宮城県の水道民営化問題

命の水を守るため、水道の情報公開を求めていきましょう!

【半年たってもまだコレ!?】宮城の水があぶない! ストップ水道民営化【第38回ラジオ放送】の音声と文字起こしです。

2022年11月10日放送、 エフエムたいはくの「みやぎの水が危ない!ストップ 水道民営化」第38回の音声&文字起こしです!

エフエムたいはくHPより

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今回の記事の目次

◆ みやぎ型の下水処理場を見に行ってきました!

◆ 仙塩浄化センターって、どういう施設?

◆ 仙塩浄化センターで処理された水は、太平洋に流れていく

◆ 多様な微生物が汚水を浄化してくれている

◆ 前の運営者が作ったパンフレットの上に、自分の会社の名前をシールで貼ってる!

◆ それぞれの浄化センターには、独自の癖がある

◆ 学習会「仙台市の水道事業の現状とこれから」

 

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◆ みやぎ型の下水処理場を見に行ってきました!

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

エフエムたいはくをお聞きのみなさん、こんばんは。「みやぎの水が危ない!~ストップ水道民営化~」の時間です。

今晩も、パーソナリティーは命の水を守る市民ネットワーク・みやぎの面々が務めてまいります。私は多々良と申します。よろしくお願いします。そして、私たちのネットワークの共同代表佐久間敬子さん、よろしくお願いします。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

佐久間です。よろしくお願いいたします。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

私たちのネットワークのメンバー、知恵袋である小川さん、よろしくお願いします。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

よろしくお願いします。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

はい。エフエムたいはくの野田さんにも加わっていただいて、進めてまいります。

今日の話題なんですけれども、私たち命の水を守る市民ネットワークは、宮城県の水道民営化という問題が持ち上がってから、ここ何年かずっとですね、宮城県の水道事業に関心を持って、ま、それなりにいろんな勉強をして、いろんな提言や発信もしてきました。なんですが、「よく考えてみると、肝心の水道事業の現場を、ちゃんと見たことなかったよね」という反省をいたしました。

加えてですね、今年の4月から、水道事業民営化された、スタートしたということで、みずむすびマネジメントみやぎ、そして、みずむすびサービスみやぎという会社が、実際に宮城県浄水場下水処理場、浄化センターを運営するということになったんですね。その様子も、これ、ちゃんと見ておかなければならないというふうに考えまして、みずむすびに見学を申込みました。

みずむすびは、それを受け入れてくれて、先日10月27日に見学に行ってまいりました。あちこち見学に行きたいなあと思ってるんですけども、まずは、下水の処理をしている浄化センターを見に行こうというで、一番近くの多賀城市の大代という所にある仙塩浄化センターという施設の見学に行ってまいりました。

多賀城市の中でも七ヶ浜に近いほうですね。仙台火力発電所のすぐ近くにある海に近い所なんですけども、そこに、この仙塩浄化センターというのがあります。佐久間さんと小川さんと私、多々良の3人で見学に行ってまいりました。その様子を今日はみなさんにお伝えしたいなあと思っています。

◆ 仙塩浄化センターって、どういう施設?

ということで佐久間さん、まずは、この仙塩浄化センターというのはどういう施設なのか? どういう位置づけなのか? という辺りを説明していただけますか?

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

はい。今回の水道気事業の民営化ですけども、上水と工業用水と下水と3つの種類の水道事業が入ってまして、そして、下水というのはですね、県営事業としては7つあるんですけども、今回民営化されたのは、そのうちの4つなんですね。

何々か? ということをご紹介すると、私たちが見学した仙塩流域下水道事業、それから阿武隈川下流鳴瀬川、吉田川と4つあるんですね。

 

宮城県上工下水一体官民連携運営事業(みやぎ型管理運営方式)について
令和4年6月 宮城県企業局 よりhttps://www.pref.miyagi.jp/documents/31565/miyagigata_suraido_20220601.pdf

 

宮城県上工下水一体官民連携運営事業(みやぎ型管理運営方式)について
令和4年6月 宮城県企業局 よりhttps://www.pref.miyagi.jp/documents/31565/miyagigata_suraido_20220601.pdf

 

仙塩流域下水道事業と阿武隈川の事業が比較的大きいんですね。そして、この仙塩流域下水道事業の浄化センターが比較的近くにある。多賀城の大代ですね。

それで、まず、現場に行く時に、一番近い所、そして規模の大きい所から行こうということで、ここを選びました。

宮城県HPより

宮城県HPより

www.pref.miyagi.jp

ここですけども、どういうところから排水を受けているかということなんですけども、5つの市町村から受けてるんですね。仙台市とか、塩竈市多賀城市七ヶ浜町利府町ということで、仙台市は主に七北田川の北のほう、泉区の北のほうですね。ここから排水を受け取ってるということのようですね。そういう意味で、私たちも、割と身近な浄化センターかなということでまいりました。

ここは、いただいた資料によりますと、人口30万の方々の生活排水やらを受け取っているということですね。それから、1日13万立米の排水を処理しているということのようで、他の施設に比べて、少し大きな能力を備えた施設かなというふうに思いました。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

という施設なんですね。ま、普段なかなか、私たちは意識することはないんですけども、私たちが、たとえばお勝手とか、あるいはトイレとか、そういうとこで流した水のみならず、いろんな商店や会社や工場から流れていく排水も、いま佐久間さんが言った範囲の対象人口30万人ぐらいの非常に大きな規模だと思うんですけどもね、排水がこの多賀城市大代の浄化センターに集まって処理されているということです。

宮城県HPより(掲載日:2019年4月1日)

www.pref.miyagi.jp

◆ 仙塩浄化センターで処理された水は、太平洋に流れていく

さて、次、小川さんにお聞きしたいんですけども、この大代で行われている下水処理の仕組み、これは概要、どういうふうな仕組みになっているのか教えていただけますか?

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

はい。まさに読んで字のごとく下水ですので、家庭から出る家庭のトイレ、浴室、台所からでる汚水、それから工場から出る汚水、これらを集めて、きれいにして海に戻すというのが、この浄化センターの仕事。だから、きれいにする施設をフル稼働させて汚い水をきれいにしますということですね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

大切な役割ですね。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

そうですね。説明を聞きましたら、入ってきた汚水のだいたい90%ぐらいが排出されるんだそうです。逆に言うと10%ぐらいは減るってことになりますね。この10%っていうのは、要するに汚れの部分、汚泥というふうに言ってらっしゃいました。

それを取り除いていく一連の大きな設備を持ってるんですね。プールみたいな所に順番順番に汚物を沈下させたり、あるいは微生物の働きを利用して汚れを分解したり、いろんな4つぐらいの段取りを取りながら、段々段々きれいにしていく。

で、先ほど言った汚泥というのは、その過程で出るので、その汚泥を取り除いた形で、この仙塩浄化センターの場合は貞山堀にきれいになった水を流す。

だから、重要なのは、貞山堀に流すということは、太平洋に流すっていうことだから、このときの水質基準っていうのを、きちっと守んないと、漁業にものすごく大きな影響を与える、ま、自然界に大きな影響を与えるってことになるので、非常に重要な機能をもって処理されてるんだということですね。

あとは、先ほど言いました汚泥については、処理をするプラントというのは、別にこう大きな、私は、「あんなに大きいのかな? 」ってビックリしたんですけどね。

だから、下水を処理して貞山堀に流すっていう過程と汚泥を処理するっていう2つの大きな工場をもって仙塩浄化センターというのは構成されている。そういうようなことで言っていいんだろうなあ、と。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

そうでしたね。佐久間さん、現場に行かれて、どういうことを感じましたか? 非常に私は、「広大な敷地に、大規模な施設だなあ」ということで、最初驚きました。初めて見て。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

敷地、ホントに広い面積で事業をしてるんですね。私は、水道施設というのは、初めて見たもんですから、「えっ、こんなに広い空間が必要か! 」と思って驚いたんですが。

あとはですね、下水処理だから、それなりに汚れがあったりね、それから臭いがあったりするのかなあと思ったんですが、ま、ほとんどそういうものはない。排水の処理の過程で、初期はちょっとね、臭いがした感じはしたんですが、段々それが浄化されると、全くそれを感じなくなっちゃうということで、実にまあ、印象としてはクリーンな施設なんだなと思いましたね。

そういう意味ではちょっとビックリしたし、これだけ様々な科学技術を使って水道施設っていうのは出来ているのかなということを思いました。

それから、設備も非常に立派で、この設備っていうのは、ちょっと誰かが競争して下水道事業やろうなんて思っても出来るわけがない。

そういう意味では、私たちがよく言ってきたんですが、水道事業っていうのは、自ずと独占になってしまう。これだけ巨大な敷地、設備、装置を抱えて事業をやっていくというのは、民間が自由に参入できるようなそういう市場ではない、と。

そういうことで、巨大な装置産業だから、だからこそ、公営でやってきた、と。

もしこれを民間に任せたら、競争関係なんか全然成り立たないので、ある意味で、民間事業者が言うがままに、いろんな条件を呑まざるを得なくなるんじゃないかという心配をしたんですが、現場の浄化センターを見ただけでね、そういうことを実感として感じたなあということでしたね、ハイ。

◆ 多様な微生物が汚水を浄化してくれている

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

そうですね。私が印象的だったのは、一緒に回ってくれた現場の職員の方がおっしゃってたんですけども、「ここでは、生き物を飼ってるんです」という言い方をされてたんですよね、うん。

つまり、さっき小川さんが説明してくれたように、最初こう、汚れた水が入ってくるわけでよね。そこから汚れを取り除いて、汚泥になるわけですけど、汚泥が沈下して溜まるわけですけど、それをこう、水をきれいにして分解してくれる、ま、有機物を分解して無機物にしていくわけですけど、その役割を果たしてくれるのは微生物なんですよね。

バクテリア、現場の職員の方は「虫、虫」って言ってましたね。面白いなあと思いましたけど、いろんな虫がいるんだ、と。それは、その時の汚れの具合だったりとか、どんな汚水が入ってくるかによって、虫の組成も変わるんだそうですね、うん。

いろんな種類のプランクトン、バクテリアがいて、その汚れの種類や汚れの程度によって変わっていく、と。それは人間がコントロールしていると言うよりも、ま、自然界の摂理に基づいて分解されているわけなんですね、うん。

人間が出来ることは、その微生物の働きをたすける、環境を整えてあげるということなんだというようなことをおっしゃっていて、「なるほどな」というふうに思いました、うん。

だから、結構、説明してくれたみずむすびの社員の方は、転勤をされてるっていう方もいましたよね。「全国各地の浄化センターを回って、今回、この宮城に来ました」というようなお話を、ちょっと雑談でしてたんですけど、うん。

もちろん、経験を積んでる方だから、ベテランの経験者なんですけども、「でも、今までの経験が全部生かせるわけではなくて、やはり、その土地その土地、その浄化センターその浄化センターならではの癖があるんだ」って、おっしゃってましたね。

「いろんな入ってくる水の質とか量とか、そういうことを、ちゃんと現場で、その浄化センターならではの癖を習得しないと、なかなか上手く運転できないんだ」みたいなことをおっしゃってたのが印象的でした。どうでした? 小川さん、見て率直な感想。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ボクが一番ビックリしたのは、放流する先が貞山運河だっていうのが、「あ、こんな所に、もう出しちゃうんだ」っていう。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ああ、身近なね。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

たとえば、もう少し先のほうとかね、あの、「人家がない所でやるのかな」とか思ったんだけど、逆に言えば、それだけきれいにして出してるっていうことだと思うんですよね。

だから、改めて、この浄化センターっていうのは、宮城県のっていうか、七ヶ浜とか多賀城のエリアの自然環境を守っていくっていう意味で、非常に重要な役割を果たしてるんだなあっていうのは、実感として強く思いましたね。だから、頑張ってそれを維持していただくっていうのは、ホントに大切なことなんだっていうふうに改めて思いました。

◆ 前の運営者が作ったパンフレットの上に、自分の会社の名前をシールで貼ってる!

ただ、実際に見学させていただいて、いくつか、「ん? これは何なんだろう? 」というのも、ないわけではなかったですね。

1つは、資料は1種類しか渡されなかったんですけど、仙塩流域下水道というパンフレットで4ページものぐらいですかね、これが令和元年の5月ということで4年前の資料なんですね。

今年の4月からは、みずむすびマネジメントとサービスでやってるわけで、「私たちはこういうことで、この仙塩浄化センターを運営していきます」ということが、何かこう書かれたものが渡されるのかなって、ほのかには思ってたんですけども、4年前ですからこれ、宮城県の資料として渡されたんですよね。

ちょっとそういう意味で、みずむすびとして、どういう仙塩浄化センターを運営していくのか? していこうとしてるのか? が、わからなかったっていうのが、1つ感じたところです。

もう1つ感じたのは、それと関係するんですけども、日野自動車って会社がね、燃費の検査不正をやったということがありましたよね。もう20年に渡ってそういう検査の不正をやってたっていうことが、あれだけの大きな自動車会社でもある、と。

この間、もう5~6年の間に、三菱自動車から始まって、燃費の改ざんだとか、いろんなデータのことをインチキをやってきたってことを全部明らかになってきてるわけです。

だから、決して、こういう環境を守るために非常に重要な施設である浄化センターでもね、「全くそんなこと関係ないです。自動車会社のことは、あっちの話ですから」なんてことは、ないなっていう。

人間が関わっている以上、非常に、そういう意味で言えば、検査体制を維持していく、運営体制を維持してくっていうのは、緊張感もってやんなくちゃいけないっていうふうに思うんですけども。

そういう意味で言えば、先ほど触れましたように、「仙塩浄化センターを、みずむすびとして、こうやっていきたいんだ」っていう気概みたいなものはね、感じなくて。

うーん、ちょっと不安っていうものがね、民営化されたことによって、県民の人たちの一番の不安は、利益優先で検査だとか水質だとかがおろそかにならないか? それから料金が不当に上げられないか? ということを懸念してるわけですけども、その懸念が解消されたっていうふうな、そんな印象では、残念ながら、なかったというのが、私の感想でしたね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

なるほどね、うん。ま、確かに、いま小川さんがおっしゃったように、当日渡していただいたパンフレットがですね、最後のページの所に、発行主体が載ってるわけなんですけれども、それがですね、みずむすびマネジメントみやぎとみずむすびサービスみやぎっていうシールが上から貼ってあるんですよね。

つまり、平成元年発行ですから、みずむすびがこの民営化事業を買い取ったのが、今年の春からですから、その前の運営主体が作ったパンフレットの上に、自分の会社の名前をシールで貼ってるっていう、ま、ちょっと準備が追いついていないというか、体制が整っていないというか、そういうことはちょっと感じざるを得ませんでしたよね、これ会社の問題としてね。

野田さん(エフエムたいはく)

でも、逆に言えば、民間だったら、そんなこと、おかし過ぎますよね(笑声が上がる)。だって、他の会社のパンフレットの上に、自分の会社のシールを貼って、これって、そんな普通に渡せませんよね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

まあね。事実で言えばそういうことですよね。間に合ってないんですね。

野田さん(エフエムたいはく)

間に合ってないんですね。だって今、11月ですからね。「4月から何ヶ月経ってるんですか? 」っていう感じですよね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

で、いま小川さんがね、いみじくも例に挙げた日野自動車の最近のニュースなんていうのは、その会社の中で行われてた行為が、内部告発によって最初発覚したんです、たしかね。それが、社長以下、首脳陣がみな退場せざるを得ないぐらいな話になったわけですよ。

ということで、今そういう企業に求められてるのは、企業のガバナンスと言いますかね、しっかり統制が効いてて、しかも、社会に対して、あるいは消費者に対して、ユーザーに対して、ちゃんと明らかに出来る、ちゃんとオープンに、「社内でこういうことやってますよ」っていうことを説明できるということが、非常に重要なんですよね。

そのことが、むしろ会社を守ることにもなるし、もちろんユーザーや消費者を守ることにもなるんだけども、そのことは、この浄化センターにも当てはまりますよね、小川さん。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

そうですね。まさにその通りで。民間会社でやってるわけですから、人間の集まりなわけですよ。人間の集まりっていうことを考えた時に、人それぞれなわけで。

きちっとルールだとか、それから運営に関する理念だとかというふうなことを、職員の人たち、社員の人たちが、いま言ったようなことで、武装と言いますか、きちっと貫徹して、考え方を、「全体をこれでやってくんだよ」ってことを、企業としてはずうっと教育し続けて、そして技術もずっと研修し続けて維持していく。

これがめちゃくちゃ難しいわけです。維持するっていうのがね。「創業は易く、維持は難し」っていう、その通りだと思うんですよ。

始めたわけですから、始めた以上は、それをどう維持するのか? ってことを、社会にこう、「私たちはこうやって、維持していくための取り組みやってくんです」っていうことをね、示し続けないといけないそれを怠った時に隙が生まれて、いろんな不正が起こる要因の1つになり得るわけですよ。

先ほどの自動車会社の例で言ったように、そういうことは社会的にわかってるわけで、日本の企業はみんなわかってるわけですよね。そのようなことを、どうやって防ぐのか? っていうことについても、ある意味はっきりしてるんです、やり方は。

そういう点で言うと、ガバナンスを、統治能力をですね、みずむすびがきちっと発揮するための努力を是非していただかないと、県民の不安っていうのは、なかなか解消されないなあっていうは改めて思いますけど。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

小川さんは、もともと食品工場やなんかをチェックするお仕事をされてましたからね。見る目がプロだから厳しいんですよ。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

当たり前ですね。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ホントは当たり前のことなんですよ。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

今は特にね、そういうことで、我が企業を守るためには、様々な情報をオープンにしていく、と。ちっちゃなミスがあったら、それを是正するって形で、大きな誤りにならないようにする。それが大切ですよね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

そういうこと。説明責任を積極的に果たしていくということが、結局、会社の中を浄化するって言うかね、いつもクリーンにしていくことにもなるわけなんですよね。どうですか? 佐久間さんは、さらに何か、感じたことありましたか?

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

いまの小川さんの事業者的な観点から、それぞれご指摘があって、まさにそうだなあと思いました。たしかにパンフレット、せっかくみずむすびさん、全国で初の3事業一体のコンセッションで、規模も大きいし、これを請け負ったわけですよね。

私たちは賛成はしないけれども、これを第1番目として、モデルとして、いろんなとこにこういう仕組みを広げていこうという第1号ですよね。

そうであれば、なおさら、県民、市民に開かれて、「我が社は、県民のみなさんが様々な不安や疑問をお持ちのことについて、このように対応していくんだ」と、「何か心配事があったら、どうぞ聞いてください」、そういう情報を流していかなくちゃいけない。

だから、令和元年5月の古いパンフレットいただいたっていうのは、いかにも、そういう民間事業者に、ある意味で私たちが期待していることに、全く沿ってないなと思って。

ぜひ情報開示、様々なわかりやすい情報を、いろんな媒体でいいですから、紙も含めて出してもらいたいなと改めて思いましたね。

◆ それぞれの浄化センターには、独自の癖がある

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

というわけで、みずむすびは、今年の4月1日から、この浄水場(筆者注:浄化センターの言い間違えです)運営を移管されて始めたわけです。その前、前年度の後半というか、半年ぐらいは、引継ぎ機関があったんですよね。

つまり、去年の秋、暮れあたりから、みずむすびの社員が、少しずつあちこちの浄水場や浄化センターに入って、引継ぎを始めたんだというふうに思うんです。

それも、おそらく、現場で説明してくださったみずむすびの社員の方のお話を伺うと、大変なご苦労されたんだろうなと、大変だったんだろうなというふうに感じました。

というのは、おっしゃってたのは、各地の浄化センターを経験されたベテランの社員の方でも、「やっぱり、その浄化センター浄化センターによって、癖があるんだ」という言い方をされてたんですね。特徴があるんだ、と。

流れてくる汚水の性質とか、量とか、あるいは気候、風土、気温とか、そういうことがある。それによって、そこに生きている微生物の組成も種類も違ってくるんだ」、と。

そうすると、微妙な管理も違ってくるということになるでしょうから、もちろん、各地で経験積んできた、それは土台なると思うんですけど、それに加えて、「この仙塩浄化センターなら、仙塩浄化センターなりのいろんな工夫が必要なんだ。その癖を読み取って、習得することが必要なんだ」とおっしゃってたのが、印象的でしたね。

小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

やっぱり、最後は人なんですよね。技術とかいろいろありますけど、それを運営する人がね、最後のポイントになるので、そこはやっぱり、育てるということをね、やっていただかないといけないなっていう思いを強くしましたね。

 

miyagi-suidou.hatenablog.com

 

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

そうですね。そういう意味ではホントに、現場の苦労がしのばれるお話を伺うことができました。一方で、その引継ぎがちゃんとされたのかな? っていう、逆にね、不安要素がちょっとありましたね、佐久間さん。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

そうですね。技術的な問題、事務的な問題、いろいろあるんでしょうけど、ま、技術は一般化されてる公知の技術というか、公にされてる技術は、当然、引継ぎしたんでしょうけど、いま多々良さん、小川さんおっしゃったみたいな、その癖、この施設の癖、個性とか、それから、この地域の様々な地理的環境、そういうもので非常に微妙に違ったノウハウみたいなものがないと、うまく動かせない、と。

そういうものを、ある意味これから自分たちの力で学んでいくしかないんだ、と。それは前任者から教えてもらってるわけではないので、現場の方が1つ1つぶち当たって、ご苦労して獲得してくと、そんなお話がありましたね。それは、やっぱりそうなのかなと、ホントに感じましたね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

本当に勉強になった、タメになった見学でしたね。対応してくださった職員の方には、「ホントにありがとうございました」と申し上げます。

◆ 学習会「仙台市の水道事業の現状とこれから」

で、佐久間さん、前回もしたんですけど、もう一度、私たちのネットワークが準備してる学習会のご案内をお願いいたします。

佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ハイ、それではご案内しますが、「仙台市の水道事業の現状とこれから」というテーマで、仙台市の方から、出前講座として講義をしていただきます。

日にちは、11月19日土曜日10時半から12時まで。

場所は、仙台弁護士会館の4階ホールです。

仙台市の水道事業は来年、給水100周年を迎えます。こういう歴史的な時期に、今年4月から県が上工下水道の民営化を始めた、と。

仙台市は、25%、県から水道を買ってるんですよね。ですから民営化される事業に非常に関心を持っている。そういう仙台市のお立場で、これからの水道事業、仙台市はどういうようなイメージを持っていらっしゃるのか? 

それをお聞きしたいと思いますので、ぜひ、県営水道と仙台市の水道を関連付けて考える機会にしていただければありがたいと思います。どうぞみなさん、ご参加くださいね。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ハイ、そういうわけで、11月19日の午前10時半、仙台弁護士会館の4階に、みなさん、ぜひ集まってください。よろしくお願いします。

今日は、佐久間さん、小川さん、どうもありがとうございました。野田さんも、ありがとうございました。聞いてくださったみなさんも、最後までありがとうございました。