身が、大変とんでもないお話を持っていらしたんじゃないかと思います。以上です。

Q19.-1 古川のSさん

59ページの参加資格についてのところなんですけれど、外国会社に該当しないことと書いております。 

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最近聞かれるのですはね、ヨーロッパで水の公営化が進んで、多国籍企業であるスエズ社とかヴェリア社とかがね、日本の水事業に参入しようとしているということをお聞きしています。そして、これで言えば、外国会社に該当しないと言いますけれども、外国資本が入った子会社って言うんですか、子会社を作って参入するということは、OKなんですか?

A19.-1 緒方昭範企業局次長

基本的に、日本法人の資格を取っていただかないと駄目ですよと。

ヴェリアについては、ヴェオリア・ジャパンという会社をお持ちになってまして、日本全国で水道事業とか下水道事業をやっております。で、スエズさんは、スエズ・ジャパンというのをこないだ作ったみたいです。ですんで、先ほども申しましたが、スエズは日本での実績はないということになっておりますので、スエズ単体では、応募できないだろうと今思っております。

Q19.-2 古川のSさん

私は、パリの再公営化がされたという文章を読んだときに、やはり大手企業が下請けを使いますよね。そして事業をやらせる。そうしますとね、全部系列したところに頼むというか、そういう形で費用がかさんで、そしてそれが、ある意味では、料金の値上げに跳ね返っていったということが書かれています。ですから、50億の企業で、さっき質問された方が資本じゃないよっておっしゃいましたけど、私から見たら大きな企業なんだろうと思いますけれども、そういうところが引き受けて下請けに出すとすると、それは系列会社に出すとね、費用が競争にならないで高くついて、それが跳ね返っていくというパリの状況なんかが再現するんではないのかなっていう心配や考えたりします。

やはり私たちは、命の水はね、本当に公営でやっていただきたいと私は思います。民間に譲り渡すようなことはしないでほしい。

そして、その会社がですね、引き受けた会社が、40ページにある性能発注でこれは安くなる、これは管理できる、安く導入できるっていろいろ例を書いてますけれど、ホントに安くできるのかなっていうふうに疑いを持っています。薬品なんかも、安くできるというふうに書いてますけれど、ホントに安くできるかどうかっていうのを疑っています。

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A19.-2 緒方昭範企業局次長

えーとー、なんとお答えすればいいのか、よくあれですが、下請けに出して経費がかかるかどうかは、この会社の判断によると思います。

この43ページのように、我々とすれば、20年間いくらでやっていただけますかという部分をご提示いただくことになりますので、それがベースになります。ですんで、この表で言うコスト削減して、これだけでやりますっていうふうに宣言していただきますので、それから「下請け構造が悪化して経費がかかるのでもっとください」というのは、基本的に受け付けないということになっております。ですんで、コストが増加するということはないというふうに言ってるものであります。  

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で、もう一つ、あのー、なんでしたっけ、性能発注とか薬品費でコストが下がるというのは信じられないというのがあると思いますが、それは、我々がどうやってコスト削減していくのか想定の域でしかございませんが、民間側に聞き取りをした際に、そこについては何パーセント削減は可能であるという話をいただいて、試算値を積み上げたものが247億円だということでありまして、信じるか信じないかは、このお金を入れてみた時にこの247億円という数字がどの程度入ってくるかによりますので、我々とすれば、247億円のコスト削減は期待できるのではないかというふうに踏んでいるということです。 

Q20. Tさん

今回大崎で開いていただき、ありがとうございます。とても県民に対して、情報公開に積極的ということで。今後とも、是非ともこういう討論会というか、県民に対して情報公開していく予定といいますか、何回ぐらい予定しているのかというのと、あと場所ですね。

あともう一つ、第一回目あたりから言われている、「この削減項目の部分の根拠となる数字を出してください」という意見が聞かれてたんですけど、根拠となる数字がいつ頃出てくるのか教えていただきたいんですが。

A20. 緒方昭範企業局次長

説明かにつきましてはですね、何回でも、今いろんなところからですね、説明に来てくれっていう話がございまして、一切断っておりませんので。説明会をしてほしいというところには、すべて出向いて行っております。

今日もですね、時間制限は設けておりませんし、みなさんのご意見が出終わるまでエンドレスでいこうというのは、みんなで共有している部分です。仙台市の説明会の時に、2時間で切られたっていう話が新聞に載ってましたが、あれは仙台市さんが勝手に切ったわけで、我々は切る気はなかったので、ご理解いただきたいと思います。

あと、事業費の内訳の根拠ですが、これホームページのほうに、もう載ってございますので、そちらのほうをご覧いただければと思いますが、みやぎ型管理運営方式のホームページがあるんですけど、そこに入っていっていただくと、事業費の根拠という部分がございますので、そちらをご覧いただければなあと思っております。

Q21. Uさん

そのホームページみんな見られるわけじゃないんで、県政だよりとか、臨時県政だよりとか出したらいいじゃない。そして、ポンプの台数もわからないのに、コスト削減額が出せるわけがないですよ。

「みやぎ型管理運営方式」を可能にする条例改正案可決後、初の県民向け事業説明会!!    大崎合同庁舎での質疑応答の前編です!! 

2020年2月1日、「みやぎ型管理運営方式」を可能にする条例改正案可決後、初の県民向け事業説明会が、大崎合同庁舎と白石市中央公民館の2会場で行われました。

「みやぎ型管理運営方式」県民向け事業説明会

 

河北新報の報道によりますと、この説明会の参加者は、大崎合同庁舎会場が63人、 白石市中央公民館会場は35人だったとのことです。 

www.kahoku.co.jp

私は、大崎合同庁舎での事業説明会に参加しました。ご本人の許可を得ていないため、質問なさった参加者のみなさんのお名前や肉声を公開することはできませんが、切実な思いが込められた質問の数々は、お話しなさっている方の人生そのものの重みを感じさせられるようなものばかりでした。

文面だけでは、みなさんの熱が伝わらないもどかしさはありますが、一言たりとも聞き逃したくないという気持ちで文字起こしさせていただきました。

今回の説明会の資料そのものが、海外の水道事業は再公営化の流れがメインだと言っているのではないか?

Q1. 大崎市のAさん

海外では再公営化が主流ではないのかという県民の不安の声に対してのお話がございました。 資料の82ページ。

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県としては民営化を推し進める立場ですから、当然(再公営化は世界の)主流じゃないということを述べたいわけですね。そういうような観点から見ていきますと、82ページのこれは明らかに再公営化は1.1%ということなので、県の主張と合ってると思うんですが、83ページに行くと、 

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2010年から6年間で同じ件数で再公営化してるということで、物は言いようで再公営化が一方的に進んでいるとは言えない、でも、増えているというようなことは言えるわけですね。

で、なおかつ、2016年以降の数字はないんですが、次の84(ページ)に行くと、

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パリの事例がございまして、結局、失敗の原因と顛末というのは、項目の4つ目にですね、水道事業を再公営化したとありますよね。形はどうあれ公社というふうに再公営化した、と。パリの人口は200万以上ありますから、ページ戻って、83ページの再公営化した人数64万人、これは増えるわけですよね。おそらく2016年以降はパリの分も含めてですね、増える方向にあるという傾向にありますね。

そして戻ってですね、85ページ 行きます。

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今度はベルリンです。ベルリンは今いろんな話がされましたが、一番下にですね、わざわざ線が引いてましてですね、市が100%出資の公社に戻された。これはいわゆる再公営化ですよね。するとこの資料は、再公営化が主流だというふうに言ってませんか? だから、次のページの86ページの青い色の「再公営化の事例から得られる教訓」。 

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これは、再公営化がメインだからそこから教訓を得ると、そういうことでしょう?  この資料は、再公営化が主流だと言ってませんか? 以上です。 

あるジャーナリストの方々が「再公営化が主流だ」と言うので、「主流ではありませんよ」という話をしているだけ 。

A1. 緒方昭範企業局次長

再公営化が主流だとは言ってませんが、あるジャーナリストの方々が「再公営化が主流だ」と言うので、「主流ではありませんよ」というお話をさせていただいているだけであります。ですので、具体的な資料でご説明するとということで、今回この資料を出させていただきましたが、82ページについての1.1%のところはですね、83ページでいう68件ぐらいですよという話をしているだけであります。

で、フランスの再公営化っていうのは、まあ政治の道具にされてしまったという部分もあって、フランスの公務員形態と日本の公務員形態が違っておりますので、私もフランスに行ったことはないのでよくわかりませんが、最終的に形として商工公社というところに改組したというのが確かだというふうに聞いております。ただ人員的には、もともとの会社ですね、ここで言うSAGEPというところの人たちが、そのまま商工公社に移っただけだというふうに伺っておりますので、大きな意味では再公営化と言えば再公営化かもしれませんが、形は大きく変わっていないということです。

次のベルリンもですね、公社に戻ったということですが、正式に書けば公社に戻っているのでこういうふうに書かせていただいているだけであって、もともとの問題はお金を払って公社に戻したということではないということを言ってるだけであります。 

いつまで経っても不安だらけで、安心なんかできない。命の水が寝耳に水に、今なっている。 

Q2.-1 松山のBさん

いまのアドリブの入った説明で理解が進みました。で、私は指定管理者制度、民営化、賛成派です。推し進めるべきだと思います。ただ、今、私たちは、安全安心をセットで言われますけども、皆さん役所の方、先生方ですね、安全なものを作ったからすぐ安心はできないですね。ずっと不安や心配がある限り、いつまで経っても不安だらけで安心なんかできないんですよ。まずそれを、間違ってますから、言い方を改めてほしい。

それから、質問です。今20個ほどメモしたんですけど、時間がないようですから、3つだけ。

197億円のコスト削減ですね、民間の方に宮城県の実績ですか、それを提示して見積もらせたというふうにお聞きしましたが、ではですね、上工下水道事務所、浄水場、浄化センター、合わせていくつありますか? 事務所、それから、下水ですと、途中でバキュームかけないと浄化センターまで送られないと思います。ポンプの台数が、ポンプ場が何個あるか、これ電気設備ですね、管路は含めないとおっしゃりましたので、電気設備です。

それから、指定管理者制度が、確か沿岸部と登米の中では指定管理者制度になってたと思います。なぜそちらのほうを外して、こちらのほうだけがコンセッションなのか? 

もう一つ、その施設の鍵ですね、セコムとか、なんでしたっけ何社かありますけど、カードで鍵を開けたり閉めたりするんでしょうが、それは今職員がやってるそうですね。鍵当番、誰がやるのか、たぶん、浄化センターとか小野田の大崎広域水道事務所でも、カードで鍵を開け閉めしているかと思います。今はたぶん職員だと思います。それが運営権をこのようにしたときに、鍵当番、誰やんのかな? アルバイトのお姉ちゃんじゃダメでしょうしね。それをしっかり。ちょっと今3つ、4つですか、これは今回答できなくても、すぐ公にしてもらわないと不安ですね、やっぱりね。今、政府がコロナウィルスをね、指定感染病にした。ここで私マスクをしてなかった。受付でマスク欲しかったですね。終わりです。 

A2.-1 緒方昭範企業局次長

事務所の数は、水道事務所がですね、大崎に一つ、あと白石ですね、仙南仙塩広域事務所が一つの二つございます。あと工業用水道を運営している工業用水道管理事務所というのが一つ、あと下水道がですね、阿武隈川鳴瀬川、吉田川、仙塩流域、この4つを管理している事務所が一つ、あと東部の石巻方向の北上川下流北上川下流東部と迫川流域を持っている事務所が一つ、5つ事務所がございます。で、これを減らすことは今の段階では考えておりません。ポンプについては・・・ 

(他の職員が代わって答える)ちょっといいですか? 施設の数ということで、ポンプ場のお話ございました。水道の2事業につきましては、大崎のほうに一つポンプ場がございます。あと工業用水に関しては仙台圏のほうが一つ、あとは仙塩工業用水のほうが一つということで、ポンプ場の施設はそのようになってます。それで下水のほうなんですけれども、北上下流、北上東部のほう結構数がございまして、十数か所あったかと思います。詳しい数につきましては、はっきりした数字は申し訳ございませんが、10から20というぐらいのポンプ場の数は下水のほうはあると思います。

(緒方次長の答弁に戻る) 3つ目のなぜ石巻方面と迫川を外したのかっていうのは、最初にご説明したと思うんですけど、石巻方面は水道事業を石巻広域水道事業団というところがやってまして、そちらとの連携を図ったほうがいいだろうと考えたと。また、迫川についてもですね、基本的には栗原市さんと連携を図っていく方向が有効的ではないだろうかというふうに思ったということです。あと鍵ですけど、ちょっと実態はどうかというのを・・・

(他の職員が代わって答える)事務所の施錠のお話があったかと思います。説明の中にこれまで浄水場の運営管理は民間事業者に委託している30年というところで、民間事業者のほうに365日24時間業務委託をしているところございます。それで、事務所の職員が365日24時間事務所にいるわけではございません。先ほど、仙台市の例を上げましたけれども、直営で事務所のほう運営をやっているわけではございませんので、委託業者のほうに管理のほう任せてるというところがございます。職員は残業等で遅くなる場合は遅くまでいますけれども、その場合、最後出られる職員がですね、事務所の施錠をしたうえで24時間いる中央監視室のほうに鍵のほうを渡して、事務所のほうを退所するという形で、職員が対処した後は門扉のほうを閉めてですね、監視カメラのほうで中央のほうで監視するという形で浄水場のほうの管理をやっているという形でございます。

Q2.-2 松山のBさん 

ポンプ場、下水、さっきね、いろいろ調べたら38ありますね。松山にも一つありますね。あと沿岸部、迫のほうがなぜ外したの?ということ、私は指定管理者制度入ってるからじゃないかなと思って、だからお聞きしました。小野田の大崎工水は、5年間で何とか水会社か、どっかでやってますね。それもちょっと疑問です。それから鍵当番ね、鍵当番は余計な話ですけど、職員が施錠して、しっかり監視カメラでということですけど、20年ぐらい前ね、ある事務所の駐車場で練炭自殺した方が、朝死体で発見されたということがありました。あとは労働災害。脳溢血、脳梗塞で誰かが午前1時ごろ死んでいただとか、そういう危機感ですね、リスクマネジメントは、いまだにはっきりしません。以上です。

A2.-2 緒方昭範企業局次長

東部が指定管理者となってるんですけど、下水道はですね、すべて今の委託契約上はすべて指定管理者制度になってますので。水道がですね、業務委託契約です。工業用水道がですね、包括業務委託契約ということで、ちょっと契約形態違うんですけれども、契約時に指定管理者制度がなかったいうことで、下水道はですね、土木部にございますんで、土木部で指定管理者制度をすべて引いていたということであります。

また、大崎広域水道の麓山の敷地では、入り口の門扉は基本、常時閉扉です。閉まっている状況です。で、カメラ監視が入っておりまして、実際に門のほうに入れる方だけが開けられるようになっているということであります。

Q2.-3 松山のBさん 

わかりました。最後に、繰り返しになりますけれども、命の水が寝耳に水に、今なってますから、ご勘案ください。以上です。

命の水を民営化にしちゃ駄目。一番肝心なとこを民間に任せちゃ駄目だ。

Q3. Cさん

簡単に今言ってきましたけど、命の水を民営化にしちゃ駄目です。

そして、3ページ見てください。 

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赤い区切られたとこ、ダムから水源ですね。それで浄水場。ここだと門沢から取水しますけど、その部分が一番、民間に任せて駄目な部分じゃないですか。ここが崩れたら、どんな監視しようとわかんないですね。それを今でもちゃんとなってるわけですから、なぜここで、まあ税金の無駄遣いということで、人口減とかいろいろ言い方はあると思いますけど、一番肝心なとこを民間に任せちゃ駄目だと思います。意見です。 

A3. 緒方昭範企業局次長

ありがとうございます。

運営権者との契約内容を県民が知ることはできるのか? 

Q4. Dさん

県民がチェックできる部分において、たとえば、運営権者との契約内容を県民が知ることはできるのでしょうか?

令和3年6月か9月議会で議決すれば、本契約をすることになり、情報公開条例で開示できるようになる。

A4. 緒方昭範企業局次長

この工程の中で運営権設定の提案・議決というの令和3年6月か9月議会、ここで議決 いただければ、本契約をすることになります。

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そうなると、契約書というのは、情報公開条例で開示できるようになりますので、その状態では見れるということになります。

Q5.-1 古川のEさん

3点お話したいと思います。

再公営化できたのは1%というのは、むしろ一度民営化をしてしまったら、元には戻せないということの証明だ。そのことをもっと深刻に考える必要がある。 

一つは、先ほど話になったヨーロッパ中心とした再公営化の話なんですけれども、再公営化されたのはですね、全体のわずか1%であるという話をしていますけれども、私は再公営化された事業だけが民営化の失敗事業だとは思っていません。

再公営化できたのは1%というのは、むしろ一度民営化をしてしまったら、元には戻せないということの証明なんですね。私は、そのことをもっと深刻に考える必要があるのではないかと思います。失敗しても、再公営化できるのはほんのわずか1%なのであって、失敗したとしても元には戻せない。これがね、民営化の実態なんじゃないかというふうに思うんです。ですから、残りはみんな成功してるんだみたいな説明の仕方は間違ってると思う。これが一つ。

20年後以降はどうなるのかということについて、「引き続きこの事業の形態で行きます」とか、説明も一切ない。ホントに持続可能なのか。

それからもう一つですが、この民営化の事業が最初に問題になった時に、県のみなさんが一生懸命説明していたのですはね、管路など設備の更新費用が莫大にかかると、これを賄うために民営化して経費を削減するんだということでございました。

ところが、資料35ページの表を見るとですね、 

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設備・管路の更新は約40年が経過して更新が必要と書いてありますが、説明の中では約60年もつと、あと20年は本格的な管路更新はしないということですね。

それでその下の表を見ると、大崎広域水道もそうですが、本格的な管路更新となってるのは、平成26年度から。今、民営化事業としてコンセッションで進もうとしているのは、平成4年から20年間ですから、つまり今民営化を進めている中では、本格的な管路更新はしないということなんですね。これは最初の説明というのは、根本的に違ってるということなんです。

じゃあ20年後以降はどうなるのかということについて、引き続きこの事業の形態で行きますとか、ということについての説明も一切ないと、私は認識をしております。これがホントに持続可能なのかということが大いに心配されます。

良くなるというのは非常に根拠はなくて、悪くなるということについては、今と変わらないんだという説明しかない。今急いで民営化をする必要はない。

それから3つ目です。総事業費として247億円削減されるという数字だけが先走っていると思います。この根拠はというとですね、ただ事業者のみなさんがこれだけは削減できると言った数字を出しただけなんだと。私は具体的な根拠に極めて乏しい数字だというふうに思っています。ですから、この数字を根拠に民営化を進めるのはやめるべきだというふうに思います。

それからもう一つ言います。この事業費削減以外に何か良くなることはあるのかというとですね、たとえばモニタリングの説明、情報公開の説明などについてもですね、水質の問題もそうですが、「今と変わらないんです!」という説明しかありません。

良くなるというのは非常に根拠はなくて、悪くなるということについては、今と変わらないんだという説明しかない。これ、やっぱりね、今3つの点から言いました。もっと言えば、沢山ありますけれども、そもそも今急いで民営化をする必要はないという結論になるしかないと思います。いかがでしょうか?

A5.-1 緒方昭範企業局次長

全くもって民営化ではない。県が事業主体であることは一切変わらず、民間の力を借りて、官民連携のもとで水道事業を進めたいと言っているだけ。

再公営化されたものは失敗しても元に戻せないものなんだということだったんですが、あの別に私、再公営化の問題についてご議論する気は全くもってありませんで、我々が進むべき道として、やはり民間の方々のお力を借りたほうがいいよねっていう話をしているだけであります。

民営化、民営化とおっしゃってますが、全くもって民営化ではございません。県が事業主体であることは一切変わりませんので、民間の力をお借りしてですね、官民連携のもとで水道事業を進めたいと言っているだけでございます。なので、その辺はご理解いただきたいと思います。

また、管路の更新はですね、20年後から本格的になってくるんだというのは、この表にも示した通りその通りでございます。

話がですね、今回の事業は20年間で進めてまいりますので、基本的にその後もですね、できればこのままの形で進められればいいなあと思ってますが、敢えて、20年後の先について「このまま行きます」というのは、私が今の段階でお話しできることではないので、言っていないというだけであります。

また「247億円の具体的な根拠がないだろ」。確かにそのとおりであります。民間企業のほうで聞き取りした結果をベースに試算した形がこの形でありまして、先ほどもお話させていただきましたが、最終的には応募させていただいて、民間事業者のグループの方々が「いくらでやれます」というふうに入れた数字が最後の数字になります。

ただ、我々としても、浜松市で下水道のコンセッションをやった時に、浜松市の試算値は約7%減でございました。それに対して、入札というかお金を入れてみたら、結果的には14%となったということもありまして、我々としてはこれくらいの数字は期待できるのではないだろうかとお話させていただいてるだけであります。これをベースとして民間事業者の方に検討を進めていただきたいというふうに考えているところであります。

水道事業は変わらないことがベスト。その上で水道料金が高止まりにならないように努力していくことが我々に与えられた責務だ。

また、コスト削減のほかに何にもいいところがないじゃないかということですが、水道事業は変わらないことがベストだと思っております。今のまんま、美味しい水が飲めることが、すべてにおいて前提条件となっておりますので、それがベストなことでありまして、その上でみなさんがお支払いする水道料金が高止まりにならないように努力していくことが、我々に与えられた責務だと思っておりますので、安全安心な水を安定的に供給することが、何も変わらず送り届けることが、全ての原点だと思ってございます。 

Q5.-2 古川のEさん

住民の理解が得られていないという現状で、やはり強引に進めることはやめるべきだ。この点で浜松を見習うべき。

質問だけで終わる予定でしたが、今ちょっとお話が出ましたので。水道事業は、変わらないことがベストだと。これは語るに落ちたなと思っております。(失笑が起こる)

変わらないようにやはりしなければならないんじゃないかと思うんです。今の体制をやはりどう維持していくのかということを基本に考えるべきではないのかというふうに思います。

事業費の削減について具体的な根拠はないということはお認めになりました。浜松の例を挙げられましたので、一言やはり言っておきたいなあと思うんです。

今こうして説明会やられております。そうは言っても、やはり、なかなか住民の中での理解というのは進まないんじゃないか、これは現実だろうというふうにも思います。

浜松の場合は、下水道はコンセッションを導入しましたが、水道事業に関してはやはり市民の同意が得られないということでね、無期限延期ということになっております。

先ほど浜松の例を挙げられましたので、やはり住民の理解が得られていないという現状でね、やはり強引に進めることはやめるべきだと、この点で浜松を見習うべきだというふうに思います。それで申し添えておきたいと思います。(拍手が起こる)

A5.-2 緒方昭範企業局次長

ありがとうございます。基本的にですね、現状の体制と大きく変わらない形で進めていくんですね。基本的には大崎広域事務所も残っていますし、設備をお願いしていきますので、設備にかかる職員が多少減ってくるかなあと思いますが、あえて今度はモニタリングをする場としての職員が必要になってまいりますので、大きく人間的な移動はないのかなあというふうに思っております。

Q6. 涌谷のFさん

247億のコストダウンというのがどこから来るかがよくわからない。今の県職員が少しサボってるんじゃないか。

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47ページ見ますと、水道料金は結局上がっていくんだと、ただこの改革というのは、 上げ方を少し減らすんだという話なんですが、なんか、ちょっと非常におかしいなあと感じ、不安だなあと。お話を聞けば聞くほど、今の県職員がいないとまともな水道事業はできないのではないかという感じがするわけです。

そして、さっきもちょっと出てましたけども、247億のコストダウンというのがどっから来るかっていうのがよくわからないんです。今の県職員が少しサボってるんじゃないかというそういう話に結びつくわけですよ。もっときちっと働いてコストダウンしたらいいじゃないかというふうな気がするんですが、違いますか? 

何か今の民間に任せられない。県の監視がないときちっとやれないという感じだけが、ちょっと強く持ちました。

A6. 緒方昭範企業局次長

公共調達上、価格競争ができないということになってる。そこは民間に任せたほうが、適正な調達ができる。

35ページのこのグラフを見ていただくとわかるとおり、水道を使う量がどんどん減ってくるんですね。 

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水道減ってくるとすれば、一番最初にお見せした南部山、白石の施設なんですけど、 この施設の中に水を作るための施設が入ってるのね、その設備を使って水を作っていくので、水を使う量が、要するに浄水場から吐き出す水の量が減っていけば、当然一立米あたりの単価が上がってくるのはおわかりだと思います。

水を作るのに必要な施設は変わらないんですよね。ですんで、水の量が減れば、当然ながら水の単価が上がってくるということになります。これはご理解いただきたいと思います。そうすれば、当然ながら料金は上げざるを得ないということであります。

で、「247億円、県職員サボってるんじゃないか」。そうじゃなくて、公共調達というところにおける限界ってのがございます。たとえば、県が全体9事業まとめてやればいいじゃないかという話もありますが、県は見積もりを取って、その価格を最低値として入札をさしていただきます。そうすると、どうしても高止まりになってしまうんですよね。

で、たとえば私がA社さん、B社さんに、あなたのところに10年間お任せするからいくらでやってよって言った途端に私つかまっちゃうんです。それは公共調達上できない、価格競争ができないということになってる。なので、そこは民間の方々にお任せしたほうが適正な調達ができるのではないかというふうに考えてるぶんであります。 

Q7. 美里のGさん

水道はずっと継続するのがいいと言うのだから、今まで通りでただ期間を伸ばすことで済むことじゃないか。

質問3点です。

一番最初はですね、40ページのところににみやぎ型管理運営方式のあれが出てますね。

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まあ決まっちゃったことなんで意味がないかもしれませんけども、今の話とも若干関係あるんで、私のド素人考えなんですけども、たとえば現在は4~5年ぐらいの業者との契約期間になっているのを、今度コンセッション方式とかで20年にするとか、まあ、発注方式も、今までは仕様だったのを性能にするとかって、今やりゃあいいんじゃないですか、これ。なんでわざわざ、その新しい運営者を入れるんですかね? 

契約期間を今度から10年にしますと言えば済むんじゃないの? それから仕様発注してたそうですけど、もう性能発注にしますと言えば、業者は喜んで、「ああじゃあ、同じ性能発揮するんだったら、これこれ方式だとか、AI入れる」とかってバンバカやるんじゃないですか? 

いみじくも、あんまり変えたくないっておっしゃってましたね。水道っていうのは、 ずっと継続するのがいいって言うんですから、今まで通りで、ただ期間を伸ばすことで済むことじゃないですか。

次、44ページ。 

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私、実は理系のつもりだったんですけども、今、でも3回計算してんですけど、わからない。大崎広域水道事業というところに、現在、630億かかるということなんですかね。それが夢の事業をやると549億で済むっていうんで、削減が82億だって出てますよね。出てますよね? これ、正解なんですかね? (失笑が大きく湧き起こる)

みなさんからすれば、1億2憶なんて屁でもないでしょうね。私、1億もらったら、すぐこの場から逃げてですね、パチンコでも行こうと思うんですけど、どう考えても、この資料って県の資料ですよね? お役人ってみんな全員が東大出てるとは思いませんけれども、学院も東北大もいると思いますけども、630引く549てのが、なかなか82にならないので非常に困っております。

最後に80ページ。 

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今日の緒方さんですか? 次長さんとかっておっしゃっておりましたけども、この80ページのところ説明してるときですね、感極まったのかわかりませんけども、「上がるってことは絶対にない!」って明言されましたよね。個人として言ったんでしょうか? それとも、ちゃんと県のですね、こういういわゆる公聴会っていうんですか、こういうところで公式に言ったのか、確認をお願いします。以上です。 

A7. 緒方昭範企業局次長

4年から5年を20年間にやれなくはないが、債務負担行為を取らないといけない。議会で20年間保証する債務負担は取れないだろう 。

ハイ、まず40ページですかね。40ページの4年から5年を20年間、これ、やってやれなくはないんですが、債務負担行為を取らないといけないということで、議会のご承認をいただく、その時、議会のほうで「20年間保証しますよ」と言っていただければよろしいんですが、なかなか20年間の債務負担は取れないだろうというふうに踏んでいるだけでございます。

また、仕様発注から性能発注にするということも、やってやれなくはないと思いますが、現在役所の公共調達の仕組みが、仕様発注をベースとして動いておりますので、 性能発注に変えるための、性能を何で評価するかという部分をきちっと作り上げていかないとならないだろうなと思っております。

44ページですが、申し訳ございませんが、これ端数をですね、いじらせていただいてるんですね。すいません。630.28とですね548.44ですね。なので、81.84になって82ということで、四捨五入と切り上げ切り下げをごちゃごちゃにしてしまってるのが、そこの表記のミスだったと思います。ですので、できましたら、630と548で82億とご理解いただければと思います。

80ページですが、私が申し述べさせていただいたのは、勝手に料金を上げることはできないんですっていうのは、絶対ありませんと言いました。これは要するに運営権者が「絶対これじゃないとできないよ」という話を、そのまま鵜呑みにして市町村間協議に諮ることはできないので、「勝手に料金が上がることはあり得ません」と、申し述べた次第であります。

 「大崎合同庁舎での質疑応答の後編です!!」 に続きます (^O^)/

水道3事業運営権売却を可能にする条例改正案を宮城県議会が可決!! 最終討論を振り返る(2)改めて論拠を確認する。

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さて、最終討論で述べられた意見は、どのような観点から検討すべきなのか。

基本中の基本ですが、次の3点について、信頼できるデータに基づく根拠があるかどうかですよね。

① 出発点である現状の把握は的確なものであるか。(スタート地点は?)

② 達成したい具体的な状況と、それを実現するための時間軸の長さは、適切に設定されているか。(ゴールは?)

③ ①を②へと導く手段は、ありとあらゆる方法を漏れなく比較した上で、最適なものが選ばれているか。(プロセスは?)

 

出発点である現状の把握は的確なものであるか?

横山のぼる建設企業委員(公明党県議団)

現在でも、宮城県の水道料金は、全国平均に比べて極めて高いという課題もあります。こうした状況を踏まえれば、水道事業の改革は、全国的にも急がれる課題でありますが、特に本県にとっては待ったなしの課題であると考えます。」

 「今年の出生数が初めて90万人割れをするなど、日本の人口減少は我々の想像以上のスピードで進んでいます。この急激な変化に対応していくために、いま水道事業の改革に着手をしなければ、未来に禍根を残すことになりかねない」 

受水市町村からは、できるだけ早期に改革に着手し、水道料金の卸値を抑制してほしいとの声が上がっております。こうした声が聞かれるのは、市町村の水道事業がすでにひっ迫していることの表れ」 

このご意見を一言でまとめると、

宮城県は今すぐ水道事業の改革に着手しなければ大変だ! 

ということです。

給水人口の減少や老朽化した管路の更新需要の増大は、全国どこでも問題だけれども、宮城県はもともと水道料金が高いのだから、待ったなしの状況だ! 

だから今すぐみやぎ型管理運営方式を導入すべきだというご主張です。

焦るお気持ちはよくわかります。ですが焦っている時こそ、間違った方向に猛ダッシュで走り出してしまっていないか、いま一度気を落ち着けて冷静になる必要があります。

まずは、大規模災害時のトリアージのように、優先的に着手すべきことは何なのかを、見極めることが重要です。

それは、横山のぼる議員のお言葉にあるとおり、「市町村の水道事業がすでにひっ迫している」ことへの手当てですよね?

 

    「みやぎ型管理運営方式に係る 県の基本的な考え方について」より

 

みやぎ型管理運営方式の対象事業は、上図の赤線で囲まれている部分ですが、それ以外の市町村水道事業、公共下水道事業(市町村)こそが、すでに、水道職員の確保も困難なくらい疲弊している現状があります。

もしみやぎ型管理運営方式で県からの水の卸値を抑制できたとして、それでもう、この市町村の水道事業の問題は解決するのでしょうか?

 

岸田清実建設企業委員(社民党県議団)

改正水道法が全国の都道府県に求めているのは、今後ますます事業継続が困難になりかねない市町村の末端給水事業の基盤強化です。

「県内の自治体で技術系職員がいない所も珍しくありません。」

市町村水道の基盤強化のあり方をしっかり固め、それとの関連で県営水道のあり方を選択していくことが必要

給水事業の広域連携が進んでいないにもかかわらず、県営水道3事業を先行させて一体化し、20年間運営権を売却することは、市町村水道の広域連携による基盤強化に、支障さえ来たすのではないか

岸田清実議員が指摘するように、「技術系職員がいない所も珍しく」ない「市町村の末端給水事業の基盤強化」 こそが、真っ先に考えるべき喫緊の課題ではないでしょうか?

 

「みずほ塾 in 仙台×水道 『イチ』から知りたい水道民営化 みやぎ型管理運営方式ってなに?」で、岸田清実議員は、次のように述べています。

いま宮城県は、市町村水道の支援は、ほとんど進んでいない。

 

 一方で、県水道をコンセッション化するということだけが進んでいる。

 

 「手を挙げたところは、県のコンセッションに入っていいですよ」と村井知事は言っているが、広域連携をしようとする時に、ある特定の自治体だけが県のコンセッションと連携していたら、他の市町村との連携は置き去りにされ、むしろ広域連携を阻害することになる。

 

本当は県が、広域連携、広域化にしっかり取り組んで、その進行具合に合わせて、県営水道をどうしていくのかを考えていくのが、そもそもの順番ではないのか。

 

皆さんの家庭の蛇口に水を届けている市町村水道を大事にするのが、県の役割ではないのか。

 

そこを置き去りにして、県営水道だけ、しかも、県民や自治体の理解なしに、コンセッションに突き進んでいくというのは、あまりにも乱暴だと思う。

 

miyagi-suidou.hatenablog.com

 

お隣の岩手県では、花巻市北上市紫波町がそれぞれ単独で水道をやっていくのは もう駄目だということで、この3つの自治体が1つの企業団を作って水道事業をするという広域化をして、統合から4年間で約76億円の投資削減を実現しています。

  宮城県がすすめる「水道民営化」を問う市民集会 資料11ページ

 

宮城県にも下記のような水道広域化の計画がありました。

   宮城県がすすめる「水道民営化」を問う市民集会 資料7ページ

 

水ジャーナリストの橋本淳司さんは、「この1977年の計画を今やる必要がある」と言います。 

「県がやりやすいところだけをコンセッションするのではなく、県民と共に、数十年先を見据えた宮城県全体の水道の青写真を描いたうえで、広域的にやっていくことが重要だ」と。

 

miyagi-suidou.hatenablog.com

 

宮城県の環境生活部食と暮らしの安全推進課環境水道班に問合わせたところ、「宮城県広域的水道整備計画」(1977年)は、石巻地方広域水道企業団として一部実現しており、これを踏まえたうえで、平成31年1月11日に設置された宮城県水道事業広域連携検討会を行っているとのことです。

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www.pref.miyagi.jp

ここでは、「県内の市町村及び企業団における水道事業の経営健全化を図ることを目的に広域連携等を含めた具体的な方策を検討する」とされています。

市町村水道の危機に対応するために、是非とも早急に、充実した成果を上げていただきたいものですが、こちらよりも先にみやぎ型管理運営方式を導入することによって、「市町村水道の広域連携による基盤強化に、支障さえ来たすのではないか」と岸田清実議員は懸念しています。

 

達成したい具体的な状況と、それを実現するための時間軸の長さは、適切に設定されているか?

福島かずえ建設企業委員(日本共産党宮城県会議員団)

現在検討され、公開されていることのほとんどが、20年間に限ったことで、21年目以降がどうなるのか、まったく漠然としています。

30年、50年、100年先までも、安心安全事業が継続されなければなりません。20年間だけを切り取っての検討は、無理があります。収支シミュレーションも20年分がやっと公開されたばかりです。」 

建設企業委員会(2019年12月13日)で、福島かずえ議員が「(みやぎ型管理運営方式の契約が終了する)21年後はどうするのか?」と尋ねたところ、企業局は 「21年後のことは検討していない」と答えています。

これはあまりにもひどいです! 

直近20年間さえよければ後のことは知らないというのでは、公共政策とはとても言えません。

たとえば仙台市水道局は、下図のように80年後を見据えたグランドデザインを描いたうえで、2020年から10年間の仙台市水道事業基本計画を立てています。

仙台市水道基本計画バックキャスト 第4回仙台市水道事業 基本計画検討委員会 仙台市水道事業基本計画の骨子案 3ページ

           (令和元年6月25日 仙台市水道局)http://www.suidou.city.sendai.jp/nx_image/01-jigyou/01-308-1-dai4-03.pdf

県は市よりもより行政責任が大きく、より広域的長期的視野を持って事に当たるべきであるのに、無責任すぎるのではないでしょうか?

佐々木幸士文教警察副委員長(自由民主党・県民会議)

「様々な施策を持って、次の世代に引き続き宮城県の水を確かな形で託していかなければならない決断の時であります。時代の要請とともに、宮城県の未来に対する責任を決断する議案であると考えます。受益者への将来負担に対する対案なき反対を示すべきではない

「次の世代に引き続き宮城県の水を確かな形で託していかなければならない」 と本当に考えるのであれば、21年後以降のことをしっかり調査検討しないうちに、「決断」などできないはずです。

先ほどの環境生活部食と暮らしの安全推進課では、令和2年3月末まで、広域連携等の検討の基礎情報とすることを目的に、県内各水道事業体の現状分析及び将来予測、多様な形態の広域連携シミュレーションを実施しています。

水道事業広域連携シミュレーション等調査業務仕様書には、

①事業体間の広域連携,②圏域の広域連携及び③県企業局との垂直連携それぞれについ て多様な形態の広域連携をした場合のシミュレーションを行い,シミュレーション結果からそれぞれの広域連携の効果,メリット,デメリット,課題等を整理すること。

とあります。

推計期間は、令和元年度から40年先の令和 40年度とされています。

最低でもこれぐらいのスパンのシミュレーションを行ってから考察するのでなければ、次の世代のための責任ある選択はできないでしょう。そして、このシミュレーションの結果はまだ出ていないのです。 

www.pref.miyagi.jp

佐々木幸士文教警察副委員長(自由民主党・県民会議)

コンセッション方式の先進県として、民間にできることはできるだけ民間に任せるという大胆な行政改革を一層推進していくべきであり、その先例を全国に示すことは、宮城県としての魅力、価値をさらに高めるものと考えます。」

実は、佐々木幸士議員のこのお言葉どおり、「コンセッション方式の先進県として」「先例を全国に示す」ことが目的になってしまっていることこそが、今回のみやぎ型管理運営方式の一番の問題点だと私は考えています。

宮城県の水道の未来にとって本当に良いやり方は何なのかを様々検討し、県民の間でもしっかりと議論がなされた結果として、コンセッション方式が選択されたというのなら、まだ納得がいくのですが、完全に手段と目的をはき違えてしまっています。

「民間にできることはできるだけ民間に任せるという大胆な行政改革」 というキャッチフレーズの内実も精査しなくてはいけません。

民間会社の第一目的は、株主の最大利益を追求することです。その会社が提供するサービスの利用者の最大利益の追求は、第一目的ではありません。まずは、株主への配当を確保してから、残った利益で、できる範囲で利用者へのサービス高上を目指すのです。公営では、この株主への配当の分もすべて、利用者=住民のために使えます。

 

ありとあらゆる方法を漏れなく比較した上で、最適なものが選ばれているか?

ゆさみゆき建設企業委員(みやぎ県民の声)

岩手県中部水道企業団では、公営のまま水道施設のダウンサイジングと広域化を推し進め、大きな経費削減効果を得ているが、これらみやぎ型ではない他の選択肢も比較検討するなどの論議が行われていない。その意味でも、十分な論議が尽くされたとは言い難く、継続して審議をする必要があるのではないかとのご意見をいただきました。」 

確かに、公公連携の可能性や公営のままIoTやAIを導入するとどうなるかということを真剣に検討したという話は聞いていませんし、その場合の具体的なシミュレーションも行われていません。

 

大内真理文教警察委員(日本共産党宮城県会議員団)

県民的な議論がまだまだ不十分です。議論するために必要な情報の公開や説明も全く不十分

コンセッション方式にするとコストカットができる金額を、宮城県は下図のように、 マーケットサウンディングという関係する企業からの聞き取り調査によって、各費目 ごとに10%とか30%とかキリの良い数字で計算しています。

ですが、実際に企業が本気でコストカットを行うときには、一つの費目の中でも、Aを何円削減、Bを何円削減、Cを何円削減・・・というふうにもっと具体的な数値を積み上げていって、トータルで○○費目は何円削減と計算するのではないでしょうか? 

一律に10%削減などと大雑把なことを言うときは、目標値を示すだけの場合です。

「期待削減率」と書かれているように、ここで示されているのは、このように期待しているという試算に過ぎず、根拠のある数値ではありません。

きちんと議論するためには、もっと具体的で信頼性のある情報が提供される必要があります。

f:id:MRP01:20200111210554j:plain  「みやぎ型管理運営⽅式」導⼊による 事業費削減目標について25ページ

         (令和元年12月13日宮城県企業局)https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/769996.pdf


横山のぼる建設企業委員(公明党県議団)

「県民や受水市町村からは、コンセッション導入により水道料金の上昇抑制効果が本当にあるのかという疑問や民間委託することで水質低下の懸念があるのではないか、またPFI事業の性質上、事業者が決定する過程で、段階的にしか明らかになっていない事柄がある、全体像が見えにくいなど様々な声が上がっている」 

みやぎ型管理運営方式スケジュール    「みやぎ型管理運営方式に係る 県の基本的な考え方について」より
            (令和元年11月18日 宮城県

このように、基本協定書(案)、実施契約書(案)、要求水準書(案)、モニタリング基本計画書(案)といったみやぎ型管理運営方式の非常に重要な内容は、これから公表されていきます。

具体的な内容がわからないまま、「他の方法よりも素晴らしいはずだ」と言われても、中身の見えない福袋を「お得ですよ」と勧められているようなものです。

お正月の福袋は、金銭的にゆとりのある方だけが買うので、外れだったとしても大目に見てもらえますが、県民の命に関わる水道事業で、そんなイチかバチかの賭けを容認してもよいのでしょうか?

せめて、これらの案が公表された段階で、それぞれについてパブリックコメントを実施し、県民の意見や議論に耳を傾けるべきだと思います。

 

佐々木幸士文教警察副委員長(自由民主党・県民会議)

施設の所有権や水質維持、災害時の対応、料金改定を含めた事業継続上の重要な議論については県が責任を持ち、また三者機関による厳正なモニタリングも行われるものであります」

その内容自体が確定していない今の段階で、どういう根拠に基づいてこういった断言をなさっているのでしょう? 希望的観測をおっしゃっているだけなのではないでしょうか?

人々の生活、命に関わることに、決して失敗は許されない事業であります。担う民間企業にとっても、社名にかかわる事業となります。その覚悟を見定め、これからも安心安全を作り守る責任は、引き続き宮城県に、さらにはこの議会にある」 

のであれば、まずは、それを裏付ける情報公開を徹底していただきたいと思います。

 

読者のみなさんからの情報、コメント募集中です (^O^)/

ぜひ意見交換にご参加ください!

 

 

 

 

 

 

水道3事業運営権売却を可能にする条例改正案を宮城県議会が可決!! 最終討論を振り返る(1)議会最終日の発言の流れを追う。

令和元年11月定例会最終日である2019年12月17日、宮城県議会本会議にて、みやぎ型管理運営方式の導入を可能にする条例改正案が可決され、継続審議を求める 請願は、賛成少数で不採択となりました。

いま一度、最終討論で述べられた意見を、全部確認しましょう!!

 

 

みやぎ型管理運営方式の導入を可能にする条例改正案の継続 審議を求める請願に関して

 

深谷晃祐建設企業委員長(自由民主党・県民会議)の報告
(前略)

請願370の4「県営上工下水道をコンセッション方式で民営化する『公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例』案は第370回宮城県議会では継続審議とし、 計画の精査と県民・市町村に対する説明責任を果たすよう求めることについて」を審査した結果、賛成少数で不採択とすべきものと決しました。

以上のとおりご報告申し上げます。

 

石川光次郎宮城県議会議長

以上で委員長報告を終わります。

これより質疑に入ります。

委員長報告に対し、質疑はありませんか?

(議場より「なし」の声)

質疑なしと認めます。

討論の通告がありますので、発言を許します。11番福島かずえ君。

 

福島かずえ建設企業委員(日本共産党宮城県会議員団)の賛成討論

13日に行われた建設企業委員会では、委員長をはじめ所属委員の理解のもとで、急きょ請願者が参考人として委員会に出席し、趣旨説明を行い、委員会の質疑にも応じていただきました。

請願者からは、「水は唯一無二のものであり、将来に渡って、次の世代の人々にも保証していくべきもの。県民合意がなく、市町村を置き去りにするような進め方でない別の選択肢を県民に示すべき。上下水道が抱えていく課題を解決していくために、これが最も良い解決方法なのか疑問である。他に良い方法があるのではないかと思う。そのためにも、各部局での連携をもっと行うべき。この請願は212団体・事業所の賛同署名を添えて提出したが、その後も署名は集まり、幅広い県民が継続審議を願っている」など、大切なご意見を伺いました。

賛同署名は、昨日までに新たに131筆、集まっており、合わせて343団体・事業所になっているそうです。

請願審査に先立ち、第197号議案の審査で明らかになったことは、

① 事業費削減効果の247億円は、あくまで県の期待額であり、今後変わることがあることです。どの大企業を中心として、どういうグループで運営会社SPC(特定目的会社)が作られるのか、全くわからない状態であり、現在県が示す契約内容は、あくまでも県の期待・要求にしかすぎず、応募グループとの競争的対話によっても、変わっていく可能性は否定できません。

② 運営会社の更新投資130億円と委託費108億円の削減額合計は238億円で、削減期待額の96%になり、やはり設備更新の間引きと人件費を抑える委託の外注などでのコストダウンがほとんどあること、設備更新の間引きは、設備機器更新が21年以降に増える可能性を示し、委託の外注による人件費の削減は、雇用の質を落とし、地域経済にも影響があります。

③ 上水・工業用水・下水道事業、いずれも県の職員の人件費を10%、合わせて15億円削減しようとしており、今でさえギリギリで保っている現場の技術職が、また低下していくこと、県の技術力の低下は、県の運営会社を指導する力の喪失をもたらし、運営会社の言いなりになる恐れがあります。

④ 管路の維持管理発注は県が行うという基本的な事項も、20年間の契約期間中のことで、21年目からそのまま県が行うか、運営会社が行うか、それは何とも言えない、検討外のことなどです。管路の維持管理・発注は県が従来通り行うから安心している管工事請負事業者は少なくありません。しかし、本格的な管路更新を迎える21年目以降から、民間運営会社が管を発注する可能性があることはまだまだ知られておりません。

現在検討され、公開されていることのほとんどが、20年間に限ったことで、21年目以降がどうなるのか、まったく漠然としています。

水は命の源、上水も下水も人の暮らしの営みに欠かせないものです。請願者が求めているように、将来に渡って、次の世代の人々にも保証していくべきものです。 

30年、50年、100年先までも、安心安全事業が継続されなければなりません。20年間だけを切り取っての検討は、無理があります。収支シミュレーションも20年分がやっと公開されたばかりです。

受水市町村や県民への説明や議論が不十分なままで、公営企業の設置等に関する条例を改正、民間大企業が水道事業に参加できる仕組みを作る民営化法に基づく手続きは、きわめて非民主主義的だと言えます。

需要人口が減り、過大投資した管路・設備をどう更新していくのか、水道料金を上げずに解決する方法を、県民と市町村を交えて検討していくべきです。

コンセッション方式で所有権と運営権を分けて、20年にわたる運営権を民間大企業に売り渡すみやぎ型管理運営方式を拙速に進めることを、議会として看過すべきではありません。議第197号を継続審議として、知事の提案する民営化計画を精査し、県民、市町村に十分な説明責任を果たすべきです。

同僚議員のみなさん、是非こうした県民の声、思いを汲み取っていただき、本請願を採択していただきますよう呼びかけまして、請願370の4の賛成討論といたします。 ご清聴ありがとうございました。

 

石川光次郎宮城県議会議長 

以上で討論を終結いたします。

これより採決いたします。

はじめに、請願370の4「県営上工下水道をコンセッション方式で民営化する『公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例』案は第370回宮城県議会では継続審議とし、 計画の精査と県民・市町村に対する説明責任を果たすよう求めることについて」を採決いたします。

委員長報告は不採択であります。

本請願を採択することに賛成の諸君の起立を求めます。

起立少数であります。よって請願370の4は不採択と決定いたしました。

 

みやぎ型管理運営方式の導入を可能にする条例改正案である 議第197号議案公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例に関して

 

深谷晃祐建設企業委員長(自由民主党・県民会議)の報告

(前略)

一 議第197号議案。一議第212号議案。一議第213号議案。
本委員会は、以上の負託議案を審査した結果、賛成多数で原案を可決すべきものと決しました。

なお、議第197号議案については、少数意見の留保がありました。

(中略)

以上のとおりご報告申し上げます。

 

石川光次郎宮城県議会議長

少数意見の報告を求めます。43番ゆさみゆき君。 

 

ゆさみゆき建設企業委員(みやぎ県民の声)

12月13日の建設企業委員会において留保した少数意見を、3名のご賛同を得て、会議規則第40条の2項、第75条の2項の規定により、意見を述べます。

12月13日の建設企業委員会では、命の水を守る市民ネットワーク・みやぎの佐久間敬子さんを参考人として意見聴取をし、コンセッション方式はほとんど県民に知られていないこと、岩手県中部水道企業団では、公営のまま水道施設のダウンサイジングと広域化を推し進め、大きな経費削減効果を得ているが、これらみやぎ型ではない他の選択肢も比較検討するなどの論議が行われていない。その意味でも、十分な論議が尽くされたとは言い難く、継続して審議をする必要があるのではないかとのご意見をいただきました。

議第197号議案公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例は、全国初となるみやぎ型管理運営方式の導入を前提とする改定案です。実施方針案では、水道用水供給事業、工業用水道事業、流域下水道事業、計9事業をコンセッション方式により運営権を民間企業に売却する大規模な計画です。

しかし、県職員の技術の継承はどうなるのか、経費削減による効果は期待値に過ぎず、その根拠が立証的なデータを元に示されないなど、不確かなものであり、市町村負担、水道料金会計はどうなるかが懸念問題だと懸念され、説明が不足しています。

県はパブリックコメントを実施、636件もの意見が寄せられ、大きな不安や情報公開、県民理解の不十分を指摘しております。また、県民への説明会を行っているものの、県民の理解と説明が不十分です。

知事はみやぎ型管理運営方式について、情報公開、県民理解をすすめ、同時に受水市町村の理解、県民に対し丁寧な説明と議会への最大限の顧慮をしていると述べますが、県民の理解が得られているとは言い難い現状です。

これらを総合的に考えますと、みやぎ型管理運営方式につきましては、いかに論議が不十分であるかがわかります。

よって、議第197号議案公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例について、拙速な採決はやめて、継続審議するか、条例を取り下げて、新たな観点も踏まえ、より良い視点で、検証と検討を行うべきという意見があったことをご報告いたします。

 

石川光次郎宮城県議会議長

 

以上で委員長報告及び少数意見の報告を終わります。

これより質疑に入ります。 

委員長報告及び少数意見の報告に対し、質疑はありませんか? 

(議場より「なし」の声)

質疑なしと認めます。

討論の通告がありますので、発言を許します。40番岸田清実君。 

 

岸田清実建設企業委員(社民党県議団)

社民党県議団を代表して、本議会に提案されている議第197号議案公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案に反対して討論します。

条例案は、県の水道用水供給事業、工業用水道事業、流域下水道事業を一体化させて、20年間運営権を特定目的会社に売却することを可能にするものであります。

昨年秋の臨時国会で成立した改正水道法により可能となりました。

一方、改正水道法が全国の都道府県に求めているのは、今後ますます事業継続が困難になりかねない市町村の末端給水事業の基盤強化です。

人口減少、節水型社会の進展で収入は低減し、一方で、管路等の更新投資が拡大していきます。それを担う職員も減り続け、県内の自治体で技術系職員がいない所も珍しくありません。

宮城県は今年2月に、宮城県広域連携検討会を立ち上げ、広域型、垂直型など、3つの類型に合わせたシミュレーションを本年度に行うとしています。

市町村水道の基盤強化のあり方をしっかり固め、それとの関連で県営水道のあり方を選択していくことが必要であります。

また、給水事業の広域連携が進んでいないにもかかわらず、県営水道3事業を先行させて一体化し、20年間運営権を売却することは、市町村水道の広域連携による基盤強化に、支障さえ来たすのではないかと考えます。

加えて、県民や受水自治体の議会の合意が不十分のままの条例改正に反対いたします。

昨年4月と8月、今年の9月と、3回にわたって受水団体協議会から県に質問が出されています。昨年4月に出された13項目に対して、県は7項目に、今後検討と回答、昨年8月の10項目に対しては、8項目に今後検討と回答し、今年9月の質問へは未回答のままです。受水自治体の疑問に十分な回答をしていません。

一般の県民では、内容まで理解している人は少数と感じられます。

その現状にもかかわらず、コンセッション方式の導入を前提とする条例改正を、今議会で行うことはあまりに拙速だと言わざるを得ません。

ライフラインの中でも電気やガスと異なって、水道は代替性、選択性がありません。その点からしても、慎重に取り扱うことが重要であります。

議第197号議案に、再度反対を表明して、討論を終わります。

 

石川光次郎宮城県議会議長

30番横山のぼる君。 

 

横山のぼる建設企業委員(公明党県議団)

公明党県議団横山のぼるでございます。197号議案公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案について賛成の立場から討論いたします。

宮城県企業局が運営する水道用水供給事業、工業用水道事業、流域下水道事業については、給水人口の減少や老朽化した管路の更新需要の増大により、その経営が厳しさを増していくことは明らかであります。

宮城県企業局の企業概要資料によれば、給水量は20年後には現在の約2割、40年後には約3割減少すると見込まれており、安定した経営のためには、20年後には1.2割程度、40年後には1.5割程度まで料金を値上げせざるを得ない見通しを示しています。

将来このような水道料金の大幅な上昇や管路更新の遅滞と言った事態を招かないようにするためには、何らかの改革をしていかなければならないことは、自明の理であり、誰もが認めるところであります。また、現在でも、宮城県の水道料金は、全国平均に比べて極めて高いという課題もあります。こうした状況を踏まえれば、水道事業の改革は、全国的にも急がれる課題でありますが、特に本県にとっては待ったなしの課題であると考えます。

この課題解決の具体策が、全国初のコンセッションを活用したみやぎ型管理運営方式であると認識しております。これまで多くの議員による質問と答弁でも明らかなように、その内容は言葉だけが独り歩きしてしまったいわゆる水道民営化ではなく、民間の知恵と力を最大限に生かしながら、命の水を将来にわたり安定的に供給するため、県が管路の維持管理・更新、災害対応、水質検査など、事業全体を総合的に管理するまさに官民連携事業そのものであります。命の水を民間企業に売って危険にさらすなといった誤った喧伝とは全く異なったものと言わざるを得ません。

しかし、県民や受水市町村からは、コンセッション導入により水道料金の上昇抑制効果が本当にあるのかという疑問や民間委託することで水質低下の懸念があるのではないか、またPFI事業の性質上、事業者が決定する過程で、段階的にしか明らかになっていない事柄がある、全体像が見えにくいなど様々な声が上がっていることを、私共議員も重く受け止めなければなりません。

今後とも、県民や市町村の意見に耳を傾けながら、定型的かつ継続的に情報提供を行うとともに、丁寧でわかりやすい説明を行い、不安の払拭に努め、スムーズなコンセッション導入に向けて、県民の理解と納得が得られるよう自らに課したいと思っております。

ただ、その上で、今年の出生数が初めて90万人割れをするなど、日本の人口減少は我々の想像以上のスピードで進んでいます。この急激な変化に対応していくために、いま水道事業の改革に着手をしなければ、未来に禍根を残すことになりかねないと考えるものです。受水市町村からは、できるだけ早期に改革に着手し、水道料金の卸値を抑制してほしいとの声が上がっております。こうした声が聞かれるのは、市町村の水道事業がすでにひっ迫していることの表れであり、その現実も直視しなければなりません。

加えて申し上げれば、上水道処理場の運転管理は、これまでも30年間にわたり民間企業に委託、その実績や経験が積み上がっており、いま初めて民間に委託するといったものではありません。

また、世界のトレンドは民営化ではなく公営化ではないかとの不安の声がありますが、フランスの例を見ると、2010年から現在まで結ばれた主要都市でのコンセッションなどの契約では、人口約130万人のリヨン市では水道料金約20%減少、人口約450万人のユーロフランス組合でも水道料金約11%の減少となっています。

あわせて価格面に加え、ITなど最新技術の活用が進んだ結果、民間の競争を通じた成果が得られ、2010年にパリ市では再公営化はあったものの、全体としては民営で継続している自治体が多く、上水道の約7割が依然民営で行われていることも事実なのであります。

以上縷々申し上げたとおり、みやぎ型管理運営方式は、県が水道事業者として最終責任を担いながらも、官と民が事業パートナーとして共同で運営し、民間の創意工夫を最大限活用することにより、経営基盤強化を図る最も効果的な取り組みなのであります。この事業が将来世代につけを回さないために、本県が取り組まなければならない喫緊の課題であることを申し上げ、議員各位のご賛同を賜りますことをご期待して、賛成討論とさせていただきます。ご清聴大変ありがとうございました。

 

石川光次郎宮城県議会議長

10番大内真理君。

 

大内真理文教警察委員(日本共産党宮城県会議員団)

(前略)

最後に、議第197号議案公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例についてです。この条例改正によって、民間事業者が上水・工業用水・下水道事業の運営に参加することができるようになります。

条例改正に先立って行われたパブリックコメントでは過去に例がない636通もの意見・要望が寄せられ、県民の大きな関心があることが示されました。そのほとんどが、県の強引で拙速な進め方に対する批判と説明責任を県がもっと果たすように求める声であり、民間事業者の参入に賛成する意見は、ほんの数パーセントにしかすぎません。

条例改正の提案の前に、パブリックコメントに示された意見や疑問に答える住民説明会を丁寧に行うべきでした。仙台市内で2回行っただけでは、あまりにも不十分です。主権者であり利用者である県民を置き去りにしての条例改正は認められません。

市民団体から、継続審議とし、計画の精査と県民・市町村に対する説明責任を果たすように求める請願も、議会に提出されました。この声を真摯に受け止めるべきです。

議案の審査で明らかになったことは、

1、経費削減など247億円は、あくまで県の期待額であり、今後変わることがあること。

2、経費削減額の中身は、設備更新費用が大きいということ。

3、県職員の人件費を10%、15億円分削減しようとしており、現場の技術力がまた低下していくこと。

4、管部の維持管理・発注は、県が行うという基本的な事項も、20年間の契約期間中のことであり、21年目から、そのまま県が行うのか、それとも運営会社が行うのか、それは何とも言えない、検討外のことだということ。

などです。

これらをはじめ、県民的な議論がまだまだ不十分です。議論するために必要な情報の公開や説明も全く不十分なまま、公営事業の設置等に関する条例の改正は、あまりにも拙速で強引です。

再来年10月の知事選挙の前に、6月か9月議会で運営会社との契約案件を議会で可決するというスケジュールを改め、宿泊税導入や宮城県美術館の移転・新築の提案にも共通する強引な進め方はやめるべきであり、県民を置き去りにしての本条例改正は認められません。

(中略)

ご清聴ありがとうございました。

 

石川光次郎宮城県議会議長

36番佐々木幸士君。

 

佐々木幸士文教警察副委員長(自由民主党・県民会議)

(前略)

まず、議第197号議案は、みやぎ型管理運営方式導入にともない、公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例です。

水は私たちの生活になくてはならないものです。県が運営している水道用水供給事業、工業用水道事業、流域下水道事業の3事業は、県民生活および企業活動を行う上で、必要不可欠な公共サービスであり、水の確保は災害時にも最優先事項であり、ライフライン、その後に命に関わるものとして、東日本大震災さらに先般の台風19号にて被災した私たち宮城県民は、その大切さをなお一層理解しているものと考えます。そして、かけがえのないもの、絶対的な安心安全を求めながら、当たり前にこれからも享受し続けることができるのであれば、そうあってほしいと思うのは当たり前のことであります。

水の安心安全を守ること、そして享受し続けることには、受益者負担の原則として、その代価を支払うのは私たち宮城県民です。しかしながら、その運営環境は、人口減少や節水型社会の影響により、非常に厳しい状況にあります。県民の命と言える水を守ること、次の世代から積み上げて、未来への責任として使命されたものが、本議案であると考え、賛成の理由を次の3点にまとめて申し上げます。

1点目は、公共財としての責任が、県に引き続き担保されていることであります。

この度策定した、宮城県上工下水一体官民連携事業 「みやぎ型管理運営方式」は、民間の力を最大限活用するものとして、経費削減、技術革新等への具体的効果も見込まれ、これからの時代に対応するための柔軟な力を持ち合わせながら、施設の所有権や水質維持、災害時の対応、料金改定を含めた事業継続上の重要な議論については県が責任を持ち、また第三者機関による厳正なモニタリングも行われるものであります。運営権は民間企業に委ねられるものの、完全民営化とは全く異なります。

県では本件に関するパブリックコメントを行い、636件のコメントが寄せられております。反対側の立場の意見といたしましては、水道を民営化することに反対、民営化すれば料金が上がる、世界に民営化に失敗した先例があるなど、いわゆる民営化を前面に押し出した意見が多数を占めています。

すでに述べている通り、みやぎ型管理運営方式は、水道事業の民営化ではありません。そもそも現行の水道法では、水道事業を民営化すること自体が認められておりません。こうした誤った認識のもとに、反対意見が述べられている状況にあり、なおかつ反対意見の中には説明不足と言う意見もいただいているところでございます。

これについて真摯に受け止める必要があり、今後も県として丁寧な県民に対する説明をしていただきますことを、本討論においても要望させていただきます。

また、民間に委ねることにより、安全面が危惧するという議論もあります。しかしながら、唯一無二である水道という公共財を取り扱うことに対する社会的使命に対し、それらを担おうとする意志を示す民間と公との間に線引きをすることは議論の停滞でしかないと考えます。

人々の生活、命に関わることに、決して失敗は許されない事業であります。担う民間企業にとっても、社名にかかわる事業となります。その覚悟を見定め、これからも安心安全を作り守る責任は、引き続き宮城県に、さらにはこの議会にあることを、ここで確認しておきたいと思います。

まず、2点目は、宮城県の未来に対する責任であります。

この度のみやぎ型管理運営方式は、民営化と全く異なるコンセッション方式により、水道3事業を運営していこうというものであります。国において昨年12月可決・成立し、本年10月から施行された改正水道法は、2011年にコンセッション方式の導入を主目的としたPFI改正法の成立を踏まえ、これを水道事業に適用した法律で、その目的は、人が生活するための根幹ともいえる水道事業を、民間のノウハウを導入し、できる限り効率化し、今後想定される利用料金の上昇を極力抑制することになります。

そして、その基礎となるPFI改正法は、2011年の当時の民主党政権によって提案され、民主、自民、公明、みんなの党が賛成し、菅政権下において制定されました。

その経緯の中には、閣議決定をされた際に、その担当大臣であった蓮舫内閣特命担当大臣が、新しい成長戦略として2020年度までに従来の事業規模の2倍以上の拡大を目指すとし、効率的で質の高い公共サービスを提供するとともに、新成長戦略の実現を推進、我が国の成長をしっかりと後押しするものになると確信をしている、と並々ならぬ決意と期待を持って、当時の政権としても目玉政策に位置付けられておりました。

しかしながら、当時のPFI改正法は、地方自治体が民間に運営を委託する際に、水道事業免許を国へ返上しなければならず、万が一のことが起きた際に、行政が対応できないなどの重大な欠陥があったため、給水責任を自治体に残したままでコンセッション方式を導入できるように修正し、また、近年諸外国で官民連携がうまくいかなかった事例などを踏まえ、この点についても問題が生じないよう検討、改定されてたのが、現在の改正水道法でもあります。

もともとのPFI改正法にあっても、この国の現在と将来、その現実を冷静に受け止めていたからこそ、当時の与党の民主党、野党であった自民党も、政争の具とすることなく可決され、その後自民党が政権に復帰し、さらにその内容が精査され、この度改正水道法により、みやぎ型管理運営方式になり、そのような時代の背景とともに、制度化されようとしております。

水道水の使用量自体は、年々減少にありながら、安定供給に必要な水道管などの設備更新およびメンテナンスも必要であり、その作業時期を集中することがないように、今後年数をかけて分散していくことも、方針として示されました。

様々な施策を持って、次の世代に引き続き宮城県の水を確かな形で託していかなければならない決断の時であります。時代の要請とともに、宮城県の未来に対する責任を決断する議案であると考えます。受益者への将来負担に対する対案なき反対を示すべきではないと考えます。

3点目は、地方都市として自立、先進事例を作る宮城県の役割であります。本県は、東日本大震災という街のすべてを失う未曽有の惨事を経験し、ゼロからではなくマイナスからのスタートであった震災復興を通し、これからの地方都市としてのあり方を議論し、その形を作ってまいりました。

少なからずも、これからの地方都市として、同じような厳しい将来に向け、いかに自立し、地域の課題を解決していくのか、その先進事例を全国に対して見せてきたと考えます。

本県においては、仙台空港に全国初のコンセッション方式を導入し、大いに活性化していることも間違いなくこの事例の一つです。その効果は宮城県のみならず、東北地域としても享受し、その有効性は十分検証されていると思います。

むろん、水道事業ですから、安全安心の確保は絶対条件であります。

コンセッション方式の先進県として、民間にできることはできるだけ民間に任せるという大胆な行政改革を一層推進していくべきであり、その先例を全国に示すことは、宮城県としての魅力、価値をさらに高めるものと考えます。

本議会においても、一般質問で9名の方が関連した質問を行い、その反対論の中には、条例改正案を考えることは拙速ではないか、県民の周知、説明が不十分ではないかという質問がありましたが、本当にそうなのでしょうか。

これまで、県議会の本議会、委員会等において、平成28年度からすでに、3年近くにわたって議論が続けられ、県が実施する他の施策と比べても、十分な時間をかけて議論をしてきたところでもあります。

今議会に提案された条例改正案は、コンセッション事業を実施可能にするための手続き的な改正であります。今後、具体的な水道事業の運営権設定の管理については、優先交渉権者が選定された段階で、事業の内容や契約の内容等の詳細が明らかにされた上で、改めて議会として判断をすることとなるなど、今の時点で条例改正に反対する合理的な理由は見当たらないと考えます。

今回の条例案に反対することは、暗に今解決すべき重要な課題を将来に先送りするものであり、結果として未来を担う宮城の子供たちへ過度な負担を強いることになります。これまで述べさせていただいた理由により、本議案は可決されるべきであります。

(中略)

ご清聴ありがとうございました。

 

石川光次郎宮城県議会議長

以上で討論を終結いたします。

これより採決いたします。

初めに、ただいま議題となっております各号議案中、議第197号議案を採決いたします。

委員長報告は、厳談可決であります。

委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。

起立多数であります。

よって、議第197号議案は、委員長報告のとおり決定いたしました。

 

下記は、この議決を受けての命の水を守る市民ネットワーク・みやぎのFB記事です。

https://www.facebook.com/mizumiyagi/

命の水を守る市民ネットワーク・みやぎFB

 

条例改正案議決2019.12.17

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宮城県議会建設企業委員会にて、「みやぎ型管理運営方式」導入に係る条例改正案が可決され、継続審議を求める請願は不採択となる

2019年12月13日、宮城県議会建設企業委員会にて、「みやぎ型管理運営方式」導入に係る条例改正案である議第197号議案の審査・採決と、議第197号議案の継続審議を求める請願(12月6日に命の水を守る市民ネットワーク・みやぎが提出)の審査・採決が行われました。

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建設企業委員会の冒頭で、ゆさみゆき委員と福島かずえ委員が、「議第197号議案の慎重審議を求める請願が出ているので、①請願者を参考人として呼ぶこと ②請願の趣旨から議第197号議案とセットで審議すること」を提案しました。

その場では話がまとまらず、昼休みに調整することとなったため、議第197号議案の審査は午後に行われました。

最初に、桜井公営企業管理者と水道経営課田代課長から、みやぎ型管理運営方式及び議第197号議案についての説明があり、それに対して野党系の委員が質疑を行ないました。

岸田清実委員の質疑への応答

Q1.みやぎ型と今まで宮城県で行われてきた民間委託は違うものである。

みやぎ型では、性能発注で20年間運営を委託するが、従来の民間委託は、仕様発注で4~5年毎の委託で県がコントロールしてきた。

A1.県は選定した事業者の設備更新計画を監視していくので、(契約期間が満了する20年後に)設備がぼろぼろの状態で県に引き渡されるようなことはない。

Q2.昨年の水道法改正の2つの柱は、

① 県が市町村水道の基盤強化の役割を果たす。

② 官民連携を図り、水道コンセッションも可能。

である。

町村水道では技術職員が1人もいないところもあり、更新工事もとても追いついていない。まずは、市町村間の連携を考えるべき。

A2.みやぎ型とは別に市町村連携はいつでもできるようにしている。

Q3.道コンセッション(みやぎ型)に(参加したいと)手を挙げた市町村の関係はどうなるのか?

A3.手を上げたら参加できるオプション設定をしている。

Q4.個別に手を挙げた自治体がみやぎ型に参加することにより、その他の自治体が広域連携をする妨げになるのではないか?

A4.市町村からまずみやぎ型を進めてほしいという声があった。市町村は市町村で広域連携を進めてほしい。それぞれの事業中で、持続可能性を模索してほしい。

Q5.(水道事業に関して)県は、すべての市町村との全体的な像を考えていくべきではないか?

A5.水道供給事業としての採算をまず考えなければならない。それぞれの自治体の独立性を尊重することも重要。

Q6.市町村からの質問に対して、県はしっかり答えていないのではないか?

A6.PFI法に則って進めていく場合は、段階的に明らかになっていく。受水市町村からの自分たちの意見を入れてほしいという要望を入れた会合も開始している。

Q7.現状のモニタリングの仕組みでは、県民の関与の余地がないのではないか?

A7.運営権設定の時に示す。専門家と消費者の両方の目線を入れたものにしていく。

福島かずえ委員の質疑への応答

Q1.運営権を設定する施設に管路が入っていないのは、20年間は本格的更新をしないからと言うが、管路更新費用の平準化のイメージを説明してほしい。

A1.軟弱地盤の補強、耐震化が資料に織り込まれている。

みやぎ型管理運営方式に係る県の基本的な考え方について 令和元年11月18日 宮城県https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/763255.pdf

「みやぎ型管理運営方式」導入による 事業費削減目標について令和元年12月13日  宮城県企業局 https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/763255.pdf

Q2.これまでも(みやぎ型による)削減金額がたびたび変わってきている。これからも変わっていくのか?

A2.今回の数字が最終固定額であり、来年3月の(事業者の募集)時点ではこの通りでいく。

Q3.(みやぎ型の契約が終了する)21年後はどうするのか?

A3.21年後のことは検討していない。

Q4.(削減額の根拠は)マーケットサウンディングの削減率を示しているだけですよね?

A4.そうです。

Q5.金田もとる県議が(県議会一般質問で)尋ねた下水道水質についての数値はまだ出ていないのですね?

A5.はい。

Q6.運営権者のコスト削減は、人件費の削減によるものではないか?

A6.人件費ではなくAI等の効率化によるものである。

Q7.下水道に関して、上水道と同じような丁寧な説明がなかった。排水基準は緩和されるのか?

A7.下水道の資料はできているので、すぐに届ける。下水道法に「料金は全部もしくは一部負担させることがある」という表現があるため、別の記載になっている。今までの問合せは主に上水道に対するものだったが、下水道に関してもこれから説明していく。

Q8.下水道は上水道と同じように大切。下水道が建設された時の厳しい基準を、運営権者にも求めていくのか?

A8.そのとおりです。

Q9.下水道だけでなく上水道の説明も足りていない。市町村(自治体)だけでなく、仙台市でやったような直接住民に対しての説明会をやってから、パブコメ、条例改正という手続きではなかったか?

A9.傍聴会も考えている。

Q10.運営権者も(宮城県の水道事業を)できるようになるが、必ず運営権者がやるとはなっていないのですね?

A10.運営権者の設定がされてはじめて(今回の条例改正は)有効になっていく。

ゆさみゆき委員の質疑への応答

Q1.人件費削減は運営権者の裁量になる。コスト削減額の試算は あくまでもマーケットサウンディング。(みやぎ型への応募企業との)競争的対話で変わってくるのではないか?

A1.今回示した削減額よりも低いコストで競争してもらう。

Q2.将来の技術継承が懸念される。技術職員の人数を教えてほしい。

A2.現在、公営企業局の技術職は83名。

Q3.県の技術職員を運営権者に派遣するのか?

A3.基本的に県からの職員派遣はしないが、(運営権者から)求められれば、話し合いでする。

Q4.県から運営権者に職員が派遣されることが続くと、20年後、県の職員が枯渇するのではないか?

A4.未来永劫SPC(運営権者の特別目的会社)に職員を派遣するとはイメージしていない。

Q5.内部留保をどうするかの裁量は、運営権者側にあるのではないか?

A5.SPCの財務状況は公開してもらう。こちらがシミュレーションしたとおりにはならないが、こちらが求める削減額を示して、それ以上に削減する競争をしてもらう。

Q6.SPCの資金調達金利は2.5%とあるが、これはあくまで期待値で、固定できないのが現実。この前提が崩れるのが普通ではないのか?

A6.こちらが示す削減額を守ってもらう契約をするものである。

Q7.上水道・工業省水道・下水道の3つの水道事業をまとめて20年間運営権を売却するというこれだけ大きな変更を行うのであるから、すでにある条例の一部改正ではなく、この事業のための独自の条例を新たに作るべきなのではないか?

A7.PFI法の中で条例に付すべき部分は守っている。

Q8.PDCAサイクル(で業務改革をしていくこと)を県は今までやっていない。これをやってからでなければ、確かな水道事業の構築はあり得ないのではないか?

市町村と県の全体像をしっかり示してから、(その後に)コンセッション(を検討すべき)ではないか?

 

通常は、委員会に付託された議案をすべて採決した後に、請願の審議を行うのですが、今回は、ゆさみゆき委員と福島かずえ委員の提案通り、議案採決の前に「議第197号議案の慎重審議を求める請願」の審議が30分間行われました。

参考人として、請願を提出した命の水を守る市民ネットワーク・みやぎの佐久間敬子代表が急きょ呼ばれ、以下のように意見を述べました。

1.みやぎ型のような水道三事業の一大改正に対しては、充分な議論を尽くしてほしい。多数の受水者の意見を聞くべきだ。

短期間にもかかわらず、12月16日に提出予定の「慎重審議を求める請願」への賛同団体は300を超えている。平和団体、女性団体、労組、食品販売会社、オンブズマン等、多種多様な団体が提出してくれた。

多くの県民が次第に関心を深めてきているが、全体像が見えず不安に思っている。

様々な学習会でアンケートを取ると、「私たちにはよくわからない」「説明が足りない」という声が多い。9月のパブコメ結果もそうだった。

これだけ大きな制度の変革なのだから、県民に十分説明して審議すべきだ。

2.ちゃんとした科学的データ、財務データに基づいているのかが不明で、環境負荷についての検証も不足している。

官のコストと民のコストの二重コストになるし、モニタリングも三重になるのでコストがかかる。

3.水道事業が抱えている問題は全国同じなのに、別のやり方で解決しているところがいろいろある。みやぎ型以外の選択肢もあるのではないか。こういう検討をするために議会での時間が必要だ。

日本は明治以来水道は公営だった。公営で行う意味がちゃんとある。

海外の国では沢山の失敗がある。イギリス労働党は自分達が政権を取ったら(水道民営化)はやらないと宣言している。イギリス会計検査院は高上りであると検証した。

みやぎ型は、私たちには降って湧いたような話。知らない県民がいっぱいいる。

県民生活にも産業にも多大な影響がある。

現在の県の財政を見ると、あわてて決めるべき状況ではない。

(10月の県議選で当選した)新たな県議さんにも、みやぎ型を学習する時間が必要。

これまで命の水を守る市民ネットワーク・みやぎは、

① 県民への情報公開と説明不足のまま9/2からパブコメを実施するのは中止するよう要請書を宮城県に提出

② みやぎ型に関する十分な情報公開と熟議による審議を求める意見書を宮城県に提出するよう請願書を仙台市に提出

③ みやぎ型の実施方針策定に係る意見書をPFI委員会に提出

④ みやぎ型の慎重審議を求める請願を宮城県に提出

という形で問題提起してきた。

以下は、委員から参考人への質疑応答です。

福島かずえ委員

より良いコンセッションをしようとすればするほど費用がかかるのでは?

佐久間敬子代表

ちゃんとしたデータに基づいてやるならコストがかかるのは当たり前。

他国では水争いがあるが、日本は水が余って経営が大変。

しかし、水に代わるものはないので、公的使命は格段のものがある。国連でも、「水は人権」と言っている。水は商売の対象ではない。命、健康、産業を守っていくかけがえのないもの。最後まで公共セクターが守っていくべき。後世にどういう責任を尽くせるのか。

岸田清実委員

どんな場面で情報提供が足りないと感じるか?

佐久間敬子代表

圧倒的多数の人が、みやぎ型が生活にどう影響するかわかっていない。

県のホームページや出前講座に触れることができる人は限られている。189万人の県民はわからないままに決まってしまう。業者に対するほど県民には説明していない。

佐藤仁一委員 

継続審議してほしいという署名団体の一番不安に思っていることは何か?

佐久間敬子代表

ここで決めてしまって後悔しないか、もっと良い解決策があったのにとならないか。

20年後の水道事業はどうなっているのか。

岩手中部水道企業団のやり方を検討すべき。

私たちだけが良ければよいのではなく、後世の人のことも考えなければならない。

佐藤仁一委員 

県の企業局、食と暮らしの安全推進課 、市町村といった行政間の調整がちゃんとなされているのか?

佐久間敬子代表

いろんな部局に関わる問題なので、そこが全部一緒になって考えないとうまくいかないのでは。

高橋宗也副委員長

今議会では実施方針を示すだけで、実際には令和3年に運営権者を決定することになるので、今(みやぎ型を)決めることにはならない。それでも反対か?

佐久間敬子代表

(他の選択肢を検討しないまま)先に進めてからやめるのは、膨大な無駄になる。

コンセッションを可能にすること自体も必要ないのではないか。

ゆさみゆき委員 

どこもやっていないことを宮城県でやるのは大変だという声があるが?

佐久間敬子代表

モデルケースになって自慢だと言うが、モデルケースは先が見通せないということだ。

 

この後、「議第197号議案の採決は、賛否だけでなく継続審議を含めた3択にすべき」と、福島かずえ委員から動議が出されましたが、賛成少数で否決され、議第197号議案の採決は、委員長を除く9人のうち、与党会派である「自民党・県民会議」と公明党県議団の5人が賛成し、野党会派である「みやぎ県民の声」と共産党県議団、社民党県議団の4人が反対して、賛成多数で可決されました。

ただし、ゆさみゆき委員が、委員長報告に関して意見を述べることができる「少数意見の留保」を発議して、認められたため、ゆさみゆき委員、福島かずえ委員、岸田清実委員、佐藤仁一委員の議案反対の意思が、個別に議事録に明記されることになりました。 

議第197号議案の継続審議を求めた請願は、賛成少数で不採択となりました。

 

みやぎ型を導入可能にする条例改正案は、残念ながら、17日の宮城県議会本会議で、自民、公明など与党会派の賛成多数で可決される見通しです。

明日は、午後1時にみんなで最終討論を傍聴に行って、 この歴史的瞬間を見届け、事の重大さを周囲の人たちに 全力で広めましょう!!

条例改正案が可決されても、運営権設定提案・ 議決は、 令和3年6月か9月議会になります。

それまでに考え直す世論を盛り上げていきましょう!!  

議会閉会後には、勾当台公園の角で、みやぎ型反対の街頭宣伝と「まんがでわかる宮城県の水道民営化」を配布します。

命の水を守る市民ネットワーク・みやぎが   「水道民営化」条例の継続審議を求める請願書を宮城県議会議長に提出しました!!

2019年12月6日、命の水を守る市民ネットワーク・みやぎは、約20名の市民で県議会の議長応接室を訪れ、宮城県議会への「水道民営化条例案は今議会では継続審議とし、計画の精査と県民・市町村への説明責任を果たすよう求める請願書」(賛同署名 212団体) を、宮城県議会石川光次郎議長に提出しました。

 

この請願書の紹介議員は、坂下やすこ議員(みやぎ県民の声)、三浦一敏議員(共産党議員団)、岸田清実議員(社民党議員団)、菅間進議員(無所属の会)の4人です。

水道コンセッションに係る請願書

水道コンセッションに係る請願書

請願の理由1 

実施計画素案に対するパブリックコメントで多くの県民が指摘したように、県の説明は極めて不十分で、上工下水道の民営化に県民合意があるとはとても言えない。

市町村に対する説明も不十分で、下水道民営化後の市町村負担がどうなるかについてはまったく説明されていない。

20年間もの長期間の委任を決めるのに、重要な事項は2021年の事業者と県の契約で決まるというPFI法に基づく手続きを進めることは、民主主義と地方自治をないがしろにしていて、公共サービス基本法の趣旨に反する。

 

請願の理由2

民営化による経費の節減に関して「期待値」は示されているが、その根拠は不明。  節減方法によって生じる施設の劣化問題と合わせて説明すべき

水質と民間事業者の経営状況についての監視と検査を徹底するほど大きくなる「二重コスト」の問題に関する説明・議論が不十分。

下水道事業の民営化後に、経費の節減と利益追求が優先されると、排水による環境負荷が増大する懸念がある。養殖漁業等への影響を事前に確認する必要があるが、何の説明もされていない。

民営化後の料金体系について、上水道だけでなく、下水道も含めた県民と市町村の負担がどうなるかを明らかにすべき。

災害時の復旧や事故時の対応、県職員の技術の継承の問題など、指摘されている懸念に県は十分な説明をすべき。

 

請願の理由3

この民営化計画が、宮城県上下水道事業が抱えている課題を解決するどころかむしろ解決を困難にするのではないかと危惧される。

岩手中部水道企業団などでは設備・管路のダウンサイジング等によって水道サービスをすべての人に保障する「持続可能な水道事業」に改革する取り組みが進められている。その要となっているのは住民合意を原則にした自治体間の連携と、知識と技術力を備えた人材の育成・確保である。

市町村の課題を置き去りにして、県民合意がないまま民営化を進めることは、課題解決に逆行する。

公共下水道事業には、地球的規模での環境負荷の低減に貢献することが要請されているが、民営化は大きな禍根を残す恐れがあり、この点からも再考が求められる。