宮城県の水道民営化問題

命の水を守るため、水道の情報公開を求めていきましょう!

6/22 令和5年6月定例会における一般質問   ①水道管DXについて               ②地下水から基準値超のPFAS検出について

2023年6月22日、第388回宮城県議会(令和5年6月定例会)の一般質問において、わたなべ拓議員(自由民主党・県民会議)が水道管DXについて、大内真理議員(日本共産党宮城県会議員団)が地下水から基準値超のPFAS検出について質疑を行いました。

 

今回の記事内容

水道管DXについて

地下水から基準値超のPFAS検出について

 

わたなべ拓議員(自由民主党・県民会議)一般質問 

 

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宮城県議会HPインターネット中継動画より

 

水道管DXについて

わたなべ拓議員

先日、水道事業のDXに取り組むスタートアップラクタ社幹部との意見交換の機会を提案し、水道経営課幹部にご協力いただきました。

ラクタ社は、ビッグデータとAIを駆使した水道管の劣化予測診断技術を用いて、管路破損リスクを割り出し、リスクが高いと診断された管路から優先的に更新することで、優先順位を適正化し、管路の予防保全、更新コストの縮減に寄与できるとしており、日米欧120の事業体において延長30km、40万件の漏水事故をデータ収集済みで、国内水道事業では実証事業を含め、広島県企業局、埼玉県企業局、愛知県企業庁をはじめ、約40の自治体で工水、用水供給事業について、サービスを供給しています。

先行自治体の実績によると、本技術により漏水箇所の的中精度が約30%向上し、更新費用が20%から30%削減された事例もあるようです。

本県企業局所管の管路のうち、法定耐用年数40年を超過した管路は、具体に何キロメートルで、全体の何割を占めるのか? 伺います。

本県企業局では、特に工水の需要が大きく落ち込む一方、今後、膨大な管路更新に対応する巨額の更新費用が課題です。そこでAIとビッグデータを駆使した管路劣化診断技術を活用して、更新作業を効率化し、更新の優先順位を適正化することで、更新費用を縮減する余地もあると考えますが、当局の所見を伺います。

佐藤達也公営企業管理者

大綱2点目、水道管DXについてのご質問のうち、法定耐用年数を超過した管路についてのお尋ねにお答えいたします。

令和3年度末時点で、企業局が所管する水道管のうち、水道用水供給事業における大崎広域および仙南仙塩広域の2事業合計の管路延長は約331kmとなっており、そのうち、法定耐用年数40年を超過した管路が約233kmで、割合は70.5%となっております。

また、工業用水道事業における仙塩、仙台圏および仙台北部の3事業合計の管路延長は約164kmとなっており、そのうち、法定耐用年数を超過した管路が約84kmで、割合は51.5%となっております。

次に、管路劣化診断技術の活用についてのご質問にお答えいたします。

企業局が所管する水道管路については、水道維持管理指針に基づき、実使用年数を80年と設定しており、本格的な更新は、令和30年度頃から始めることを想定しております。

一方、実使用年数は、管路の設置環境等によって差が生じることから、その劣化状況を判断し、可能な限り長期間使用しながら、適切な時期に更新することが、コスト縮減や平準化を図る、あ、失礼いたしました、適切な時期に更新することで、コスト縮減や平準化を図ることが重要であると認識しております。

そのため、企業局では、本格的な管路更新を見据え、地盤情報や漏水実績などの基礎調査に加え、地中に埋設された管路を直接確認する管体調査等を進めておりますが、管路の劣化には様々な要因があるため、予測精度の向上が課題であると考えております。

ご提案のありました、AIを活用した管路劣化診断は、管路情報等、独自に構成した環境ビッグデータを駆使して、劣化予測を行う技術であり、管路更新の効率化や優先順位の適正化により、コスト縮減や平準化が図られることが想定されるため、企業局としても、その活用について検討してまいります。私からは以上でございます。

わたなべ拓議員

えー、水道管のDXについてなんですけども、こちら、あの、先ほど答弁ありましたように、あのう、もうですね、えー、法定耐用年数きてるのが、あのう、大崎広域水道なんかですと、もう、92.8%なんですね、答弁いただいた範囲外の数字もご紹介しますと、仙台圏の工業用水にいたってはですね、経年化率94.8%になるんです。

これが直ちに更新にかかってくるものではないとしてもですね、あのう、法定年限の40年に達してるものは、まあ、かなり多いんだと、大量に達するんだということは、ご認識いただいていると思うんです。これ、ほとんどの人、知らないと思うんですよね。

ですので、この、AIを活用した、あのう、更新費用の縮減、これまさに、あのう、知事が志している大きな方向性としては一致してるんじゃないかなあと思うんです。

私、あのう、みやぎ型管理運営方式については経済安全保障の観点から反対していましたけども、この本丸と言ってもいい、この管路更新のほうについては、もっと経済性の軸をしっかり通して、あのう、将来の負担、あのう、縮減していく余地があるんじゃないかと思うんですが、知事、この点についてはどのようにお考えですか?

村井嘉浩知事

まあ、あのう、先ほど公営企業管理者が答弁いたしましたとおり、あの、実使用年数というのを考えておりまして、あの、おー、まあ、言い方悪いんですけど、しっかりメンテナンスをそこそこしながらですね、全部入れ替えるのではなくてですね、やっていけば、80年は使えるのではないかというふうに見られております。

従って、本格的な更新は令和30年度頃から始まりますので、それに向けてですね、あのう、しっかりと残りの、おー、数十年かけてですね、しっかりと更新をしていけるようにしていかなければならないというふうに思っております。

あのう、えー、例のコンセッションもですね、そういったことのための財源を少しでも確保するためということで取りを行ったものでありますので、えー、しっかりと、えー、財源を確保しながらですね、えー、取り組んでいきたいというふうに思っております。

わたなべ拓議員

えー、企業管理者からも、あの、「予測精度向上に応え得る技術じゃないか」と、前向きな、あの、ご答弁いただきました。

ま、いま知事からも、そういったお考えをいただきましたので。

ま、これですね、あのう、先ほど、私、ちょっと舌足らずだったんですけども、あのう、広域水道、大崎広域水道と仙南仙塩広域水道、合わせると、2つ合わせると、全体で、えー、法定年限が超過したものが70.5%になるということで、大崎広域水道に限って単体で見てみると、経年化率は、なんと92.8%ということをですね、ま、極めて、あのう、危機的な状況将来の課題ではなく、現在の課題として捉える余地がありそうだということであります。

 

大内真理議員(日本共産党宮城県会議員団)一般質問

 

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宮城県議会HPインターネット中継動画より

 

地下水から基準値超のPFAS検出について

大内真理議員

大綱4、名取市の地下水から基準値超のPFAS検出について伺います。

PFASは人工的に作られた有機フッ素化合物の総称で、4,700種以上あると言われています。

そのうち、古くから使われてきた3種類のPFASについては、発がん性や免疫系異常など、人体への有害性が指摘され、国際条約で製造、使用、輸入が禁止され、180余りの国と地域が批准しています。これらは、今後、水俣病イタイイタイ病のように、公害として認定される可能性が極めて高いものです。

このPFASが、名取市の地下水から、国際機関や各国が定める水質の目標値を大幅に超える15.8倍、全国5番目に高い790ng(ナノグラム)検出されました。

ところが、宮城県は、名取市側から詳細調査、汚染排出者の特定について要求があっても、「国がまだ基準等を示していないから」と、県独自の調査で、汚染発生場所や汚染排出者を特定することを怠ったままでいます。

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この間の経緯経過、県としての今後の姿勢をお示しください。

その上で、国待ちとせず、県独自に、予防原則を働かせ、汚染原因の場所と、汚染排出者を一刻も早く特定すること。

汚染排出者に対しては、汚染者原則、汚染者負担の原則がありますから、原因物質の除去を、宮城県として要求すること。

国に対し、一刻も早く基準を示させ、住民の血中濃度を含む健康調査と救済制度を創設するよう求めるべきと考えます。3点お答えください。

佐々木均環境生活部長

地下水から基準値超のPFAS検出についてのご質問のうち、名取市からの詳細調査等の要求に対する経緯経過および今後の対応についてのご質問に、あ、お尋ねにお答えいたします。

有機フッ素化合物PFASの一種であるPFOS、PFOAについては、令和2年度に国が実施した全国存在状況把握調査において、名取市の井戸水から、暫定的な指針値を超える値が検出されました。

このため、県では、当該井戸水が飲用されていないこと、周辺に飲用井戸がないことを確認するとともに、改めて当該井戸水を飲用しないよう注意喚起しました。

また、井戸所有者への聞き取り、仙台空港名取市消防本部への泡消火剤使用の確認等、汚染原因の調査を実施したところです。

名取市からは、市内の地下水調査について相談がありましたが、当該物質は有害性の知見がいまだ不十分で、明確な基準が示されていないことから、実施は難しい旨お答えしたところです。

県としては、当該井戸の継続監視を実施するとともに、国で行われている専門家会議の結論を経て出される方針に基づき対応してまいります。

次に、汚染原因等の特定や原因物質の除去および国に対する要望についてのご質問にお答えいたします。

汚染原因や原因者については、聞き取り調査や記録の確認をしたところですが、特定には至りませんでした。

PFOS、PFOAは、健康被害に関する科学的な知見が不十分なため、法的拘束力を伴う基準が定められていない状況となっております。

そのため、現状では、たとえ原因者が特定できた場合においても、強制力を持って、当該物質の除去を要求することは、行うことは、困難であると考えております。

現在、国内では、PFASが主たる原因と考えられる健康被害は確認されておりませんが、国では、「専門家会議の結論も見ながら、健康調査の必要性等も含めて対応を検討する」としておりますので、まずは会議の進展を注視しつつ、必要に応じて、国に対する要望を検討してまいります。私からは以上でございます。

大内真理議員

有機フッ素化合物化合物PFASについて伺います。

全国143地点中、5番目に高い濃度のPFASが名取市の地下水から検出されたのです。

知事、知事は危機感を持って、早急に原因者の特定と汚染除去の対策を打つべきなのではないでしょうか? 知事いかがですか? 知事いかがですか?

佐々木均環境生活部長

ハイ、あのう、今、あの、ご質問がありました、えーとー、全国で、まあ、5番目に高い数値であるということで、令和2年度に現況調査させていた、あのう、の結果という形で、えー、公表をされているというところでございます。

その後、ま、継続調査という形で、えー、令和2年から、ま、令和3令和4年という形で行わせていただいておりますけれども、調べた範囲では、えーとー、下がってきているというような状況になっておりますんで、そういった状況を見ながら、それで、合わせて、えー、国の、今、えー、進められています有識者会議を踏まえた、えー、検討の動向を見ながらですね、われわれとしては対応を考えていきたいというふうに思っております。

大内真理議員

数値が下がっているのは、どこかに流出しているからです。これは調べる必要があります。

日本共産党名取市議団が、名取市に情報公開請求を行いました。ご提供いただいた20ページの資料には、ある程度汚染エリアが特定できる記述もありました。

現状は、名取市内のたった1ヶ所の井戸を、1年に1回だけ経年調査しているとのことですが、せめて、その特定エリア内の井戸は全て調査し、濃度分布を作成するべきではありませんか? 伺います。

佐々木均環境生活部長

ハイ、あのう、今、えーと、調査をされて、あの、してますのは、あくまで、えーと、令和2年度に、えー、環境省のほうから、1ヶ所、えー、選定をしてほしいという形で、えー、もう、要求されたものに対して、今回、えー、令和2年度に調査をしたものが、結果として、えー、基準値を超え、あ、き、失礼しました、えー、目標値を超えているということでございましたので。

それについて、えーと、継続的に、えー、調査をし続け、あの、するという形で、えー、状況を、えー、見ていくというような形でやらせていただきたいという、あのう、現況として、あのう、今の、えー、井戸が、えー、飲用ではないということ、それと、えー、周辺にも飲用の井戸はないということを確認しておりますので。

そういったことで、現況の今、えー、調査をしているものを継続調査をするというような形で、えー、取り組ませていただきたいと思っております。

大内真理議員

それではお聞きします。名取市のその地点の浅井戸1ヶ所を、ピンポイントで怪しいと県が判断をし、環境省に伝えた理由をお示しください。

佐々木均環境生活部長

えーと、環境省のほうからは、えー、汚染原因があると思われる、えー、地域、特に今回の場合は、あの、仙台空港に近い、えー、井戸を選定を一ヶ所させていただいたというところでございます。

大内真理議員

仙台空港と言っても広いんですよ。なぜ、その1ヶ所の浅井戸にしたんですか? って伺っています。

村井嘉浩知事

えー、泡消火剤を使用した可能性があるということだそうです。で、あのう、えー、それで、あの、可能性がある、と。

ただ、これ、あのう、おっしゃる気持ちよくわかるんです。私も、あの、これ、ちょっと、ちゃんと徹底的に調べるべきじゃないのかなと思って、いろいろ、あの、考えたんですけれども、これ、あのう、国からですね、有害性の知見がまだ十分示されてないんですね。明確な基準がない。

これを超えたらダメだとかいうのがあればですね、これは徹底的に調べなきゃいけませんし、それに、もし基準を超えていれば、えー、特定、原因者を特定しなさいということであればですね、調べなきゃいけないんですけども。

これ、あの、まだ示されてないので、あのう、われわれとしてはですね、あのう、これ以上調べるという明確な根拠が、今度ないということなんです。

ただ、あのう、えー、泡消火剤の使用によっての可能性があるというふうにはですね、われわれは思っておりますけれども。

ま、あのう、だからそれが原因だということを、特定することは、現時点において、えー、明確な根拠がないので、できない、と。その点はご理解いただいて、決して怠けているわけではないということでございます。

大内真理議員

日本では公害の戦いによる積み重ねがあります。また、PFAS汚染は、ここ数年クローズアップされてきた問題ですから、実態を調査せず、汚染源も特定されないことこそが、住民の不安を広げています。調査に踏み出すことが必要なのではないですか? 知事、改めて伺います。

村井嘉浩知事

ですから、あのう、われわれ、根拠があればですね、こういう基準があるということがあれば、それをやりますけれども、それが示されてないので、われわれ勝手にですね、これは危険かもしれないというようなことで、えー、進めることはできない。

危険であるかもしれないということであれば、危険であることを証明しなければいけませんけれども、それを、われわれは、そういうことするだけの力がないということでございます。

大内真理議員

根拠はあるんです。令和2年6月に、環境省から全国都道府県宛に送付されているPFOSおよびPFOAに関する対応の手引きにも、必要に応じて排出元の特定のための調査を実施し、濃度低減のために必要な措置を検討することが、自治体の責務だと問われているのです。これは、国も求める宮城県の責務です。いかがですか?

村井嘉浩知事

あのう、「濃度低減に向けた努力をしなさい」だから、あの、数年にわたって調べたら、濃度は低減してきている。ですから、あの、様子を見ているということでございます。

大内真理議員

汚染排出者の特定を求めているのです。いかがですか?

佐々木均環境生活部長

ハイ、あのう、今、一番、あの、仙台空港に近いということもございましたので、先ほど知事も申し上げましたとおり、泡消火剤の可能性があるということで、われわれとしては、仙台空港および、えー、消火剤ということもございましたので、名取市の消防本部等の、えー、での、えーと、確認をさせていただいたところでございますけれども、えー、その結果として、えー、特定はできなかったということでございます。

大内真理議員

住民の不安に応えることも自治体の責務だと、えー、指摘して、質疑質問を終わります。ありがとうございました。