宮城県の水道民営化問題

命の水を守るため、水道の情報公開を求めていきましょう!

命の水を守る市民ネットワークみやぎが、2/17に 村井知事宛に提出した公開質問状に対する県の 回答全文です!

2023年4月25日、命の水を守る市民ネットワークみやぎが、Facebookにて、村井知事宛に提出した公開質問状に対する県の回答を公開しました。

命の水を守る市民ネットワークみやぎが提出した公開質問状の全文とその解説動画は、↓ でもご覧になれます。

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今回の記事内容

宮城県の回答全文

回答本文

添付資料①

 仙南・仙塩広域水道用水供給事業における濁度上昇の発生について【最終報】 

添付資料②

 要求水準違反に係る改善命令について(通知) 

各々の質問と回答の照合

1. 下水汚泥処理(含水率他)に関して

2. 下水道事業の赤字に関して

3. 仙南・仙塩広域水道用水供給事業における濁度上昇事故に関して

4. ㈱みずむすびマネジメント・サービスみやぎ社の情報公開に関して

 

宮城県の回答全文

 

回答本文

添付資料①

添付資料②

各々の質問と回答の照合

 

1. 下水汚泥処理(含水率他)に関して

 

公開質問状の記述

(令和4年度第2回経営審査委員会資料-2「上半期の事業運営状況について」11ページ)

 私たちは2021年6月28日に、水道民営化に関わる県議会への議案提出の撤回を求める要請書を提出しました。その要請文のなかで鳴瀬川流域下水道と吉田川流域下水道の汚泥含水率の管理目標値を取り違えているのではないか?」と指摘しました。民営化前の実績値に比べて鳴瀬川流域下水道は目標値が高すぎ、吉田川流域下水道は低すぎるというものでした。

この指摘について「応募者からの提案内容に係る確認事項について」(令和3年6月22日付企業局水道経営課)では、メタウオーターグループからの目標値設定理由が説明されています。鹿島台浄化センター(鳴瀬川流域下水道)は「(本提案=含水率目標値は)提案者の経験から適切と考えられる管理目標値を鹿島台浄化センターの処理方式や設備構成から判断して設定している」。大和浄化センター(吉田川流域下水道)は「含水率を低減するための費用と焼却にかかる費用のバランスを考慮し、提案者の経験も踏まえた上で、提案された含水率が費用的に全体最適となる想定として提案されている」と説明されています。いずれも提案者の経験や当該浄化センターの設備仕様から目標値は蓋然性があるということでした。

 本年1月25日に開催された「令和4年度第2回経営審査委員会」に提出された株式会社みずむすびマネジメントみやぎ社(以下MM社)「資料-2」11ページで、汚泥処理(含水率他)の管理目標値の達成状況(半期)が図版で説明されています。
 それによれば鹿島台浄化センター(鳴瀬川流域下水道)は含水率目標値(%)76.0±0.8に対し実績値は約80で目標値が高すぎるため大幅未達成、大和浄化センター(吉田川流域下水道)は同80.0±0.5に対し同約76%と目標値が低すぎるため大幅超過達成という異常値であったことが示されています。

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この記述は、令和5年1月25日に行われた「令和4年度第2回経営審査委員会」に提出された株式会社みずむすびマネジメントみやぎ(筆者注:以下MMM社と表記します)の下の資料に対する説明に基づいています。

     宮城県上工下水一体官民連携運営事業 上半期の事業運営状況について          株式会社みずむすびマネジメントみやぎ 令和5年1月25日 より

守屋取締役経営管理部長(みずむすびマネジメントみやぎ)

こちら、えー、初めての絵になりますが、えー、グラフを4つ、えー、浄化センターごとに並べております。青棒が月間の平均含水率、緑の帯がわれわれが選定した管理目標値となります。

えー、含水率に関しては、えー、特に、えー、県との、えー、契約の中での要求水準というのはありませんで、えー、事業全体の汚泥処理を最適化する意図で提案時点で設定したわれわれの目安の数値が管理目標値ということになります。

上半期の結果として、目標値と差が出ているのが、えー、鹿島台浄化センターと大和浄化センターになります。

えー、これらの差異の要因はいくつかあるんですが、主な要因といたしましては、えー、提案段階では、あの、詳細な運転条件が把握できていなかったため、えー、いくつかの仮定や想定でこの管理目標値の設定を行っていたということが1つございます。

えー、すなわち、提案段階においてですね、えー、汚泥受け入れ先の仙塩浄化センターの焼却炉の熱的な余裕とか、えー、運搬費、薬品費、運転管理に関わる人件費を、総合的に考慮して、えーと、設定をしたものです。

えー、そのいくつかの仮定、想定の中で、えー、想定が外れた部分があったということで、この管理目標値と差が発生した経緯がございます。

今後はですね、この今年度の状況を踏まえて、えー、県と協議し、この管理目標値のほうも、えーと、調整をしていく予定でございます。

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この「令和4年度第2回経営審査委員会」での質疑応答では、次のようなやり取りもありました。

細川委員

ま、これ、あの、えーと、あくまでも自主的に、あのう、設定してた管理目標値に対する??だと思うんですけど、あの、鹿島台が、あのう、管理目標値よりも、おー、結構含水率としては高いということが、あのう、たぶん4パーセントぐらい想定違うと、汚泥発生量というと10数パーセント、ボリュームが変わってくると思うんですけども。

あのう、まあ、お考えで結構なんですけども、あえてボリュームを減らすよりも、この程度での、おー、含水率で止めてるまあ、あの、かける手間とかとの、あのう、考え方と思うんですが、その考え方、あの、ざっくりで結構ですので、まず教えていただければと思います。

糟谷管理施設部 下水 Gr 長(みずむすびマネジメントみやぎ)

あ、ハイ、えー、糟谷のほうからお答えいたします。

まずですね、あの、当初の想定していたよりも、ま、最終沈殿池のほうの水質悪化等が見られなかったということで、ま、汚泥界面の変動による、ま、放流水のSS濃度への、えー、大きな影響が見られませんでした。

えー、脱水機の、まあ、えー、調整可能範囲を、えー、下げることが、まあ、できなかったということで、えー、凝集剤の選定とか、まあ、机上試験では、まあ、良い結果が出ていたんですが、まあ、思うような結果が得られなかったっていうところが、まず、1点ございます。

細川委員

で、結果的に、えー、当初想定していたよりか、まあ、下げられなかったという、アレですか。もっと、こう、主導的に、あえて、えとー、ボリュームを多くしたという意味ではない?

糟谷管理施設部 下水 Gr 長(みずむすびマネジメントみやぎ)

結果的には、あの、下げられなかった方向にあります、ハイ。

細川委員

それは、ま、全体のボリューム的にはね、他の処理場と合わせて見たボリューム的には、あの、それほど大きくはないと思うんですけど、1個の処理場としては、あの、結構、あのう、発生量としては大きいと思って、差が。

その辺は、それも勘案した上で、今後改善するのか? 含水率下げる方向に何か工夫をするのか? それとも、えー、「ま、この程度であれば容認できるな」ということで、えー、続けられるのか? っていうのは、もうお考えなんで、われわれがどうこう言うアレじゃないんですけど、それをよく聞かせていただければと思います。

糟谷管理施設部 下水 Gr 長(みずむすびマネジメントみやぎ)

受け入れ先が、まあ、仙塩浄化センターのほうで、えー、焼却処理されますので、ま、そちらのほうの、えー、ネット量とかその辺っていうのは、えとー、76から80に変えてもあまり影響がないということで、えー、今後は、えー、80っていう形で進めていきたいとは思っております。

ただ、あの、もう少し下げるということも、えーと、考えながら、えー、進めていきたいと思っております。

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これに対して、命の水を守る市民ネットワークみやぎは、4つの質問をしています。

公開質問状の記述

質問1. 運営権者となったメタウオーターグループが作成した「提案概要(10ページ)」では「業務開始当初」から上記の管理目標値とすることが明記されています。なぜ4月度から鹿島台浄化センター含水率管理目標値は大幅未達成となり、大和浄化センターは大幅達成となったのか?その理由をお答えください。

質問2. MM社「資料-2」11ページによれば、管理目標値は「提案段階では詳細な運転条件が不明だったため、いくつかの仮定・想定を置いて」設定したと説明しています。
業務開始前は「経験から適切、経験を踏まえて全体最適」の目標値を置いたとその蓋然性を強調して説明し、業務開始してみたら「提案段階ではよくわからなかったから目標値は仮定・想定を置いた」ので目標値との間で異常値が発生したという説明です。どちらの説明が正しいのでしょうか。

質問3.  MM社「資料-2」11ページによれば、管理目標値達成に向けて「薬品費、運搬費、人件費等を総合的に勘案して実績より含水率を上下させるチャレンジ」をするとしています。それらチャレンジ項目の内容と目標値を示し、今後の含水率目標値達成の見通しをお答えください。

質問4. 管理目標値について「今年度の実績を踏まえて県と協議の上で管理目標を調整していく」としていますが、業務開始当初からの管理目標は様々な事前調査から相当慎重に設定されたはずです。しかし、このように記述するということは、質問3.で記した「チャレンジ」は、すでに達成できないと見通しているのですか。

 

これらに対する県の回答は次のとおりです。

県の回答

質間1への回答

 鹿島台浄化センターと大和浄化センターの汚泥含水率が管理目標値から外れた理由は、各々の浄化センターの汚泥処理において提案書作成時の想定と実際の現場の状況に差異があったためと説明を受けています。 

質問2への回答

 提案段階において、「経験を踏まえて全体最適を図る数値」を設定することは当然であり、事業開始後の結果を踏まえて「より最適な目標値」を設定することに問題はなく、運営権者の説明に齟齬はないと考えています。 

質問3への回答

  「資料-2」 11ページ記載のチャレンジとは、「より最適な目標値」 を検討するために運営権者が今年度実施したものであり、水質に与える影響の検討、脱水機調整範囲の検討、凝集剤の選定と机上試験の実施などを指しています。また汚泥を受け入れて焼却する仙塩浄化センターの焼却炉についても、運営権者が効率的な運転を行うための経験・知見を蓄積しています。なお、チャレンジの結果に関しては資料一2に示されたデータの通りです。 

質問4への回答

 先の回答のとおり、現施設において提案時に設定した汚泥含水率を満足することは困難 であり、効率的(低ェネルギー・低コスト)な汚泥処理を達成するため、令和5年度の維持管理計画において汚泥含水率の管理目標値を変更しています。

 なお、効率的な運転管理に向けて、汚泥含水率に限らず、運営権者は自主管理目標値を 今後も変更していく計画です。 

 

命の水を守る市民ネットワークみやぎの小川静治さんは、このことに対して、2023年4月2日に開催された「命の水を守る市民集会 水道事業は誰のもの? 」で、次のように述べています。

鳴瀬川は、76ではなくて80だったんじゃないですか? 」と、目標値が。「それと同じように、吉田川は76だったんじゃないですか? 」っていうふうに質問したんです、県に。

そしたら、その答えが、右側なんです。後で見ていただければいいんですけど、自信満々です。私たちの経験から言えば、要するに、みずむすびマネジメント社、メタウォーターグループの経験によれば、「できるんです」と。「今のプラントの力から言えば、さらに向上させることも可能なんです」というふうなことを答えたんですね、私たちに。

こんなに自信ある言い方をするっていうのは、よっぽど自信があるんだなっていうふうに思ったんですが、次のこのシート、ちょっとチャートを見ていただきたいんですけども。

「宮城の水道民営化 一年目で見えてきたもの」小川静治氏報告資料 より

先ほど言った仙塩、それから、県南のその2つの川の流域では、この黄色い部分ってのは目標値だったんですね。で、縦の青い棒グラフが実績値です。だから、目標値と実績値、ほぼ一致してるんですね、この上の2つは。

ところが、その下、左側成瀬川ですね。右側が吉田川ですが、みなさん方、あのう、たとえば、成瀬川のこの黄色いやつを、鉛筆で右側の方に引っ張ってってもらえばいいんですよ。そうするとピタリ、大和浄化センターの目標値のところにピターッと合います。

で、逆に、吉田川の大和浄化センターの黄色い線を、左の方に伸ばしていただいてみると、きれいに鹿島台浄化センターの目標値に重なるんです。だから、間違いなんです。

ところが、経営審査委員会にみずむすびマネジメント社が報告したのは、「提案段階では、詳細な運転条件が不明だったために、いくつかの仮定想定を置いて目標値を設定した」と。この前の自信満々の回答と、いかにも異なるわけです。

で、これはですね、まあ、こういうふうにしか言いようがなかったんだろうなと思うんですけど、最後まで、「間違いでした」と言わないんですよ。「薬品それから運搬費等々を総合的に勘案して、実績値よりも含水率を上下させるチャレンジをするんだ」と。

つまり、鹿島台の浄化センターであれば、「大幅にオーバーしちゃったけれども、目標値に近づけるようにチャレンジします」って、ていうふうに経営審査委員会に言ったわけです。

ところが、最後に逃げを打ってですね、「今年度の実績値を踏まえて、県と協議のうえ、管理目標値を調整していきます」と。で、「調整しました」っていうことなんです、次のこのページは。

「宮城の水道民営化 一年目で見えてきたもの」小川静治氏報告資料 より

3月15日の建設企業委員会で、「来年度は目標値変えますから」って言うんで、先ほど両方取り違えたんじゃないかって言ったとおりに、変えるんです。だから、私たちが指摘したことは正しかったというふうに、私は、いま言って思うんです。

しかし、そのことは認めないんですね。で、県企業局の(公営)企業管理者という人が言ってるのは、この左側の下のところですけれども、読んでみるとですね、馬鹿らしくて言いたくないんですけど、

「提案段階の想定で実際現場でやってみると、差異があって、脱水と運搬と償却という汚泥処理全体を最適化するためにどのような含水率を目標にすればいいか? 今年度行った試行錯誤を踏まえて、最適な方向性を模索しながら設定したものというふうに理解しています」

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宮城県ってのは、こんなことを発言する宮城県の担当者っていうのは、責任者なんですからね、この下水道の問題についての。責任者が、運営者が、「こういうふうに変える」というふうに言ったことについて、「このように理解してます」と。なんと、当事者性のないことかというふうに思います。

ま、実質的には、取り違いを認めたというふうに私は思いますけれども、であれば経営審査委員会に言った、「チャレンジをするだ」とかいうふうにいろいろ言ったことは、どういうことを行ったんですか? どういうことをやったんですか? というふうに言わざるを得ないわけです。方便だったんじゃないですか? っていうことです。

そういうことをやっちゃいけないと思うんですね。一度何かミスったら、それは仕方がないから、「ごめんなさい。ここは間違えました」って、認めればいいわけですよ。何も、その揚げ足取りを僕らがやろうなんてことを、考えてるわけではないわけです。そういう意味で、見苦しいなというのが私の意見です。

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2. 下水道事業の赤字に関して

 

公開質問状の記述

(令和4年度第2回経営審査委員会資料-2「上半期の事業運営状況について」24・28ページ、資料-4「著しい物価変動に基づく運営権者収受額の臨時改定」4ページ)

第2回経営審査委員会でMM社は下記のように説明しました。

「下水道事業が赤字基調になっているという理由を説明する。下水道事業の売上は平均化されている。収支計画の中に改築によって生じる減価償却費が入っていない。従って、事業期間の後半には維持管理費用の低減を見込み利益を見込めるが、事業期間初期にはその大きな費用が問題になってくる。

 この初期の費用をまかなうために提案段階で赤字にならないように売上水準を全体で挙げることもできたのだが、それをすると公募競争時の我々の競争性の問題とか、20年間トータルで赤字にならないようにするという前提があったので、その条件との兼ね合いでなるべく低い水準に提案することを踏まえた結果、この事業期間の当初前半の赤字を許容するという計画になっている。20年間トータルすると基本的には黒字の計画ということに変わりはない。」

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著しい物価変動の基づく運営権者収受額の臨時改定 
宮城県企業局水道経営課 令和5年1月25日 より

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この記述は、令和5年1月25日に行われた「令和4年度第2回経営審査委員会」に提出された下の資料に対するMMM社の説明に基づいています。

宮城県上工下水一体官民連携運営事業 上半期の事業運営状況について
株式会社みずむすびマネジメントみやぎ 令和5年1月25日 より

宮城県上工下水一体官民連携運営事業 上半期の事業運営状況について
株式会社みずむすびマネジメントみやぎ 令和5年1月25日 より

守屋取締役経営管理部長(みずむすびマネジメントみやぎ)

えー、下水道事業が、えー、今年もそうなんですが、赤字基調になっているという理由について、これ、簡単にご説明をさせてください。

えー、下の図がですね、えー、左側が水道、工水、右側が下水の、それぞれの、あの、収益構造、当社の収益構造を簡単に表したものを示しております。

まず、あの、水道に関して、えー、ご覧いただくと、えー、基本的にですね、この、えー、みやぎ型事業の公募条件上ですね、われわれの売上というのは、20年間一定です。あの、水量による上下はあるんですけども、基本は一定でございます。

一方で、えー、維持管理費用は徐々に減っていく。これは、あのう、効率化によるコストダウンを見込んでいるということになります。減っていく想定です。

えー、他方で、えー、この水道事業、工業用水道事業には、改築投資の進捗による減価償却費がありまして、これが毎年、20年間かけて積み上がっていくような収支構造となっています。

結果として、えー、費用側は、費用側の変動は、えー、20年間で小さくなっていまして、えー、毎年の、えー、利益水準というのは、比較的均質化された構造になっています。

で、一方で、懸案の下水道事業のほうなんですが、こちらは、あのう、同様に売上は平均化されていて、一方で、えー、コスト側にですね、費用側に、えー、収支計画の中に、えー、改築によって生じる減価償却費が入っていないということがあります。

そのため、えー、事業期間の後半には、えー、維持管理費用の、えー、低減を見込んで利益を見込める一方で、事業期間初期には、えー、その大きな費用が問題になってくるということがございます。

で、この初期の費用をまかなうために、えー、ま、提案段階においてですね、あのう、赤字にならないように売上水準を、こう、全体で上げることもできたんですが、れをすると、えーー、あの、公募競争時の、ま、われわれの競争性の問題とか、えー、20年間でトータルで赤字にならないようにするという前提がございましたので、えー、この、その条件との兼ね合いで、なるべく、えー、低い水準に提案することを踏まえた結果、この事業期間の当初前半の数年の赤字を許容するという計画になっております。

なので、えー、20年間をトータルすると、基本的には黒字の計画ということに変わりはございません。

また、えーと、最初にちょっと触れ忘れました各事業間での、えー、会計は明確に区分されておりますので、えー、利益を相互に付け替えるといったようなことは行っておりません。

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これに対して、命の水を守る市民ネットワークみやぎは、3つの質問をしています。

公開質問状の記述

質問1.  改築による「減価償却が入っていない」ので事業期間初期には改築コストの負担が大きく赤字となるという説明ですが、半期間下水各事業における改築内容(改築・修繕設備名と改築コスト)を示し、各事業収支計画に与えた影響をお答えください。また20年間の改築内容と年度ごとのコストをお答えください。

質問2. 電力料金の値上げが相次いでいます。下水事業においては、動力費(電気料)の費用割合が高く、収支計画に影響を与えることが推測されます。現に仙台圏工業用水道事業など6事業で、物価変動を理由に、昨年7月から毎月、運営権者収受額の臨時改定(増額)が実施されています。月次運営権者収受額が改定前約1億800万円の仙塩流域下水道事業では2023年1月の収受額が約369万円の増額となっています。物価上昇の収支計画へ与える影響についてお答えください。

質問3. 県は運営権者の選定にあたり上工下水道事業ごとの経費削減期待率を設定しました。それに基づき247億円の事業費削減額を試算し、「それができない企業は最初から応募資格がないから、確実に事業費を削減できる」と私たちに説明してきました。事業開始から半期間での事業費(修繕費・薬品費・委託費)の削減状況を経費削減期待率と比較してお答えください。

 

これらに対する県の回答は次のとおりです。

県の回答

質問1への回答

 ご質問で参照している資料-2の28ページに記載のとおり、流域下水道事業においては、 事業期間初期は維持管理費が相対的に大きいことで赤字になるものであり、改築コストの負担が大きく赤字になるのではありません。

 また、20年間の主な改築内容は株式会社みずむすびマネジメントみやぎのホームページ「情報発信」で公開している全体事業計画書を、年度毎の改築計画額は各事業の中期事業計画書をご覧ください。

質問2への回答

 運営権者は、電カの調達を含む維持管理業務を株式会社みずむすびサービスみやぎへ包括的に委託しているため、運営権者の収支計画への影響は限定的です。なお、委託先である株式会社みずむすびサービスみやぎの収支計画への影響は、令和4年度第2回経営審査委員会資料一2の38ページに記載のとおりです。 

質問3への回答

  みやぎ型の公募に当たって県が応募者に求めたのは事業費総額の削減であって、事業費総額を構成する費目ごとに削減義務を課したわけではありません。また、運営権者が提案した事業費(これは所定の額以上の削減がなされた後の額です。)が運営権者収受額となり、運営権者収受額の改定は原則として物価変動や需要変動に限定されます。このような制度設計を踏まえれば、運営権者収受額の範囲内で運営権者の経営が成立する限りコスト削減が得られることがご理解いただけると存じます。なお、令和4年度上半期の業績として計画どおり又は計画を上回る状況であり、財務の健全性が確認されています。 

sites.google.com

     宮城県上工下水一体官民連携運営事業 上半期の事業運営状況について          株式会社みずむすびマネジメントみやぎ 令和5年1月25日 より

命の水を守る市民ネットワークみやぎの小川静治さんは、このことに対して次のように述べています。

で、ご存知のとおり、いま物価値上げが非常に激しい。その中でも特に、電力費が高騰しています。半端じゃないわけですね。で、この半端じゃない電力料金の値上げ、これは下水道事業がモロに受ける、そういう構造になっています。

つまり、後でもちょっと触れますけれども、あのう、下水道っていうのは、汚水ですから、扱うのは。汚水をきれいにするっていうプロセスを、プラントでやっていくわけですよね。ということは、そのきれいにする作業の中で、あのう、工程の中で、電気がものすごい量、使うんですね。

ですから、電力料金が上がるということは、即その経営に影響を与える。具体的に、これ、私が書いたんではなくて、みずむすび社が書いた報告ですけれども、えー、今期、つまり3月の30日までの、この終わった3月30日までの期で、「3億円の営業利益を下押しすることになるだろう」

つまり、利益を食ってしまうっていうことですね、そのう、3億円。で、「このまま、ずうっと続くと、来期は5億円程度、下押しするだろう」というふうに、あのう、報告しています。

この5億っていうお金は、大変なやっぱり金額です。このことが、みずむすびマネジメント社の、特に下水道4事業にどういう影響を与えるのか? ということは、非常に注目しておく必要があるというふうに思います。

で、次のページで、あのう、ご覧いただきたいんですが、これは、下水道事業以外の、要するに民営化された事業、これの経営計画の抜粋です。

「宮城の水道民営化 一年目で見えてきたもの」小川静治氏報告資料 より

で、右側のほうに四角く囲ってあるのが、4つの下水道事業なんですね。で、この赤字で書いてありますけれども、たとえば、営業利益だとか経常利益は、上半期全部赤というふうな数字になっています。

で、その下2行が、年間トータルの計画です。つまり年間トータルでも赤字になっているということですね。

つまり、そもそも最初から、下水道事業というのは赤字の計画であったんだっていうことです。

これって、ご存知でした? っていう話なんですよ。「下水が赤字になります」ということを、県民は、じゃあ、知らされていたんだろうか? と、民営化に伴って。私は聞いたことがない。

で、この、あくまでも計画でも赤字だったわけですから、それが、先ほど見ていただいたように電力料金高騰に伴って、さらに赤字幅が拡大するだろうということです。

で、これは、あの、そういう点で言えば、健全経営ということがちゃんと担保されるんだろうか? ということについて、疑念を抱くのは自然のことだと思います。

で、このことについて、みずむすびマネジメント社は、経営審査委員会にこのシートで説明したんです。

「宮城の水道民営化 一年目で見えてきたもの」小川静治氏報告資料 より

今ご覧いただいてるシートです。これ、ちょっとわかりづらいんですけど、これ、ちょっと拡大しますとですね、こうなるんですね。

ちょうどこのポイントのところで、ここのチャートですけども、「水道だとか工業用水だとかは、単年度黒字をずっと続けますよ」ということで、「黒字は確保されるという計画なんです」、と。

ところが、これ、下水です。下水は、ここのところ、ホント小さくてわかりづらいんですけど、赤字、これ、あの、黒赤の、ま、ゼロですね。利益がゼロの線が、この線です。で、下のほうに行けば、赤字ってことですね。ですから、「最初のほうで赤字になりますけど、後ろのほうで挽回しますから、全体としては黒字になるんです」っていうのが、みずむすび社の説明です。

「ホントかいな? 」ということですね。実際になぜそういうふうになるのか? ということで、みずむすび社が下水道のことについて説明したのが、テープ起こしをしていただいてわかったんですけども、えー、いわゆる、「減価償却費が入っていないんです」っていうふうに言うんですよ。減価償却費が入っていないので、その分、実費精算なので、赤字幅が大きいんだ」と。

よくわからないんですね、その説明が。減価償却ってのは、なんで下水道がそのような形でないんですか? 」っていうことについて、説明しなきゃいけないわけです。この下のところにありますけれども、四角く囲ってある、四角のマーキングしてありますが。

運営権売却の時にですね、実は、3グループが、「私達やりたい」っていう手を挙げたわけですね。その内の一つが、JPFEグループというグループだったんです。これは、浜松で下水道事業を既にやっていたとこなんです。経験済みなんですよ。

で、この経験済みのグループが、20年間の損失を織り込んだ下水道計画を出したらしいんですよ。で、それは、健全経営に懸念が残るということで、えー、失格。赤字は駄目っていうことで、失格になった。だから採用されてないわけです。

だから、3社応募したけど、2社の競争だった。そのうちの一社が、ま、現みずむすびマネジメント社が、運営権を獲得したということですね。つまり、JFEグループ、この3グループが応募した時の議論で、赤字っていう問題は、非常にナーバスに、経営審査委員会、採用する委員会が検討したということが、このことによってわかるわけですけど。

じゃあ、第1期目の事業をやって赤字になったということについて、きちっと説明する必要があるわけです。しかし、そんなことは何も説明してないんですね。わからないんです。で、この問題が、あのう、非常に大きくあります。

で、そもそもですね、下水道事業っていうのは、厳しいっていうことなんですよ。で、詳しくは、後で項目で書いておきましたけれども、あの、日本全国で水洗化が、あっという間に進みましたよね。もう30年40年ぐらいのところで。

「宮城の水道民営化 一年目で見えてきたもの」小川静治氏報告資料 より

で、それは料金収入を、料金を安くしたってことなんですね。で、下水道事業それ自体は、先ほど言いましたように設備投資、ものすごいお金がかかる、運営コストにものすごいお金がかかるということで、ここに、あの、減価償却費が水道事業よりも3倍、4倍になるという図を、これ、あのう、ある本から取ったんですけれども。

ま、このように、その、下水道事業トータルが、トータルの下水道事業というものを考えた時にですね、そもそも厳しいんだ、と。厳しい状況が、なぜ、あのう、この1年目のところでですね、このような現れ方をしたのか? ということについては、説明する必要があるというふうに思います。

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3. 仙南・仙塩広域水道用水供給事業における濁度上昇事故に関して

 

公開質問状の記述

(令和4年度第2回経営審査委員会資料-2「上半期の事業運営状況について」47~50ページ)

2022年12月9日前11時43分,仙南・仙塩広域水道用水の濁度が上昇する事故が起こりました。県も運営権者も当初この事故の発生に気が付かず、仙台市水道局からの問い合わせによって事故から15分後になって、濁度発生の原因となった遮断弁を開扉したという顛末でした。発生から丸1日以上経過した翌10日午後4時半過ぎに事故は治まったと聞いています。県はこの事故を「要求水準違反レベル3」相当の事故と認定しています。

違反レベルは5段階ある違反の真ん中で、違反違約金額は1日当たり220万円と高額です。(ちなみに、水道用水供給事業の要求水準違反レベル1は違約金4万円、レベル2は13万円、4は440万円、5は3億円~4億円となっています)。

当該事故の原因は「点検時に実施すべき事前措置(養生作業)が不十分」だったとされています。また、資料上の記述はありませんが、MM社安東副社長は「養生作業が不十分だったことのほかにも、点検手順が不足していたり、業務のチェック体制が不十分だったりという環境要因、重要な点検業務に係るリスク評価ができていなかったりという人的要因など品質管理に関わる大きな課題がある」と説明しました。また2月13日付で改善計画の完了を県に報告した旨、MM社ホームページに添付資料として事故内容分析資料が公開されています。

www.mizumusubi.co.jp

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この記述は、令和5年1月25日に行われた「令和4年度第2回経営審査委員会」でのMMM社の下掲の説明に基づいています。

宮城県上工下水一体官民連携運営事業 上半期の事業運営状況について
株式会社みずむすびマネジメントみやぎ 令和5年1月25日 より

安東代表取締役副社長(みずむすびマネジメントみやぎ)

えー、事故当時は、えー、仙南・仙塩広域水道の高区調整池にて、えー、当社の電気保全、えー、責任者の立ち会いのもと、えー、当社から委託した株式会社カネデンエンジニアリングの、えー、担当者が、送水系統、電気計装設備の臨時点検を行っていました。

えー、本来、この点検を行う前には、えー、われわれは養生と言っていますが、えー、あらかじめ電気的な保護措置を行い、えー、遮断弁が動作しない、えー、状況にしておくべきところを、この養生作業が適切に実施されておらず、えー、11時43分、緊急遮断弁が全閉状態になり、えー、全開状態に、えー、復帰するまでの約15分の間に、えー、館内を流れる、えー、用水の流速が急激に変動したことから、堆積物等を巻き上げる事態が発生し、えー、結果的に、えー、松島町の受水点で、瞬時値ではありますが、濁度が最大0.4度、えー、県の要求水準0.1度を超える事態が発生したしだいです。

事故後の対応としては、えー、南部山浄水場の、えーと、当社の社員だけでなく、えー、他の議場からも、えー、支援者を招集し、宮城県様と連携して、主に、えー、受水市町村への連絡、えー、県が実施した、えー、濁水排水作業に協力、水質分析作業等を、えー、翌日の、えー、12月10日、えー、午後4時頃、えー、事態が収束するまで順次実施しました。

えー、また、宮城県様からは、えーと、12月21日付で、えー、要求水準違反レベル3、えー、水質に関する県基準未達に該当する、えー、改善命令の通知を受領し、えー、その通知書を受けて、えー、年明け、2023年1月12日付で、えー、県へ提出した改善計画書に即して、えー、現在対応を図っております。

えー、次48ページのほうをご覧ください。

宮城県上工下水一体官民連携運営事業 上半期の事業運営状況について
株式会社みずむすびマネジメントみやぎ 令和5年1月25日 より

今回の事故の原因を一言で申し上げると、えー、点検時に実施すべき事前措置、先ほど申し上げた養生作業ということになりますが、それが不十分だったということになります。

えー、ただし、その他にも、点検業務の手順が不足していたり、えー、業務のチェック体制が不十分であったりするような環境要因や、えー、そもそも、えーと、重要な点検業務にかかるリスク評価ができていなかったというような人的要因など、えー、当社の品質管理に関わる大きな課題もございますので、えー、二度と今回のような事故を起こさないために、改善対策については、えー、様々な面から検討してまいりました。

えー、主な改善対策としては、まず、えー、外務委託の業務フローを、えー、改善するために、委託業者との取り交わし書類を見直し、えー、業務フローを明文化します。

えー、次に、委託業務のリスク評価を確実に行い、1つ1つの業務に潜むリスクを洗い出し、えー、事前に必要な措置を講じてまいります。

えー、また、これらの事項については、えー、教育研修を通じて、えー、関係者はもとより、えー、社員に周知徹底を図ってまいります。

えー、次49ページ、ご覧ください。

宮城県上工下水一体官民連携運営事業 上半期の事業運営状況について
株式会社みずむすびマネジメントみやぎ 令和5年1月25日 より

えー、その他にも、えー、今回の事故で得られた教訓を生かし、えー、不測の事態に備えることを目的に、えー、今回の事故で判明した課題や改善点についての意見交換を行い、えー、他の事業においても、えーと、社員のリスク意識を高める教育を行うことや、えー、社内および宮城県様への連絡体制の見直し、えー、特に有事の際にも、最大限水道用水を受水市町へ、えー、届けられるように、えー、管路管理にかかる理解を深めること、えー、また、緊急時の対応力を向上させるために、えー、業務車両に搭載する資機材や、えー、水質計器等を拡充することについて、えー、事業期間を通じて継続的に取り組んでまいります。えー、濁度上昇事故については、以上となります。

◆ 年度末に向けて(危機管理・人材育成・業務の効率化とコミュニケーション)

えー、最後に、えーと、年度末に向けた、えーと、弊社の主な活動について説明をさせていただきます。50ページご覧ください。

宮城県上工下水一体官民連携運営事業 上半期の事業運営状況について
株式会社みずむすびマネジメントみやぎ 令和5年1月25日 より

えー、まずは危機管理の強化についてです。

えー、今年度は初年度ということもあり、県のマニュアルや、えー、過去の、えー、実績を参考に、えー、事業別に自然災害に係る各種訓練を行い、えー、また、危機管理体制も整えてまいりました。

えー、今後は、昨年の大雨の経験や業務を通じて得た知見等を踏まえ、えー、さらなる強化に努めてまいります。

また、人材教育の一環として、えー、安全衛生活動をもとに、先にご説明させていただいた各種手順の改訂等を、全社員のスキル向上を目標に、えー、教育研修を継続的に実施する予定です。

えー、その他、ITツールを運用し、情報共有の仕方の改善ですね、また、あの、業務の効率化等に具体的に取り組んでまいります。えー、ご説明は以上となります。

 

これに対して、命の水を守る市民ネットワークみやぎは、4つの質問をしています。

公開質問状の記述

質問1. 事故原因を「点検時に実施すべき事前措置(養生作業)が不十分・不適切だったとしていますが、事前措置の「何が『不十分』・『不適切』だったのか」を明らかにしてください。それは令和4年12月12日県議会建設企業委員会で県が説明したように「運営権者が計装・制御機器の点検作業手順を誤った」のではないですか。それなら「なぜ作業手順を誤った」のかをお答えください。

質問2. 当該点検作業の手順を記した「手順書」についてお聞きします。

①手順書の作成主体はだれで、承認者はだれですか。

②手順書はMM社が業務開始後に新たに策定したものですか、以前からのものを転用したものですか。

③手順書の内容は記述間違いのないものだったのですか、作業者はその手順通りに作業したのですか。

質問3. 当該事故に関し、MM社としての今後の改善対策は記されていますが、宮城県としての今後の改善策は示されていません。どのようにお考えですか。

質問4. 12月21日、県が通知した改善命令書、MM社の改善計画書を公開してください。

 

これらに対する県の回答は次のとおりです。

県の回答

 ご質問の中で「県も運営権者も当初この事故に気が付かず、仙台市水道局からの間い合わせによって事故から15分後になって、濁度発生の原因となった遮断弁を開扉したという顛末でした」  という記載がありますが、仙台市水道局から間い合わせがあった時点で、運営権者は事態を把握して対応している状態でした。その点についてご認識に誤りがありますので、訂正させて頂きます。 

質問1及び質問2への回答

 事故原因や点検作業の内容等については、株式会社みずむすびマネジメントみやぎのホームページにおいて、ニュースリリース仙南・仙塩広域水道用水供給事業における濁度上昇の発生について【最終報】(添付資料)」にて、令和5年2月13日に公表されていますので、そちらをご確認ください。・・・添付資料① 

質問3への回答

 今回の事故は、運営権者が行う運営権設定対象施設の維持管理に起因して発生したものであるため、県としては、運営権者と共に原因を究明し、実効性のある再発防止策について協議し、その確実な実施を確認することが、今後の改善策となるものと考えています。

質問4への回答

県の通知文書は添付資料②のとおりです。 
運営権者の改善計画書を県において公開する予定はありませんが、質間1及び質問2へ 
の回答で紹介した運営権者のニュースリリース仙南・仙塩広域水道用水供給事業における濁度上昇の発生について【最終報】」 の「5.直接的な再発防止策と対応結果」において、改善の内容が公表されていますので、そちらをご覧ください。 

添付資料①

 仙南・仙塩広域水道用水供給事業における濁度上昇の発生について【最終報】 

添付資料②

 要求水準違反に係る改善命令について(通知) 

この濁度上昇事故については、命の水を守る市民ネットワークみやぎの小川静治さんが、下のようにわかりやすい図にまとめてくださっています。

「宮城の水道民営化 一年目で見えてきたもの」小川静治氏報告資料 より

 

4. ㈱みずむすびマネジメント・サービスみやぎ社の情報公開に関して

 

公開質問状の記述

質問1. MM社のホームページでは各種計画書ファイルが「PDF閲覧」しかできないのは使い勝手が悪いと経営審査委員の指摘があり、「別紙1」は「エクセル」ファイルが追加されダウンロード・印刷できるようになりました。しかし、それ以外は「PDF」ファイルで印刷不可の仕様のままです。例えば全体事業計画書の「別紙1 PDF閲覧」ファイルは拡大してもほとんど数値を読み取れません。そのうえ印刷できませんから、情報公開の意味がありません。改善が必要です。広く県民が、 これらの情報にアクセスし、その内容を理解するために、データは印刷可能とし、適正なサイズに拡大するなど県の指導方針をお示しください。

miyagi-suidou.hatenablog.com

 

これに対する県の回答は次のとおりです。

県の回答

質間1への回答

質問書で例示された全体事業計画書の「別紙1  PDF閲覧」ファイルは、エクセルファイルでも公開しており、数値の読み取りや印刷が可能となっています。その他の計画書本文はPDFフアイルで公開されていますが、閲覧に十分な解像度が確保されており、数字が読み取れない等の不都合は無いものと考えます。

計画書本文の印刷については、県民への情報公開と運営権者が保有する知的財産等の保護の両立の観点から、運営権者の判断で当面の間は印刷不可設定としています。なお、経営審査委員の指摘は数値データの活用促進の観点からの指摘であり、運営権者はPDFでは二次利用が困難な収支計画を編集可能なデータ形式で提供をする対応を追加しています。