宮城県の水道民営化問題

命の水を守るため、水道の情報公開を求めていきましょう!

山本太郎が語る!! まだ止められる!!     宮城県の水道民営化 「みやぎ型管理運営方式」

 

2019年11月15日、仙台市サンモール一番町のシリウス・一番町前にて、れいわ新選組代表山本太郎氏の街頭記者会見が行われ、「宮城県の水道民営化が不安」という聴衆からの質問に対し、山本氏は「県民のみなさんの力で、まだ止めることはできる」と語りました。

 

聴衆からの質問

太郎さん、こんばんは。

今まで選挙に行ったこともなかったんですけど、太郎さんの演説をtwitterでたまたま見て、そこから応援しています。

興味を持ってから、初めて知ったんですけど、宮城県では水道の民営化がすごい問題になっていて、いま議論されているんですけど、私も全然知らなくて、県政だよりには、県が管理するから料金は上がらないとか、「他の国では失敗したけど、どうなんですか?」という質問にも、大丈夫だって書いてあるんですね。2ページぐらいしか書いてなくて、それで水道民営化、私すごい心配してるんですけど、太郎さんどういうふうに思われるのか、ちょっとお聞きしたくて。お願いします。(聴衆から拍手が沸き上がる)

 

山本太郎氏の答え 

宮城県の水道民営化について、よく知らないという方、この中にどれぐらいいらっしゃいますか?(片手をあげて、聴衆に挙手を求める)ありがとうございます。

「水道民営化じゃないよ」とよく言われるんです。「これは運営権を譲渡するだけだよ。運営権を売るだけなんだ、しかも期間付きで」という話をされるんですね。

水道自体は自治体が持ってる。運営権に関しては、企業側に、民間に任せる、みたいな話をよく聞くんですけど、「違いますよ。事実上の民営化ですからね」という話をしたいと思います。

なぜ私が、最初にこれを前置きしたかというと、高らかに「水道を民営化する」と宣言された方がいらっしゃるからです。

麻生太郎             山本太郎事務所作成資料

太郎は太郎でも、こっちの太郎さんが、2013年の段階で宣言をしてくださっています。

2013年の4月よりも前に、日本の水道を民営化するっていうことを政府から説明を受けたという認識がある方は、どれぐらいいらっしゃいますか? 

いたら、政府関係者ですね。(街頭から笑声)誰にも言うてませんよこんなこと、勝手に言うとんですよこの人ってことなんですね。お大臣様がそういうことおっしゃってる。副総理が。

何を言っているか? アメリカのCSISシンクタンクですね。日本側はありがたがってるCSIS、ジャパンハンドラーと言われるような人たちがいらっしゃるCSISというところで、こういうこと言ってるんですね。

この水道は、全て国営、もしくは市営、町営で出来ていて、こういったものを全て民営化します太文字のところだけ読みました

ちょっと待ってくださいね。これ、日本の水道って、麻生さんの持ち物でしたっけ? 違いますよね? みなさんの税金で整えられたインフラだよねってことなんですよ。

にもかかわらず、勝手に民営化するってことを、みなさんに説明する前に、海外に出て、勝手に言っちゃってんですね。ろくでもないでしょ? で、なんと言っているか、ちゃんと読みます。

「水道の料金を回収する99.99%と、いうようなシステムを持っている国は、日本の水道会社以外にありませんけれども、この水道は、全て国営、もしくは市営、町営で出来ていて、こういったものを全て民営化します。いわゆる学校を造って運営は民間、民営化する、公設民営、そういったものもひとつの考え方に、アイデアとして上がってきつつあります」ということが、書かれてるんですね。

 (脱原発みやぎ金曜デモが近くを通りかかる)

どうも、お疲れ様です。原発いらんってことおっしゃってるんですね、みなさん。

リスクしかない原発はやめましょう。南海トラフ来たらどうすんの? 首都圏直下とか、東海地震とか、責任取れないものやってくれるなってことですね。

(デモの参加者と街頭の聴衆との間で、歓声と拍手の呼応が続く)

でも、これもなかなかやめられない。どうしてか? 電力会社、電機メーカー、巨大建設会社、銀行、ありとあらゆる企業の連合体が、ここから汁を吸うために、存在してるものですから。「これを止める」って言うことになると、「もうちょっと儲けさせてくれよ」って話になるってことですね。

水道民営化の話に戻ります。水道だけでなく、学校も、それ以外のこともアイデアとしてどんどん出て来てるよってことを言っている。

つまり何か? 「公的なもの、公的インフラを使って、民間を儲けさせるということをこれからやります」と宣言してるんですよ。はっきり言っちゃうと。

でも、それでいいですか? ということなんです。だって、考えてみてくださいよ。

民間の企業は誰のために仕事しますか? 民間の企業は、誰の利益を一番に考えるかというと、株主ですよ。株主にどれだけ儲けさせられるかということが、第一義なわけですよね。

そういうことが、もしも水道でやられてしまったら、どうなるか? 料金高く上げられないから、逆に言ったら、水質下がってでもコストカットしなきゃって話になりません? 

本当は改修しなきゃいけないような管路、水道管があったとしても、契約期限まであと5年、この先計算してみたらこれ元取れないなとなったら、交換しなきゃいけないものであっても交換しなかったりとか、そういう事態も起こりませんか?

これ世界でものすごくもめてる案件なんですよね、水道の民営化。一回民営化したけれど、どえらい目にあって、もう一回公営化する、再公営化ということが、いま世界では起こっている流れ。世界の趨勢がそういうものになっている。

水道事業を再公営化した自治体は急増しています。

この15年間で水道事業が再公営化された事例は35か国に及ぶ。少なくとも180件。ヨーロッパ、南北アメリカ地域、アジア、アフリカの有名な事例を含めて、その範囲は、先進国、途上国を問わない。

一回民営化したけど、えらい目にあって、もう一回公営化するっていう世界の流れの中で、どうして宮城は、それを真っ先にやろうとするんですか? 

おかしくないですか? 説明もなされてないでしょ。 

 

水道再公営化自治体              山本太郎事務所作成資料

 

再公営化理由             山本太郎事務所作成資料

 

水道事業を再公営化をした理由は、こういうものが挙げられる。

料金の高騰。これを断れば、当然、水質が落ちる方向に行きませんか?

そして設備投資の不十分。

ほか、経営が不透明。自治体だったら、情報を開示しろということで、開示させることは可能かもしれない。でも、民間に対してそれできますか? なかなか難しい。

こういうようなことが続いたうえで、世界は再公営化、「民営化するんじゃなかった」というような流れになっている。

いま日本で、どこまでの範囲を、公的なインフラを使って、民間を儲けさせようとしているのかということを、見ていただきます。

 

PFIとは              山本太郎事務所作成資料

PFIという手法を使う。Private Finance Initiative。これスタートしたのは、イギリスから。もうイギリスではこれ、オワコン、終わったやり方と考えられている。でも日本は、周回遅れでPFIをやろうとしている。というよりも、これを立法化しちゃった。

PFIって何ですか? 公共事業のやり方の一つです。簡単に言うと、「政府に金がないからさ~、自治体に金がないからさ~、これ民間にやらせようぜ」「民間だったらノウハウあるでしょ。安くできるでしょ」という考え方から始まるということなんですね。

公共施設等の設計・建設・改修・更新・維持管理・運営を行う公共事業の手法がPFI

あくまで地方公共団体が発注者となって、公共事業として行うもの。これは、JRやNTTみたいな形とはまったく違う。

 

PFIで言うところの「公共施設」               山本太郎事務所作成資料

PFI法の第二条を見ると、どこまで公的インフラを民間に儲けさせるために開放するのかということが見て取れる。読み上げます。

道路、鉄道、港湾、空港、河川、公園、水道、下水道、工業用水道等の公共施設。

庁舎、宿舎等の公用施設。

賃貸住宅及び教育文化施設廃棄物処理施設、

医療施設、社会福祉施設、更生保護施設、駐車場、地下街等の公益的施設。

情報通信施設、熱供給施設、新エネルギー施設、リサイクル施設(廃棄物処理施設を除く)、観光施設及び研究施設。

船舶、航空機等の輸送施設及び人工衛星

すごくないですか。水道だけじゃないでしょ。全部いけるやんという話ですよ。何やってくれてんねんって話なんですね。

 

このPFIって手法、これを最初に用いたイギリスではオワコン、こんなのもうやってる場合じゃないって話になった。

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ザ・ガーディアン2018年1月、イギリスの会計検査院の結果を受けて、報道しています。

<イギリス会計検査院:納税者はPFI契約のために、2000億ポンド(約30兆円)余計に支払うことになる>

おかしくない? 公的な力を使ったらお金がかかっちゃうから、民間がノウハウあるから安くできるだろうってことでずっとやり続けてて、結局、高うついてるやんって話なんですね。

 

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続いて、2018年2月のフィナンシャル・タイムズ

<2018年1月の「英国会計検査院」の報告では、PFIを利用して建設した学校は、公的機関がやった場合よりも4割も高く、病院では6割を超える費用が余計にかかる>

どう思います? みなさん。安くする? 安く済むから? あり得ます?

なんか、報道に載ってましたよね? 宮城県の水道三事業をやっちゃえば、200億円ぐらいコスト削減できんだみたいなことね。

イギリスもそう言ってて、結果こうなった。冷静に考えなきゃいけないってことです。

 

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フィナンシャル・タイムズ、2017年6月、先ほどのイギリスの会計検査院よりも前の記事です。

水道事業が民営であるせいで、消費者は23億ポンド(約3266億円)も余計に支払わされている、とイギリスの大学による調査結果が出ている、と。

いろんな分野に関してPFIということをやっていった結果、水道はもちろん、病院もそう、学校もそう、余計な負担をみなさんが背負わなければいけない状態にされちゃった。

こんなの止めたほうがいいでしょ。皆さんどう思われます?(「そうだ~」という声と拍手が続く)

水って、めちゃくちゃ重要なんですよ。憲法25条に紐づいている水道法がもとになってるんですね。要は、生存権、命を守るために絶対必要なものとされるわけだから、国・自治体が責任を持ってやる、赤字でもやるんだって話なんですよ。

これ下手したら、もっと赤字なるでって話でしょ? 赤字にしないためには、みなさんが品質の落ちた水などを飲まされる可能性もあると、これあまりにもリスクだろ?

世界中で、もうこういうやり方は駄目だってことで、再公営化されている趨勢の中で、真逆を向いて進んでるのは日本。あまりにも情けない。宮城の知事、大丈夫ですか?

 

この旗振り役やってるのは誰ですか? というところ、ちょっといきたいですね。

竹中平蔵              山本太郎事務所作成資料

この方、 知ってます? 「政商納言竹中」って、呼んでます、私。(聴衆から笑声)

政商っていうのは、政治の世界で商いをやるってことですね。

このテレビの画面の抜き取りでも、「その象徴としてコンセッション(運営権売却)を提唱した」ということをドヤ顔でおっしゃってるんですね。

 

竹中平蔵さん、ホントに驚くばかりの発言を過去にもされています。

驚愕の竹中平蔵発言              山本太郎事務所作成資料

 

こんなことを言っているんですが、一番重要なことを忘れてるんですよ。

たとえば、宮城県の水道の保守点検とかいろんなことをやってくださってるのは、宮城県の場合は水道局の方だったりですか? でも、これが民営化された場合、一部期間はこの水道局の人たちを雇うことができたとしても、この分野にしても進化していくわけですから、宮城県としての水道分野における蓄積は、すべて民営側が握ることになるんです。

ということは、何かもめ事を起こして、「おかしいじゃないか。やっぱり再公営化だ」という話になったとしても、取り戻した時には、取り戻すまでの期間10年、15年、水道事業に関するノウハウは宮城県内から失われているのに等しい。そんなことにしちゃいけない。継続させなきゃいけない。私はそう思います。みなさん、どう思われますか? (大きな拍手が起こる)

11月の終わりぐらいに議会が始まるんですかね。おそらくそこで、水道民営化が提案されるんでしょう。これは、まちがいなく、みんなで止められるんです。国が、あんなマヌケな人たちが、世界で「売ります」とか言ったとしても、問題ないんですよ。それを法律化したとしても、自治体で止めりゃいいんですよ。

民営化は宮城で止められる。みなさん次第なんです。

国がマヌケでも、国がとんでもないことやろうとしても、それは宮城県のみなさんのお力で止められる。

県議会やいろんな議員たちに対してプレッシャーをかける必要がある。「コンセッションなんて、やるな」と。 「運営権の売却なんて、やるな」と。

県の説明としては、このみやぎ方式、上下水道、工業用水道の三事業の運営権を売却すれば、宮城にとってはプラスになるって言うんですけど、そのプラスになる根拠を一向に示さないというのは、おかしくないですか? 良くなる良くなるって言ってたって、良くなるわけないだろ、おまじないじゃないんだからって話ですね。

その根拠を示してもらえますか? シミュレーションあるんですか? という話ですね。とにかくこれを進めるのは、非常にまずい。私はそう思います。世界での失敗を全く顧みていない。

もう日本の国内の中で、切り売りできるものがだんだん少なくなってきている。最終段階に入った。そういう状況だと思います。それは何か? 「公的なインフラを切り売りしていきます」ということです。

でも、そのインフラは、みんなの力で作ったんだよ。

「それをはした金で売り飛ばすか!」

「国が、自治体が、責任を持て!」ということです。

 国が水道という分野に関しても、これは公共事業として、ニューディール政策みたいに一気にやっちゃえばいいじゃないか、と私は思うんです。だってこの国の公共事業は、何十年も減らされ続けてるんですよ。

自民党と建設会社とかもうずぶずぶだろう」というのをよく聞きますけど、それは実態をちゃんと把握されていない方のお話です。

 公共投資              山本太郎事務所作成資料

 

公的資本形成の推移              山本太郎事務所作成資料

 

公的資本形成の推移              山本太郎事務所作成資料

景気が悪い時には国が金を出して、いろんな事業を底上げしていくってことをやらなきゃいけない。それをやってこなかったから20年以上のデフレでこの国は苦しんでいる。

 

Twitterの反響