2021年2月13日、仙台弁護士会館4階にて、命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ主催の宮城県の「水道民営化」問題を考える市民連続講座第4回「水源から蛇口まで 排水溝から処理施設まで まるごと1社が独占・・・?」が行われました。
開会の挨拶 佐久間敬子共同代表(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)
みなさま、こんにちは。大変良いお天気になりましたね。
命の水を守る市民ネットワーク・みやぎの共同代表の佐久間でございます。
本日、大変重要なご報告を2つしたいと思っております。そういうこともありまして、コロナということもあるんですが、できるだけ大勢の県民のみなさんに、今日の私たちの市民講座を見ていただきたいと思いまして、Zoomという形の設定をさせていただきました。
県外の同じような運動をしている様々な市民団体もございますので、そういう方にも、「今日はZoomだから見てね」ということで呼びかけをしております。まだ19人ということですが。
今回の問題、宮城県だけの問題ではないと思っておりますので、できるだけ大勢の全国のみなさんが、この講座にご参加いただければ有難いなと思っております。
いま宮城県のコンセッションは、どういう段階にあるのかということですけども、今日みなさんに資料をお配りしてる中に、チラシの表紙になっているパンフみたいなものがございますが、その15ページの下のところに、報告2でお話しいただく小川さんのレジュメがあります。
小川静治さん報告資料より
この下の表の「今」ここって、ここにあるんです私たちは。「今」ここっていうのが、黄色いカラーで表示してありますけれど、「優先交渉権者の選定」という作業に、いま入っているということなんですね。
そして、その先ですけれども、6月か9月に1社を決めると、そこと契約するということについて、議会の承認をもらわなくちゃいけないということで、議会にこの承認案件がかかるということになってます。
そして、来年の4月ですから、あっという間ですね、この承認案件が可決された場合は、来年の4月から、コンセッションという水道のいわゆる民営化の事業が、始まっていくことになります。
この表をご覧いただくとおわかりだと思いますが、優先交渉権者を決定するその先に、競争的対話というプロセスがありました。
今、ここでわかってまいりましたのが、この競争的対話という中で、当初の公募条件が大幅に変わっている、と。しかも県、私たち県民にとって、負担が増える方向に変わっているということが明らかになってきました。
果たして、こういうことは、私たち県民に説明されているだろうか? ということですね。
それからもう一つは、競争的対話って何なのか? ということです。
競争的対話の位置づけなりがあるのではないかと思うんですが、それの枠組みを越えているのではないだろうか? と、私としては、少し大げさに疑問に感じました。
第1の報告ですけれども、この問題に最初に気がついて、疑問を呈してこられた伊達・水の会の南部繫樹さんにお話をしていただきます。
南部さんはコンセッションに非常にお詳しいということで、フランスのコンセッションの専門家の方にいろいろ問い合わせをしてご意見を伺ったり、この事業が一部ですけど始まっている浜松とか、四国の須崎とか、それから熊本の八代ですね、そういうところの実務の担当者の方に、競争的対話でどんなことをしたのか? ということを、ちゃんと調査してくださいました。
そういうことも含めて、第1のご報告をしていただきたいと思っております。南部さんについては、後ほどご本人から自己紹介をしていただきたいと思います。
それから第2の問題ですけれども、報告2ですね。
結局、今回のコンセッションの中で、最初は対象ではなかったコンセッションから外れた小さな市町村、あるいは受水市町村、県から水を卸売りで買って、だけども、独自に自分たちで事業をやってるんですね。
そこもですね、一緒にコンセッションの中に入りこませられるようなそういう仕組みが、広域連携という仕組みとあわせて、仕組まれているのではないか? というふうに思います。
受水市町村は、これまでも県のコンセッションについて、いろんな質問をしてまいりましたけれども、あまり重要な回答はない。しかも、今回新たに、自分たちも、水道コンセッションに入るということになるかもしれないということについても、説明もされていないという状況です。
このような問題意識から、みなさんにお配りしている資料の中にありますが、2月4日に、水ネットのほうで、県知事と公営企業管理者に要請書を出しました。
「今回ちょっと様変わりしたようなこの水道事業のコンセッションについて、県民と、それから受水市町村に、十分な説明をしろ、その説明会を開いてくれ」という要請です。期限が2月19日、来週の金曜日になっております。結果が出ましたら、みなさんにご紹介します。
みやぎ型、これは何回も言われてきましたが、上工下(水道)という3事業一体の大型のプロジェクトですね。そして、対象人口が非常に多いです。200万人、あるいは230万人。これは全国で他に例のない、非常に大規模な事業ですね。
そしてまた、いま申し上げたように、競争的対話を経て、何か、本来と言うとおかしいですが、コンセッションからちょっと外れてないか?という問題も出てまいりました。
そして、県域全体に、このコンセッションという形での事業が、押し売りをされてくるという問題がございます。
私たち宮城県だけの問題ではないと、宮城県でこれが進められるということは、他の市町村にも大きな影響を与えると思っています。良い意味ではなく、悪い意味で、影響を与えるのではないかと思っています。
命の水を守る会では、やはり、公衆衛生の基盤である水道は、公共が維持していく必要があるだろうということを、改めて痛感しています。さまざま志を持って活動している諸団体がありますので、そういうところと力を合わせて頑張ってまいりたいと思います。
今日、多数の資料があります。レジュメの他に、私たちが出した要請書、それから改めまして、私たちのご紹介の文書と、みなさまにぜひ参考にしていただきたいネット上の有益なサイト、書物、そういうものも、ご案内をさせていただきました。あとは、市民団体のチラシがいくつか入ってると思います。そういうことで、本日進めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
報告1 「話が違う!=理念なきコンセッション事業の推進?」
ー 実施契約書(案)も安易に変更 ⇒「民間任せ」 南部繁樹さん(伊達・水の会)
どうも、はじめまして、みなさん。伊達・水の会の南部繫樹でございます。
今日は、ウチの伊達・水の会の代表の後藤均先生もおいでになってますので、ちょっとご紹介をしたいと思います。後藤先生、お立ちになって(後藤先生に会場から拍手)。
後藤先生は、整形外科のお医者さんでございまして、長年、「政治を含めて、地域の問題は、地域の人が責任を持ってやるべきだ」という信念を持たれて、今回、伊達・水の会を昨年設立しまして、今回、水の問題を私たちと一緒に研究しております。
なお今日は、昨日テレビまた今朝の新聞でご覧になった方が多いと思いますが、サン・ファン・バウティスタ号保存を求める世界ネットワークの事務局長をされてます寺田 事務局長さんにおいでいただいております。実は、今日、署名をしていただいたので、お礼も兼ねて寺田さんをご紹介したいと思います。寺田さんです。よろしくお願いします。(寺田さんに会場から拍手)。
サンファン号保存を求める世界ネットワーク https://www.facebook.com/savesanjuan2021/
最近の県政の動きを見ますと、いろいろ不可解なことと言いますか、一般県民にとってはわかりにくい政治的な動きが多々ありまして、サンファンのみなさん方とか、県美術館の方々とか、いろんな活動を運営している方々と連携を持ちながら、われわれも活動してきております。
今日は、「遂に! 実施契約書(案)までも改訂」というタイトルで、お話をさせていただきます。
実は、私は、宮城県の登米郡の米川村というところで生まれておりまして、みなさん、小説家の新田次郎さん、おわかりでしょうか? ほとんどの方は、ご存知の年齢の方でございますね(笑)。
新田さんは、宮城県の出身者の2人のことをテーマにした本を、小説に2つ書かれています。ご存知でしょうか?
一つは「アラスカ物語」(と文庫本を掲げる)。テレビにもなりました北大路欣也さんが主演された「アラスカ物語」。
主人公は、石巻のご存知の安田恭輔さんというお医者さんの息子さんです。そして最終的にはアラスカの酋長になって、アラスカの社会を改善した、非常に素晴らしい、アラスカのモーゼと讃えられている人です。
もう一人が、私が生まれた故郷の先人(と文庫本を掲げ)、「密航船水安丸」の及川甚三郎という方の小説がございます。
密航船水安丸 (講談社文庫) 新田次郎 https://t.co/6xuJ3scClu @amazonJPより
— ひとしずく #命の水を守ろう! (@HitoSizuku18) 2021年2月14日
実は、この「密航船水安丸」と宮城県の水道問題というのは深く関わっていると、私が気づいて、サンファンのみなさん方ともやり取りをしてるんですが、実は83人が、明治38年にカナダに密航してるんです。密航する時の出奔した港が、サン・ファン・バウティスタ号と同じ月の浦。月の浦からバンクーバーに、83人が渡航しました。
その83人の渡航している一人に、鈴木浄吉さんという方がいらっしゃいます。その方の息子さんが、バック・スズキさんと言います。たつろう・バック・スズキさんという方が、バンクーバーで戦後初めて、白人以外の方が、バンクーバーの漁協組合の組合長になられた。
その方が、長年、環境問題に心を痛めて、カナダの全土を自然豊かな環境に守りたいと言われて、海の水、川の水、山の環境を守るという、気仙沼の畠山さんのような活動をされた方で、非常に素晴らしい業績を残されたそうです。その方を顕彰して、きょう現在、カナダにはバック・スズキ環境財団というのがあります。
1981年に設立されたそうですが、そのバック・スズキさんの背中を見て育った方に、 セヴァン・スズキさんという熊本出身の日系三世のブリティッシュコロンビア大学の 名誉教授がいらっしゃいます。
セヴァン・スズキさんという方は、バック・スズキさんよりも、もっと有名な方でして、2004年にカナダの国営放送が、カナダ全国民に対して、「現存する最も評価すべきカナダ人は誰ですか?」というアンケートを取ったそうです。その時に、断トツ一位になったのが、セヴァン・スズキさん。
セヴァン・スズキさんが、実は2000年に、カナダ環境協議会というものを、設立発起人の一人として作りまして、きょう現在、世界中の水問題のリード役を担っているブルーコミュニティ活動の組織の中心人物になられます。
筆者注:後日、南部繫樹さんに確認しましたところ、ご報告の中で、セヴァン・スズキさんとおっしゃっているのは、実は、デヴィッド・(たかよし:孝儀)・スズキさんのことで、セヴァン・スズキさんは、デヴィッドさんの娘さんだそうです。
ブルーコミュニティ活動は、3つの理念を掲げています。
「水道、水は人間の人権と同じものだ」。2つ目、「公共施設で飲む水は、ペットボトル入りは禁止」。3番目は、「住民が所有し、住民が管理し、住民自らが運営しなければならない」という3つの方針を掲げて、世界的な活動をしている団体。
それだけ素晴らしい団体なので、きょう現在、みなさんご存知のパリ市は、オー・ド・パリが上水道事業を運営し、下水道はパリ市そのものがやります。上水道は、オー・ド・パリというパリの第三者機関がやります。そこも、ブルーコミュニティのメンバーになります。
ベルリンの問題もみなさんご存知だと思います。ベルリンも、ベルリン上下水道公社というのが、きょう現在、上水道の管理をしていますが、従前は第三セクターの民間企業が入った会社でやって、汚職問題があって、いろんな問題、水道料金が上昇したりしましたが、そのベルリンも、ブルーコミュニティのメンバーに、きょう現在なっています。
そして、私の事務所があるドイツ・ミュンヘン市も、2018年にブルーコミュニティの メンバーになってます。ヨーロッパの主要都市は、ブルーコミュニティの3つの理念に基づいて、水道事業を運営する方式に変わってる。
しかし、翻ってみますと、水の都、また自然環境に恵まれた日本において、なぜ私たちが自らの手で、水を大事にし、環境を大事にする活動ができないのか?
私たちは長らく、公共団体に、私たちができない仕事を、公共サービスを委託しています。そして、公務員のみなさん方が、知恵を働かし、エネルギーを傾け、いろんな仕事をしてきた。
しかし、ここ、きょう現在に至っては、公共団体が事業できなくなったものは、すべて民間に委託するというシステムが導入され始めてます。
今日、私が訴えたいのは、理念が見えないコンセッション方式の推進に関して。
コンセッションという意味は、移譲、委託、ある種のことを委譲するという意味です。民間に移譲するという意味ではないんです。第三者にお願いをする。
自分たちができない部分をお願いするわけですから、お願いする人が、何をお願いするかっていうのを明確になってなければ、受け取る方は、明確に仕事ができない。
宮城県は、一昨年12月17日、県議会で、「水道事業を民間にお願いしてもいい」と、県議会の条例会議で選んだんです。まだ決まってないですが、民間に委託することも可能だ、と。
そこで、基本的な実施方針というものが公(おおやけ)にされて、「こういう内容を、委託する側にお願いします」「仕事をする時には、こういう仕事をします」ということを決めて、公表されて、議会でも議決をし、そして募集要項ができ上がった。
その募集要項を含めて、当時、これからお願いする仕事の内容を、モニタリング計画書だとか、要求水準書だとか、そういう書類に、実施契約書のところにまとめて、昨年の3月13日に民間に募集をかけました。
その結果、5月1日に3グループが応募されました。県議会で決めた内容、また企業局が決めた内容、私たちと一緒に議論した内容で、仕事の内容を決めて募集して、3グループが応募した。
ところが、その後、約10カ月たちますが、その間にいろんなやり取りがあって、先ほど佐久間代表もお話されましたけど、応募した3グループが競争的対話という手法を活用して、「自分たちが仕事をする時は、さらにこういうことをしてほしい」「こういう部分を、応募要項の内容を直してほしい」「直していただければ、もっといい仕事ができる」というふうな要望を出されたんだと思います。
その結果、約6カ月の協議期間を経て、今回、12月24日に、(昨年)3月13日に公表した実施契約書(案)の改訂。
実施契約書というのは、みなさんご覧になったかどうかわかりませんが、インターネットに公開されてますが、条文としては116条ある契約書です。
そのうち、今回改訂された条項は41条。さらに条項の中の項とか号がありますね。それを含めると116カ所。116条のうち、116カ所が改訂なんです。
佐久間代表曰く、「これでは、昨年の3月13日に応募する時に出した条件がまるっきり変わったんじゃないか」と、思われても仕方がない。
はじめに、今回改訂されるに至る経緯について、簡単にお話をしたいと思います。
南部繫樹さん報告資料より
一昨年、2019年12月17日に県議会を通過する時に、賛成意見もありました。
野党のみなさんがたは、「初めてのことだし、もう少しきちっと説明をする、きちっと内容を精査してから、議決をしてもいいんじゃないか」という意見が出されましたが、賛成意見が39あって、その意見の主要な論点を見ますと、
佐々木幸士議員は、「水道料金が抑制されるから、民間に委託することはいいことだ。マスコミで騒がれてるように、ヨーロッパで起きたように水道料金が上がるとか、汚職が起きるとかいうことは、もうわかりきってることなので、それらを解決して、今回、事業をしますから、大丈夫です。だから進めてください」という意見がありました。
公明党の横山さんは、「県民、市町村に丁寧に説明して進めていけば、問題がありません」という回答もありました。
しかし、海外の事例を、失敗例を、本当に学んでる、それを乗り越えて、今回の発注の形態になってるんでしょうか?
(資料の)佐々木幸士議員の下に、実は、ということで、3項目。
これは、1997年、フランスの会計検査院が、当時フランスで起きていたいろんな水道事業の問題点、コンセッションで起きてる問題点を解決するためには、この3つを、このように解決しなければならないという報告書が出されて、2010年以降、2014年、15年、16年の3カ年にわたって、関係法律を全部変えて、この3つの方式に、きょう現在はなっている。
まず委託期間は、従来30年とか50年の委託だったものを5年にする。5年なんです。
宮城県の場合には、契約した場合は、10億円を民間企業からいただく。それを、運営権対価と言われています。
フランスでは、運営対価と言いますが、運営対価の理由は何かと言いますと、委託期間の中で、民間企業がいただく利益分を事前に提供する。
ですから宮城県の発想で言いますと、10億円の利益が出るから、事前に宮城県に10億円払う。ただ実際は、違うんですが。国に借金を払うものの補償金として、10億円を徴取する。
PFI法の改正等について 令和元年12月19日 PPP/PFI検討会
内閣府 民間資金等活用事業推進室https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/content/001321329.pdf
事前にお金をもらうということは、民間企業は銀行から借りて、10億円を県庁に払うわけです。ですから、これから仕事をする間に、必ず10億円をゲットしなきゃないわけです。手に入れなきゃない。
手に入れるためには、いろんな方法を取って手に入れますから、汚職の温床になったり、手抜き工事の温床になったりするので、フランスでは、禁止になってる。サービスコンセッションでは、禁止です。
さらに、業者を決めるうえでは、第三者にお願いして決めるのではなく、自ら、契約当事者、今回、宮城県の場合には、公営企業管理者櫻井さんが、契約当事者なんですが、それと、県民の代表、利用者の代表である議会の先生がたが入って業者を決めるようにというほうに、フランスでは改訂されました。ですから、「主権は私たちだ。私たちが責任を持って決めていく」という方向になったのです。
ところが、昨年3月13日に募集要項が公にされて、業者募集が始まりました。最終的に 3社が応募したわけですが、その時に非常に気になる情報が、私の目に飛び込んできました。
みなさんご覧になったかもしれませんが、3月13日に、インターネット上に募集要項が公開された時に、募集要項に対する質問を、一般県民も企業も出せる期間がありました。1ケ月です。その時に427の質問が出されました。
その中で私が気になったのは、50も60もあるんですが、きょう紹介したいのは1件。
「今回の宮城県のやり方は、コンセッション事業ではないのではないか?」と。
ここで一つ、みなさんに確認しておきたいことがあるんです。コンセッション事業とは何なのか? という定義になります。
日本の場合はコンセッションの定義は、法律に基づいたコンセッション事業です。
根拠法は何かと言いますと、略してPFI法と言いまして、Private Finance Initiative に関わる法律。正式に日本語の名称は、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」という名称になります。
簡単に言いますと、公共施設を整備する時に、みなさんから、県民から、お金を集めてやることではなくて、事前の費用は、全部民間が負担する。民間が負担して公共施設を作って、公共施設を運営する仕事をしながら、運営の時に、利用者から利用料金を取ります。そのお金で、最初に整備したお金、借金を払う。
ですから民間企業はリスクを負って、素晴らしい事業を作り上げて、たくさんの方に利用していただいて、その結果、借金を払う。これが実は、PFI法の基本原則なんです。
これでやってるのが、橋ですとか、関西国際空港だとか、仙台空港だとか、公共施設なんかは、こういう方式を取ります。
ですから、われわれが頭に入っているPFIというのは、そういう方式だ、と。日本では1999年にこの法律を導入しました。
ところが、その法律の中には、水道事業は入ってないんです。なぜかって言うと、水道事業は新しく作る施設がないんです。ダムもある、管路もある。水道施設は整ってる。施設の運営だけを、民間にお願いするというのが、今回の事業なんです。
ですから今回は、民間資金を活用する必要が全くない。民間は、みなさんからいただく水道料金を元手にして運営をすればいい。
県の企業局からは、「20年間で、1,403億円の水道料金を差し上げます。これで20年間運営してください」というのが、募集要項なんです。ただし、一部、20年のうちには、水道施設の改修もある。改築もあるので、その仕事については、みなさんがたの負担で工事を行って、後ほど、水道料金で払います。こういう方式だったんですね。
ところが、グリーンの枠の中を見てください。
南部繫樹さん報告資料より
昨年の3月13日の募集要項には、「一部手直しの工事があった時は、民間でお金を負担しなくていいです。工事をしたならば、すぐ県がお金を払います」という内容になっていたそうです。
これを見た応募企業の2社の方は、131番目と134番目に質問した方は、「こういうやり方は、コンセッションじゃないんじゃないですか? 」。民間で負担しなくていいわけですから。
コンセッションというのは、県民や県のほうから出された条件を、「こういう形で実現します」という計画を作って、県の承認をもらって、一部手直し工事があれば、自分たちで資金の調達をして、20年間必ず実現するようにする。そして、適切な維持管理運営を行うというのが、コンセッションです。
「途中で必要なお金を県からいただくのであれば、これはコンセッションではなく、単なる公共事業じゃないですか? 」という質問をされた方が、お二方いらっしゃる。
今回、3グループ応募ですよね。お二方。お一方は質問しなかった。わかりますか? 意味。お一方は質問してないんです。お二方が質問した。
それに対する県の答え。「これは、公募条件です」。
質問した方は、非常に深い質問をしてまして、応募要項ができ上がるまで、3年間にわたって、宮城県は、コンサルタントに委託をし、コンサルタントが参加できるだろうという企業とヒアリングして、約50社以上の企業とヒアリングをして、民間企業ができる範囲の中での応募要項を作った。
ですから応募要項は、民間の意見を聞いてるわけです。これなら実現できるということで作ったのにもかかわらず、募集要項が公にされてる時には、その答えとは裏返しで、県がお金を出すというふうに改訂された。
131番目の最後の2~3行目に書いてありますが、「資金調達の必要性を大きく変えることになるわけですが、変えた背景は何ですか? 」という質問を投げる。134の方は、「その理由を知りたい」。でも県は答えないんです。「公募条件です」って。
この時点から、 コンセッションからかけ離れてきてる。民間は一切リスクを負わないで、民間にやってもらう。
そしてその間、命の水のグループの方々が、公開質問状を2回出されて、鋭いご指摘をされていましたけど、私も解答文書を見ましたけれども、私が読んでも疑問に思うような回答しかありませんでした。
そして遂に、昨年の12月24日に3つのグループが決まって、3つのグループと競争的対話が行われたようです。
佐久間代表からもお話がありましたが、競争的対話というのは、3月13日の応募した内容の変更ではなくて、応募した内容を確認する。
1,403億円で発注しますから、3グループの企業が持っているノウハウとか、経験値とか技術力を活かして、1,403億円でちゃんとした仕事をしてくださいというのが、3月13日なんです。
ですから、競争的対話で、企業と県企業局が意見交換するのは、何のために意見交換するのかと、内閣府のガイドラインを見ますと、競争的対話で意見交換する内容というのは、県が求めている水準を、私たち(企業)が持っているノウハウで実現できるかどうかの確認作業をするだけ。それを、内閣府の言い方をすると、「調整」と言います。
この紙を見てください。後ろのページの紙です。
南部繫樹さん報告資料より
実は、宮城県のPFI検討委員会というものがありまして、専門家のみなさんが集まって、企業に提出する書類等を検討していただいている委員会があるんですが、応募要項を出す前の年に、競争的対話のことについて、弁護士である佐々木委員から質問が出されています。
書類を見ると、応募要項を出した後、企業が応募しますね。応募した後に、競争的対話というのがあるということを書面で見ました。この公表した後に、応募した後に、競争的対話を企業とするということは、どういう意味なんですか?
募集要項を出したわけですから、それができるから応募している。応募しているのに、意見交換する意味あるんですか? という質問なんです。
すでに公表してある要求水準書に調整が入るということになるのではないでしょうか? 調整とは、どういう意味ですか?
要求水準を3月13日に公にしているわけですから、基本的に仕事の内容は変わらないから、話し合う必要ないんじゃないですか? という意味です。
調整というのは、どの範囲のことを言うんですか? ということで、企業局の田代課長に質問をされています。
その時の田代課長の答えは、「実施計画書や要求水準書のそれぞれの案についての調整というのは、当然骨格部分の変更はありえません」。本質は何も変えません。「可能なところの微修正です。」いわゆる、最後の行に書いてありますが、田代課長は、「微調整のイメージだと思っています」。
微調整。「さらにお金をください」とか、「こういう問題が起きた時には、県で責任を持ってください」というお願いごとを聞くのではなく、「こういう時には私たちも責任を持ちます」という確認をする話だったわけです。
それで資料1に、本題に入ります。
南部繫樹さん報告資料より
今回の修正は、応募要項は、6つの図書があります。6つの図書のうち、一番キーカードになるのは、今回民間委託をするうえで、民間企業と約束を取り交わす実施契約書になります。
先ほど申し上げましたように、実施契約書は116条ありましたが、改訂されたのは116カ所なんです。
そこで、佐久間弁護士からご紹介ありましたように、そのとき、私もピンときまして、これは浜松の北島君、北島君というと失礼ですが、担当の北島グループ長と、もう毎週電話してますから。わかんないことがあると、すぐ電話します。
日本の第一号ですから。北島係長は、その時に直接担当者です。北島さんは何でも教えてくれます。
私も非常にやさしい人間ですから、宮城県庁の誰が、何日に、何月何日に何時に、何分間、どんな質問をしたか? とまで聞いてます。
そうすると、彼は答えてくれます。「ここ3年間、電話も何もないよ。宮城県からの問い合わせは、2~3回、3年前ぐらいにありましたね。」
熊本の岡田さんという班長も、なかなかの人です。須崎の担当者も、福島議員から聞いて、須崎にも電話しましたけども、この3都市とも、応募要項で応募した企業から、競争的対話をした後、実施計画書だとか実施契約書だとか、応募した書類を変更したことは、一切ありません。
北島君は明確に答えてくれました。改訂の理由、なぜ、改訂しなかったかという理由は、「当初の募集条件と異なることになったのでは、委託条件の変更となり、募集の公平性に反します」。
当たり前の話です。普通の人間ならこの一言で、当然変更はないよね。言葉の確認だけだよね。
ただし、北島さんから話がありました。「公文書で募集要項を出したんだけど、人間だからミスがありました。それは、誤字脱字はありました」。
事実、そのことを熊本でも、(資料に)書いてありますが、熊本は14カ所の修正がありました。インターネット上に公開されてます。その14カ所をチェックしてみますと、誤字脱字、言葉の表現の、締めの言葉の調整。本質的な変更はありません。
ところが、今回の宮城県の変更というのは、これからご紹介しますが、12月14日に櫻井公営企業管理者が、「以下の5点を主要点に実施契約書の改訂作業をしています」と。
南部繫樹さん報告資料より
ところが、12月14日に改訂作業をしていたんではなく、話し戻しますが、競争的対話、7月末と9月末に行われて、私もコンサルタントですから、こういう仕事してますから わかりますが、民間と打ち合わせをして、民間から意見を聞きます。
南部繫樹さん報告資料より
7月に聞いたんだと思います。民間は、不可能なことであっても、お願いの意見を出します。それを県庁が聞いて、次の9月の時には、県庁はその答えを述べた。これで2回の会議は終わりです。
その経緯を、第2回のPFI検討委員会に報告をして、「こういうやり取りがありました」という既成事実の話が行われた。
そのうえで、その結果、第3回の意見交換の時には、3グループに、「他のグループからこういう意見があった。全体としてこういう意見で調整をします」という返答をした。それが12月上旬。
そこで、「3グループは、その内容を了解しました」ということになって、12月の建設企業委員会に、櫻井管理者は堂々と、「主要改訂は5項目で検討中です」。
これは検討じゃない、もう決まってる話なんだけれども、「検討している」というコメントをしたものと思います。
そのことが、12月23日に、検討した結果を承認する儀式として、PFI検討委員会が開かれて、23日に2時間開かれたそうですが、その次の朝、12月24日に、インターネット上に膨大な改訂文書がすべて明らかにされた。一日でワープロ打てるもんじゃありませんから、もうすでに、2~3か月前には、書類はでき上っていた。
このことを見た県議会のみなさん方は、先月の県議会の建設企業委員会で、岸田議員、福島議員、ゆさ議員が、「この改訂おかしいんじゃないか?こんな改訂がまかり通るならば、募集のやり直しじゃないの?」という質問をされました。
で、三好さんも私も傍聴してましたので、この耳に残ってますし、三好さんは録音取ってますから。議事録をインターネット上に公開されてますから、それをご紹介しますと、その時に、櫻井企業管理者はなんと答えたか? どういう答弁をしたか? なぜ変えたのか? って言いましたら、(資料の)一番下に3つあります。明確に3点を述べられました。私も筆記しております。
3月13日の募集実施契約書の内容から、「実質的な内容なものに変更した」。実質的なもの。そして、「民間企業の今日的な商習慣に合わせて変更させていただきました」。そしてさらに、「今回の変更は現実的な対応をしたものです」。
小学生的な反論をしますと、昨年の3月13日の書類は、実質的なものじゃなくて、商習慣を無視していて、現実的なものじゃなかったというふうな意見も、頭の中をよぎりました。
しかし、日本にもいろんなことわざがあって、日本語で書きにくいので英語で書きましたが、Every man has his own reasons !! 人それぞれに、言い訳はなんとでも言える。
そのことを意見をし、意見をし合い、確認し、対応していくのは、県民しか、このことを議論できないんです。
そこで、それでは具体的な内容に入りたいと思いますが、今回改訂された実施契約書116ヵ所ありますが、その中で私が、特に私たち県民、利用者にとってマイナスが拡大する項目と認めたものが、35項目あります。
それを3つに分類しまして、手続きの簡素化と、私たちの費用が増えていくということと、契約書の内容がおかしい部分が3点あります。
南部繫樹さん報告資料より
まず手続きのところでは、これから小川さんがお話される水道の一元化と類似してきますけども、今回の事業は3事業ありまして、義務事業と附帯事業と任意事業になります。
任意事業は、してもしなくてもいい事業になりますが、関係する市町村の仕事もできると言う。任意事業をする時には、すべて県の承認が必要だというのが、従来の実施契約書に書いてあります。当たり前ですね。
ただし、今回の改訂では、仕事をする時は県の承認は得るけれども、仕事をしてみて、「これはあまりメリットがない」という時は、やめるということがありますね。その時には、県に承認はいらない、と。電話連絡で、という変更です。
2番目に、今回のコンセッションの特徴は、仕様発注ではなくて、性能発注ですから、ある水準を達成すれば、仕事はそれで完璧なんです。ですから、今回県と契約する相手先というのは、特定の会社ではなくて、新しく作る特定目的会社と契約をすることになります。
特定目的会社を構成する株主というのは、誰になるかは全くわかりませんが、そのSPC会社は職員がいませんから、SPC会社=特定目的会社は、仕事ができる会社に委託をします。また、下請けに再委託をします。そういうことが自由なんです。
従来の契約書では、委託とか再委託をする時には、契約書の写し等を、県庁に必ず提出することになっています。しかし今回は、SPCを作る株主企業、最初から仕事をやることが決まっている協力企業の場合には、契約書の添付はいらない。
契約書の添付がいらないということは、どういう対応で契約したかを書面で出す必要はない。これ以上は言いません。
さらに、各種書類の提出期限を1.5倍に延ばしてあります。これは民間企業が仕事をやりやすくという意味だというふうに、前向きに捉えることもできますが、実はこの変更というのはトリックがありまして、私の推察するところ、仕事が終わった後、モニタリングで、仕事がきちっとできているかどうかということを書面で回答しないきゃないことになる。その回答期限を1.5倍に延ばすという。
現在国会で、いろんな公文書の問題が起きてますけど、それに類することが起きるんではないかと危惧しております。
続いて、今回の非常に重要な項目ですが、私たち県民の水道料金に跳ね返ってくる改訂が、たくさん行われました。特に大きい のは、流域下水道の265億の工事費に関する改訂です。
フランスでは、契約時点で改修工事がある時には、契約時点の金額で、何年後の工事であっても、工事をしなきゃないということが、厳しく縛られています。
ところが今回の場合は、契約当時は265億円で決めるわけですが、その後、工事をする時には、増額になってもかまわない。増額になってもかまわないと言われれば、増額で出しますよ。人間の心理として。
そしてさらに、私の専門の都市計画決定の話を一言追加すると、流域下水道の終末処理場だとか、いろんな施設を改築するのが265億。
仙塩地域の場合には、多賀城の大代に約10ヘクタールの処理場があります。区域は多賀城市と七ヶ浜に接してますけども。その施設に手直しをするという工事が、120数億円計上されてます。
この施設は、都市計画上の都市施設と言われています。都市計画施設なんです。都市計画施設というのは、都市に住んでいる人が実権を握ります。ですから改築をしたり、手直しをする時には、市民の意見を聞かなきゃないんです。
最終的には、都市計画審議会で決めるわけですが、市民の意見を、聞かなきゃないということは、金額も、工事の時期も、内容も、私たちがイニシアティブを取ってる。
それが、契約時点でなぜ決められるのか? 増額を認める、県庁が簡単に増額を決めるということが、言えるのか? 実権は、都市計画の主体者である県民、市民、住民が握っている。
ですから、不確定な中で契約を結ぶ。こういうものを、契約と言うんでしょうか? マンション買うのに、将来どうなるかわかんない。極端なことを言うと、「地震が起きた時壊れたら、売った方の責任。お金、出してください」と言うのと同じことです。買った人の責任ですから。
2番目に、「不可抗力」という不可解な表現が、今回追加されました。これもフランスから私が聞いてる話ですが、どこの国でも、どこの地域でも、不可抗力というのは当然あります。不可抗力があった時には、委託者と受託者が応分の負担をするというのが、社会の常識です。
どちらかが一方的に、100パーセントの負担をするというのは、憲法違反になります。相手の負担まで、自分が肩代わりするということは、特に公共側は、禁止されているんです。
ところが今回、それをさらに、民間側の負担を軽くするために、「施行上やむを得ない事由」という言葉を追加したんです。「不可抗力」以外にですよ。「不可抗力」及び「施行上やむを得ない事由」。
「施行上やもうえない事情」の定義というのはありません。
建設施工する会社が「これはやもうえない事情だ」って言えば、発注者が「いや違う」と言っても、施工する会社が「これはやもうえない事情だ」って言えば、やもうえない事情。その負担も、県側。工期の延長も認める。
で、さらに、不可抗力があった時には、43番ですが、これも不可解ですが、不可抗力が起きた時には、その内容、損害費用、損害費用の計算式までも、今回の条文に追加された。
追加されたということは、払うという前提です。払わないこともあり得るんでしょうが、払うということを前提にして、だからこういう計算式で出してくださいというのを、条文として、(資料の)赤丸印ですが、追加なんです。これが、微修正なんでしょうか? 条文追加ですよ。
そして驚くなかれ、今回、水道料金の徴収は宮城県が行います。本来のフランスのコンセッションですと、民間企業が行うのが常なんですが、今回、経緯がございます。
従前の契約書では、県が徴収した金額を民間企業に、七十七銀行を通じて差し上げる。ま、七十七銀行を経由するというのは、私の勝手な思いですけど。七十七銀行に手数料が入る。で、払う。それで、徴収したものは企業に払う。
ところが民間企業はしたたかで、今回の質問、「徴収できなかった場合はどうするんですか? 県で肩代わりして払ってください」というお願いをした。
ここで、昨年3月の質問事項を、もう一度見てみました。そうしましたところ、同じような質問している方がいらっしゃった。「もし、水道料金を市町村から徴収できなかった時、未収金があった時にはどうしますか?」という質問を出されている企業がある。
そうした時に、県の当時の回答文書はこういうふうになってます。
「延滞金を徴収する請求権は、宮城県にはありません。契約当事者は、民間企業あなた方ですから、あなたがた企業と各市町村でやり取りをしてください。県は関係ありません」という回答をしている。
ところが今回は、県が払うんです。未収金、どこからお金持ってきて払うのかわかりませんけど、まあ察しはつきますけど。県が、未収金を払う。ですから、民間はリスク、また少なくなる。
そしてさらに、今日のポイントであります知的財産権の問題。
今回、1,403億円で仕事を発注します。その仕事は、各企業が持っているノウハウだとか技術力だとか知識を活用して、1,403億円の仕事をする。どんなノウハウを使ってもかまわない。これは世界中、コンセッションの常識になってます。それ、永遠に、自分たち(企業)が提供したノウハウは、(水道事業運営者が)活用していい。
ところが、今回は、株主企業のノウハウを活用して、月々、また年間、それぞれにお金を払ってるパテントがあれば、今回の契約が切れた以降も永遠に、無期限ですよ、無期限に次の契約者が払わなきゃない。県庁、または次の契約者が。
20年間は払わなくても、20年以降永遠にですよ。それ1,000億になるか2,000億になるか3,000億になるかわからない。それは、月々払ってた金額を払います。(それを)上限に払います。
ま、頭の悪い私でしたら、月々払ってる額を、1億円を100億円って書きますよ。で、100億円払いますよ。その事実があれば、契約後も100億円を毎月として払わなきゃないです。
1,403億円で水道料金の抑制をする契約をしたにもかかわらず、振り返ってみたら、水道料金が倍になったということも起きるでしょうし、また、パテント料がいくらかというのが、きょう現在決まってないのに、決まってない金額を契約する人が世の中にいますか?
マンション買うのに1,000万として、しかし、こういう事態が起きたら、さらに、お金をもらいますという契約をする人がいるでしょうか?
この契約をしようということになったのが、今回の改訂であります。
時間来ましたから、もう一言、最後にお話して終わりたいと思いますが、モニタリング計画書とかその他の書類の今回9事業が、9つの区域に分かれ事業をしていくわけですが、9事業ごとに、事業の内容を書類でしっかり出さなきゃないという契約になってたわけですが、今回の改訂で、個別の書類は出す必要がない。
契約するSPC目的会社一本でいい。ですから、一本で中身がどういうふうに整理されているかは、一切わからない。
最後に、広岡さんの、フランスのコンセッションの専門家の、今回の宮城県の発言についてコメントをいただきましたので、これをご紹介して終わりにしたいと思います。
南部繫樹さん報告資料より
まず最初の言葉ですが、
競争的対話が候補者選択の交渉事であるのに、宮城県では実施契約書(案)の条文内容まで踏み込んだ改正には驚きです。
私観ですが、宮城県は何ら勉強もせず、準備もせず、コンセッションを歪曲し民営化を進めようとする人々に、良いようにやられていると思われます。
これでは、応募する民間事業者側の利益だけが増えていき、委託者である宮城県の利益は? と心配です。
フランスの例で言いますと、今回の宮城県の事業というのは、運営事業が主体のサービスコンセッションになります。あくまでも、公共が行わなければならないものを民間に委託するだけですので、すでに募集時には大枠が決まっており、自由度はありません。
それから考えますと、委託仕様が変わらないのに、今回の改訂で示されたような、県の費用負担が増えていくという変更があってはならないと思います。
当初の実施契約書の案は、昨年3月の案は、いい加減だったということですか?
県の立場に立って考えると、競争的対話を独自に拡大解釈しているのではないでしょうか?
というご意見をいただきまして、私の話を終わりたいと思います。ちょっと、時間オーバーしてすみません。