宮城県の水道民営化問題

命の水を守るため、水道の情報公開を求めていきましょう!

命の水を守る市民ネットワーク・みやぎが、みやぎ型をモニタリングする経営審査委員会の情報公開について要請書を提出しました!

2022年2月10日、命の水を守る市民ネットワーク・みやぎが、宮城県の櫻井公営企業 管理者と経営審査委員会の田邊委員長宛てに「宮城県企業局経営審査委員会の運営に 関する要請」を提出しました。

この要請書の全文は ↓ でダウンロード・印刷できます。

http://www.miyagikenmin-fukkoushien.com/pdf/index/2.10suidou%20%20keieishinsaiinnkai%20moushjiire.pdf

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要請項目

一、公開について

1、会議(委員会)の公開について

2、会議録の公開について

3、資料の公開について

二、傍聴者数の数について

三、動画配信について

 

要請全文

2022年2月10日

宮城県企業局宮城県公営企業管理者  櫻井雅之 殿

宮城県企業局経営審査委員会委員長  田邊信之 殿

命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ

共同代表 佐久間敬子 中嶋信

宮城県企業局経営審査委員会の運営に関する要請」

宮城県企業局経営審査委員会は、昨年6月の県議会定例会で宮城県上工下水一体官民連携運営事業(みやぎ型管理運営方式)が可決承認された際に、民間事業者による水道事業が要求水準等に則って適切に運営されているか等をモニタリングする組織として設置されました。経営審査委員会は、県及び運営権者の実施するモニタリングとは別に、専門家で構成される公正・中立な第三者機関として、3段階モニタリングの最上位に置かれている委員会です。

モニタリングの内容は上記のとおり、運営権者の業務が要求水準書等に則って適正に運営されているかを調査審議することですが、具体的には業務内容の客観的な評価・分析を行い、そのうえで意見を述べること、とされています。単に調査し結果を答申するだけでなく、意見を述べることで、県や運営権者に調査結果を「フィードバック」し、よりよき事業運営や事業の改善への見解を呈示することも期待されています。貴委員会の役割の重要性を示すものですし、県民として期待するところです。

みやぎ型導入により、これまで県が日常的に公表していた数値やデータの公表がなくなり、県の審査・監査の対象であった事項、県議会の審議の対象になった事項が除外され、公開の対象からはずれることになりました。それに伴って、県民のこれら情報にアクセスできる機会も減少することになりました。

上記を踏まえ、貴委員会は最大限、公開の原則を大事にすべきであると考えます。事業にかかる情報、資料、審査の内容を県民に公開すること、そのこと自体が委員会の大きな役割であるからです。運営権者の言い分を吟味し、非公開とすべき範囲は最小限とするように努めて下さい。議会の報告の前に、議会の得る情報以上に詳細な情報を得て審査することが出来るのは、貴委員会以外ありません。

県民の命・暮らしを支え、公衆衛生の維持・増進にとって最重要な水道事業の運営は県民の大きな関心事です。また、「みやぎ型」は全国初の水道3事業一体の「コンセッション方式」による事業運営で未知数の部分が沢山あります。

私たち「命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ」は「みやぎ型」に対し、これまで種々の疑問と不安を表明してきましたが、これは現在に至っても解消されていません。
他方、知事はこの方式を「モデルケース」といい、公営企業管理者は水道事業の課題を解決できる「最適解」と答弁してきました。

以上のような経過を踏まえて、貴委員会が、「みやぎ型」の審議の経過及び結果を十分に公開し、県民がみやぎ型による水道事業運営の実際を知るこが出来るよう注力して頂きたいと思います。全国初のみやぎ型による水道事業の運営を、宮城県民のみならず、全国の自治体と住民が注視しています。

以上のような貴委員会の重大な役割を踏まえ、以下の要請を行います。

要請項目

2012年12月24日、2022年2月2日の経営審査委員会を傍聴しました。

これを踏まえ、以下の項目について要請します。

一、公開について

1、会議(委員会)の公開について

① 非公開とする場合は、どのような非開示情報にかかわる審議が予想されるのか、ある程度具体的に示して下さい。また情報公開条例に則った採決手続を採って下さい。

2月2日開催の第2回目経営審査委員会は開始後約90分で審議が非公開になりました。ある委員の発言を受けてSPCから非公開の要望が出され、以降非公開になったものですが、非公開の決定に際しては概括的ではなくどのような非開示情報にかかわるのか(従業員の名称、収支計画における費目、改築等にかかる予算・単価などが具体例として挙げられています)、ある程度具体的に示して頂きたいと思います。

「非開示情報」だけでは傍聴者は判断のしようがなく、非公開部分の審議に対する信頼性も失われます。

また非公開要件である会議の構成員の3分の2以上の多数の決定を遵守し、採決を採って下さい。

② 非公開部分の審議が終了した際は再び公開に戻るはずであるので、傍聴を認めることを徹底して下さい。

2月2日の委員会審議で傍聴者は別室の映像で視聴しましたが非公開部分以降、閉会を待つことなく傍聴室は閉鎖するとのことで退室を求められました。傍聴者から異議が出ましたが、結局全員が退室しました。非公開部分の審議が終了すれば、再び公開に戻ることは当然です。閉会に致る事務連絡等の議事は公開が当然ですから、当日の上記の運営は不適切であったと考えます。今後このような運営が行われることのないように規定に則った審議方法を徹底して下さい。

2、会議録の公開について

2月2日の委員会審議中、非公開で審議された部分は、全部が非公開にすべきであったのかどうか、傍聴者にはわかりません。審議を経た結果、公開しても支障のない部分があれば委員会の所定の手続を経て議事録という方法で公開して下さい。

今後も、非公開にしたことが妥当であったのかの評価をし、事後的であっても、公開できる部分は、最大限公開する運用に努めて下さい。

3、資料の公開について

資料は事務局が整理し加工された資料とは別に生の資料を提出して下さい。

2月2日傍聴者に配布された資料は、運営権者から提出された資料そのものではなく、事務局(企業局水道経営課)が整理してまとめた資料でした。整理・まとめの作業の中で当然、何らかの価値判断が入り取捨選択されています。この判断が妥当かどうかも問われます。よって、資料は運営権者から提出された生の資料・データも合わせて提出して下さい。「資料5」の元資料の提出を求めます。

また、委員各位の質問事項(資料5に「意見」と記載された部分)、運営権者の回答(同資料に「回答又は対応方方針等」と記載された部分)の資料自体も、併せて提出されるよう要望します。

資料5には提出された質問事項が資料のどの部分で何ページかが記載されています
(例えば、全体事業計画書のP6など)。これから推測すると「資料5」のもとの事業計画書等は全体で100頁程と推測されます(質問事項に対応する計画書の最後のページは86Pと記載されています)。数百ページに及ぶものであっても、経営審査委員会の重要な職責から考えれば、非開示情報はともあれ、その他は全部を、もとの資料で開示すべきと考えます。せいぜい100頁程度であれば、もっと容易に開示出来ると考えます。

二、傍聴者数の数について

傍聴者の数をもっと増やして下さい。

傍聴者は委員会運営要領では定員10名となっています。この人数の是非はともあれ、委員長判断で増員出来ることになっています。県民の命・暮らしに直結し、水道事業の大幅な変更となる制度の立ち上がり次点での審議です。要領改訂は措くとしても、当面は、委員長判断の規定を活用して少なくも倍程度の傍聴者を認めるよう要望します。

またこれとは別に、事実上の議員枠あるいは委員会枠(所管委員会である建設企業委員会)も設定されるよう要望します。経営審査委員会のメンバー構成について、県議会の審議の過程では議員枠を求める意見も出されました。みやぎ型導入によって県議会が決定権を持つ水道事業に対する関与は基本的に5年に1回の料金改定時だけとなりました。

県議の皆さん、特に建設企業委員会委員の皆さんは長時間みやぎ型の審議議に関与し、知見も集積されています。よって県議、あるいは建設企業委員会委員の傍聴枠を別途設定することは、これまでの審議の成果を反映させ、貴委員会の審議の充実・活性化に意義あるものと考えます。

2022年1月21日開催の建設企業委員会では、同旨の発言が新任の委員から出されています。新任であるからこその、原点に立ち返った新鮮な提言と受け止めた次第です。一般県民の傍聴枠と不公平にならないようにご検討下さい。

三、動画配信について

上工下水道事業は、県民の「命の水」に関わる事業であり、「みずむすびマネジメントみやぎ」が担任する事業は県民の約82%にあたる190万人を対象とするにもかかわらず、県議会の関与が大幅に後退することになっています。県議会に代わって、水質や経営状況等の重要な事項を監査する役割を果たすのが経営審査委員会なのですから、県議会の本会議や予算・決算特別委員会で実施されている動画配信を貴委員会でも実施することは、県民の立場で考えれば当たり前のことです。

動画配信を実施すれば、会場のスぺースによる傍聴者制限の問題に対しても、1つの解決策になります。

是非、動画配信を前向きに検討し実施されるように要望します。

以上

 

エフエムたいはくの「みやぎの水が危ない! ~ストップ 水道民営化~ 」(2/10放送)では、この件について詳しくお話しています。 ↓  是非ご視聴ください。