宮城県の水道民営化問題

命の水を守るため、水道の情報公開を求めていきましょう!

12/14エフエムたいはく「みんなで話そう! あしたの宮城 ― 地域主権という希望」 みやぎ型の運営権者みずむすびマネジメントみやぎの決算や報告を分析して見えてきたこと

2023年12月14日放送エフエムたいはくの「みんなで話そう!あしたの宮城 ― 地域主権という希望」の音声&文字起こしです。

 

今回の記事内容

◆みやぎ型導入1年経過後の決算や報告を分析して見えてきたこと

 ①宮城県における広域水道の経営状況が、より一層わかりにくくなった

 ②20年間で167億円も人件費を削減して大丈夫なのか?

 ③水道民営化の効果や水質検査の情報公開が全く不十分

◆水道を所管する委員会のメンバーだった前県議から見たみやぎ型の問題点

 ①運営権者に売却した部分についての決算は、議会には出て来ない

 ②「電力が上がって大変だろう」ということで、県がみずむすびに2億800万払ってる

 ③実施契約書が県の企業局と運営会社だけで勝手に変えられた

 

youtu.be

 

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

エフエムたいはくをお聞きのみなさん、こんばんは。

「みんなで話そう!あしたの宮城 ― 地域主権という希望」の時間です。

今晩も番組のパーソナリティは、命の水を守る市民ネットワークみやぎの面々が務めてまいります。私は多々良です。よろしくお願いします。

そして、私たち市民ネットワークの共同代表の佐久間敬子さん、さらに、小川静治さんにも加わっていただきます。佐久間さん、小川さん、よろしくお願いします。

佐久間さん小川さん

よろしくお願いします。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

で、今日お迎えしているゲストは、福島かずえさんです。

福島さん、よろしくお願いします。

福島さん(前宮城県議会議員)

よろしくお願いします。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

福島さんのご紹介なんですが、宮城県議会議員であられるというふうに申し上げたいところなんですが、前(ぜん)、前の宮城県議会議員の福島かずえさんということで。

福島さん(前宮城県議会議員)

残念ながら。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

実は、この間の10月のね、県議会議員選挙で、惜しくも次点、涙を呑んだという結果でした。若林区でね。やあ、実は私たちもね、福島さん、絶対大丈夫だと思ってたので、もう愕然としてしまったんですよね。佐久間さんねー。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

ホントに申し訳ないなと、私も思ってまして、こんな貴重な人材を県議会に送れない、なんて不甲斐ないんだと、あの、ずっと思っております。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ハイ。でもね、まだまだね、もう、全然、これからも頑張っていただきたいし。

福島さん(前宮城県議会議員)

これからも、4年後目指して頑張りますので。水道は、私にとっても、ライフワークにしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

よろしくお願いいたします。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

えー、私たちもホントに頼りにしている方なので、ぜひ、またね、(県議会に)戻っていただきたいというふうに思ってますから、ご期待申し上げております。頑張ってください。

福島さん(前宮城県議会議員)

よろしくお願いしまーす。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

で、えー、福島さんをお招きしてね、えー、今回の話題は他でもない、私たちの番組の原点である水道民営化の問題を、もう一度しっかり取り上げようということで、えー、この12月、今年最後の1ヶ月に2回の放送はね、やりたいと思っています。

で、この「みんなで話そう明日の宮城ー地域主権という希望」っていう番組を、あのう、今年度になってやらせてもらってるんですけども、実はこの番組は、その前約2年間ですね、えー、水道民営化の問題からスタートしてるんですね、問題意識はね。

「ストップ水道民営化」という番組を、2020年、2021年っていう、こう、2年間、やらせてもらったんですよね。

で、これは、宮城県が、全国に先駆けて、宮城県の県営水道、県の水道事業を、ま、道コンセッションという形でね、民間企業に、ま、その運営権を売却するという計画を持ってるんだっていうことがわかって。

これはちょっと、私たちの命と水を、ま、言ってみれば民間企業の、その、何ていうんですか、事業活動というか、ま、ありていに言えば、商売の儲けのネタにしていいの? っていう、そういう問題意識を持ったところからスタートしたんですよね。

みやぎ型導入1年経過後の決算や報告を分析して見えてきたこと

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

なんですが、その宮城の水道民営化、ま、正確に言うと、水道コンセッションのやり方なんですけど、これは2022年の4月1日からスタートするということになったわけです。で、えー、今年ですね、2023年3月31日で、えー、1年目の事業を終えたということだったんですよね。

で、その後、この水道民営化を請け負った、ま、運営権を買い取った、みずむすびマネジメントという会社から決算が出たし、十分とは言えないかもしれないけれど、いろんな報告も出てきてるわけですよね。

で、それをこう、分析して、まずは、「宮城県の水道民営化が行われて、1年目がどうなったのか? 」ということを検証するというところから、ちょっと入っていきたいんですね。

で、これ、小川さんにね、もう少し解説をしていただきたいんですが、この1年目の宮城の水道事業、みずむすびの決算や報告を分析して、どういうことが見えてきますか?

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小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

えーと、あのう、ま、決算、今年の3月末で、こう、締めたわけですけれども、1年間の売上高っていうのは、運営権者のみずむすびマネジメント社の売上高ってのは、68億円だったんですね。これは、あのう、計画を5億円上回った、と。だから、「良かった」っていうことですね。

で、しかし、あ、同時に、あのう、利益もそれに伴って、計画の2倍の3億6000万円ということだったんですよ。だから、企業経営という点でいうと、計画を大きく上回ったということです。

しかし、背景はですね、たとえば夏の給水量が、大多数の市町村で計画よりも暑かったので、水いっぱい使ったわけですよ。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

なるほど。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

それで、バッと増えちゃったっていうことだとかですね、あのう、要するに、自然由来と言いますかね、季節要因ということも非常に大きかったっていうことで、これは、「順調にこれからも同じようにいくのか? っていうことになると、わからない」ということを、みずむすび社も考えているようです。

で、もう一方で、宮城県の事業者だったわけですから、あのう、みずむすびマネジメント社を含めてトータルに、水道事業、広域水道事業の状況はどうなのか? ということなんですが。

たとえば、事業ごと、水道で言えばですね、上水道で言うと、売上高っていうのは2億2000万円で、実はこれ、去年に比べると15億円も減ってるんですよ。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

はあ~。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

もちろん、みずむすび社に運営権を譲渡してますから、その分減るってことはいいんですけれども、じゃあ、「県とみずむすび社合わせたら、どれぐらいの売り上げ規模で、どういう利益になってるのか?」 っていうのがわからないんですよね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

でも、そこが、一番のカギじゃないですか。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

だから、そういう点で言うと、そのう、経営状況、宮城県における広域水道の経営状況が、より一層わかりにくくなったということが、一つの大きな、1年間かけて、まあ、あの、経過してわかったことが、大きな点だと思うんですね。

2番目の点はですね、今回の水道民営化で県が一番のお題目にしたってのは、「337億円も、20年間でね、コスト削減ができるから、これは県民にとって非常にプラスのメリットなんだ」と。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

そうでしたね。強調してましたね。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

ということを、その、ずーっと言ってきたわけですね。で、実際に、あの、ここ、この1年間のコスト削減額っていうのはですね、実は、えー、当初のみずむすび社の契約だと、「いや、あのう、コスト削減が今年はできないで、4000万円ぐらいちょっと増えちゃいます。コストが逆に。だけど、その後20年間かけてずーっと減らしていきますよということなんで、そんな心配しないでください」というふうに、こういうふうにずうっと言ってきたんですよね。

で、実際に、じゃあ、計画が今言ったように4000万円ぐらいで、逆に増える計画だったのが、実際はですね、3億円、3億円削減されちゃったわけですよ。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ほう~。へえ~。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

逆なんですよね。だから、計画で4000万円上回る、プラスになるはずが、3億円も削減されるという、わずか1年間の中でも、そうやってバラつくわけですよね。

「計画がその通りいく、なあんていうことは、ないんだ」っていうことを示したのが、この1年間のコスト削減に関する1つの大きな教訓だというふうに思います。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

なるほど。ま、計画と実績は必ずブレる、と。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

そういうことです。私たちがやっぱり注意しなきゃいけないのは、先ほど言った、20年間で337億円という膨大なコスト削減をするっていうふうに言ってるわけですけども、その半分がですね、人件費がなんですよね。

つまり金額で言うと、167億円ですけれども、この人件費がこれだけ削減するっていうことは、ホントに大丈夫なのか? と。組織体制、いろんな人員のノウハウがそこに、人に溜まっていく、そういう状態が崩れるんじゃないか? っていう懸念がね、やっぱり、拭えないですね。2番目の問題は、そういうことだと、だったと思います。

3番目の大きな問題点で言うとですね、情報公開の問題ですね。で、あのう、宮城県は監査委員会っていう組織があって、水道事業についてもですね、監査委員会が監査するんですね。

ただ、あのう、みずむすび社の直接監査はできないんだけれども、宮城県全体のこの事業について意見を言うっていうふうなことになってるんですけども。

その中でですね、みやぎ型、いわゆる水道民営化の効果っていうのは、経営指標の数値推移だとか、事業削減効果、先ほどちょっと触れましたけども、それを県民向けにわかりやすく公表し、説明責任を果たされたいというふうに、一文、監査書の中に入れて、だから、「ちゃんとやってね」っていうふうに言ってるんですね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

クギ刺してるんですね。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

ということは、やはり現状が、情報公開のレベルっていうのは不十分だということを、監査委員会も認識しているからこそ、わざわざ書くわけですよね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ですよね、暗にそう言ってますよね。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

そういう点でいうと、あのう、この1年間のわかった3つ目ぐらいのとこで、やっぱり、この情報公開の問題って、やっぱ残ってるんだなあっていうことがわかりました。

それから、それに関連してなんですけれども、モニタリング、あのう、宮城県とあるいは県民が、あのう、水道事業に対して、モニタリングどうできるのか? っていうことは、より一層わからなくなってきた、と。

つまり、経営審査委員会っていうのがあるんですけども、これは、あのう、学識経験者とかですね、そういう人たちが、ま、第三者機関というふうに言ってると思うんですけど、そこは会議でしか、あのう、モニタリングしないんですよ。

で、会議に報告されたことを、「いいです」「悪いです」あるいは、「これ、どういうことなんですか? 」ってことをやるだけっていうことですから、モニタリングを、ホントにちゃんとやられてるのか? っていうのは、全く見えない。そういう状況に、今、なっています。

で、そういうふうにモニタリングが見えないのと同時に、水質検査、これも、あの、非常に大きな関心事を、県民の人たちは抱いているわけですけれども、「大丈夫なのか? 」と、「民間に任しちゃってね、本当に水質検査ができるのか? っていうことを、ちゃんとできるのか? 」ということを心配されてるわけですけども。

実はですね、毎年11月、だから、もう今日12月ですので、11月には各水道事業でですね、管理年報とか事業年報とかを出して、「水質データはこうでしたよ」っていうことを報告する。そういう冊子が出されるんですね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

例年であればね、ハイ。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

それが、今まだ、出されてないんですよ。で、あのう、その、今言った年報ではですね、まあ、あの、これは、仙南中南部下水道事業で言うと、130ページのうち、50ページぐらいが、水質検査のデータなんですよ。だから半分近くですね。

それが、みずむすび社、いまホームページ見ていただくとわかるんですけども、非常に薄っぺらいわずかな情報公開だけなんです。だから、ホントに先ほど言った管理年報とか事業年報が、ちゃんと、あのう、出されるのか? と。

みずむすび社が出してるのが、非常に、こう、簡易なものでしか出されてませんから、そのまんまスライドされて、今までA4判で50ページぐらい、ずーっとあったやつがですね、ぐっと圧縮されるんじゃないか? そのことによって、そのう、情報公開が県民に見えない。そういう状態になっていくんではないのか? というふうなことが懸念される。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

なるほど。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

こういうことも、改めてわかりました。で、結果的に、えー、この1年間の中でですね、6件の事故が発生してしまった、と。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

6件も。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

6件もね。そのうち1件というのは、重大事故ということで、これもやはり、あのう、本当の意味でノウハウが、引き継がれているのか? っていうことを、ちょっと、こう、疑問に持たざるを得ないね、そういうような事故だということで。

ま、これ、あの、事故は付きものではあるんですけども、6件も起きるっていうこと自体がね、やっぱ、ちょっと気にかかるんです。これから大丈夫なのか? っていうふうなことを思わざるを得ない。

ま、そういう意味で、あのう、相当県がね、あのう、関与して、全体のマネージメントに責任をちゃんと負うような、そういう体制を、県が作らないとならないなっていうことも、改めて示したんではないかなっていうふうに思います。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

なるほど。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

ま、そのようなことが、この1年間の中でわかったことっていうふうに言っていいんじゃないでしょうかね。

◆水道を所管する委員会のメンバーだった前県議から見たみやぎ型の問題点

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ハイ、よくわかりました。

どうですか? 福島さん、今の小川さんの話ね、宮城の水道民営化1年目で見えてきたことということだと思うんですが、福島さんから見ると、どうですか?

福島さん(前宮城県議会議員)

そうですね、まず、そのう、「よくわからなくなったし」ということでいえば、そのう、運営権者に売却した部分についての決算は、議会には出て来ないわけですよ、全く。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

民間企業の決算ですからね。

福島さん(前宮城県議会議員)

そうなんです。それ以外の部分のものが、議会には出てきてます。これは、監査委員に対してもそうですから。

本当に、そのう、売却した部分の詳しい中身については、ま、運営会社も、運営権者も、情報公開、それなりにホームページにはしてますけれども、質問もなかなかできませんからね、議会の側からはね。

そういう意味では、本当に、こう、部分的にしか、水道や下水道事業の中身がわからなくなった、と。チェックできないわけですよ、示されてないから。

議会としての役割が果たせなくなったというのは、非常に大きいですね。予算も出てこなかったけれども、決算も出ないということで、決算書も、昨年までとは全く違う形態になっちゃって、非常に、あのう、わからないブラックボックスになってます。ということが1つです。

それから、あの、コスト削減額の問題で、20年間で、その、9会計、ま、9事業で337億円のコスト削減って言ってましたけれども、そのうちの1つの、ま、私たちの飲み水のほうが関心あるので、ま仙台市民のみなさんも供給されている仙南・仙塩広域水道事業は、20年間でコスト削減効果、あの、当初導入時は、91億円って、こう、言ってたんですけれども。

1年後の決算の時に聞いてみると、えー、89億3000万円ということで、もうすでに1億7000万も「コスト削減するよ」っていう金額が変わっているということで、1年間で2億近くも変わるようでは、20年間でこの金額が本当にコスト削減になるのかどうか? というふうに聞いたんですけれども、そこについては、担当課長も、その、337億円っていうのは、令和元年に公表したものであって、その、今の、そのう、89億っていうのは、昨年の8月に算定したものだから、時点が異なっているので、現実には一致しないみたいなことで。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

何言ってるんだか、よくわからないですね(笑)。

福島さん(前宮城県議会議員)

何言ってるよくわからないんですけど。結局、その、ドンドン、そのう、20年間の間に、「当初はそうだったけど、結局こうなりました」っていうふうになるのが、大変こう、怖いなというふうに思っているところです。

ま、情報公開っていうのも、さっき言ったように、えー、議会にはそもそも出てこないということが、本当に、あの、問題だというふうに思っています。

それに加えてですね、あのう、今回、ビックリポンしたことは(笑)、あのう、まあ、あのう、みなさんもご承知のように、様々な物価が上がっている、と。ま、それはわかりますけれども。

その、えー、消費電力の関係もあって、あのう、下水道事業なんか、こう、動力費というのは非常に大きいんですね。それも上がったからと言って、結局、あのう、先ほど、あのう、みずむすびは3億円の純利益上げたっていうふうに言ってますけれども、1年で。実は、そのうちの2億800万円は、その、契約書にもない、ルールにも書いてないことなんですけれども、あの、「大変電力が上がって、大変だろうから」ということで、県が、実は、そのう、2億800万、みずむすびさんに払ってる、と。で、その議案も、あの、補正予算として、9月議会に出されました。

で、なんで、その、ま、運営権を買って経営してる企業ですから、利益が上がることもあれば、あの、マイナスのリスクも背負って参入したんだと思うんですけれども。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

どんな民間企業でも、それが事業っていうものです。

福島さん(前宮城県議会議員)

県はですね、「それでは大変だろう」と思ったのかどうか? わかりませんけれども、「実施契約書に基づいて、こういう扱いをしました」というような答弁を、本会議で、私じゃない別の与党議員にしたもんですから、「え? 実施契約書のどこ? 」って、こう、調べていったら、実は、今年の6月に、契約書は書き換えられてたというね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

えー、なんですか? それ。

福島さん(前宮城県議会議員)

あれだけ騒いで、導入時に、あのう、実施契約書は、あのう、宮城で初めて、このう、民間に、そのう、水道事業を渡すための大事な契約書であって、それが、そのう、法律にもない部分をきちっと定めているという、だから、一語一句、一条々々、見ていって。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

そうですよね。

福島さん(前宮城県議会議員)

途中で、あのう、1回、事業実施前に変わったことについても、すごく、私たち、問題だと思って、いろいろ言ったんですけれども。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ええ、ええ、ええ、そういう経過ありましたね。

福島さん(前宮城県議会議員)

ところがですね、今年の6月20日に、「電力代が上がったから、このままでいくと、みずむすびの経費が大きくなるということもあり、その部分は市町村にも求められないということで、県が補償金として支払う」という項目が、新たに、県の企業局の管理者とみずむすびの運営権者と、社長との2者で契約交わしたというのが、そこでわかったんですね~。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

はあ~~、何ということでしょう。

福島さん(前宮城県議会議員)

何ということでしょう。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

何ていう、こう。

福島さん(前宮城県議会議員)

何でもありですよね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

何か売り渡しちゃったっていう、そういうイメージですよね。

福島さん(前宮城県議会議員)

つまり、議会にも諮られなかったですし、報告もなかったですし、「何でこういうことをするの? 何を根拠に? 」って聞いたら、「実施契約書です」って。

でも、その時は、「実施契約書に基づいて」だけで、「その実施契約書は、いつのもの? 」と言うと、「6月に変えました」というね。

miyagi-suidou.hatenablog.com

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ええーー!

福島さん(前宮城県議会議員)

こういうことを、後出しで出てきました。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ああーー。

福島さん(前宮城県議会議員)

これはね、まだまだみなさんに知られていないと思うので、ぜひ、こんなことを許してしまえば、何でもありです。議会に諮られないので。

そのう、ま、残念ながら、水道法だけでは、こうした企業の水道事業のいろんな問題について、あのう、ルールがまだないので。

全国で初めてのことなので、ほぼ実施契約書が、もう基本のルールなんですけど、 そのルールが勝手に自分たちだけで、県の企業局と会社だけで変えられる。議会は蚊帳の外ではね、県民も蚊帳の外ではね、本当に困ったもんだと思いますね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

これは、ほとんどの県民に知らされてないことだというふうに思いますよね。佐久間さんね、これ本当にビックリポンの事態ですね。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

驚きましたね。あのう、「県民、県議会が遠くなったな」と、そういうことは感じますけども。あの、いま福島さんがおっしゃったみたいにね、水道法、事業として扱うっていう、そういう法律がないですよね、だから、事業じゃなかったからね、ある意味では。公営企業ではあったけど。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

はいはいはい。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

だから、まあ、今おっしゃったみたいに、実施契約書だけが拠り所

で、私たち、あの、このコンセッションを導入する議会で、この実施計画書を含むね、様々な文書を、トコトン議論していただいて、私たちも意見を述べて、そして、ま、残念だけど、採択されて、コンセッションが始まったという経過があるので、そういう経過から見ると、このう、まあ、言ってみれば、運営権者に利益になる条項の追加ですよね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

そうですよね。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

それをね、いくら契約者は2者だと、県と運営権者とはいえですね、実態は、まあ、県民の水道だし、県が責任を持って運営する水道事業だから、やっぱり、議会、委員会、県民に、それなりの説明をするということがね、あって当然だと思うんですね。

ま、それが、いとも簡単に条文の追加という形でね、入れられてしまって、しかもその報告が2、3ヶ月後ですかね。

福島さん(前宮城県議会議員)

そうですね。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

質問を受けて初めて、答弁したという経過のようですから、これはもう、驚くべき話なあ、と。
福島さん(前宮城県議会議員)
9月です。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

9月の議会で、6月に行われたことがね。

福島さん(前宮城県議会議員)

はい。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

しかもそれは、積極的に報告があったわけではないんですね?

福島さん(前宮城県議会議員)

調べていったら、「最初の契約書には、そういったことがないんじゃない」と、「どこに書いてあるの? 」って聞いたら、「いや、6月に変えたものにあります」という。「ええっ! 」ていう。「それは、ホームページには載っています」というふうには言われましたけど。

ま、ホームページには公開していたけれども、「公開してるよ」ということも、議会の委員会の私たちにも言わないし、そもそもやはり、元代表制っていうことであれば、こういう大事なものを変えるときには議会に諮る、あるいは、そういう議論をする場を設けるのが当たり前と思いますね。

やっぱり、これも村井(知事)流なのでしょうか?

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

本当にね、だって、議会で議論がないどころか、報告をされないっていうのは、県民に何も知らせられてないということとイコールですよね、等しいですよね、うーん。

おっしゃったように、民間企業と(県)の2者との間で、まあ、言ってみれば、密室でというかね、交わされた契約書の中でだけのことだっていうことですから、これは問題ですよね。

福島さん(前宮城県議会議員)

「そこまで県民の権利を委ねたつもりはないよ!」って、「ホントにみなさん、怒ってください」って言うんです。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ホントそうですよね。しかも、それが、最初、小川さんが、あのう、解説してくださったように、初年度3億6000万でしたっけ? 「利益が出て、ああ、よかったね」と思いきや、えー、そのうちの2億いくらでしたっけ?

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

800万。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

2億800万は、実は、県がお助けしてあげた分だったっていうことなんですよね。

福島さん(前宮城県議会議員)

そうですね。そのとおりです。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

なんということでしょうか、う~ん。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

民間企業なら絶対にありえない。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ありえないですよねー。普通の民間企業の商売だったら、そうやって赤が出るリスクも背負って、黒を目指してみんな頑張るわけですよ。う~ん。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

利益も損失も、全部さ、企業が一体として受け取る。それが企業のアレですね、本来のあり方でしょう。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

なるほどね。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

丸抱えみたいになってるの、おかしいですよね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

この辺は、そもそもコンセッションという仕組みの問題点でもあるっていうんじゃないでしょうかねえ。う~ん。

で、えー、最初、あのう、小川さんもおっしゃったように、えー、そうでありながら、県と民間企業みずむすびのトータルの収支って言いますかね、ま、結局、1年目、良かったか? 悪かったか? ってこと、これ、わからない。よくわからないって、なっちゃってんですよね? これどうなんでしょう? しょうがないことなんでしょうかね?

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

だから、県からすると、このような状態、つまりわかりにくい状態を正すということをやっていけば、いわゆるコンセッション方式が、いかに、そのう、公共事業として、あのう、そぐわないものかとわかってしまうわけですよね。

だから、そういう意味で言えば、「いや、あの、県としては、県単独の事業でこれだけの売り上げがありましたよ」とかね、「利益ありましたよ」とか言ってるじゃないですか。こういうふうに言うわけですよ。

だから、あの、「民間と合わさるとどうなんだ? 」「いや、民間と合わせると、ちょっと、それぞれの会社のノウハウ、経営実態との関係があります。それはできないんですよ」と、こういうふうに言うわけですよ。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

そういう言い逃れが出てくるんですよね。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)

だから、そこが、そういう意味で言えば、彼らも、そのう、そういうことを続けていけばね、信頼を失うんだっていうことを、やっぱり理解すべきなんですけどね。

そりゃあ、まあ、福島さんがおっしゃる村井流というのは、なかなか、そのう、県民、市民の感覚に沿って、どうマネジメントするか? 政治するか? っていうことについては、非常に欠けているので、その象徴が、この水道事業にも表れているというふうなことは言えるんじゃないでしょうかね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

これ、逆説的に言えばっていうことですけど、完全民営だったら、逆に、わかりやすい決算書が出てくるんですよね。ま、たとえば電気はそうですよね。

福島さん(前宮城県議会議員)

そうですね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

電気は東北電力の決算書を見れば、全部わかるわけですよ、一応ね。でも、これが、コンセッションというやり方をしてるもんだから、逆に、全てが闇の中みたいな話になってる。

福島さん(前宮城県議会議員)

しかも、そのう、えー、完全民営化であれば、3,000億円近い宮城県の資産を、その企業が買い取らなくちゃいけないんですけれども。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

そこ、そこ。

福島さん(前宮城県議会議員)

それは、あのう、そういう資産は県が持ったまま、ただ運営権だけを売却したというね、10億円ですけど。わずか10億円で。(笑)
ま、そこが、非常にコンセッションという形で、その、国の方針ですけれども、企業が参入しやすいように、その、完全民営化でなくても、あのう、リスクを背負わなくても、もう儲けだけ上げられるような仕組みを考えて、一生懸命、こう、進めてる、と。

ま、それが空港であれば、仙台空港が第1号という形で、水道は、上水道は、宮城県が初めてということです。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ま、遡れば、えー、例の水産特区もね、言ってみれば、漁業の民営化ですね。漁民のものであった漁業の民営化だし、えー、今、一番の焦点となっている4病院の再編問題だって、ある意味、この、医療をね、公的、公共的なものから外していこう、と。

県営病院は、結局、あれ、2つ潰すっていうことを意味しますからね、結論はね。

福島さん(前宮城県議会議員)

そうです。統廃合ですね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

そうですね、うん。ということに繋がっていくのかな、と。ま、ちょっと、福島さん、おっしゃったように、これが村井流なのかというふうに、ちょっと思わざるを得ませんね、これはねえ。う~ん。

福島さん(前宮城県議会議員)

そうですね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ありがとうございました。えーと、今日はそういうわけで、この、水道民営化1年目の決算と報告書から、読み解けること、見えてきたことということで、小川さんと福島 かずえさんのお話を中心に伺ってまいりました。

次回もね、えー、この、水道民営化の問題を、引き続き、えー、掘り下げて取り上げたいというふうに思います。どうも今日は、ありがとうございました。

福島さん(前宮城県議会議員)

ハイ、ありがとうございま~す。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

聞いてくださったみなさんも、最後までありがとうございました。

福島さん(前宮城県議会議員)

また、よろしくお願いしま~す。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

次回もよろしくお願いしま~す。

福島さん(前宮城県議会議員)

はい。