宮城県の水道民営化問題

命の水を守るため、水道の情報公開を求めていきましょう!

命の水を守る市民ネットワーク・みやぎの街頭宣伝のチラシ&参加スピーカーの言葉です。

2020年6月21日、命の水を守る市民ネットワーク・みやぎは、新型コロナの禍中にあるにもかかわらず県が2022年4月の事業開始を目指す「みやぎ型管理運営方式」に対し、疑問と懸念を訴えるチラシを仙台市の一番町平和ビル前で配り、街頭宣伝を行いました。

水道民営化反対 宮城

水道民営化反対 宮城

命の水を守る市民ネットワーク・みやぎのメンバーによる街頭宣伝

 

みやぎ型管理運営方式多々良哲さん

私たちは命の水を守る市民ネットワーク・みやぎです。いま宮城県が全国に先駆けて推し進めようとしている水道事業の民営化、いわゆるみやぎ型管理運営方式について様々な疑問や懸念を持って活動をしている市民グループです。

3月4月5月6月と私たち市民はコロナ感染拡大の中で大変な思いをして暮らしてきました。その中で宮城県は、県民が外出の自粛や休業要請で大変な思いをしている中で、 実は、水道民営化=みやぎ型管理運営方式に向けて、着々といろいろな手続きを進めています。

3月には水道事業の運営権を売り渡す民間企業の募集要項を発表して募集を始めました。そして、民間企業(の募集を)5月には閉め切って、これからいよいよ、その審査をするという段階に来ています。コロナ感染拡大の中で、県民の目がなかなか水道民営化の問題に向かない中でも、県は着々と水道民営化に向けた手続きを進めているのです。

もちろん、コロナ感染拡大の中で、県民に対する説明は十分に行われていません。

3月4月5月6月、県による説明会は一カ所も開かれていません。もちろん、コロナ感染拡大の中で説明会を開くことは無理なわけで、あるいは県の担当者を招いての出前講座・説明会も開催することができませんでした。

県民に対する説明が極めておざなりな中で、しかし手続きだけが県民の目から見えないところで着々と進められている、いま水道民営化はそういうことになっています。

私たちは先日、宮城県に対して公開質問状を提出して、このままみやぎ型管理運営方式=水道民営化を推し進めていいのかという疑問を投げかけました。

水道民営化に対する疑問はいくつかありますけれども、私たちが公開質問状の中で投げかけた質問の1点目は、県の水道事業の専門家人材が維持していけるのか? 減少してしまうのではないか? という大きな問題です。

宮城県が水道事業者として責任を維持するためには、水道事業全般に精通した県職員の育成が必要です。しかし、みやぎ型管理運営方式では、県が今まで行ってきた機械・電気設備の改築・改修工事や薬品の発注・調達なども全部民間企業に任せることになってしまいます。そうすれば、県に水道事業の専門家人材が育成されず、どんどん減少することになってしまいます。

県はみやぎ型管理運営方式=水道民営化によってコスト削減を目指しています。水道事業を民間企業に委ねるのであれば、むしろ県の人材を縮小しなければ、減らさなければ、かえって二重コストになってしまいます。その結果、水道事業に精通した県職員の人材は育成されず、民間企業に水道事業をいわば丸投げすることになってしまうのではないでしょうか? 私たちはこのことを強く懸念しています。

2つ目の水道民営化に対する疑問は、水質が維持されるのか? という問題です。

水道事業の運営権を買い取る民間企業に対する要求水準書の中では、今と同じ水質検査をやらなければならないということは掲げられていません。民間企業に委ねれば、民間企業の判断で現在の水質管理体制が変更され、水質が悪化してしまうのではないか? 私たちの大切な海や川、自然環境が汚されてしまうのではないか? この懸念を拭えないわけです。この点からも私たちは水道事業の民営化に大きな懸念を抱いています。

そして3つ目、最大の懸念は、このコロナ禍、コロナ・パンデミック、私たちはこの事態を体験したわけで、それでも民間企業に本当に私たちの命の水、私たちの公衆衛生にとって最も大切な水道事業を、グローバル企業、民間会社にゆだねてしまっていいんだろうか? という根本的な疑問です。

今回のコロナ・パンデミックによって、宮城県の県民の公衆衛生、保健衛生にとって、最も大切である水の大切さを、私たちは改めてこれを実感しました。きれいな水に県民誰もがアクセスできることの大切さ、貴重さを、私たちは今回のコロナ感染拡大によってよくわかりました。手を洗うにも、うがいをするにも、まず必要なのはきれいな水です。この水道事業を民間企業にゆだねてしまっていいんでしょうか? 

一方で、コロナ感染拡大によって、私たちはグローバル経済の危うさというものもよくわかりました。私たちが絶対につぶれないと思っているような大きなグローバル企業だって、経営破綻、経営の困難に陥ることがあるんだということです。水道事業をグローバルな企業・グローバルな民間企業にゆだねることのほうが、むしろ危ういんじゃないでしょうか? 地元の公営企業・ローカルな公営企業でしっかりと水道事業をやっていくことのほうが、むしろ持続性があり安心なんじゃないでしょうか? このことの疑問を 私たちは水道民営化について思っています。

みなさん、私たちは命の水を守る市民ネットワーク・みやぎです。宮城県が全国に先駆けて推し進めようとしている水道民営化=みやぎ型管理運営方式について、いくつもの疑問や懸念を抱いています。

このコロナ感染拡大、まだまだ第2波・第3波が心配される中で、このまま宮城県の水道民営化を推し進めていいんでしょうか? 宮城県の水道事業をどうしていくか、ここで1回立ち止まって県民みんなでゆっくりじっくり考えてみるべきではないでしょうか? 私たちはそのことを訴えています。

ぜひ今私たちの仲間が配っているチラシを受け取ってご覧ください。みやぎ型管理運営方式=水道民営化についての疑問点や懸念点が書かれています。みなさんも問題意識を共有して、一緒に、「みやぎ型管理運営方式=水道民営化をこのまま推し進めていいのか?」「このコロナ感染拡大の中でいったん立ち止まって、県民みんなで考えてみるべきではないか?」この声を一緒にあげてほしいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 

  

佐久間敬子弁護士佐久間敬子弁護士

ご通行中の市民のみなさん、こんにちは。私たちは、命の水を守る市民ネットワーク・みやぎです。

みなさんも私たちも、このコロナという新しい不運の中で、大変不自由で苦しい生活を押し付けられましたし、まだそういう状況におられる方が沢山おられます。私たちも、みなさんと同様です。

いま私たちが訴えている「命の水を守る」。これは私たちの命・健康にかかわる問題だと思っております。そういうようなことから、今日からこの公の道路でみなさんに私たちが作ったチラシを配布する。そして私たちが考えていることをお聞きいただいて、共に、「この水道民営化、問題がいっぱいあるんじゃないの?」「こんなに安易に進めていいの?」このような疑問を、みなさんと一緒に共有していただきたいと思います。

今みなさんにお配りしているチラシに、私たちが考えている宮城県が進めている水道民営化の大きな問題点、大きな不安が書いてありますので、どうぞみなさんお手に取ってみてください。

宮城県は、昨年の12月、条例を変えて、今まで公営企業体が公共のサービスとして私たち県民に提供してきた水の事業、水道事業、上水事業、工業用水道、下水道事業、この3つの事業を一体で民間に運営を全部任せることができるように条例を変えました。

そして、こういう事業を「やりましょう」という事業者を募集して、3社が応募しました。その3社の中から1社を選んで、来年その企業と運営権の設定契約というものを結んで、再来年の4月からはこの水道3事業を民間に全面的に委託するというスケジュールで進んでまいります。

このスケジュールは、この世界的なパンデミックであるコロナのもとでも粛々と進んでいます。県は、県民に対する説明が十分ではないということがよくわかっていて、「これからは県民に対する説明会をやりましょう。出前講座やりましょう」と、昨年の条例が成立した時に言っておりましたけれども、このコロナの中でそういうことは一切取り止めになって、他方スケジュールは着々と進められている。

私たちは先日、県の水道事業のコンセッション方式というものに対して、9項目の質問状を公開で出しました報道機関も取り上げてくれて、新聞にも載りました。みなさんの中でも、これを目にされた方もいらっしゃると思います。

私たちが問題に思っていること9項目ありますが、その中の大きなことは、いま配布しているこのチラシの裏側に書いてありますように、水道事業を民間に運営権を全部丸投げしちゃうということになった場合に、県に、この水道事業が上手く進んでいるか、水質は守られているか、水は安全に供給されているか、こいうことをチェックする専門の職員がいなくなるのではないかということです。

水道の問題、私たちごく当たり前に考えていましたけれども、これを守ってきた県の職員のみなさん、大変な専門家です。そして、単に知識として専門家であるだけではなくて、個々の浄水場とか、そういうところの事情をよくわかった方々です。現場の状況をよくわかって、何事かがあった場合も即対応できる、そういう知識と経験を備えた職員の方々が、私たちの大切な水事業を守ってきてくださるわけです。

こういう仕事が民間に全部まかされたら、技術者がだんだんといなくなってしまいますね。また、優秀な技術者を養成するという必要がなくなります。民間の技術者がやる以上、県にそういう技術者を抱え込む、養成するのは、無駄なことになりますので、民間にお任せする以上、県にはそういう優秀な職員はいなくなる。優秀な知識・技能がだんだん少なくなっていく。それが当たり前のことになるのです。

私たちは3.11で大災害を経験しました。昨年の台風19号でも、水道事業は大きな被害を受けました。そして、この世界的に大恐慌を巻き起こしている新型コロナの問題で、水事業も大きな影響を受けています。

3.11の時、宮城県の水道・下水道を守ったのは、県のあるいは仙台市の優秀な職員、そして全国から応援に駆けつけてくれた全国の水道の技術者です。こういうことが、民間にお願いした場合に果たしてできるのでしょうか? 

採算度外視の公共事業・公営事業であるからこそ、大災害の時に損得を抜きにして全国から大勢の自治体の職員が駆けつけてくれました。こういうことで私たちの水道は守られていたわけです。これが民間に任された場合どうなるか? 大変不安があります。

そして今、このコロナの中でうがいをしたり手を洗ったり、水に対する私たちの意識・要求は高まっています。そして公衆衛生がいかに大切か、このコロナの蔓延を防いでいる一つの要因は、私たちの公衆衛生のレベルの高さにあるのではないかとも言われています。

こういうような中で、この水道3事業を民間にすべてお任せする、これには大変大きな不安、それから疑問を持たざるを得ません。民間に任された場合の水の水質、それから清潔さのレベル、それらは果たして今までと同じように維持されるか? これも大きな不安材料です。

いま宮城県、そして宮城県から水を買っている仙台市、大変懇切丁寧な水質検査を行っています。検査の回数もいろいろ多いんです。しかしながら、これからは間にお願いするとなった場合に、こういうような頻繁で非常に丁寧な水質のチェックができるかどうか?それはわかりません。

みなさんに供給される水の水質が結果的に変わらなければそれでいいという話で、きれいな清浄な安心な水を作るいろいろな過程で、どういうチェックが必要か、どういう 薬品が使われるか、それは運営企業に任される。従って、水が私たちに供給される過程については、私たちは、これまでの県が行ってきたような丁寧でそして頻繁な検査はなくなるのではないかと不安に思っています。

宮城県が民間に水道事業の運営を任せるその大きな理由の一つが経費の削減です。このまま公共事業体でやっていった場合よりも民間にお願いしたほうが247億円の経費の削減ができるという試算をしているわけです。

ただその試算も、具体的なデータがあってのことではありません。このぐらいの削減ができるのではないかなという期待値で出てるだけで、具体的なデータを突き合わせて積み上げて作った数字ではない。

そして今、新しいコロナという状況のもとで、世界の大きな企業が非常に苦しい経営を強いられています。労働者を解雇したり、工場を閉鎖したり、これまでのような利益を上げるということが果たしてこのパンデミックの中でできるのか非常に不安です。

宮城県の水道事業のコンセッション、これは当然、このコロナの前に考えたものですから、コロナという時代をこれからどうやって私たちは生きていくかと、そういうような大きな状況の変化を踏まえていません。果たして民間企業に私たちの命の水、健康にとって大切な公衆衛生にとって大切な水道3事業をお任せするというのが、果たして宮城県が考えていたような予測の元に成り立つのか大きな問題です。

民間企業は非常に不安定になっています。そういう中でこの企業に今後20年間、私たちの命の水、生活にとって必須の命の水、健康にとって大切な水、それから産業にとっても大切な水、漁業にとっても大切な水、これを民間に任せていいんだろうか、大変大きな不安と疑問を持たざるを得ません。

むしろ私たちの公共の資産として、公共事業で県民の参加のもとでこれを守っていく、発展させていく、これが、これからの新しい社会のあり方ではないかなと思います。

みなさん、いま宮城県が進めている水道3事業の民間移譲、コンセッション方式、これは大変大きな問題があります。私たちは県に対して9項目の公開質問状を出しております。その中のいくつかを今日のチラシに書いてあります。

このまま進んでいくと、2022年の4月には、私たちの大切な水道3事業が民間に全面的に運営権が譲渡されるということになります。なんでそんなことを今する必要があるのか、もっと時間をかけて県民の理解を得て ほしい。私たちの疑問に丁寧に答えてほしい。それが一切実行されていません!

どうぞ私たちがお配りするチラシを見ていただいて、この水道事業のコンセッションという民営化、民間が運営するという点では民営化に間違いないと思いますが、多くの問題がある。その旨を皆さんと共有して、これから県に対して「私たちの疑問にちゃんと答える、そんなに急いでこのコンセッション方式を実行する必要はない」という声を挙げていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

いま私たち命の水を守る市民ネットワーク・みやぎが、宮城県が進めている水道事業のコンセッション方式と言われる民営化の方式に大きな問題がある、異論があるということでチラシをまとめました。チラシに書いてありますので、どうぞみなさん、お手に取って読んでください。そして、いろいろわからないことが出てきたという場合にはどうぞ、私たちの命の水を守る市民ネットワーク・みやぎのほうにご質問を挙げてください。よろしくお願いいたします。

 

中嶋廉
中嶋廉さん

お買い物のみなさん、こんにちは。私たちは命の水を守る市民ネットワーク・みやぎのメンバーです。

宮城県が計画している水道の民営化は百害あって一利なしです。今日はそのことを知っていただくチラシをお配りしています。ぜひご覧ください。

みなさん、いま宮城県が計画している水道の民営化というのは、民間企業が絶対に損をしない、必ず利益を出すことができる仕組みを作って、その民間企業に県の水道の運営権を売却しようとするもので、究極の民営化だと言われています。

PFI法という法律に基づく民営化の一種ですけれども、県の職員は民営化ではないということを一生懸命言いたがるんですけれども、インターネットで検索してください。 コンセッション方式という新手の民営化。必ず民間企業は利益を出す、絶対に損をしない。しわ寄せは県と私たち県民に押し付けられます。ですから、必ず民間企業が利益を出すんです。どの解説の文書でも、民営化の一種だということがきちんと書かれています。それなのに県の職員は、一生懸命「民営化じゃない、民営化じゃない」と言って言い訳をしています。この言い訳を付けること自体が、県民のみなさんの利益にならないという中身を自白しているようなものだと私たちは考えています。

百害あって一利なしの水道民営化をやめさせましょう。みなさん、この宮城県の水道民営化計画は、民間企業の、民間企業による、民間企業のための、民営化なんです。審議会で、県の職員は、挨拶をして司会進行役をやるだけ。計画の中身の説明をするのは全部、 日本総研という民間のシンクタンクの社員です。県議会の議員が控室に(県の)職員を呼びだしてあれこれ質問すると、(職員は)答えられないで「後から調べて回答します」と言って、やっぱり日本総研の社員に相談してから回答してくる。何から何まで左右しているのは民間の企業。これでは、まともな政治家とは、とても言えないと思います。

私たちが腹が立つのは、嘘があまりにも多すぎるということです。経費を247億円削減できるということを県の職員は一生懸命言ってるんですけれども、それは民間の企業が作った資料です。「根拠を説明してください」と言うと、まともな説明ができないです。こんなひどい中身は認めるわけにはいきません。

みなさん、イギリスの政府は、PFIという民間委託を、「全く国民のためにならない」と言って、「全部やめます」ということを決めました。

パリ、ベルリン、あちこちのヨーロッパの街で、公共でやっていた水道を民営化したために、とんでもない水道の質が悪化したり、値上げ値上げの連続になったりして、あわてて元の公共の運営に戻すということをやっています。

全世界でやったら失敗する、住民が被害を受けるということがわかっているのに、なぜ日本で今頃、時代遅れの水道の民営化をやらなくちゃいけないんでしょうか。安倍さんがその政治を進めてるんです。安倍さんのお友達が関わっているヴェオリア・ジャパンというフランス生まれの会社が、宮城県の水道をものにする本命でないかということが言われています。こういうお友達政治はもうたくさんです。水道は私たちの命を支えるもの、下水道は大事な宮城県を維持していくために大事なものです。

水道の料金の値上げ、下水道の排出が悪くなって養殖漁業に悪影響が及ぶんではないかということも心配されています。百害あって一利なしの水道民営化にストップをかけましょう。今日、私共が作ったチラシをお配りしております。どうぞご覧いただきたいと思います。

この水道民営化は、決まるのは来年の夏ごろです。県が 民間業者を選んで、その業者に契約をしようとするんですが、それに県議会で待ったをかければ、みごとに水道の 民営化はストップをかけることができます。百害あって一利なしの水道の民営化。これにストップをかけるために力を合わせましょう。

民間企業が主で、県民の私たちにはまともな説明がされていないという民主主義に反するやり方で進められています。ヨーロッパ諸国をはじめ全世界で水道の民営化は大失敗に終わっています。水道料金の値上げだけでなく、水道にかかわる大事な情報が公開されなくなり、市民がチェックをすることもできなくなる。そういう弊害がたくさん起きています。民間企業が濡れ手で粟でぼろ儲けをする。私たちには何も知らされない。そういうひどい歪んだ政治はたくさんです。

私たちが声を挙げることで百害あって一利なしの水道民営化、民主主義に反する水道の民営化、やめさせてまいりましょう。今日チラシをお配りしています。宮城県に9項目の公開質問状を出しています。ちゃんと回答してほしいなと思っていますけれども、まともに回答したら、県民のためにはならない民営化計画だということが、上から下まで全部明らかになるはずです。

ぜひ今日お配りしているチラシをご覧いただき、ご一緒に百害あって一利なしの水道民営化にストップをかけるために力を合わせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。

今年に入ってから、新型コロナの問題が浮かび上がってまいりましたが、これからの新型コロナのウイルスが人類と共存していくような時代に、この水道民営化は、ますます問題があるということが浮かび上がっています。感染者はその国の衛生状態や医療の状態、その国で生活している人々の健康の状態、遺伝の状態、さまざまなローカルファクターと呼ばれるもので流行がどの程度に抑えられるのかが決まります。

日本で幸い重症になる人、亡くなる人が少なかった要因の一つ、私たちが良く手を洗う、マスクを付けることを嫌がらない、日本人の清潔好きな習慣が、ものすごく大きな効果を上げたのではないかと言われています。どこの公園に行っても、無料で手を洗うことができる蛇口があります。ところが、水道の民営化が行われた都市では、公園の水道は全部撤去される、そういうことまで南米では起こっています。公衆衛生の推進と反する水道の民営化はやめさせましょう。

宮城県は加えて、下水道まで民営化しようとしています。排水をきれいにして、海が清潔・清浄な状態に保たれるようにする、養殖漁業に影響を与えないように宮城県の下水道事業は頑張ってきました。それが儲け本位の民営化が進めば、排水の品質が悪くなる、そもそも水質検査の回数を手抜きされるのではないか、こういうことが下水道の専門家から指摘をされています。

新型コロナと共存する時代、ますます公衆衛生や公共の水域の汚染防止が大事な時に、それに反する民営化をするということは、私たちは間違った方向に向かうことだと考えています。百害あって一利なしの水道・下水道の民営化にストップをかけるために力を合わせてまいりましょう。どうぞチラシをご覧ください。 

 

森田眞理さん

私たちは命の水を守る市民ネットワーク・みやぎです。

昨年から議論されてきた宮城県での水道の民営化、みやぎ型管理運営方式というコンセッション方式、これはどう見ても民営化に他なりません。

民間が水道の事業を管理した場合にはどんなことになるのか、十分な議論がされないまま採決をされてしまいました。

諸外国ではこの民営化によって、大きな水質の劣化と水道料金の2倍3倍化が行われてしまっており、そのことを反省して再び公営化が行われているという事態が起こっております。

宮城県では昨年、村井知事が手を挙げて水道民営化に走ってしまっております。十分な審議も議会で行われないまま、今3つの事業者が手を挙げて請負の事業者になろうとしています。これは拙速ではないでしょうか。

今みなさん方にお配りをしているチラシどうぞご覧になってください。裏側に書かれておりますけれども、まず心配なのは水質の悪化の問題です。これまでの宮城県の水道管理基準、水質基準が本当に民間の事業者で守られるのでしょうか? 私たちはそのことが最も心配でなりません。この水は私たちの命そのものです。毎日、人間は水2リットル、2リットル当たり使用するその水、 子どもたちの未来に、20年30年、50年、100年、残していかなければならないと思います。安心して飲める水にしていこうではありませんか。

次には、価格の高騰の問題です。諸外国でも2倍3倍になっているというふうにご紹介いたしましたけれども、どうしてなのか、何でですかということが問題です。民間の事業者になりますと、株主への配当や役員の報酬、電力でも大きな問題になったように役員の報酬がお手盛りして多い。これは料金の値上げの必然的な結果ではないでしょうか。

株式会社の利益追求によるもっと大きな問題が、情報が 公開されない、儲かっているということも隠されてしまいます。それは、フランスのパリの副市長さんが日本に来られて、このことを明確にアドバイスをしていただいております。情報公開は、いま日本の政府が隠し通しているような虚偽、偽装、疑惑、捏造、そして文書を廃棄してしまう、黒塗りにしてしまったり、水増しをしたり、そうした日本の悪しき政治習慣が民間に染みついてしまいます。情報の公開が十分に行われない、こうしたコンセッション方式という水道の民営化は、絶対に許してはならないのではないでしょうか。この宮城の水が民間に任されてしまう、こうしたことは絶対に許してはならないと思います。

その次に問題なのは、職員の技術の伝承の問題です。今、宮城県自治体の中で水道事業に精通している職員のみなさんが枯渇してしまう。民間企業に天下りをしたり、企業の言いなりになって情報をごまかしたり、そういうことになりはしないか、そういった不安や疑問がたくさん寄せられてきております。

今でさえ、宮城県の水道の価格は全国で第3番目です。普通の家庭での1か月の水道料金は、仙台では3,488円、政令指定都市の中で全国第2位の水道の料金の高さです。宮城県は全体で4,249円の水道料金の支払いを私たちは行っております。これは青森県、北海道に続いて全国第3位の高い水道を今、私たちは使用しているわけです。それがますます民間の企業に売り渡された場合にもっともっと高くなるのではないか、そうした心配や疑問が私たちの声として議会に届けなければならないと思います。

さらに大きな問題は、昨年の台風21号や3.11の地震津波被害、そして今回のコロナ感染下における水道水の安全は、本当に確保されるのでしょうか。みなさんの大きな疑問がこの点にあるのではないでしょうか。緊急事態における対応はやはり行政自体が窓口を一本化して管理、改善をし、そして老朽化した管路の修復を公共事業として水質全体の管理を行いながら進めるのが筋ではないでしょうか。

水道民営化は、20年という長い年月にわたって民間が管理することによって、競走が なくなっちゃいます。そんなことでいいんでしょうか。独占企業に任せるとどうなるか、電力会社のあの関西電力の3億円の詐欺によっても明らかになっているのではないでしょうか。私たちの命の水、大事な水を民間に売り渡してはなりません。

むしろ私たちは、今からできる自治体の広域連携、これは岩手県の広域水道事業組合が67億円の削減をして地域の人たちに喜ばれているではありませんか。今できる宮城県自治体での公共事業としての水道事業の改善、費用の削減など、知恵を絞って行うのが、宮城県の水道事業の携わっている職員の方々もいいのではないでしょうか。

人口減少や施設の老朽化の問題が叫ばれています。だからこそ、私たちは民間に命の水をまかせるのではなく、公共事業として県が一元管理をしていき、県民の声を行政自体が吸い上げていく、そして議会できちんと、各自治体と県議会が私たちの代表としての議員を送り込んで議論していただくのが筋ではないでしょうかダウンサイジングという水道事業の統廃合も、今、仙台市では行われています。進められているこうしたダウンサイジング、水道事業の統廃合も公共事業として行うことが大きな効果を生むと言われております。

みなさん、このいま配っておりますカラーで作成されたわかりやすい、子どもさん方にも喜んで見ていただけるチラシ、どうぞご覧になっていただきたいと思います。

水道事業は私たちの毎日使う水道だけではありません。下水道、工業用水、これらも一体となって売り渡されてしまうというこの水道民営化、コンセッション方式、是非とも考え直していただきたい。性急に拙速に行われている宮城県での水道の民営化、是非とも考え直していただきたいと思います。
命の水を守る市民ネットワーク・みやぎの仲間のみなさんが、ご通行のみなさんに手配りでチラシをお渡しいたしております。是非ともご覧になってください。12時半から 1時半まで(音量の)高いマイクで大変失礼をいたしております。最後の締めくくりを、多々良さん、よろしくお願いしたいと思います。

 

再び多々良哲さん

みなさん、私たちは命の水を守る市民ネットワーク・みやぎです。

いま宮城県は全国に先駆けて、全国の中で自治体としては初、上水道、工業用水、下水道、この県の水道事業を一括して、その運営権を民間企業に売却しようとしている「みやぎ型管理運営方式」に大きな疑問、懸念を持って注目しています。

今日はコロナ禍で12時半から1時半まで1時間にわたってこの問題をみなさんに訴え、 チラシを配らせていただきました。

みなさん、私たちはこの数カ月間、コロナウイルス感染拡大の中で大変な暮らしをしてきました。外出の自粛、営業の自粛、この苦しい暮らしの中で、なかなか県民の目が、水道事業、民営化問題に向かない中でも、実は県は着々と水道民営化に向けた手続きを推し進めています。3月には水道事業の運営権を売却する民間企業の募集を始め、そして5月には締め切って、これから審査に入るという段階になっています。もちろん、コロナ感染拡大の中で、この間、県民に対する説明会は一度も開かれていません。

県民に対する説明をおざなりにしたままで、コロナ感染拡大第2波、第3波が心配されている中で、このまま水道事業民営化を推し進めてしまっていいんでしょうか。

私たちはコロナ感染拡大の中で、手洗いの大切さ、うがいの大切さ、よくわかりました。これはつまり、私たち県民誰もがいつでもきれいな水にアクセスできる、水道の蛇口をひねれば安心してきれいな水が使える、このことの大切さ、よくわかったのではないでしょうか。

宮城県の水道事業、その運営権を民間企業に売り渡してしまって、私たちの水道の水質は本当に保っていけるのでしょうか? 誰でも使える水道料金の水準が保たれるんでしょうか? このことに大きな懸念を持っています。

私は、コロナウイルス感染拡大の中で、公衆衛生の大切さ、きれいな水に誰もがアクセスできることの大切さ、よくわかりました。そしてもう一方でグローバル経済の危うさというものも、よく見えてきたんではないでしょうか。グローバル企業と言われる大きな多国籍企業、勝者といえども経営危機に陥る危険性が十分にある、そのことを私たちは思い知りました。グローバル経済の中で活動している企業の存続の危うさ、このことが見えてきました。

私たち県民の命の水、水道事業を、グローバルな国際的な大企業にゆだねるほうが本当に持続可能性があるのか? むしろ、ローカルな公営事業としてやっていくほうが持続可能性があるんじゃないか? その根本的なところから、私たちは宮城県の水道事業の民営化を見直していくべきだと思います。

コロナウイルス感染拡大、コロナ・パンデミックを経験した上でも、なお水道民営化をこのまま推し進めていいのか、そういう根本的な疑問があると思います。ここで一度立ち止まって、県民みんなで宮城県の水道事業の持続可能な形、本当に私たち県民が安心してこれからも水道を使っていけるにはどうしたらよいか、宮城県の水道事業の持続可能性について、県民みんなで、ここでいったん立ち止まって議論するべき時ではないでしょうか。

このまましゃにむに水道民営化を推し進めてしまってはいけません。ぜひ村井知事はいったん立ち止まって考え直していただいて、もう一度宮城県の水道事業の持続可能性についてみんなで考える、そういう県民の討論形成の場を作ってほしいと思います。

みなさん、いま宮城県議会が開会しています。県議会の中でも、この水道事業民営化をめぐる議論を十分に交わしていただきたいと思います。そのような声を、県民みんなで村井知事に、そして宮城県議会に届けていきましょう。県民みんなでこのまま水道民営化を進めてしまっていいのかどうか議論していきましょう。是非よろしくお願いいたします。

今日の命の水を守る市民ネットワーク・みやぎの街頭宣伝、1時間にわたってこの場で(音量の)高いマイクを使わせていただきました。どうもご協力ありがとうございました。私たちが配るチラシを受け取ってくださってありがとうございました。どうかこのチラシをよく読んで、水道事業の民営化について一緒に考え、一緒に声を挙げていってほしいと思います。よろしくお願いします。今日の命の水を守る市民ネットワーク・ みやぎの街頭宣伝はこれで終わらせていただきます。どうもご協力ありがとうございました。