2022年11月24日放送、 エフエムたいはくの「みやぎの水が危ない!ストップ 水道民営化」第39回の音声&文字起こしです!
今回の記事の目次
◆ 仙台市水道事業は、公営事業の枠組みをしっかり堅持していく!
◆ 市政出前講座「仙台市の水道事業の現状とこれから」
多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
エフエムたいはくをお聞きのみなさん、こんばんは。「みやぎの水が危ない!~ストップ水道民営化~」の時間です。
今晩も、パーソナリティーは命の水を守る市民ネットワーク・みやぎの面々が務めてまいります。私は多々良と申します。よろしくお願いします。そして今日は、私たちのネットワークの共同代表佐久間敬子さん、そして、私たちのネットワークのメンバーで、知恵袋である小川静治さんに加わっていただいて、進めてまいります。よろしくお願いします。
今日の話のテーマなんですけども、私たち市民ネットワークでは、先日、この間の土曜日に、11月19日に、仙台市の市政出前講座というのをやりました。「仙台市の水道事業の現状とこれから」というテーマで、学習会を開催いたしました。
この学習会は、仙台市に市政出前講座という制度があって、これは仙台市民が仙台市政の「こうこう、こういうテーマで話をしてください。レクチャーしてください」というふうにリクエストすると、仙台市の担当の方が来てくれて、説明をしてくださるという制度があります。それを活用しました。
で、テーマは、もちろん、「仙台市の水道事業の現状とこれからについて説明してください」ということでリクエストをしましたら、仙台市水道局の総務部の経営企画課長さん、神倉課長さんが来てくださいまして、直接私たちに説明をしてくれたというわけです。
神倉さんの最初のお話は40分ぐらいで、詳しいPowerPointの資料を作ってきてくださって、仙台市の水道事業の概要がどうなっているのか? そして、今どんな問題を抱えていて、それをどういうふうに解決していこうと考えているのか? 現状と課題ですね、そういうことについて、けっこう詳しくお話をしてくださいました。とてもいい機会だったなあと、私たち思っています。
参加者は、会場に直接参加してくださった方が48名、Zoomを通じてWebで参加してくださった方が24名、合計72名ということで、私たちの予想を上回る大勢の市民の方に来ていただきました。参加してくださったみなさん、ありがとうございました。
今日の番組は、この学習会を番組の中で再現するというか、中身をみなさんに報告していきたいなと思っています。
まず、小川さん、仙台市水道局の経営企画課神倉課長さんが、どんなレクチャーをしてくださったか? ちょっと簡単に説明してくださいますか?
小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
仙台市の説明はですね、大きく3つに分かれていて、1つは仙台市の水道事業がどういうふうになっているか? っていうことなんですが。
たとえば、どこのダムで水を取って、どこで浄水して、どういうふうに流れてくるのか? ということを、「いろんな系統があるんだよ」ということを説明しながら、水道事業についての基礎知識を最初にお話いただいたうえで、水道事業の現状と課題ということを比較的詳しくお話しいただきました。
3.11を経験しているということもあって、災害対策をきちっとやらなきゃダメなんだということで、何かあった時に、水が途絶えないような仕掛けということを、「こういうふうにやってるんですよ」っていうことを説明してくれました。
もう1つは水質を徹底して管理をして、安心して飲めるようなことをやっているという紹介をいただきました。
ただ問題もあって、水需要、水を求める人の人口が減ってきますから、そのことはイコール取り扱いの水量が減るということ、それはイコール収入が減るということになる、と。
そういう点で言うと、水道管の寿命が古くなってきたので、更新しなきゃいけないお金をどう捻出するのか? ということだとか、経営をどういうふうに、将来どこにポイントを置いてやってく必要があるのか? というようなことをご説明いただきました。
同時に、それを担う職員、マンパワーをどう確保するのか? も合わせて課題だということで、お話しいただきました。
仙台市は水道事業の中期計画を持っていて、非常に印象的だったのは、やることが3つあるということ。
1つは現在われわれが利用している水道の仕組み、水質管理や災害対策をキチッとやるということを含めて最適な仕組みを維持して、次世代に継承していくが大きな1つの塊。
もう1つの塊が、経営を持続可能なものにしていく。できるだけ料金を上げない。利用者が安心して利用できるような持続可能な水道事業の経営をやっていく。しかも赤字は出さないで。
もう1つは、これも非常に重要だと思うのは、「関係者との連携を強化します」、と。つまり、事業者や宮城県も含めて近隣の水道の事業体と連携しながら、特に利用者、ま、水道を利用しているわれわれ市民との様々な連携、協働により課題解決に取り組んでいくことを考えているということで、いま進めている内容をご説明ただき、大変わかりやすい説明だったなというふうに思いました。
多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
まさに私たちのリクエストにちゃんと答えてくださった。「仙台市の水道事業の現状とこれから」について、わかりやすく説明していただきました。
で、佐久間さんは、この学習会をやろうと呼びかけてきっかけを作ったんですけども、どうでしたか? 感想を含めてお話ししてください。
◆ 100年の歴史を持つ仙台市水道事業
佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
水道のことって、正直言ってみんなあんまり知らない。宮城県の(水道事業が)民営化になるということで、みんな関心を持ってきた。
大変わかりやすくポイントを押さえたレジュメをご用意いただいて、説明してくださって、すごく良かったなと思いました。
私があまり知識がなかったこともあるんですけども、仙台市の水道事業の歴史というのはえらく長い、と。100年ぐらいになる、と。
仙台市は大きな市ですから、歴史として結構長い部類になるんでしょうけども、いただいたレジュメを見ると、水道事業の発展というのが、市が大きくなったとか、人口が増えたとか、産業が発展してきたとか、それから市民生活の安全安心の際に様々な水質の管理をしてきたとか、そういう形で事業が発展してきているというのがよくわかりました。
ただ、(仙台市の水道は)拡張事業が第5次まであって平成11年で終わっているので、それ以降は、節水意識の高まりや需要の減少、節水器機が発達してきて、人口が減っているという問題が、全国の水道事業の大きな課題になっているのかなと思いました。
ちょっと驚いたのは、仙台市の配水管の長さが日本列島(の往復)と同じ長さで3,500㎞あるということで、日本列島の北は択捉から南の与那国島までの距離よりも長いんですよね。これを知ってですね、水道事業ってホントに大変な事業だ、と。
多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
ですよね。これを維持管理していくのは、大変なことですよね。
佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
だから、ある特定の自治体だけでなくて、国家の大変大切な事業として、国家的な様々な配慮が必要だなということを痛感したのが、ごく大まかな印象です。以上です。
◆ 水道水チェック200仙台
多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
私も、仙台市水道局の方と初めて直接お話を伺った、対話したということだったんですけども、やっぱり、「しっかりお仕事に誇りを持って取り組んでおられるなあ」ということは伝わってきました。
水質管理に関わる質問に対して、国の水質基準51項目に加えて、150項目以上の仙台市の独自の検査をやっているんだということをおっしゃっていました。これを水道水チェック200仙台と言うんだ、と。
水質管理、つまり安全安心のところ、そして美味しさ、安定供給、これを責任を持ってやってるんだということを強調しておっしゃってましたから、この辺は、仙台市水道局として誇りと責任を持って取り組んでるんだなあと思いましたよね。
◆ 仙台市水道事業は、公営事業の枠組みをしっかり堅持していく!
多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
この学習会は、先ほども言いましたように、全部で72名という私たちの予想を上回る多くの市民の方に参加していただきました。
ホントに有り難かったんですけども、神倉課長の説明が40分ぐらいありまして、その後、実に同じ時間、40~50分質疑応答の時間になってですね、会場参加者から、あるいはZoomを通じても質問が来ましたけれども、ずうっと引きも切らず、いろんな質問が出て、司会の小川さんが裁くのが大変なぐらい次々に手が上がってですね、みなさんがいろんな質問をされました。
本当に関心の高さ、あるいは問題意識の深さというかね、みなさん今回の学習会をしっかり聞いて、レジュメも読んで、その上で質問しているなあということが伝わってくるようないい質問も多かったです。これについて、どうだったですか? 佐久間さん。
佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
みなさん、50分ぐらいの時間で次から次へと手が上がって、私もホントは聞きたかったけど時間が足りなくなって、多々良さんが最後にZoomの質問者の方のを代読してもうちょっと聞きたいなと思ったことがあったけど、様々な観点から質問が出たんですね。
正直言って、「ようくわかってるな」と思う人と、「あ、この人は初心者かな」と思う人と、様々ありましたけど(笑)。
多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
それだけ参加者の方が、多種多様、多彩だったということで、良かったですよ。
佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
今まで水道にあんまりね、当たり前に、安全安心な水の供給を受けてきたものだから、そういう意味であんまり関心を持てなかった人も、「あれ? 」ということで今回参加してるのかなと思って、良かったなと思いましたね。
で、アンケートいただいたんですけども、25人ぐらいの方がお寄せくださって、仙台市の出前講座は土曜日にあったものですから、本来はお休みの日でしょ。「(仙台市の)課長さんともう一人の方が来てくださって、土曜日なのにすみません」とかね。
多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
「休日出勤ご苦労さまです」とね、そういう声は会場から出ましたね。
佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
非常に礼儀正しいご挨拶も、(学習会主催者の)私たちの代わりにしてくださって、 良かったなと思いました。
あと、核心に触れる意見もいろいろあって、これは最後の多々良さんの質問もそうだったのかな、「これからの水道はどういうやり方で仙台市はやっていくのか? 」という話があって、ここでご紹介しちゃっていいかな?
多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
はい。
佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
「公営企業の枠組みをあくまでも維持して、仙台市は水道事業をやっていくんだ」というお話が、実に明快に出てね、会場のみんながホッという感じで、感心したの。
多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
キッパリとした回答でしたね。
佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
ただ公営としてやるっていうんじゃなくて。なんでか? っていうと、いま県営水道は、みずむすびさんに運営権を譲渡しちゃって、民営化されてしまった。浄水場の維持管理なんかは、全部まるごとお願いしてる。
そしたら、出前講座の講師の方は、「浄水場の管理とか水の排水、どうやって関わるか? これは水道事業の生命線なんだ」と。「だから、使命感を持ってやっています」というふうにお答えになった。私はこれは大切だなあと思ってメモしていました。
こういう使命感を持ってるってことは、あんまり力まないで、実にさりげなくおっしゃってるので、こういう物事の考え方、発想、政策の基本で仙台市の水道局の方はやってくださってるんだなと思って、非常に嬉しかったし、頼もしいなと思いましたね。
最後のお答えだったんだけども、みんなが聞きたかったことをパッと、実に当たり前のことのようにおっしゃってくださったので、すごく安心しました。
多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
そうですね。佐久間さんおっしゃるように、「お、そうなんだ」ってね、会場に納得、ホッとした雰囲気が流れました。
佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
安心感が漂ったという感じでしたね。それが一番良かったですね。
多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
あのう、ちょっと、参加者の中でも、その辺、誤解があるかもというところがあったので、改めて簡単に整理しておくと、県営水道事業、宮城県がこのたびみずむすびに運営権を売り渡してしまった、つまり民営化してしまった事業という部分は、ダムから水を取って、それを浄化して、市町村の水道にそれを売り渡していく用水事業と言うんですよね、小川さん。
つまり卸売り事業の部分が、県営水道事業なんで、ここがこのたび、いわゆる民営化されたということになりました。
上水道を通じて市民や町民に直接水道を供給するのは市町村ですから、ここは未だに公営事業としてやられているということですね。で、われわれの懸念としては、ここまで民営化の触手が伸びてくるんじゃないか? ということの懸念が市民の中にあったわけですけども。
それを今回、仙台市水道局の課長さんは、「公営事業の枠組みをしっかり堅持していくんだ」ということを、私たちの前でキッパリおっしゃってくださったということだったんです。
小川さんは、どうでしたか? 質疑応答を聞いていて。大変司会としてはご苦労だったと思うんですが。
小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
いや、みなさん関心を持ってるんだなと、改めてよくわかりました。仙台市のいろんな話の中で、特にいま話題になった県の用水供給事業と仙台市の水道事業との関係で、民営化されたことによって、今のところ実務的な問題が何か発生しているわけではないとおっしゃってました。これ実務的な問題が起こったら大変なことですが(笑)
ただ、仙台市としては、災害対策の時にどういうふうにするんですか? 宮城県の用水供給事業、大丈夫なんですか? ということや水質の問題を、(県に)いろいろと問い合わせている、と。
時間がなかったので詳しい中身は説明されてないですが、私たち水ネットが把握してる範囲では、なかなか、卸から水を受ける受水市町村のいろんな問い合わせや、これからどういうふうな方針でやっていくのか? という方針については、どうもみずむすびのほうから明快な回答が十分来てないと言われてるようです。
ボクらからすれば、仙台市が災害対策や水質管理をどうしていくのか? という問題について、民営化したみずむすびがキチッとやってもらわなきゃいけないので、受水市町村とかの要望に誠実に応えて、一緒に事業をやっていくということをやっていただかないと。
また、それを県がコーディネートしていかないと、将来いろいろ齟齬が出てくる可能性があるので、そこは総合的に県と仙台市の努力も必要だし、みずむすびもいろんなそういう状況を捉まえてどういうふうにやっていくのか? を考えていく必要があると改めて思いました。
◆ 相互方向のコミュニケーションをやる
多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
お二人の感想、「本当にそのとおりだな」と私も思いました。ちょっと感じてしまったのは、あえて言ってしまうと、県と仙台市との対応の違いって言いますかね、それが、今の事業の構造を反映して現れているなと思ってしまいましたね。
つまり、やっぱり、県は、直接市民に水を売ってるわけではない卸売り事業ですから、そういう意味では、水の顧客というかユーザーである市民と直接対話する機会はほとんどなかっただろうし、その必要性も感じてなかったんだと思うんですよね。
それに比べて、仙台市水道局の方は、市民が水道料金を払っているお客さんなんですね。実際に、この日の学習会の話の中でも、課長さんが「お客様、お客様」と言うもんだから、「市民をお客様と言うのはいかがなものか」と、逆に会場からそういうご意見が出たりして(笑)。
それに対して、課長さんの答えは、「確かにその通りです。仙台市の市役所の本体の職員が市民をお客様と言ってるわけではないし、それはおかしいと思っています。ただ、自分たちは公営企業なんです。公営なんですが、企業体としてやってるわけです。そういう意味で、水道料金を払ってもらっている市民のみなさんはお客様だという捉え方で仕事させてもらってます」ということで、それはそれで大切な意識だなと思いました。
そういう姿勢があって、市民と直接対話して説明もしなければならない、と。こういうリクエストがあったらちゃんと答えていかなければならないという姿勢は、いい意味で県とは違うなと思いましたね。
小川さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
先ほど仙台市の水道事業の中期計画があるという話をしましたけど、その中の3つめに関係者との連携強化というのがあって、詳しい説明はされなかったんですが、要は、「お客さんとの相互方向のコミュニケーションをやるんです」ということを、仙台市は言ってるんです。
相互方向だから、お互いにやり取りをしてと言うことですよね。
みずむすびがこの秋にやった「みずむすびフェス」と言うお祭りに1,000ぐらい集まったというレポートがあったんですが、これって双方向じゃなくて、イベントを仕掛けて、「そこに来てくださいね」と、来てもらって終わりみたいな。
で、「楽しかったですね」で終わりって言うんじゃなくて、相互方向でやろうというのが、地味だけど、そして面倒なんだけれども、そういうことをやろうというのが、ボクとしては非常に好感を持ちました。
多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
そういう仙台市の姿勢が見えたいい学習会だったなあと思うんですけども、でも、一方で、こういう市民と水道局が直接対話する場というのが、これまで頻繁にあったか? と言われれば、そうではなかったと思うんですね。
参加者からいただいたアンケートの中にもそういう声があって、「市民と行政とのコミュニケーションは初めて聞きました」とか、「仙台市の水道事業について改めて理解ができた。水道局の方に直接お話を聞けて良かったです」という感想もいただきました。
ホントにそうで、仙台市は市民と対話しようという姿勢を持っていないわけではないですから、どんどん逆に私たち市民の側から働きかけて、リクエストして、こういう場をこれからも設けていくことは重要だなあと思いました。
佐久間さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
行政が積極的に様々な情報を市民に提供して、対話に近いような形で意見交換をしたいというふうに思うように、私たち市民のほうから、積極的に働きかけていくことが必要なんだな、と。
よく、「お任せ民主主義」と言われて、行政に全て丸投げしちゃって、自分たちはホントのお客様で何もしなくても十分なサービスが受けられるみたいに思ってた、勘違いしてたみたいな時代があったかなと思うんですね。
そうじゃなくて、やっぱり、「市民のための行政だ」と言うためには、こちら側も積極的に働きかけをしていく、と。そこに初めて、行政と市民との相互の対話が生まれるのかなと思ったんですね。
これまで、ちょっと私たちが少し怠けていた、全てお任せで私たちは行政を消費すればいいんだみたいな感覚じゃなくて、生活していく私たちのこの地域の中で、いろんな問題を自分の問題と捉えて行政と意見交換し働きかけをして、いろんなことをやってもらう、と。そういう相互交流をしようと思ったんですね。
特に、東京都の杉並区で岸本(聡子)さんという素晴らしい区長さんが誕生したという話を、ここでも2回ほどしましたが、彼女の行政に向き合う姿勢は相互交流性、それは彼女が言ったというより、むしろ杉並区の区民の方にそういう伝統というか気運がずっとあって、そこに岸本さんが上手くマッチしたということだと思うんです。
だから私たちは、地方自治というものを、この水道事業を通じてもう一度見直す、と。地方自治は、行政が主役じゃなくて、住民自治だ、と。われわれが、行政に働きかけて作っていくんだ、と。
そこをもう一回思い返さないといけないし、そうであれば、優秀な行政の方々はちゃんと応えてくれると思うんですよ。
そういう意味では、今回、仙台市の水道局の方からお話を聞いて、やっぱりわれわれも積極的にアプローチしていく、と。それによって、向こうも様々な提案をしてくれる。そういういいきっかけになったと思いました。
多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
そうですよね。とはいえ、最初に小川さんが紹介してくださったように、この時の課長さんのレクチャーにもあったんですけども、仙台市の水道事業は、これからなかなか困難な課題を抱えているわけですよね。
これからどんどん水道管の更新に費用がかかっていく一方で、給水人口は減っていく。と言うことは、水道事業の側から見ると、水道料金収入が減っていく一方で経費はかさんでいく中で、これをどう乗り越えていくのか? という話は、宮城県が水道民営化をするんだという時の最初の口実でもあるんですね。
そういう状況が確かにあるのはウソじゃないわけです。だけど、それを安易に民営化の方向で解決していこうとするのか? それとも、今回仙台市が話してくださったように、あくまで公営企業を堅持したうえで、水道システムを最適化、持続可能な経営を目指すという方向で乗り越えていこうとするのか? ということは、大きな分かれ目だなと思いました。
その時にきっかけとなるのは、関係者との連携強化という説明がありました。この関係者=テークホルダーの中で最大のものは、水道のユーザーである私たち市民なんですね。
私たち、大いにこれからも関心を払って、宮城県、みずむすびと対話をしてくことはもちろんなんですけども、仙台市とも対話を深めていきたいなと思いました。
今日は、佐久間さん、小川さん、どうもありがとうございました。これからもこの問題を、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。聞いてくださったみなさんも、最後までありがとうございました。