宮城県の水道民営化問題

命の水を守るため、水道の情報公開を求めていきましょう!

みやぎ型管理運営方式実施方針(素案)パブコメ結果と意見・提言に対する宮城県の考え方が  公表されました!!

2019年10月31日、宮城県のホームページ上で、みやぎ型実施方針(素案)パブコメ結果が公表されました。 

みやぎ型パブコメ結果

www.pref.miyagi.jp

 

意見提出者総数は636で、611人、6団体、4企業、その他(無記名)15から 意見・提言が寄せられました。これを263の意見に分類したものそれぞれに対して、宮城県の考え方が述べられています。

住所、氏名等の記載がない意見については、受付件数としてのみ計上されています。

1人の人や1つの団体等が複数の意見を述べていることもあるため、意見の総数は 1,785でした。

 

多かった意見のトップ10

 

1.利潤追求や倒産などのリスクを伴う民間企業に委ねることには不安を感じます。 宮城県による責任ある運営をすべきだと思います。(類似142件) 意見番号7

同様に、県が運営すべきだという意見番号は、6、14、22(類似25件)、52、153(類似28件)、196(類似10件)、251で、こういった意見の数は、  合わせて213件です。

 

2.水道民営化、またはコンセッション方式の導入に反対します。(類似138件) 意見番号179

同様に、水道民営化やみやぎ型管理運営方式に反対という意見番号は、13(類似1件)、189、197(類似107件)、239、240(類似1件)、250で、 こういった意見の数は、合わせて254件です。

 

3.情報公開や県民、関係自治体への説明が不十分であり、県民の理解、合意形成が図られていないのではないか。各市町村で説明会を行って欲しい。(類似129件)  意見番号178

同様に、説明不足であるという意見、及び、様々な具体的な事柄への説明や根拠資料を求める意見番号は、1(類似6件)、2、4(類似21件)、5、10、15(類似2件)、23(類似1件)、27(類似1件)、28、33(類似5件)、43、55、56(類似1件)、60、62(類似2件)、75、77、94、95、104(類似1件)、120(類似2件)、121(類似2件)、122、123、127(類似8件)、128、130、141(類似1件)、145、147(類似3件)、150(類似26件)、156、160、163(類似2件)、167、169、170、 171、191(類似40件)、194(類似5件)、199(類似20件)、202(類似45件)、209(類似1件)、226、229、231、232、233、 254、263で、こういった意見の数は、合わせて375件です。

 

「よくわからない、もっと説明してもらわないと賛否の 議論もできない」という意見がこれだけ多いという事実は、これまで県民が、みやぎ型について知ったり、質問をする機会が極端に少なかったことの証明とも言えます。

 

4.水道事業の運営を民間の金もうけの対象にするべきではない。(類似107 件) 意見番号197

同様に、莫大な費用がかかる管路更新や災害復旧などのリスクを負わない民間が利益を得るのは納得できないという意見番号は、163、195(類似1件)、207(類似3件)、246、250で、こういった意見の数は、合わせて117件です。

 

5.海外の水道民営化の失敗事例のように、料金が高騰するのではないか。 (類似97件) 意見番号175 

同様に、コスト削減の根拠が不十分だという意見番号は、61、65、76、97、 98、 151(類似1件)、152(類似1件)、157、158、190(類似2件)、221(類似1件)、242、252で、こういった意見の数は、合わせて  116件です。

 

6.海外の水道民営化の失敗事例のように、水質が悪化するのではないか。 (類似86件) 意見番号176 

同様に、安全や環境への配慮より利益が重視されるのではないかという意見番号が、 63、106(類似1件)、203(類似21件)、208(類似4件)、221(類似1件)で、こういった意見の数は、合わせて119件です。

 

7.海外の水道民営化の失敗事例のように、再公営化するのではないか。それに伴い 莫大な違約金が発生するのではないか。(類似78件) 意見番号177 

同様に、撤退リスクがあるのではないかという意見番号が、129、182(類似6件)、222(類似1件)で、こういった意見の数は、合わせて89件です。

 

8.実施方針(素案)が難しくて分からない、または分かりづらい。(類似69 件)  意見番号181

同様に、パブコメの周知が足りない、パブコメのやり方に問題があるという意見番号は、131(類似3件)、132(類似3件)、134、135(類似1件)、   136、137、138(類似20件)、139、198、204、218、223(類似1件)、227、247、258(類似1件)で、こういった意見の数は、  合わせて114件です。

 

9.私たちが理解できないことを、県や議会で勝手に決めないでください。 (類似68件) 意見番号201

同様に、みやぎ型導入の可否を県民は問われていないという意見番号が、172、  173、174、184、193、206(類似11件)、262で、こういった意見の数は、合わせて87件です。

 

10.スケジュールが拙速である。(類似49件)  意見番号186

同様に、要求水準書・実施契約書・モニタリング基本契約書の各案を県民に明示し て、再度、意見募集を行うべきという意見番号は、78(類似2件)、79(類似16件)、80、81(類似24件)、82(類似5件)、83、84、85、86、  87、88(類似11件)89、90で、こういった意見の数は、合わせて121件 です。

 

この10の意見を合計すると1,605件になり、全体の約9割を占めています。

これらの意見はさらに、大きく3つに分類できます。

(1)県営であるべき、水道民営化、コンセッション導入に反対(1、2、4)   584件

(2)県民・関係自治体の合意形成がなされていず、拙速だ(3、8、9、10)  697件

(3)料金高騰、水質悪化、莫大な違約金が発生するのではないか(5、6、7)  324件

 

このほかに、次のような意見も散見されました。

◆ ダウンサイジングや広域化に先に取り組むべき。

◆ 現場がなくなる県側では、技術継承ができず、人材やノウハウがなくなる。

◆ 地元企業の受注や働く人々の雇用環境が悪化するのではないか。

◆ モニタリングや情報公開がきちんと行われるのか疑問。

◆ みやぎ型の運営に県民の声が反映される仕組みにして欲しい。

 

みやぎ型に賛同する意見 

 

意見番号212 民間ならではの技術力,経営力を活用してよいサービスを提供していただきたい。(類似5件)

意見番号211 みやぎ型管理運営方式は,人口減少に伴う料金収入の大幅な減少や老朽化した施設の更新費用の増加,職員の減少等,今後訪れる水道事業の問題点を解決できる方法であると考えます。(類似4件)

意見番号228 県の決定権を残して,民間の力を取り入れるべきです。(類似1件)

意見番号19 今回,宮城県から全国にさきがけてこの事業を行うことに対して大いに賛同します。宮城県の新たな自慢になれば良いと思います。

意見番号20 事業一体での全体最適,長期的視点,性能発注,普段の見直し等のキーワードは従来の公共の発想を超えた改革であり,これらの具体化に期待し ます。

同様に、みやぎ型に賛成する意見番号は、9、18、21、30、38、164、  213、217、235で、こういった意見の数は、合わせて24件です。

 

宮城県の考え方

 

<スケジュールが拙速という意見に対して>

意見番号79 県民の多くがまだよく分かっていないのに,9月にパブコメを募集し,県議会のメンバーが入れかわった直後の11月に議決するのは早すぎます。 もっと具体的な資料を出して,議会で熟議するようにお願いします。(類似16件)

意見番号81 拙速すぎる。拙速に進めることの明確な理由を示して欲しい。もっと時間をかけて検討して欲しい。(類似24件)  

意見番号86 11月議会での条例案の審議は,県議会のメンバーが入れ替わるため,やめていただきたい。内容のある審議を時間をかけてやっていただきたい。

意見番号90 令和3年の事業開始まで予定されていることも民意を反映させた計画とは言い難い。

意見番号186 スケジュールが拙速である。(類似49件)

宮城県の考え方 人口減少等により厳しい経営環境となることが予想されている水道事 業にとって,今後想定される管路の大規模更新に向け,経営基盤の強化を早期に図り,将来にわたる県民負担の軽減促進につなげることが,水道事業者の喫緊の課題であることから県民や市町村,県議会への説明責任を果たしながら着実に導入を進めてまいります。

「経営基盤の強化を早期に図り、将来にわたる県民負担の軽減促進につなげることが、水道事業者の喫緊の課題」であるのはわかりますが、私たちが議論したいのは、それを実現するための方法としてみやぎ型が本当に最適なのかどうかなのです。

それを検討するための情報や資料を提示してほしい、議論するための時間が欲しいという県民の意見に対して、説明責任を果たすと言いながら、これまでも議論のために必要な情報は決して開示せず、みやぎ型を導入するのはもう既定路線なのだから県民は理解しろという姿勢を崩していません。

 

<要求水準書、実施契約書、モニタリングの内容を公表してからパブコメをという意見に対して>

意見番号80 11月と3月に分けず,全てを一括で議論すべき。

意見番号82 要求水準書,実施契約書,モニタリング基本契約書の各案を県民に明示し て,再度,意見募集を行うべき。案の段階での情報の公開を求めます。(類似5件)

宮城県の考え方 実施方針や要求水準書,モニタリング計画等の公表が段階的になるこ とはPFI事業の特徴となることから,御理解願います。  

これがPFI事業のルールなのだから、それに従いなさいと言うのですが、私たちの意見が反映されない、すべて決まった後でなければ情報も知らされないというPFI事業というものを、そもそも私たちは望んだわけではありません。PFI事業を選択するかどうかを私たち県民は議論したいのに、もう勝手に決められてしまっているのです。

 

パブコメのやり方に問題があるという意見に対して>

意見番号131 パブリックコメントの募集の周知が不十分ではないか。また,「公表する 関係資料」としていくつかファイルが上がっているが,日々仕事などしている者にとって,この分量を把握した上で意見を出せというのは不親切だと感じるし,本当にこの事業を理解してもらおうという思いや姿勢が感じられない上に「資料は出している」という単なるアリバイ作りの感が否めない。(類似3件)

意見番号132 素案がHPで調べるか,限られた場所でしか閲覧できないのは,すべての県民に対して等しく情報提供していることにはならない。(類似3件)  

意見番号258 県政だより9・10月号の特集のどこにもパブリックコメントの締切が9月30日だということが書かれていません。提出先や提出方法,様式が決まっていることも知らせず,県民の声は聞かなくていいと言っているみたいです。次号にきちんと載せて再度募集してください。(類似1件)

宮城県の考え方 今回の意見募集にあたっては,県内全戸配付となっております県政だよりで周知を図ったほか,記者発表等も行っております。なお意見募集については,「県民の意見提出手続に関する要綱」に基づいて実施しております。

全ての県民にしっかり知らせる手立てを尽くしていないのに、周知を図ったとはとても言えません。「県民の意見提出手続に関する要綱」は、県民の参画による開かれた県政の推進に資することを目的に定められているはずです。今回はその目的が果たされていないということを、上記の県民は述べているのです。

 

<11月議会でのコンセッション導入提案をやめて欲しいという意見に対して>

意見番号173 村井知事の姿勢はまるで一方的な押しつけで,県民に対してあまりに乱暴 す。11月議会でコンセッション条例改訂案が議決されてしまったら「民営化のレールから二度と降りられなくなる」という,一番肝心な事を隠した現状で,県民に対してパブコメで意見を聞くと言っても,受水市町村で さえ「情報がなくて意見の出しようが無い」と言っているのですから,県民はなおさら意見の出しようが無いのではありませんか。11月議会でコン セッション導入条例改訂案は出すべきではありません。県議会に提案する事自体をやめるよう強く求めます。いかがですか?  

宮城県の考え 人口減少等により厳しい経営環境となることが予想されている水道事業にとって,今後想定される管路の大規模更新に向け,経営基盤の強 化を早期に図り,将来にわたる県民負担の軽減促進につなげることが,水道事業者の喫緊の課題であることから,11月議会に提案し, 早期導入を目指していきます。

もう、何が何でも11月議会で提案して、みやぎ型の早期導入を目指すそうです(笑)

 

<みやぎ型を請け負いたい業界の声を5年間聞いたのだから、今度は県民の声を5年間聞いてほしいという意見に対して>

意見番号184 みやぎ型の導入を希望するかどうか,県民は一度も聞かれたことがありません。この5年間,県は,事業を請け負いたい業界の声ばかりを聞いてきたのですから,これからは県民の声を5年間聞いて,それから導入の可否を決めてください。

宮城県の考え 水道事業は県民の生活に不可欠な代替性のないライフラインであるこ とから,「みやぎ型管理運営方式」の導入に当たっては,県民の理解を得ることは重要であると認識しています。県民に直接説明する機会として,シンポジウムや説明会,出前講座を開催し,ホームページや新聞への広報記事掲載などにより,県民の方々へ,丁寧な説明と情報発信に取り組んできたところです。県といたしましては,県民の理解を深めるため,引き続き丁寧な説明と情報発信に努めてまいります。  

県民が県の声を聞いて理解するべきであって、県は県民の声を聞く気はないということを述べているのでしょうか?

 

<現行体制とみやぎ型のメリット、デメリットを分かりやすく示すべきという意見に対して>

意見番号199 現行体制とみやぎ型のメリット,デメリットを分かりやすく示すべき。 (類似20件)

宮城県の考え 「みやぎ型管理運営方式」は,県が最終責任を担いながら,民間の力を最大限活用してコスト削減を実現するもので,我が県にとって最も効果的な運営方式であると考えております。デメリットについては, 特にないものと考えております。

なぜ我が県にとって最も効果的な運営方式であると考えるのか、その根拠を詳しく説明しないで、デメリットは特にないと言われても、全く説得力がありませんよね。

 

さて、私たち県民に対するこういった宮城県の姿勢をご覧になって、みなさんはどう思われますか? 

私たち県民がここで声を挙げなければ、是が非でもみやぎ型を導入するという宮城県の方針は変わることはありません。

本当にそれでいいのでしょうか?

 

まだまだ多くの県民が、みやぎ型管理運営方式という宮城県の水道民営化のことを知らないままです。その方たちの意見を聞かなくてもよいのでしょうか? 

その方たちにみやぎ型管理運営方式のことを知ってもらうために、私たちにできることがあります!

① TV、新聞、ラジオに、みやぎ型のことを報道してくれるよう電話やメール・FAX、投書をする。

② 身近な人に命の水を守る市民ネットワーク・みやぎのチラシを見せて、みやぎ型について話し合う。↓

ちょっと待って!水道民営化

 

この裏には、今回の水道民営化の問題点が、わかりやすく書かれています。↓

みやぎ型の問題点

このチラシを配布なさりたい方は、ご希望の枚数をお渡ししますので、お電話でお知らせください。090-7936-3437(須藤) 

③ SNSでブログ「宮城県の水道民営化問題」を拡散する。

④ 命の水を守る市民ネットワーク・みやぎの街頭宣伝に行く。

日程は下記のとおりで、場所はいずれも平和ビル前です。

  11月7日(木)16:30~17:30  

  11月8日(金)12:00~13:00  

  11月14日(木)16:30~17:30  

  11月15日(金)12:00~13:00  

  11月21日(木)16:30~17:30  

  11月22日(金)12:00~13:00

こちらに関する問合せ先は、080-1673-8391(多々良)です。

⑤ みやぎ型管理運営方式学習会に友人・知人を誘う。 ↓ 

他にも、みやぎ型のことを知ってもらう良い方法がありましたら、ぜひ試してみてください。皆さんのアイデア募集中です! 一緒にやりたい方、大歓迎です! 
022-267-2288(佐久間敬子法律事務所)までご連絡ください。

  

みやぎ型実施方針素案への民間事業者からの意見への回答も公表されています。


www.pref.miyagi.jp