宮城県の水道民営化問題

命の水を守るため、水道の情報公開を求めていきましょう!

宮城県は、みやぎ型に関して視聴者の不安を煽り立てる番組を東北放送が放映したため、BPO(放送倫理・番組向上機構)に申し立てたと発表!

2023年1月23日、村井知事は、定例記者会見にて、東北放送が放映したテレ東制作番組「ウソかホントかわからない やりすぎ都市伝説 2022 秋」は、事実誤認に基づく「視聴者の不安を煽り立てる内容」であり、「みやぎ型管理運営方式は間違った方式であるというようなことを与えることが世の中のためにならないと考えた」ため、BPO放送倫理・番組向上機構)に申し立てたと発表しました。

これに対して、<BPO申し立ては「水道民営化の問題点」を広く知ってもらういい機会かもしれない>という声があります。

 

宮城県HPより

www.pref.miyagi.jp

 

今回の記事内容

◆記者発表資料

◆【知事発表項目】放送倫理・番組向上機構への申し立てについて

◆twitter の声 やりすぎ都市伝説という番組は報道番組でもないし…

◆みやぎ型の現場を担う企業の議決権株式は、ヴェオリア・ジェネッツが51%保有

 

2023年1月23日知事定例記者会見動画より

2023年1月23日知事定例記者会見 - YouTube

 

◆記者発表資料

 

宮城県HPより

宮城県HPより

 

◆【知事発表項目】放送倫理・番組向上機構への申し立てについて

 

宮城県HPより

宮城県HPより

宮城県HPより

宮城県HPより

宮城県HPより

宮城県HPより

宮城県HPより

 

twitter の声 やりすぎ都市伝説という番組は報道番組でもないし…

 

この宮城県BPOへの申し立て報道に対して、次のような tweet がありました。

BPO申し立ては「水道民営化の問題点」を

広く知ってもらういい機会かもしれない

ということです。

そこで改めて、みやぎ型の基本的な仕組みについて確認してみましょう。

 

◆みやぎ型の現場を担う企業の議決権株式は、ヴェオリア・ジェネッツが51%保有

 

導入に至るまでの経緯とみやぎ型の諸々の懸念点については、水ジャーナリストの橋本淳司さんが、わかりやすく記事にまとめてくださっています。↓

news.yahoo.co.jp

みやぎ型導入を決定する宮城県議会の最終局面において最も問題となったのは、下記の抜粋記事で解説されているように、新OM会社「株式会社みずむすびサービスみやぎ」の議決権株式を、ヴェオリア・ジェネッツが51%保有していることでした。

OM会社とは、Operation&Maintenance 会社の略で、宮城県とみやぎ型事業の実施契約を締結をした「みずむすびマネジメントみやぎ」が出資して新設した「株式会社みずむすびサービスみやぎ」が、みやぎ型の事業現場を全面的に担うことを示しています。

 

事業を受託したのは、メタウォーターのグループの特定目的会社。名称は「株式会社みずむすびマネジメントみやぎ」で、メタウォーター社が議決権株式の51%を保有する。

一方、実際の運営とメンテナンスを行うのは特定目的会社が出資し新設した新OM会社「株式会社みずむすびサービスみやぎ」だ。コンセッションに懸念を示す議員であっても、地域の雇用創出を図る構想は好ましいと考えていた。

だが、今年6月、新OM会社の議決権株式の保有者が明らかになると宮城県議会は再び揺れた。この会社は、フランスの大企業ヴェオリア傘下のヴェオリア・ジェネッツ社が議決権株式の51%を保有していることがわかった。

(「日本初の水道事業民営化。運営会社の議決権株式はヴェオリア・ジェネッツ社が51%保有橋本淳司氏 2021/8/31発信記事より)

注)太字・カラーはブログ筆者が付しました。

 

株式会社みずむすびマネジメントみやぎ・株式会社みずむすびサービスみやぎのHPに、その関係性が図示されています。

株式会社みずむすびマネジメントみやぎ・株式会社みずむすびサービスみやぎHPより

www.mizumusubi.co.jp
宮城県議会の2021年6月24日の一般質問で、岸田清実議員は次のように述べています。

宮城県の水道民営化問題 2021.7.20 記事より

宮城県の水道民営化問題 2021.7.20 記事より

宮城県の水道民営化問題 2021.7.20 記事より

miyagi-suidou.hatenablog.com

天下みゆき議員も、2021年6月25日の一般質問で、

宮城県の水道民営化問題 2021.6.27 記事より

と問い、

2021年6月29日の三浦一敏議員の一般質問でも、

宮城県の水道民営化問題 2021.7.13 記事より

と問い質しています。

みやぎ型は、単なる大規模な業務委託ではないのです。

水道事業という公共サービスで、投資家が大きく儲けていくための仕組みなのです。

 

 

 

「新しい資本主義実現会議」で検討されている ベネフィットコーポレーションとは?

岸田文雄首相のもと、「新しい資本主義実現会議」が、すでに13回開催されています。

 

内閣官房HPより

この中で「社会的課題を解決する経済社会システムの構築」と銘打ち、「これまで官が担ってきたサービスにおいても、多様なニーズにきめ細かく対応するため、民間の主体的な関与」を促進しようと、民間で公的役割を担う新たな法人形態と既存の法人形態の改革が検討され、ベネフィットコーポレーションというものもクローズアップされています。

内閣官房HPより

注)令和4年11月30日時点の有識者メンバーです。

 

今回の記事では、このベネフィットコーポレーションに関して、内閣官房HPで公開されている資料の抜粋を中心にご紹介します。

 

今回の記事内容

「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の実施についての総合経済対策の重点事項(第10回 新しい資本主義実現会議 資料)

◆民間で公的役割を担う新たな法人形態・既存の法人形態の改革の検討を行う

新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(第9回 新しい資本主義実現会議 資料)

◆個社の短期的収益を重視 → 社会的価値を重視

◆ベネフィットコーポレーションとは、公的な役割を目的とする新たな法人形態

◆インパクト投資の推進

◆官民連携プラットフォームの機能強化、企業版ふるさと納税のPR

◆コンセッション(PPP/PFIを含む)の強化

基礎資料(第5回 新しい資本主義実現会議 資料)

◆ベネフィットコーポレーションへの投資傾向

◆各国の公的な役割を目的とする企業の法制度

◆日本のコンセッション事業実施状況

 

「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の実施についての   総合経済対策の重点事項 

 

内閣官房HPより

www.cas.go.jp

 

◆民間で公的役割を担う新たな法人形態・既存の法人形態の改革の検討を行う

 

「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の実施についての総合経済対策の重点事項  6ページより

 

非営利組織では、事業実施主体として限界があり、資金調達の柔軟性が低いので、

大規模な課題解決が難しいという指摘がある

新しい資本主義実現会議の下、民間で公的役割を担う新たな法人形態検討会を設置し、新たな法制の要否について検討を進め、来年(=令和5年)6月までに結論を得る

財団・社団等の既存の法人形態の改革も、あわせて検討する

 

新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画

 

内閣官房HPより

www.cas.go.jp

内閣官房HPより

新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 令和4年6月7日https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/ap2022.pdf

 

◆個社の短期的収益を重視 → 社会的価値を重視

新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 24ページより

金銭的リスク・リターンだけでなく、

社会面・環境面のインパクトを考える企業社会を推進する

 

◆ベネフィットコーポレーションとは、公的な役割を目的とする新たな法人形態

新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 25ページより

欧米では、ベネフィットコーポレーション等の新たな法制度が整備されつつある

 

新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 基礎資料集 41ページより

ベネフィットコーポレーションは

マルチステークホルダー的運営が義務付けられている

株式会社でも、株主価値の向上のため、取締役が株主以外のほかの利害関係者の利益を考慮することができる

ベネフィットコーポレーションの取締役は、他の利害関係者の利益を考慮することが要求される

剰余金の分配(配当)についての制限は課されていない = 配当は可能
ベネフィットコーポレーションであることに伴う税制優遇はない

 

新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 基礎資料集 42ページより

2010年10月から2017年12月までの間に、7,704社のベネフィットコーポレーションが設立、または株式会社等から移行、全米に拡大

 

新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 基礎資料集 43ページより

 

社会面・環境面のインパクトを重視する投資家だけでなく

ヘッジファンドなど利益追求型の投資家も

ベネフィットコーポレーションに投資を行っている

 

ブログ筆者のコメント

ベネフィットコーポレーションであるというだけでは、税制優遇はなく、配当も可能というのですから、ヘッジファンドのような利益追求型の投資家が、社会還元よりも大きな果実を要求して資金を引き揚げるなどの圧力をかけ、経営が危うくなるような事態をどう防ぐのか? といった懸念があります。

また、企業が致命的な環境破壊などを行って強欲に儲けた後に、罪滅ぼしにもならないような欺瞞的慈善活動を展開するといったことを阻止するため、具体的な方策の検討が必要です。

 

インパクト投資の推進

新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 26ページより

 

社会的起業家への投資官民ファンドなどによるインパクト投資経済的利益の獲得
のみでなく社会的課題の解決を目指した投資)を推進

ソーシャルボンド(調達した資金が社会的課題の解決に貢献するプロジェクトのみに充当される債券)について、プロジェクトの実施による社会的な効果を適切に開示できる
ようにする

ガイドラインの整備を図り、社会的課題ごとに、発行主体の参考となる指標の例を示す

 

◆官民連携プラットフォームの機能強化、企業版ふるさと納税のPR

 

地域の課題解決のため、自治体と企業・NPO等とのマッチングを促進する

官民連携プラットフォームの機能強化

企業の人材を自治体に派遣する取組を進めるため

企業版ふるさと納税のPRを進める

内閣官房内閣府総合サイト「地方創生」より

企業版ふるさと納税(人材派遣型)https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/portal/pdf/R021013_jinzaigaiyou.pdf


◆コンセッション(PPP/PFIを含む)の強化

 

公共施設の民間事業者による運営を行うコンセッションを加速する

空港分野では、運営権対価の最大化を図りつつ、地方管理空港を含め、原則として全ての空港へのコンセッション導入を促進

新たに策定したアクションプランにより、PPP/PFIの導入を自治体が優先的に検討するよう取組を強化

内閣府HPより

PPP/PFI推進アクションプラン (令和4年改定版) 概要https://www8.cao.go.jp/pfi/actionplan/pdf/actionplan_r4_1.pdf

 

ブログ筆者のコメント

「公共の施設とサービスに民間の知恵と資金を最大限活用」するのはよいのですが、 民間企業に依存しすぎるのは問題です。

日本国憲法

第八章 地方自治

第九十二条 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。

第九十三条 地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。

② 地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。

第九十四条 地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

第九十五条 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。 

注)太字・カラーは、ブログ筆者が付しました。

elaws.e-gov.go.jp

地方自治の本旨とは、「住民自治「団体自治という地方自治制度の2つの原則のことです。

「住民自治とは、地方自治が住民の意思に基づいて行われること

「団体自治とは、地方自治が国から独立した団体に委ねられていること

住民と地方自治体は、国や企業に従属する存在ではなく、それらから独立した意思と機関を所有することが、憲法で保障されているのです。

地方自治法

第一条 この法律は、地方自治の本旨に基いて、地方公共団体の区分並びに地方公共団体の組織及び運営に関する事項の大綱を定め、併せて国と地方公共団体との間の基本的関係を確立することにより、地方公共団体における民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を保障することを目的とする。

第一条の二 地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。

② 国は、前項の規定の趣旨を達成するため、国においては国際社会における国家としての存立にかかわる事務、全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動若しくは地方自治に関する基本的な準則に関する事務又は全国的な規模で若しくは全国的な視点に立つて行わなければならない施策及び事業の実施その他の国が本来果たすべき役割を重点的に担い、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねることを基本として地方公共団体との間で適切に役割を分担するとともに、地方公共団体に関する制度の策定及び施策の実施に当たつて、地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されるようにしなければならない。 

注)太字・カラーは、ブログ筆者が付しました。

elaws.e-gov.go.jp

地方自治法にも、

地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として

地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う

住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねることを基本として

地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されるようにしなければならない。 

とあります。

そのためには、独自の専門的な知識・ノウハウを長期的に蓄積し、自前で人材育成をしていく力を保持しなければなりません。自主独立の気概を失ってしまうほど国や企業に依存してしまってはいけないのです。

 

基礎資料

 

内閣官房HPより

www.cas.go.jp

基礎資料 15ページより

基礎資料 令和4年4月 内閣官房 新しい資本主義実現本部事務局https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai6/shiryou1.pdf

 

◆ベネフィットコーポレーションへの投資傾向

 

基礎資料 18ページより

 

基礎資料 19ページより

 

◆各国の公的な役割を目的とする企業の法制度

 

基礎資料 21ページより

 

◆日本のコンセッション事業実施状況

 

基礎資料 22ページより

 

基礎資料 23ページより

 

基礎資料 24ページより

 

 

 

現在パブコメ中の宮城県水道広域化推進プラン(中間案)と宮城県下水道広域化・共同化計画(案)の2つは、読むだけでもとても勉強になります! 意見提出期限は1/16(月)です!

2022年12月16日から2023年1月16日という同じ期間で、「宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」(宮城県環境生活部食と暮らしの安全推進課環境水道班)と「宮城県下水道広域化・共同化計画(案)」(宮城県土木部都市計画課下水道班)の2つのパブリックコメントが行われています。

宮城県全体の水道と下水道についてわかりやすく学べる機会というのは、これまでなかなかありませんでした。私は、今回この2つのパブコメを読むことによって、ようやくこれらの基本的な枠組みや全体像をイメージできるようになった気がします。

この記事では、私がこの2つのパブコメを読んで押さえておくべきだと思った点や疑問に感じた事柄について述べさせていただきたいと思います。

ご意見の提出先や提出方法については、↓ をご参考になさってください。

miyagi-suidou.hatenablog.com

 

今回の記事内容

 

「宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」について

◆「宮城県水道広域化推進プラン」→「水道基盤強化計画」→  市町村等事業者が実行

◆「宮城県水道事業広域連携検討会」=「広域的連携等推進協議会」

「宮城県水道広域化推進プラン」とみやぎ型の関係

 県内の水道事業は、石巻地方広域水道企業団を除き、各市町村単位で運営

◆ 水安全計画の整備・取組や緊急時対応マニュアル、日常業務マニュアルの整備状況

◆ 若手職員が少なく、専門性の高い分野では民間委託が進んでいる 

◆ 水道広域化に対する各市町村等事業者の意向

◆ 宮城県の水道取水量の70%以上がダムからの取水、法定耐用年数超え管路が約2割

◆ 宮城県の水道料金は全国の都道府県で4番目に高い

◆ 水道施設や管路の更新工事の発注や施工管理等を担う技術職員が不足

◆ 令和40年度には、水需要が30%減少し、更新費用が1.5倍に

◆ 水道料金を県全体平均で1.75倍に引き上げ、最大4.7 倍にする必要のある地域も

◆「安全な水を、いつでも、いつまでも安心して受け取れる水道」を実現する指標

◆ 水道広域化を実現するための5つの基本方針

◆ 仙台市と塩竈市における共同浄水場の整備

◆ 黒川地区(富谷市・大和・大郷町・大衡村)共同委託に関するシミュレーション

◆「広島県水道広域連合企業団」の事例

◆ 大阪府の広域化ロードマップ

◆ 広域化の推進方法

◆ 推進体制とスケジュール

◆ 宮城県水道広域化推進プラン中間案(概要版)

 

「宮城県下水道広域化・共同化計画(案)」について

◆ 県内35市町村を7つの地域ブロックに分け、下水道広域化・共同化を検討

◆ 宮城県と各市町村の汚水処理事業の概要 

◆ 流域下水道事業の概要 

◆ 各地域ブロックの構成団体と主な理由

◆ 課題の抽出と取り組み方針

◆ 広域化・共同化の取組メニュー

◆ 汚水処理施設の統廃合

◆ 広域汚泥処理の検討 下水道担当職員の人材育成

◆ 発注様式・仕様書の統一化、施設の維持管理業務等の包括的民間委託

◆【維持管理の効率化の事例】上下水道における包括的民間委託(黒川ブロック)

◆ 水質検査の共同化

◆ 指定工事店申請事務の共同化、排水設備申請書類、基準の統一化

◆ 仙台市の訓練への参加・災害時合同訓練の実施、BCPの共同策定

◆ 資機材の把握、共同購入 下水道台帳データの共有化

◆ 下水道 PR・広報活動の共同化 不明水対策勉強会の共同開

◆ 下水道における DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入事例 

◆ 広域化・共同化に向けたロードマップ(取組時期)

◆ 計画の推進に向けての検討体制

◆ PDCA サイクルを活用した事業マネジメント 

◆ 宮城県下水道広域化・共同化計画(案)(概要版)

 

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」について

 

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)より

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)(令和4年11月)宮城県https://www.pref.miyagi.jp/documents/42957/suido_widearea_plan_pub_all_1.pdf

 

 

◆「宮城県水道広域化推進プラン」→「水道基盤強化計画」→  市町村等事業者が実行

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」1ページより

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」3ページより

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」4ページより

宮城県の水道広域化は

水道事業の経営基盤を強化するために、

「水道広域化」によるスケールメリットを得て

事業を効率化・合理化することを目指して、

宮城県水道広域化推進プラン」で

市町村を越えた水道広域化の推進に必要な施策などに関する県の考え方をとりまとめ、

「水道基盤強化計画」に、具体的な取組を記載して、

市町村等事業者が、実現していく

という流れになっています。

 

◆ 宮城県水道事業広域連携検討会 =「広域的連携等推進協議会」

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」6ページより

宮城県水道事業広域連携検討会は、県が、市町村等をメンバーとして、水道事業の広域化の検討を行うために平成31年1月に 設置した会議で、「水道基盤強化計画」の策定に際して、これを「広域的連携等推進協議会」と正式に位置づけて検討が進められます。

 

◆「宮城県水道広域化推進プラン」とみやぎ型の関係

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」8ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

宮城県水道広域化推進プラン」とみやぎ型とは、直接的な関係はありませんが、

市町村等の水道事業者が希望した場合、みやぎ型の運営会社(みずむすびマネジメントみやぎ)が業務を受託できる仕組みになっています。

ブログ筆者のコメント

このことが、「みずむすびが儲けやすいようにするために、宮城県の水道広域化を進めているのではないか? 」という疑念を呼んでいます。

 

◆ 県内の水道事業は、石巻地方広域水道企業団を除き、各市町村単位で運営

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」13ページより

◆ 水安全計画の整備・取組や緊急時対応マニュアル、日常業務マニュアルの整備状況

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」16ページより

◆ 若手職員が少なく、専門性の高い分野では民間委託が進んでいる 

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」17ページより

◆ 水道広域化に対する各市町村等事業者の意向

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」20ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」21ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

令和4年度に県が各市町村等事業者に対して実施したアンケートでは、

広域化で将来的な課題を解決したいという事業者は多いとはいえず、

最も水道広域化の効果が高いといわれる事業統合を考えている事業者の数は

約半数にとどまっています。

「地理的条件からメリットが見いだせない、

既に自助努力しており必要がない、

小規模の事業者が統合しても経営が圧迫されるだけ」

などという声が紹介されています。

 

◆ 宮城県の水道取水量の70%以上がダムからの取水、法定耐用年数超え管路が約2割

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」22ページより

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」25ページより

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」26ページより

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」29ページより

 

◆ 宮城県の水道料金は全国の都道府県で4番目に高い

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」31ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」32ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

 

宮城県の水道料金は、多くの建設費等が必要なダムが水源となっている割合が高いため、全国の都道府県で4番目に高く、宮城県の中でも、地域間の水道料金格差が2倍を超えています。

しかも約半数の水道事業者が、給水にかかる費用を料金収入で賄い切れていません。

 

◆ 水道施設や管路の更新工事の発注や施工管理等を担う技術職員が不足

 

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」33ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

更新工事の発注や施工管理等を担う技術職員を十分に確保しないと、

今後増加する更新投資に対応しきれなくなる可能性があります。

◆ 令和40年度には、水需要が30%減少し、更新費用が1.5倍に

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」36ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」37ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

◆ 水道料金を県全体平均で1.75倍に引き上げ、最大4.7 倍にする必要のある地域も

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」38ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」39ページより

県の財政収支シミュレーションによると、令和40年度には県全体の水道事業合計で266.0 億円の赤字が見込まれ、単独経営のままで料金改定を行って赤字を解消し事業を維持する場合、令和40年度には、水道料金を全県平均で 1.75 倍まで引き上げる必要があり、事業者によっては最大 4.7 倍の料金改定が必要とのことです。

 

◆「安全な水を、いつでも、いつまでも安心して受け取れる水道」を実現する指標

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」41ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」42ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」43ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

宮城県の水道が目指すべき姿である「安全な水を、いつでも、いつまでも安心して受け取れる水道」を実現するための指標として、① 水道料金技術職員数 施設利用率の3つが選定されています。

「水道料金」の値上げ幅を抑制する対策

投資の合理化や維持管理費を削減するために、スケールメリットを発揮できる体制整備が有効とされ、民間の資金やノウハウを活用してサービス水準の維持向上と経費の削減を図るとしています。

ブログ筆者のコメント

ただ、こういったことを考慮に入れつつも、それに依存しすぎないようにする仕組みも、同時に整えていく必要があると思います。

たとえば、スケールメリットを追うあまり、これまで地域の水質に合わせて微調節していた薬品の種類を絞った結果、水質の安全が保たれる閾値にゆとりのがない状態が日常になってしまい、小さな事故や災害でも頻繁に水質の安全が脅かされるようになったり、民間の資金やノウハウは、公共の福祉よりも企業の利潤を優先するという事実に、どう歯止めをかけていくか? といった議論が手薄になっています。

技術的な人材育成だけでなく、「公共の福祉を最優先し、それを実現するためにはどうするのか? 」を、しっかり考えられる高度な公共スペシャリストの育成が絶対に必要です。

②「技術職員数」の安定的な確保・養成する対策

計画的な職員採用と、経験豊富な他事業者の職員から専門知識や技術継承を行うなどの研修強化が必要だが、事業規模が大きいほど広域的な人材確保が可能となるとしています。

ブログ筆者のコメント

求人に応募する側の立場から考えてみましょう。

地域独自の水道の癖や気候、地理環境に密着した仕事に長期にわたって携わっていく際には、生計を立てるのに十分な報酬や安全な労働環境、充実した職業訓練だけでなく、愛着が感じられ貢献したいと思えるような地域社会に定住するということが不可欠です。

単に事業規模が大きければ人が来るというものではなく、愛着が感じられ貢献したいと思えるような地域社会を作っていくという行政側の意思と具体的な方策があってこそ、「一生を捧げるに足る仕事だ」と働く側に認識してもらえるのではないでしょうか。

③「施設利用率」の現状維持または改善する対策

施設規模は適正化を図りつつ、災害時に備えて一定の余力を確保しておく必要もあります。施設利用率の現状を維持するには、現在の施設規模を約30%縮小する必要があり、市町村の枠組みを超えた施設の共有化などが有効としています。

 

◆ 水道広域化を実現するための5つの基本方針

 

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」44ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」45ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」46ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

 

(1)利用者へのサービスレベルの維持に配慮した水道広域化の推進 

事業者や共同化の単位が大きくなることで、以前受けられていたサービスが受けられなくなるといったデメリットが生じないよう対策を行う。

(2)参加する市町村等事業者の全てがメリットを得られる水道広域化の推進 

長期的な効果を見える化して、参加する市町村等事業者全てと利用者がメリットを得られるように進める。

(3)長期的な視点に立った水道広域化の推進

過剰な更新投資や地球温暖化などで将来世代に「ツケ」を回さないようにする。

(4)災害時等のリスクにも対応できる水道広域化の推進

災害等発生時に想定される「リスクへの備え」と、施設等の維持管理に必要となる「コスト」とのバランスをしっかり見極めていく。

(5)市町村等事業者が主体的に選択する水道広域化の推進 

県は、水道法に定められた「広域連携の推進役」として、本プランや水道基盤強化計画を策定するとともに、市町村等事業者が主体的に水道広域化の取組を選択し実現できるように積極的に支援する。

ブログ筆者のコメント

ここに示されたような基本方針を実現していくためには、いずれも地域の実情と生活実態に熟知した住民の意見を丁寧に掬い上げることが不可欠です。

小さな自治体ではこういったことを行うゆとりがないというのであれば、それこそ旗振り役の県が積極的に技術的人員的な支援をして、大々的に住民の意見を深く聴取する体制を整えるべきです。

 

◆ 仙台市塩竈市における共同浄水場の整備

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」52ページより

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」53ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

 

◆ 黒川地区(富谷市・大和・大郷町大衡村)共同委託に関するシミュレーション

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」54ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

ブログ筆者のコメント

このシミュレーション結果には疑問があります。

まず水道は、現状と比べると割安とされる共同委託の場合でも、大和町以外は民間委託をしたほうが高くつき、特に大衡村は2倍の経費がかかってしまいます。

いっぽう下水道では、現状と比べると割安とされる共同委託の場合、大郷町以外は安くなりますが、特に富谷市の経費が極端に抑えられるのは、かえって下水浄化のプロセスで手抜き的なことが行われ、環境負荷が大きくなるのではないか? という不安を感じます。

水道水の異変は、利用者にすぐに指摘されるため、事業者も水質の維持に務めますが、そのぶん下水道の浄化コストを下げて、利益を上げようとしているのではないか? と思ってしまいます。

こういった点をどうチェックするのか? が記述されていないので、5,900万円のコストカットをできたとしても、それが良い選択肢かどうかは判断できません。

 

◆「広島県水道広域連合企業団」の事例

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」58ページより

 

◆ 大阪府の広域化ロードマップ

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」59ページより

 

◆ 広域化の推進方法

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」60ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」62ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

 

本プランの内容を基礎資料として、水道基盤強化計画を令和6年度までにまとめ、具体的な取組につなげる。

事務の共同化や施設の共同利用などの取り組みやすい連携策から段階的に広域化を進め、将来的には圏域を超えたより大きい単位による様々な形態での事業統合の実現を目指す。

ブログ筆者のコメント

県民の意見をしっかり反映させるには、水道基盤強化計画を令和6年度までにまとめるというのは、性急すぎるのではないでしょうか。

具体的な個別の事例ごとに、それぞれ、その広域化はするべきか? やめたほうがよいのか? を検討し、個別の事例ごとに住民の意見を取り入れていく必要があります。

 

◆ 推進体制とスケジュール

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」63ページより

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」64ページより

注)黄色いマーカーはブログ筆者が付しました。

 

◆ 宮城県水道広域化推進プラン中間案(概要版)

 

宮城県水道広域化推進プラン中間案(概要版)より

宮城県水道広域化推進プラン中間案(概要版)より

宮城県水道広域化推進プラン中間案(概要版)

https://www.pref.miyagi.jp/documents/42957/suido_widearea_plan_pub_summary.pdf

 

ご意見提出方法は、 ↓ をご覧ください。

www.pref.miyagi.jp

 

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)について

宮城県下水道広域化・共同化計画 (案)より

宮城県下水道広域化・共同化計画(案) 令和4年12月 宮 城 県https://www.pref.miyagi.jp/documents/43290/kouikikaan.pdf

 

 

◆ 県内35市町村を7つの地域ブロックに分け、下水道広域化・共同化を検討

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)1ページより

宮城県下水道広域化・共同化計は、

宮城県生活排水処理基本構想(以下、「県構想」という。)の

「整備・運営管理手法」を定めた整備計画として策定する。

 

◆ 宮城県と各市町村の汚水処理事業の概要 

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)5ページより

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)6ページより

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)7ページより

各市町村の下水道事業以外の汚水処理事業は、

農業集落排水が19市町、漁業集落排水が5市町、簡易排水が1町、合併処理浄化槽は全35市町村、コミュニティ・プラントが3市町

注)以下は、宮城県下水道広域化・共同化計画(案)巻末資料 用語集より引用

農業集落排水

農業集落における下水を排除し処理する、農林水産省所管の施設のこと。

※農業集落:農業上形成されている地域社会のこと。

漁業集落排水

漁業集落における下水を排除し処理する、水産庁所管の施設のこと。

※漁業集落:漁業地区の一部において、漁港を核として、当該漁港の利用関係にある漁業世帯が居住する範囲を、社会生活面の一体性に基づいて区切った範囲のこと。

簡易排水

山村等の中山間地域の下水を排除する農林水産省が所管する施設のこと。

合併処理浄化槽

し尿と生活雑排水を合わせて処理する環境省所管の浄化槽のこと。

コミュニティ・プラント

廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき市町村が定める一般廃棄物処理計画に従って設置され、管渠によって集められたし尿及び生活雑排水を併せて処理する、環境省所管の施設のこと。

 

◆ 流域下水道事業の概要 

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)9ページより

 

◆ 各地域ブロックの構成団体と主な理由

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)10ページより

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)11ページより

 

◆ 課題の抽出と取り組み方針

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)30ページより

県内のほとんどの市町村の汚水処理原価は、

全国平均より高く、下水道使用料で賄えていない

 

◆ 広域化・共同化の取組メニュー

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)31ページより

 

◆ 汚水処理施設の統廃合

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)32ページより

 

市町村が管理する農業集落排水等の汚水処理施設を

公共下水道や流域下水道等に統合することにより、

汚水処理に係る経費や消費エネルギーの縮減を図る

 

統廃合により災害時のリスクの集中が想定される  BCP等の検討を進めていく

 

◆ 広域汚泥処理の検討 下水道担当職員の人材育成

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)33ページより

 

県内で発生する汚泥の集約処理を行い、

汚泥処理費用の縮減、汚泥の肥料化、脱炭素、再エネルギー化などを図る

 

注)以下は、宮城県下水道広域化・共同化計画(案)巻末資料 用語集より引用

脱炭素(カーボンニュートラル

省エネルギー化の促進や再生可能エネルギーの活用等により、代表的な温室効果ガスである二酸化炭素の排出量を実質ゼロにしようとする取組のこと。

再エネルギー化

下水汚泥に含まれる有機物をエネルギー資源(メタンガス化、石炭代替燃料化等)として有効利用すること。

 

肥料化、再エネルギー化に当たっては、需要の確保が必要となるため、

市場調査等も検討していく。 

 

◆ 発注様式・仕様書の統一化、施設の維持管理業務等の包括的民間委託

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)34ページより

 

施設の維持管理業務等の包括的民間委託では

「地域維持型契約方式」などの入札制度についても検討を進めていく。 

 

注)以下は、宮城県下水道広域化・共同化計画(案)巻末資料 用語集より引用

包括的民間委託

受託した民間事業者の創意工夫やノウハウの活用により、効率的・効果的な運営を行うために、複数の業務や施設の運転管理等を包括的に委託すること。

地域維持型契約方式

地域の社会資本の維持管理を地域精通度の高い建設業者が包括的な事業の契約単位(工種・工区・工期)や地域企業による包括的な体制で実施する方式。地域維持型 JV 方式と事業協同組合方式(共同施工、分担施工)がある。

 

◆【維持管理の効率化の事例】上下水道における包括的民間委託(黒川ブロック) 

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)35ページより

ブログ筆者のコメント

この事例では委託費の縮減ということが謳われていますが、水道のほうは、現状と比べると割安とされる共同委託の場合でも、大和町以外は民間委託をしたほうが高くつき、特に大衡村は2倍の経費がかかってしまいます。

その一方、下水道では現状と比べると割安とされる共同委託の場合、大郷町以外は安くなりますが、特に富谷市の経費が極端に抑えられているのは、下水の浄化プロセスにおいて手抜き的なことが行われ、環境負荷が大きくなるのではないか? という疑いがあります。

水道水の異変は、利用者にすぐに指摘されるため、事業者も水質の維持に務めますが、そのぶん下水道の浄化コストを下げて、利益を上げようとしているのではないか? と思ってしまいます。

5,900万円の経費削減ができたとしても、こういった点をチェックする仕組みがきちんと構築されなければ、下水道事業の健全運営につながるとは言えません。

 

◆ 水質検査の共同化

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)36ページより

 

◆ 指定工事店申請事務の共同化、排水設備申請書類、基準の統一化

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)37ページより

 

◆ 仙台市の訓練への参加・災害時合同訓練の実施、BCPの共同策定

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)38ページより

 

◆ 資機材の把握、共同購入 下水道台帳データの共有化

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)39ページより

 

◆ 下水道 PR・広報活動の共同化 不明水対策勉強会の共同開

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)40ページより

 

◆ 下水道における DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入事例 

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)41ページより

ブログ筆者のコメント

今後、ICTやIoT、AI等のデジタル技術の高度化と社会の広範な分野への浸透がますます進んでいきます。

急速に進歩する技術の陳腐化リスクが深刻にならないようにするために、長期間の年月を要する大規模なシステム構築よりも、迅速に改良やバージョンアップをすることが可能な小回りの効くシステム構築を基本方針にして、過大なダム建設の轍を踏まないようにしてほしいと思います。

社会全体のデータ通信量が爆発的に増えていく勢いは止められませんし、すべての事柄においてブロックチェーン化が徹底していくと、そう遠くない未来、日本でも電力不足に直面する懸念があります。そういったリスクや世界中からのサイバー攻撃にも備える必要があります。

 

 

◆ 広域化・共同化に向けたロードマップ(取組時期)

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)42ページより

 

◆ 計画の推進に向けての検討体制

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)50ページより

ブログ筆者のコメント

「7 つの地域ブロック毎に『ブロック別勉強会』を設置し、各地域ブロックが抱える課題に対する取組について検討していく。これらの検討にあたっては、県が事務局となり、各地域ブロックの幹事となる市町村と連携しながら、意見交換を進めていく。 」とあります。

是非ここに、仙台市水道サポーターのような住民の声を聴く仕組みを加えるべきです。

一番の当事者である住民を抜きにして、地域の問題を本当に把握することはできません。

地域の人々の知見や要望に真摯に耳を傾け、一緒に地域を作っていくという行政の姿勢があってこそ、地域の人々の事業への理解も進み、それを通じて地域から下水道事業を担う次世代の人材が生まれてくる可能性も高まるのではないでしょうか。

 

◆ PDCA サイクルを活用した事業マネジメント 

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)51ページより

 

◆ 宮城県下水道広域化・共同化計画(案)(概要版)

 

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)(概要版)より

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)(概要版)より

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)(概要版)https://www.pref.miyagi.jp/documents/43290/kouikikaangaiyou.pdf

 

ご意見提出方法は、 ↓ をご覧ください。

www.pref.miyagi.jp

 

 

 

12/6宮城県議会(令和4年11月定例会)本議会一般質問での遠藤伸幸議員の「水道事業の諸課題について」

2022年12月6日、宮城県議会(令和4年11月定例会)本議会一般質問にて、遠藤伸幸議員(公明党県議団)が、「水道事業の諸課題について」ということで、水道管の老朽化による漏水状況把握にAIや衛星画像解析を活用してはどうか? と提案しました。

宮城県議会HPより

miyagi-pref.stream.jfit.co.jp

遠藤伸幸議員(公明党県議団)

最後に、大綱6点目、水道事業の諸課題について伺います。

近年、全国的に水道管の老朽化による漏水や断水といった事故が多発しています。

昨年10月、和歌山市では、水管橋が崩落し、1週間にわたり市内の4割にあたる6万個が断水。今年5月には、静岡県菊川市で水道管が破損し、3日間、約6,700世帯で断水が発生しました。県内でも、今年7月に、仙台市青葉区台原で水道管が破裂し、一時約22,200戸で断水や濁水が発生しました。いずれも水道管の老朽化が原因と見られています。

本県の水道管の総延長17,183キロメートルのうち、40年の法定耐用年数を超過している管路の割合は23.8%で、全国平均20.6%を上回っております。今後、管路の更新を急ぐ必要がありますが、多額の費用がかかることから、管路の老朽化や漏水状況を的確に見極めながら、優先順位を決めて投資を行っていかなければなりません。

しかし、管路の状態把握は、一度掘り起こして目視で確認する必要があるなど、時間と費用、労力がかかり、なかなか進まないのが実情です。

こうした中、全国では、AIや衛星画像解析など、最新の技術を導入して課題を克服しようとしている自治体があります。愛知県豊田市では、全国で初めて人工衛星の画像から水漏れの可能性のある区域を特定する技術を導入しました。

どのような仕組みか? というと、まず、人工衛星だいち2号が特定エリアの画像を撮影した後、地球に向けてマイクロ波を放射します。マイクロ波は、地下約2メートルの深さまで浸透し、塩素を含む水道水に当たると、他と異なった反射が得られます。その反射特性を撮影画像に登録し、配管データなどと組み合わせてAIで解析することで漏水している場所を特定、推定できるという技術です。

同市では、令和2年9月から令和3年4月にかけてこの技術を使った漏水調査を実施、延長2,210キロの水道管から、漏水可能性区域を257キロに絞り込み、うち259カ所で漏水を発見しました。漏水調査の期間は、5年から7ヶ月に短縮され、コストも約10分の1に削減したとのことです。現在は、日本のベンチャー企業とともに、より画像解析の精度を向上させた漏水調査の実証実験を行っております。

www.city.toyota.aichi.jp

先日、公明党県議団でもこの取り組みを視察しましたが、すでに50を超える自治体がこの技術の導入に向けて予算化を進めているとのことでありました。同市の担当者によりますと、複数の自治体が連携して依頼すれば、費用はさらに抑えられるとのことであります。

本県でも漏水調査の効率化や管路の更新、修繕の効率化に向けて、市町村と連携して、県の広域水道のみならず、市町村の水道事業にこの技術の活用を検討してはどうか? と考えますが、ご所見を伺います。以上で壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

佐藤達也公営企業管理者

大綱6点目、水道事業の諸課題についてのご質問にお答えいたします。

水道は県民生活を支える重要な社会資本であり、特に、広域水道において漏水が発生した場合にはその影響が広範囲に及ぶことから、県ではこれまで、東日本大震災の教訓を踏まえ、水道管の耐震化や伸縮可とう管の補強を重点的に実施してきたほか、将来到来する管路の本格的な更新を見据え、埋設管路の調査に今年度から着手するなど、老朽化に起因する漏水事故の防止にも努めているところであります。

一方、市町村においては、耐用年数を超過した水道管が膨大な延長になるにもかかわらず、漏水調査は人手による音聴調査、音を聴いて漏水の有無を判定することですが、この音聴調査が主流であることから、多くの労力と時間を要しており、漏水箇所の早期把握と管路更新の効率化が大きな課題であると認識しております。

ご提案のありましたAIや衛星画像解析などを活用した漏水調査等については、新しい技術であることから、先進事例の状況やその有効性、効率性等を把握するとともに、市町村とも情報を共有しながら、その活用について検討してまいります。私からは、以上でございます。

 

 

 

1/25みやぎ型の事業をモニタリングする経営審査委員会が開催されます! 傍聴申込はメールにて1/16まで受付ています!

2022年12月26日、宮城県HPに<「みやぎ型管理運営方式」令和4年度第2回宮城県企業局経営審査委員会の開催について>が掲載されました。

傍聴申込はメールで受付、応募多数の場合は抽選になります。会場での写真撮影、録画、録音は、委員会の運営に支障をきたさない限り認められます。

 

宮城県HPより

宮城県HPより

www.pref.miyagi.jp

 

会場のフォレスト仙台は、地下鉄南北線北四番丁駅北2出口から徒歩7分、堤通雨宮町バス停から徒歩2分と交通の便がよいところです。

www.forestsendai.jp

 

これまでの経営審査委員会

 

過去の経営審査委員会の審議内容・議事録・会議資料は、宮城県HPで公開されています。

www.pref.miyagi.jp

 

このブログでも、独自に文字起こしをし、関連資料も加えて公開してきました。

miyagi-suidou.hatenablog.com

miyagi-suidou.hatenablog.com

miyagi-suidou.hatenablog.com

miyagi-suidou.hatenablog.com

miyagi-suidou.hatenablog.com

miyagi-suidou.hatenablog.com

miyagi-suidou.hatenablog.com

 

 

 

「宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」と「宮城県下水道広域化・共同化計画(案)」のパブコメが始まりました!

2022年12月16日、「宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」(宮城県環境生活部食と暮らしの安全推進課環境水道班)と「宮城県下水道広域化・共同化計画(案)」(宮城県土木部都市計画課下水道班)の2つのパブコメが開始されました。

民営化しやすくするために、弊害をもたらすような広域化が進められていないか? をチェックする必要があります。

宮城県HPより

www.pref.miyagi.jp

どちらのパブコメも、12/16~1/16という年末年始を挟んだ募集期間になっていますが、パブコメ案は見やすく読みやすく作成されていますし、パブコメ案全体を概観できる概要版も公開されています。
みなさんお忙しい時期ではありますが、年明けにご意見を考えてご提出いただくために、年内に一度目を通されてはいかがでしょう (^_^)

 

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)」パブコメ

 

宮城県HPより

宮城県HPより

www.pref.miyagi.jp

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)より

宮城県水道広域化推進プラン(中間案)(令和4年11月)宮城県https://www.pref.miyagi.jp/documents/42957/suido_widearea_plan_pub_all_1.pdf

 

宮城県水道広域化推進プラン中間案(概要版)より

宮城県水道広域化推進プラン中間案(概要版)より

宮城県水道広域化推進プラン中間案(概要版)

https://www.pref.miyagi.jp/documents/42957/suido_widearea_plan_pub_summary.pdf

 

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)」パブコメ

 

宮城県HPより

宮城県HPより

www.pref.miyagi.jp

 

宮城県下水道広域化・共同化計画 (案)より

宮城県下水道広域化・共同化計画(案) 令和4年12月 宮 城 県https://www.pref.miyagi.jp/documents/43290/kouikikaan.pdf

 

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)(概要版)より

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)(概要版)より

宮城県下水道広域化・共同化計画(案)(概要版)https://www.pref.miyagi.jp/documents/43290/kouikikaangaiyou.pdf

 

 

 

【水道局の心意気!】みやぎの水が危ない!ストップ水道民営化【第39回ラジオ放送】の音声と文字起こしです。

2022年11月24日放送、 エフエムたいはくの「みやぎの水が危ない!ストップ 水道民営化」第39回の音声&文字起こしです!

エフエムたいはくHPより

fm-t.net

今回の記事の目次

◆ 市政出前講座「仙台市の水道事業の現状とこれから」

◆ 100年の歴史を持つ仙台市水道事業

◆  水道水チェック200仙台

◆ 仙台市水道事業は、公営事業の枠組みをしっかり堅持していく!

◆ 相互方向のコミュニケーションをやる

◆ 地方自治は、行政が主役じゃなくて、住民自治だ!

 

youtu.be

 

◆ 市政出前講座「仙台市の水道事業の現状とこれから」

 

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

エフエムたいはくをお聞きのみなさん、こんばんは。「みやぎの水が危ない!~ストップ水道民営化~」の時間です。

今晩も、パーソナリティーは命の水を守る市民ネットワーク・みやぎの面々が務めてまいります。私は多々良と申します。よろしくお願いします。そして今日は、私たちのネットワークの共同代表佐久間敬子さん、そして、私たちのネットワークのメンバーで、知恵袋である小川静治さんに加わっていただいて、進めてまいります。よろしくお願いします。

今日の話のテーマなんですけども、私たち市民ネットワークでは、先日、この間の土曜日に、11月19日に、仙台市の市政出前講座というのをやりました。「仙台市の水道事業の現状とこれから」というテーマで、学習会を開催いたしました。

命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ Facebook より

この学習会は、仙台市に市政出前講座という制度があって、これは仙台市民が仙台市政の「こうこう、こういうテーマで話をしてください。レクチャーしてください」というふうにリクエストすると、仙台市の担当の方が来てくれて、説明をしてくださるという制度があります。それを活用しました。

www.city.sendai.jp

で、テーマは、もちろん、「仙台市の水道事業の現状とこれからについて説明してください」ということでリクエストをしましたら、仙台市水道局の総務部の経営企画課長さん、神倉課長さんが来てくださいまして、直接私たちに説明をしてくれたというわけです。

神倉さんの最初のお話は40分ぐらいで、詳しいPowerPointの資料を作ってきてくださって、仙台市の水道事業の概要がどうなっているのか? そして、今どんな問題を抱えていて、それをどういうふうに解決していこうと考えているのか? 現状と課題ですね、そういうことについて、けっこう詳しくお話をしてくださいました。とてもいい機会だったなあと、私たち思っています。

参加者は、会場に直接参加してくださった方が48名、Zoomを通じてWebで参加してくださった方が24名、合計72名ということで、私たちの予想を上回る大勢の市民の方に来ていただきました。参加してくださったみなさん、ありがとうございました。

今日の番組は、この学習会を番組の中で再現するというか、中身をみなさんに報告していきたいなと思っています。

まず、小川さん、仙台市水道局の経営企画課神倉課長さんが、どんなレクチャーをしてくださったか? ちょっと簡単に説明してくださいますか?

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

仙台市の説明はですね、大きく3つに分かれていて、1つは仙台市の水道事業がどういうふうになっているか? っていうことなんですが。

たとえば、どこのダムで水を取って、どこで浄水して、どういうふうに流れてくるのか? ということを、「いろんな系統があるんだよ」ということを説明しながら、水道事業についての基礎知識を最初にお話いただいたうえで、水道事業の現状と課題ということを比較的詳しくお話しいただきました。

3.11を経験しているということもあって、災害対策をきちっとやらなきゃダメなんだということで、何かあった時に、水が途絶えないような仕掛けということを、「こういうふうにやってるんですよ」っていうことを説明してくれました。

もう1つは水質を徹底して管理をして、安心して飲めるようなことをやっているという紹介をいただきました。

ただ問題もあって、水需要、水を求める人の人口が減ってきますから、そのことはイコール取り扱いの水量が減るということ、それはイコール収入が減るということになる、と。

そういう点で言うと、水道管の寿命が古くなってきたので、更新しなきゃいけないお金をどう捻出するのか? ということだとか、経営をどういうふうに、将来どこにポイントを置いてやってく必要があるのか? というようなことをご説明いただきました。

同時に、それを担う職員、マンパワーをどう確保するのか? も合わせて課題だということで、お話しいただきました。

仙台市水道事業の中期計画を持っていて、非常に印象的だったのは、やることが3つあるということ。

1つは現在われわれが利用している水道の仕組み、水質管理や災害対策をキチッとやるということを含めて最適な仕組みを維持して、次世代に継承していくが大きな1つの塊。

もう1つの塊が、経営を持続可能なものにしていく。できるだけ料金を上げない。利用者が安心して利用できるような持続可能な水道事業の経営をやっていく。しかも赤字は出さないで。

もう1つは、これも非常に重要だと思うのは、「関係者との連携を強化します」、と。つまり、事業者や宮城県も含めて近隣の水道の事業体と連携しながら、特に利用者、ま、水道を利用しているわれわれ市民との様々な連携、協働により課題解決に取り組んでいくことを考えているということで、いま進めている内容をご説明ただき、大変わかりやすい説明だったなというふうに思いました。

水道事業中期経営計画〔概要版〕より

www.suidou.city.sendai.jp

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

まさに私たちのリクエストにちゃんと答えてくださった。「仙台市の水道事業の現状とこれから」について、わかりやすく説明していただきました。

で、佐久間さんは、この学習会をやろうと呼びかけてきっかけを作ったんですけども、どうでしたか? 感想を含めてお話ししてください。

 

◆  100年の歴史を持つ仙台市水道事業

 

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

水道のことって、正直言ってみんなあんまり知らない。宮城県の(水道事業が)民営化になるということで、みんな関心を持ってきた。

大変わかりやすくポイントを押さえたレジュメをご用意いただいて、説明してくださって、すごく良かったなと思いました。

私があまり知識がなかったこともあるんですけども、仙台市の水道事業の歴史というのはえらく長い、と。100年ぐらいになる、と。

仙台市水道局HPより

www.suidou.city.sendai.jp

仙台市は大きな市ですから、歴史として結構長い部類になるんでしょうけども、いただいたレジュメを見ると、水道事業の発展というのが、市が大きくなったとか、人口が増えたとか、産業が発展してきたとか、それから市民生活の安全安心の際に様々な水質の管理をしてきたとか、そういう形で事業が発展してきているというのがよくわかりました。

ただ、仙台市の水道は)拡張事業が第5次まであって平成11年で終わっているので、それ以降は、節水意識の高まりや需要の減少、節水器機が発達してきて、人口が減っているという問題が、全国の水道事業の大きな課題になっているのかなと思いました。

ちょっと驚いたのは、仙台市の配水管の長さが日本列島(の往復)と同じ長さで3,500㎞あるということで、日本列島の北は択捉から南の与那国島までの距離よりも長いんですよね。これを知ってですね、水道事業ってホントに大変な事業だ、と。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ですよね。これを維持管理していくのは、大変なことですよね。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

だから、ある特定の自治体だけでなくて、国家の大変大切な事業として、国家的な様々な配慮が必要だなということを痛感したのが、ごく大まかな印象です。以上です。

 

仙台の水道 H₂O 2021 12 vol.182 より

www.suidou.city.sendai.jp

 

◆  水道水チェック200仙台

 

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

私も、仙台市水道局の方と初めて直接お話を伺った、対話したということだったんですけども、やっぱり、「しっかりお仕事に誇りを持って取り組んでおられるなあ」ということは伝わってきました。

水質管理に関わる質問に対して、国の水質基準51項目に加えて、150項目以上の仙台市の独自の検査をやっているんだということをおっしゃっていました。これを水道水チェック200仙台と言うんだ、と。

水質管理、つまり安全安心のところ、そして美味しさ、安定供給、これを責任を持ってやってるんだということを強調しておっしゃってましたから、この辺は、仙台市水道局として誇りと責任を持って取り組んでるんだなあと思いましたよね。

 

仙台の水道 H₂O 20181 6 vol.172 より

仙台の水道 H₂O 20181 6 vol.172 より

仙台の水道 H₂O 20181 6 vol.172 より

www.suidou.city.sendai.jp

 

仙台市水道事業は、公営事業の枠組みをしっかり堅持していく!

 

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

この学習会は、先ほども言いましたように、全部で72名という私たちの予想を上回る多くの市民の方に参加していただきました。

ホントに有り難かったんですけども、神倉課長の説明が40分ぐらいありまして、その後、実に同じ時間、40~50分質疑応答の時間になってですね、会場参加者から、あるいはZoomを通じても質問が来ましたけれども、ずうっと引きも切らず、いろんな質問が出て、司会の小川さんが裁くのが大変なぐらい次々に手が上がってですね、みなさんがいろんな質問をされました。

本当に関心の高さ、あるいは問題意識の深さというかね、みなさん今回の学習会をしっかり聞いて、レジュメも読んで、その上で質問しているなあということが伝わってくるようないい質問も多かったです。これについて、どうだったですか? 佐久間さん。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

みなさん、50分ぐらいの時間で次から次へと手が上がって、私もホントは聞きたかったけど時間が足りなくなって、多々良さんが最後にZoomの質問者の方のを代読してもうちょっと聞きたいなと思ったことがあったけど、様々な観点から質問が出たんですね。

正直言って、「ようくわかってるな」と思う人と、「あ、この人は初心者かな」と思う人と、様々ありましたけど(笑)。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

それだけ参加者の方が、多種多様、多彩だったということで、良かったですよ。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

今まで水道にあんまりね、当たり前に、安全安心な水の供給を受けてきたものだから、そういう意味であんまり関心を持てなかった人も、「あれ? 」ということで今回参加してるのかなと思って、良かったなと思いましたね。

で、アンケートいただいたんですけども、25人ぐらいの方がお寄せくださって、仙台市の出前講座は土曜日にあったものですから、本来はお休みの日でしょ。「(仙台市の)課長さんともう一人の方が来てくださって、土曜日なのにすみません」とかね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

「休日出勤ご苦労さまです」とね、そういう声は会場から出ましたね。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

非常に礼儀正しいご挨拶も、(学習会主催者の)私たちの代わりにしてくださって、 良かったなと思いました。

あと、核心に触れる意見もいろいろあって、これは最後の多々良さんの質問もそうだったのかな、「これからの水道はどういうやり方で仙台市はやっていくのか? 」という話があって、ここでご紹介しちゃっていいかな?

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

はい。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

公営企業の枠組みをあくまでも維持して、仙台市は水道事業をやっていくんだ」というお話が、実に明快に出てね、会場のみんながホッという感じで、感心したの。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

キッパリとした回答でしたね。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ただ公営としてやるっていうんじゃなくて。なんでか? っていうと、いま県営水道は、みずむすびさんに運営権を譲渡しちゃって、民営化されてしまった。浄水場の維持管理なんかは、全部まるごとお願いしてる。

そしたら、出前講座の講師の方は、浄水場の管理とか水の排水、どうやって関わるか? これは水道事業の生命線なんだ」と。「だから、使命感を持ってやっています」というふうにお答えになった。私はこれは大切だなあと思ってメモしていました。

こういう使命感を持ってるってことは、あんまり力まないで、実にさりげなくおっしゃってるので、こういう物事の考え方、発想、政策の基本で仙台市の水道局の方はやってくださってるんだなと思って、非常に嬉しかったし、頼もしいなと思いましたね。

最後のお答えだったんだけども、みんなが聞きたかったことをパッと、実に当たり前のことのようにおっしゃってくださったので、すごく安心しました。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

そうですね。佐久間さんおっしゃるように、「お、そうなんだ」ってね、会場に納得、ホッとした雰囲気が流れました。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

安心感が漂ったという感じでしたね。それが一番良かったですね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

あのう、ちょっと、参加者の中でも、その辺、誤解があるかもというところがあったので、改めて簡単に整理しておくと、県営水道事業、宮城県がこのたびみずむすびに運営権を売り渡してしまった、つまり民営化してしまった事業という部分は、ダムから水を取って、それを浄化して、市町村の水道にそれを売り渡していく用水事業と言うんですよね、小川さん。

つまり卸売り事業の部分が、県営水道事業なんで、ここがこのたび、いわゆる民営化されたということになりました。

上水道を通じて市民や町民に直接水道を供給するのは市町村ですから、ここは未だに公営事業としてやられているということですね。で、われわれの懸念としては、ここまで民営化の触手が伸びてくるんじゃないか? ということの懸念が市民の中にあったわけですけども。

それを今回、仙台市水道局の課長さんは、「公営事業の枠組みをしっかり堅持していくんだ」ということを、私たちの前でキッパリおっしゃってくださったということだったんです。

小川さんは、どうでしたか? 質疑応答を聞いていて。大変司会としてはご苦労だったと思うんですが。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

いや、みなさん関心を持ってるんだなと、改めてよくわかりました。仙台市のいろんな話の中で、特にいま話題になった県の用水供給事業と仙台市の水道事業との関係で、民営化されたことによって、今のところ実務的な問題が何か発生しているわけではないとおっしゃってました。これ実務的な問題が起こったら大変なことですが(笑)

ただ、仙台市としては、災害対策の時にどういうふうにするんですか? 宮城県の用水供給事業、大丈夫なんですか? ということや水質の問題を、(県に)いろいろと問い合わせている、と。

時間がなかったので詳しい中身は説明されてないですが、私たち水ネットが把握してる範囲では、なかなか、卸から水を受ける受水市町村のいろんな問い合わせや、これからどういうふうな方針でやっていくのか? という方針については、どうもみずむすびのほうから明快な回答が十分来てないと言われてるようです。

ボクらからすれば、仙台市が災害対策や水質管理をどうしていくのか? という問題について、民営化したみずむすびがキチッとやってもらわなきゃいけないので、受水市町村とかの要望に誠実に応えて、一緒に事業をやっていくということをやっていただかないと。

また、それを県がコーディネートしていかないと、将来いろいろ齟齬が出てくる可能性があるので、そこは総合的に県と仙台市の努力も必要だし、みずむすびもいろんなそういう状況を捉まえてどういうふうにやっていくのか? を考えていく必要があると改めて思いました。

 

◆ 相互方向のコミュニケーションをやる

 

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

お二人の感想、「本当にそのとおりだな」と私も思いました。ちょっと感じてしまったのは、あえて言ってしまうと、県と仙台市との対応の違いって言いますかね、それが、今の事業の構造を反映して現れているなと思ってしまいましたね。

つまり、やっぱり、県は、直接市民に水を売ってるわけではない卸売り事業ですから、そういう意味では、水の顧客というかユーザーである市民と直接対話する機会はほとんどなかっただろうし、その必要性も感じてなかったんだと思うんですよね。

それに比べて、仙台市水道局の方は、市民が水道料金を払っているお客さんなんですね。実際に、この日の学習会の話の中でも、課長さんが「お客様、お客様」と言うもんだから、「市民をお客様と言うのはいかがなものか」と、逆に会場からそういうご意見が出たりして(笑)。

それに対して、課長さんの答えは、「確かにその通りです。仙台市の市役所の本体の職員が市民をお客様と言ってるわけではないし、それはおかしいと思っています。ただ、自分たちは公営企業なんです。公営なんですが、企業体としてやってるわけです。そういう意味で、水道料金を払ってもらっている市民のみなさんはお客様だという捉え方で仕事させてもらってます」ということで、それはそれで大切な意識だなと思いました。

そういう姿勢があって、市民と直接対話して説明もしなければならない、と。こういうリクエストがあったらちゃんと答えていかなければならないという姿勢は、いい意味で県とは違うなと思いましたね。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

先ほど仙台市の水道事業の中期計画があるという話をしましたけど、その中の3つめに関係者との連携強化というのがあって、詳しい説明はされなかったんですが、要は、「お客さんとの相互方向のコミュニケーションをやるんです」ということを、仙台市は言ってるんです。

相互方向だから、お互いにやり取りをしてと言うことですよね。

みずむすびがこの秋にやった「みずむすびフェス」と言うお祭りに1,000ぐらい集まったというレポートがあったんですが、これって双方向じゃなくて、イベントを仕掛けて、「そこに来てくださいね」と、来てもらって終わりみたいな。

sites.google.com

で、「楽しかったですね」で終わりって言うんじゃなくて、相互方向でやろうというのが、地味だけど、そして面倒なんだけれども、そういうことをやろうというのが、ボクとしては非常に好感を持ちました。

仙台市水道事業基本計画(令和2年度~令和11年度)45ページより

 

地方自治は、行政が主役じゃなくて、住民自治だ!

 

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

そういう仙台市の姿勢が見えたいい学習会だったなあと思うんですけども、でも、一方で、こういう市民と水道局が直接対話する場というのが、これまで頻繁にあったか? と言われれば、そうではなかったと思うんですね。

参加者からいただいたアンケートの中にもそういう声があって、「市民と行政とのコミュニケーションは初めて聞きました」とか、「仙台市の水道事業について改めて理解ができた。水道局の方に直接お話を聞けて良かったです」という感想もいただきました。

ホントにそうで、仙台市は市民と対話しようという姿勢を持っていないわけではないですから、どんどん逆に私たち市民の側から働きかけて、リクエストして、こういう場をこれからも設けていくことは重要だなあと思いました。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

行政が積極的に様々な情報を市民に提供して、対話に近いような形で意見交換をしたいというふうに思うように、私たち市民のほうから、積極的に働きかけていくことが必要なんだな、と。

よく、「お任せ民主主義」と言われて、行政に全て丸投げしちゃって、自分たちはホントのお客様で何もしなくても十分なサービスが受けられるみたいに思ってた、勘違いしてたみたいな時代があったかなと思うんですね。

そうじゃなくて、やっぱり、「市民のための行政だ」と言うためには、こちら側も積極的に働きかけをしていく、と。そこに初めて、行政と市民との相互の対話が生まれるのかなと思ったんですね。

これまで、ちょっと私たちが少し怠けていた、全てお任せで私たちは行政を消費すればいいんだみたいな感覚じゃなくて、生活していく私たちのこの地域の中で、いろんな問題を自分の問題と捉えて行政と意見交換し働きかけをして、いろんなことをやってもらう、と。そういう相互交流をしようと思ったんですね。

特に、東京都の杉並区で岸本(聡子)さんという素晴らしい区長さんが誕生したという話を、ここでも2回ほどしましたが、彼女の行政に向き合う姿勢は相互交流性、それは彼女が言ったというより、むしろ杉並区の区民の方にそういう伝統というか気運がずっとあって、そこに岸本さんが上手くマッチしたということだと思うんです。

miyagi-suidou.hatenablog.com

だから私たちは、地方自治というものを、この水道事業を通じてもう一度見直す、と。地方自治は、行政が主役じゃなくて、住民自治、と。われわれが、行政に働きかけて作っていくんだ、と。

そこをもう一回思い返さないといけないし、そうであれば、優秀な行政の方々はちゃんと応えてくれると思うんですよ。

そういう意味では、今回、仙台市の水道局の方からお話を聞いて、やっぱりわれわれも積極的にアプローチしていく、と。それによって、向こうも様々な提案をしてくれる。そういういいきっかけになったと思いました。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

そうですよね。とはいえ、最初に小川さんが紹介してくださったように、この時の課長さんのレクチャーにもあったんですけども、仙台市の水道事業は、これからなかなか困難な課題を抱えているわけですよね。

これからどんどん水道管の更新に費用がかかっていく一方で、給水人口は減っていく。と言うことは、水道事業の側から見ると、水道料金収入が減っていく一方で経費はかさんでいく中で、これをどう乗り越えていくのか? という話は、宮城県が水道民営化をするんだという時の最初の口実でもあるんですね。

そういう状況が確かにあるのはウソじゃないわけです。だけど、それを安易に民営化の方向で解決していこうとするのか? それとも、今回仙台市が話してくださったように、あくまで公営企業を堅持したうえで、水道システムを最適化、持続可能な経営を目指すという方向で乗り越えていこうとするのか? ということは、大きな分かれ目だなと思いました。

その時にきっかけとなるのは、関係者との連携強化という説明がありました。この関係者=テークホルダーの中で最大のものは、水道のユーザーである私たち市民なんですね。

私たち、大いにこれからも関心を払って、宮城県、みずむすびと対話をしてくことはもちろんなんですけども、仙台市とも対話を深めていきたいなと思いました。

今日は、佐久間さん、小川さん、どうもありがとうございました。これからもこの問題を、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。聞いてくださったみなさんも、最後までありがとうございました。