宮城県の水道民営化問題

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12/6宮城県議会(令和4年11月定例会)本議会一般質問での遠藤伸幸議員の「水道事業の諸課題について」

2022年12月6日、宮城県議会(令和4年11月定例会)本議会一般質問にて、遠藤伸幸議員(公明党県議団)が、「水道事業の諸課題について」ということで、水道管の老朽化による漏水状況把握にAIや衛星画像解析を活用してはどうか? と提案しました。

宮城県議会HPより

miyagi-pref.stream.jfit.co.jp

遠藤伸幸議員(公明党県議団)

最後に、大綱6点目、水道事業の諸課題について伺います。

近年、全国的に水道管の老朽化による漏水や断水といった事故が多発しています。

昨年10月、和歌山市では、水管橋が崩落し、1週間にわたり市内の4割にあたる6万個が断水。今年5月には、静岡県菊川市で水道管が破損し、3日間、約6,700世帯で断水が発生しました。県内でも、今年7月に、仙台市青葉区台原で水道管が破裂し、一時約22,200戸で断水や濁水が発生しました。いずれも水道管の老朽化が原因と見られています。

本県の水道管の総延長17,183キロメートルのうち、40年の法定耐用年数を超過している管路の割合は23.8%で、全国平均20.6%を上回っております。今後、管路の更新を急ぐ必要がありますが、多額の費用がかかることから、管路の老朽化や漏水状況を的確に見極めながら、優先順位を決めて投資を行っていかなければなりません。

しかし、管路の状態把握は、一度掘り起こして目視で確認する必要があるなど、時間と費用、労力がかかり、なかなか進まないのが実情です。

こうした中、全国では、AIや衛星画像解析など、最新の技術を導入して課題を克服しようとしている自治体があります。愛知県豊田市では、全国で初めて人工衛星の画像から水漏れの可能性のある区域を特定する技術を導入しました。

どのような仕組みか? というと、まず、人工衛星だいち2号が特定エリアの画像を撮影した後、地球に向けてマイクロ波を放射します。マイクロ波は、地下約2メートルの深さまで浸透し、塩素を含む水道水に当たると、他と異なった反射が得られます。その反射特性を撮影画像に登録し、配管データなどと組み合わせてAIで解析することで漏水している場所を特定、推定できるという技術です。

同市では、令和2年9月から令和3年4月にかけてこの技術を使った漏水調査を実施、延長2,210キロの水道管から、漏水可能性区域を257キロに絞り込み、うち259カ所で漏水を発見しました。漏水調査の期間は、5年から7ヶ月に短縮され、コストも約10分の1に削減したとのことです。現在は、日本のベンチャー企業とともに、より画像解析の精度を向上させた漏水調査の実証実験を行っております。

www.city.toyota.aichi.jp

先日、公明党県議団でもこの取り組みを視察しましたが、すでに50を超える自治体がこの技術の導入に向けて予算化を進めているとのことでありました。同市の担当者によりますと、複数の自治体が連携して依頼すれば、費用はさらに抑えられるとのことであります。

本県でも漏水調査の効率化や管路の更新、修繕の効率化に向けて、市町村と連携して、県の広域水道のみならず、市町村の水道事業にこの技術の活用を検討してはどうか? と考えますが、ご所見を伺います。以上で壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

佐藤達也公営企業管理者

大綱6点目、水道事業の諸課題についてのご質問にお答えいたします。

水道は県民生活を支える重要な社会資本であり、特に、広域水道において漏水が発生した場合にはその影響が広範囲に及ぶことから、県ではこれまで、東日本大震災の教訓を踏まえ、水道管の耐震化や伸縮可とう管の補強を重点的に実施してきたほか、将来到来する管路の本格的な更新を見据え、埋設管路の調査に今年度から着手するなど、老朽化に起因する漏水事故の防止にも努めているところであります。

一方、市町村においては、耐用年数を超過した水道管が膨大な延長になるにもかかわらず、漏水調査は人手による音聴調査、音を聴いて漏水の有無を判定することですが、この音聴調査が主流であることから、多くの労力と時間を要しており、漏水箇所の早期把握と管路更新の効率化が大きな課題であると認識しております。

ご提案のありましたAIや衛星画像解析などを活用した漏水調査等については、新しい技術であることから、先進事例の状況やその有効性、効率性等を把握するとともに、市町村とも情報を共有しながら、その活用について検討してまいります。私からは、以上でございます。