宮城県の水道民営化問題

命の水を守るため、水道の情報公開を求めていきましょう!

命の水を守る市民ネットワーク・みやぎが、再度、みやぎ型関連議案の6月県議会上程見送りの申し入れを、村井知事に提出!!

2021年6月11日、命の水を守る市民ネットワーク・みやぎが、村井知事に対し、「改めて『みやぎ型管理運営方式』関連議案の6月定例会への上程見送りを求める申し入れ」を提出しました。

命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ 申し入れ提出

 

miyagi-suidou.hatenablog.com

 

 

今すぐネット署名を!

キャンペーン · 宮城県議会議長 石川光次郎殿: 宮城県の「水道民営化」手続きを凍結してください! · Change.org

宮城 水道民営化反対 ネット署名

 

記者レク

佐久間敬子

佐久間敬子共同代表(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

いま村井知事宛に、6月15日開会の6月定例議会に、水道の「みやぎ型管理運営方式」、その他関連議案があるんですけれども、これを上程するのは、ちょっと見送ってほしいという申し入れをしてまいりました。

すでに8日に6月議会に提案する議案の説明会というのが、各会派で行われております。

私たちは、県民のみなさんの理解が全く進んでいない、特に、事業説明会に参加された県民のみなさんからは、「周知不足だ」「拙速だ」という声が、多数上がったと聞いています。

そもそも、中身の詳細が明確でないんですよね。

「こういうものを説明会と称してやること自体が、ちょっと問題ではないか? 説明会で何を説明するのか? 意味がないんじゃないか? 説明会を開催する条件がまだそろってないんじゃないか? 」。こういうそもそも論の意見も、会場では出たんですね。

こういう状況を見ると、やはり今、議会で出す以上は決めるということになると思うんですが、7月5日閉会の議会で決めてしまうのは、それは、「非常に拙速だ」と、「時期尚早だ」と考えざるを得ないと思うんですね。

私たちは、今年になってからも、再三、要請とか申し入れをしてきたんです。

最初は昨年の12月に、大切なみやぎ型の公募関係の資料が、大幅に変えられてしまっている、と。それも、私たちが見るところでは、県と県民にとって不利益になることばっかりです。そういうものをちゃんと県民に説明してほしいという申し入れをしたんですね。

そして3月には、優先交渉権者が発表されて、「それを決めて、協定を結ぶということはやめてくれ」という申し入れもしました。

4月14日には、今回と同じように、27ある受水市町村の首長さんたちも、「詳細がわからなくて困ってる」「不安に思っている」ということを聞いておりますので、そういうことと、一人一人の県民が、このコロナの中で生活が落ち着かない。関心事はやはり、いかにして危機的な状況を乗り越えていけるか? 自分たちの生活、命、暮らし、仕事を守るか? ということに関心が集中する中で、「みやぎ型を考えてくれ」と言っても、その情報に接する機会もないわけですから、こういうタイミングは最悪だということで、「見送りを」というようなことを申し上げました。

それが残念なことに、8日に、「(議案を)出すんだよ」ということが公表されましたから、重ねて、「今回は見送ってくれ」という申し入れをした。これが1枚目の本日の申し入れですね。

みやぎ型管理運営方式』関連議案の6月定例会への上程見送りを求める申し入れ

2枚目にお配りしてあるのは、

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県議会の各会派のほうに、上程というふうになった場合には、拙速に決めないで、そして、ゆっくりと、このみやぎ型というのがどういうものなのか? ホントに不安はないのか? 疑問が解消できるまで、よく議論して、何も今回で決めなくたっていいんですよ。

宮城の水道事業がそんなに危機的な状況があって、来年4月から始めないと、水道事業が立ち行かないという状況は全くありません。それなりに利益も上がっている。うまくいっている。ただ、ゆくゆくはどうなるか? を考えると、管路の更新費用がかかる。

これは、どこの水道事業でも同じです。だから、今この議会で決めなくちゃいけないということはない。

少し長い視野を持って、この水道事業をどういうふうに持続可能なものにしていくか?   ということを、さまざまな事例が各地にあると思いますが、こういう材料を集めて、 みなさんで議論してもらいたい。

当局もそういうことをやってほしいし、議員さんもやってほしいし、県民からも様々な情報があれば、そういうものをちゃんと汲み取って、私たちの水道事業を、今後20年とか30年とかじゃなくて、これからずっと、持続可能なものにしていくのにはどうしたらいいか? みんなで知恵を絞るというのが、今やるべきことだと思ってますので、簡単に決めないでほしいということで、各会派のみなさまには、「ぜひ、請願に賛同してください」ということでお願いと、できれば、請願を提出する際の紹介議員になっていただきたいということで、8日に全会派を回って直接議員さんにお会いして、お願いをしたということです。

今私たちが進めているみやぎ型について、とりあえずは手続きを凍結してほしいというチラシ、みなさんご存知のものですけど、これが3枚目ですね。

 

 

宮城 水道民営化反対

 

それから、署名推進Newsというので、この間お配りしたものが、4枚目以降に入ってます。

みやぎ型凍結署名 推進ニュース

              署名推進 News 第1号 表面

みやぎ型凍結署名 推進ニュース

              署名推進 News 第1号 裏面

 

みやぎ型凍結署名 推進ニュース

              署名推進 News 第2号 表面

 

みやぎ型凍結署名 推進ニュース

                署名推進 News 第2号 裏面

 

いろんな外国で、一旦、コンセッションという形で民間にお願いしたところ、結果的に割高だったということで、民営をやめる方向が出てるEUなどでね。

何で割高になるのかと言うと、やっぱり、公営企業でやっている場合かからないものが、民間ではかかる。

①株主配当、②役員報酬、③第三者に様々なチェックをお願いする時の手数料や報酬、④融資を受ける場合の金利公でやる場合よりも、民間でやる場合のほうがずっと割高ですよね。

公共事業としてやる場合かからないものが、民間ではかかるわけですね。そういう経費を一方で抱えながら、「従前どおり水質は維持する」「料金は押さえますよ」「コストは下がりますよ」。そんなうまい話があるんだろうか? ということは、つくづく疑問に思うんですね。

コンセッション事業というものの中身というか論理というかですね、そういういうのは、公共事業の損得抜きで県民に等しくサービスを享受してもらうんだという発想と、まるっきり違うわけで、利益を上げないとどうしようもないんです。それは民間企業の宿命だし、だからこそ存在意義があるということになってるんでしょうから。

そういうことで、ちょっと異質なものを公共サービスに入れちゃうと、そこで結局割高だったとか、外国では失敗しただとかとなってますので、ここで、宮城が、何もそんなに急いで、みやぎ型を導入するというのは、

いったい必然性があるのか? と、非常に不思議に思うんですね。

このあとにチラシを何枚かお配りしましたけど、この宮城の水道コンセッション、みやぎ型ですね、これはみなさんご存じのとおり、全国初の方式ですね。上水道、工業用水道、下水道、3つの水道事業を一括して、民間に20年間お任せする。

たとえば浜松市は、残念なことに下水道がコンセッションになってしまったけれども、上水はここにある(と浜松市の水道民営化を考える市民ネットワークのチラシを示し)みなさんの力で止めたんですね。

 

 

全国初の官民一体のみやぎ型というものをここで実現すると、東北の大きな県の宮城県で、しかも、人口が230万人、このみやぎ型でカバーされる流域の人口は190万人ぐらいですね。すごく人口が大きいです。

ここでそれが実現すると、「私たちの所にも来るんじゃないか?」とみなさん心配している。浜松は特に、下水道がやられてしまったので、一緒にスタンディングで、宮城に連帯するということで、日曜日と火曜日というのは県議会の開会日ですね、これに合わせてやってくださるということで、私たちに頑張ってくれという形で、エールを送ってくれています。

2枚目は、政宗さんの騎馬像がありますけど、これ、埼玉県の川口市の市民団体です。

 

水道料金値上げに反対する川口市民の会

note.com

 

こちらも、水道のコンセッションというものに、非常に不安を持っている。「民営化じゃないですか」と。

「民営化」と言うと県は、非常に神経質に「違う」と言うんですけども、民間に20年間もの長きにわたって、運営権をお任せするわけだから、民間に運営権を譲渡する、言ってみれば民営化かもしれないですね。

これは非常に不安だということで、「川口でも、連帯のスタンディングをしますよ」と、明日やってくださる。署名集めもしてくださるということなんですね。

ホントに私たちも、自分たちのことであるけれども、全国のみなさんのためでもあるということで、より一層この運動を、皆さんの応援を力として、頑張っていかないといけない。

 

最後のページは、名古屋の方の 応援なんですね。

 

 

この方々は、とりあえず自分たちの所にこの問題があるわけではないけれども、宮城でこういうことが実現すると、どこにそれが飛び火するかわからないということで、自分ごとだ、他人ごとではないというふうに思ってるんですね。

そして、水曜日に街宣をしていらしゃっていて、これは思想とか政党に関係ない。水という万人が飲まなくちゃいけない、使わなくちゃいけない水だから、考え方とかイデオロギーとかにとらわれないで、「やっぱりこれは守っていきたいという人で、みんなで反対しましょう」ということでやってくださっている。大変ありがたいなと思っています。

いま私たち請願集めてますけども、6月18日の金曜日10時半から15分間ということで、議長さんが時間を取ってくださるということになったので、ここで請願書を提出するということになりました。みなさまには、また改めて文書でお知らせしますけども。

いま請願署名の最後の集約に入ってますが、ネット上の署名が3,200ぐらいになってますし、宮城県内、あるいは全国から紙の署名が集まっています。

紙の署名は、全国の25ぐらいの都道府県から寄せていただいて、だいたい、ただ送ってくださるんじゃなくて、メッセージが付いてるんですね。

「頑張ってください」「何としても、宮城の民営化は止めたいと自分たちは思ってるので、他人ごとではないです」ということで、メッセージ付きの署名用紙が、日々集まってきているんですね。

今のところ、ネットも入れて6,500~600ぐらいになってますが、15〆切で、各地の団体の方から下のほうにおろしていただいてという形で集めていますので、週末から来週の初めにかけて、もっと集まってくるんじゃないかなと期待しています。

みやぎ型管理運営方式というのを、私たちは、宮城の問題として最初取り上げてきたんですけれども、だんだん、「これは宮城だけの問題ではないな」というふうに、考えが改まったというか、全国から私たちの期待を超えるような反応があるということで大変うれしく思っています。

知事が上程するんだとお決めになったようですけど、この請願をよくご覧いただいて、県議会でもそうですが、何もここで決めなくていいんで、これを考え直すというのは、十分あり得る話だし、よくよく、これから水道事業をどうしたらいいか? と、特に、何かほかの方法がないかという検討が、全くなされていない。

全国で、コンセッションという方法を当面は取り上げないということにした所は、どういう解決策を取ったのか? 

岩手では、コンセッションではない公営のまま、施設の無駄なものを切り捨てて統廃合して、利益を上げているという所があるんですね。そういう所の具体的な成功例、そういうものもちゃんと学んで、広く何か解決策はないかということを並べてみて、そして勉強する、と。その過程が全くない。

もう最初っから、コンセッションです。何でそんなに頑なにコンセッション? と非常に疑問に思っているし、あまりにも一辺倒すぎる。

そういう意味で県議会でも、違った解決策というようなものにも踏み込んで、よくよく議論してもらいたいなと思ってます。

もう来年の4月から始めるというんですね。非常にこう、急速に進んで いる。「私たちは置き去りにされてるな」というふうに思います。

残された時間、十分に頑張っていきたいなと思いますし、議会が始まってもやれることはまだまだあるということで、引き続き頑張っていきますけど、とりあえずは、知事に申し入れを深く受け止めていただきたいなと思っています。私からは以上です。

 

中嶋信

中嶋信共同代表(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

中嶋ですけども。

公共性をどう担保するのかということが大事だと思ってますが、公共性を守る仕組みっていうのはあるわけですよね。

イギリスの労働組合、水道事業を抱えているような労働組合で、いま進めているのは、We Own It 私たちが所有者だ

「そういう仕組みを作っていかなきゃ、公共性は崩れるんだよ」ということなんですけども、いま進められている民営化というのは、その逆なわけですから、そういう点で、私たち自身が公共性を担保するような運動を、どんどん作っていくしかないだろうなと思うんですね。

 

weownit.org.uk

weownit.org.uk

 

「民の欠陥」という言葉を、今日の河北新報に書きました。

河北新報 中嶋信

              河北新報 2021.6.11 記事より

 

民の有効性はもちろんあるんだけど、欠陥もあるわけね。そこのところを、どう押さえ込むのかっていうのは、公共性を担保する基本なんです。そこが全く議論されていないのは、まったく情けないと思いますから、是非とも再考を促したいと思っています。 私からは以上です。

 

昆野武裕

昆野武裕さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

私、オンワード樫山の説明会に参加したんですけど、ここで参加された方っています?

一部の方はわかってると思うんですが、あの時も、いろいろ質問したんですが、「何で20年のコンセッションになるのか? 」ということを聞きましたら、お答えは、「企業に何年がよろしいですか? とお伺いを立てました。10年、20年、30年。さあ、どれがいいですか? ということで、一番多かったのが20年なんでございますというふうな回答でした。

で、そこに参加してた方が、そのあとの質問で、「それは、企業のご都合にすべて合わせた、それにだけ慮った決め方をしたんですね? 」ということを聞きましたけども、県のほうは全く答えませんでした。

 

youtu.be

 

説明会を見ててもわかると思いますけれども、一人、一問一答。しかも、ちゃんとした答えはしない。「時間がありません」「他の方もおります」

2時間とういう時間ですけども、1時間以上説明、10分休憩。10人、20人から手が上がるんですけど、ちゃんとした納得のいくような説明は、ほとんどどこの会場でもなかったと思います。

こういう中で、「説明を尽くした」と、この間、知事記者会見で言ったそうですけど、「説明はもう尽くした。わからないほうが悪いんだ」というふうな話をしてましたけども、それは全くおかしいと思いますし。

 

www.pref.miyagi.jp

 

特に今度、県議会でおそらく決めようとするんでしょうけども、自民党公明党の議員の方々が、このような説明とか、このような資料、あらゆるところが欠陥だらけというか、全くちゃんとした計画書もできていない状態で、こういったものを無理々々通そうとすることに対して、理解して、納得して、良しとするのかどうか? それは やっぱり県民が見てと思います。以上です。

 

NHK

NHKのAと申します。よろしくお願いします。

3時からの面談のところでですね、今回の部分で、申し入れ書を受け取った県の担当者からは、どのような返答があったか教えていただいていいでしょうか?

 

佐久間敬子共同代表(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

「拝見します」と。

NHK

だけですか?

佐久間敬子共同代表(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ええ。

NHK

わかりました。

あと、もう一つだけなんですけども、今回????等々指摘をしているかと思うんですけども、改めてどのような、見送ることによってどのようなことを、こんなふうに周知してほしいとか、あるいは、こういうふうなところでちゃんとやってほしいみたいな、要望としてはどんなことがあります?

佐久間敬子共同代表(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

何回も言っているのは、全市町村でやってほしい、と。特に、受水市町村が26あるんですね。そこの首長さんたちも、特に、水質どうなるのか? とか、災害時の対応ですね。

311の時は、まさにオールジャパンで、官民挙げて全国から応援に来てくれた。民間にお願いした場合に、果たしてそういうことが可能なのか? 同じように。

県は災害対応時に、「県が責任を持ちますよ」と言ってますけど、民間に長いことお願いしてて、何かあった場合に即、機敏に行動できるのかなあ? と。

それと、そういう時に、莫大なお金がかかりますよね。しかし、それは一体だれが負担するんだろうか? という経費の負担の問題が出てきますよね。

それから、特に災害が多いし、台風の被害があって、本来一瞬とも停止はできない水道事業、この前、塩竃で1週間ぐらい水がストップしましたが、そういう意味で、住民の暮らしを預かっている首長さんにとって、切実な問題なんですね。

そういう辺りが、どうもはっきりと説明されていないというのが、非常に不安だと思うんですね。いろいろ市町村の方々から質問事項が出ているけれども、回答はもちろんあるんですけど、肝心なところがないとか、あまり十分に納得できるような回答ではないというのがありますので。私は、各市町村で首長さんも交えて、ちゃんと説明会をきちんとやってほしいんですね。

逆に、これまでの説明会というのは、だいたい日中なんですね。この前、日曜日っていうのありましたけどね。来る人って、限られてますよね。仕事やってる人は来られないし。

だからYouTube配信するんだって言うけども、YouTube配信みられる人がどれだけいるかっていう問題ありますね。だから市町村でやってほしいし、あとは、もう一回パブリックコメント取り直すべきじゃないかなと思ってます。

それは最初に申し上げたように、契約の中身が、私たちから見ると大幅に変わっているんです。知的財産権に絡む支払いを、無償のものが有償になるとかね。それから、突発的な災害があった場合には、その増加した費用を県が負担するとかですね。

突発的事象って何? って辺りがあんまり明確でないし、突発的事象が発生した時に、本来企業体がちゃんと体制を整えていれば対応できたものが、多少の緩みがあってできなかったという場合なんかは、どういうふうにするのか? とか数限りなく疑問が出てくるんですね。

だから、そういう意味で、今回の契約の改訂っていうのは、非常に私たちにとっては、負担が増加することになっている

それから、ちょっとこれは理屈の話になるかもしれませんけど、ふつう公共事業、これも公共で発注する事業でしょうけど、公募条件というのは、常に対等で、応募する人がみんな同じ競争条件で応募するという話だと思うんですね。

それが、3社が応募したということで決まった後に、その3社といろいろと競争的対話という協議をしたら、応募業者から様々な「ここが悪い」「業者側に負担が大きいよ」ということがあって、県の側が「わかりました。県の負担にしましょう」という感じで、変わってきた経過がある。

そうすると、仮りにの話になるけど、「今の変えられた契約書のようなものだったら、ウチだってこの事業に参入できたよ」という所がないわけではない。

要するに、応募する時には非常に厳しい条件だったのに、3社に決まった後に、業者側にとっては有利なように契約が変えられる、と。

それちょっとおかしいんじゃないの? 募集の公平性というか、参入する企業に対する平等性みたいなものが損なわれているんじゃないですか? こういう公共事業の発注というか、仕方は、果たしていいんだろうか? と私は非常に強く疑問に思っています。

こういうこともあるし、契約の)中身が、県側が、県民側が大幅に負担が増えることになった。そういうことで、ホントにみやぎ型始めますか? というのを、もう一回、やっぱり県民に意見を聴取するということをすべきだと思うんですね。

これはもちろん、「しない」と。「パブリックコメントは、そういう時に取るものじゃありません」というのが県のお答えのようで、「そういう時に取るものじゃありません」と言うけど、これだけ中身が変わって、みんなが心配してるのに、取っちゃいけないという理屈はないので。

県民の疑問に答える、県民が納得するようなお答えを出すというのは、県政を預かる県の仕事ですから、「そういう仕組みじゃないんだ」と言わないで、もっと実態に即した進め方をしてほしいというふうに思うんですね。

あと、「一所懸命やって、県は十分に説明を尽くしました」と言うんであれば、ちゃんとそういうような事実を、私たちに示してほしい。

「県内6カ所でやりました(筆者注:4カ所で6回です)。YouTubeで配信しました。 参加者は200人足らずだったけど、参加しないのは県民が納得してるからだ」。

違います。反対です。よくわからない。聞きに行きたくても、時間の都合で行けない。ですから、ある意味では広報不足です。

それを逆手取って、「会場に来る人は特に不満がある人だけだ」というふうに言われたんでは、それは話が逆だな、と。

これだけ広い、230万の人口で190万の人たちに影響を与えるわけですから、そこをやっぱり県としては、いかにみなさんの納得を得るような説明会をやるか? というのを、当事者である担当部局が頭をひねって考えてほしい。

私たちは「各市町村でやってくれ」ということを重ねてやっていくし、パブリックコメントの取り直し、これは私たちの要求ですが、それに答えるんであれば、県のほうが、「では、こうしましょう」という県独自の案を出してもらいたいですね。

「6カ所3区切りやったから終わりです」。それでは、お答えとしてはあまりにも情けないなと思います。

東北放送

あえて、のお聞きの仕方になってしまうんですが、一昨年の11月議会で、みやぎ型管理運営方式を導入すること自体は、すでに承認をされているという格好になってます。で、その中でですね、今度は、いわゆる優先交渉権者に対して運営権を設定するという議案が、今回の議会に上ってますね。この段階においてのこういうふうな運動の実効性について、どのようのお考えになってますか?

佐久間敬子共同代表(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

2年前の12月に、条例が改定されたんですよね。あれは、みやぎ型を導入するっていうのではなくて、今までのように公共事業体が運営権も含めて担うという方式について、一部変わったんですよね。

「所有を県がして、公共事業体がして、運営を民間に任せるということでも、いいよ」という話で、みやぎ型導入にGOサインが出たわけではないんです。

私はその時に、建設企業委員会に参考人として呼ばれまして、ちょっと私の意見を述べてきました。

その時に、建設企業委員会の議長さんだったと思いますけども、「これが決まったからといって、みやぎ型を導入するのとイコールではないんですけども、それでも参考人は反対なんですか? 」と聞かれたんです。

だから、「全くその通りだけれども、いま現実を見れば、そういう本当の当たり前の理屈ではなくて、みやぎ型を導入するということがありきで、そのための条例改正となっている。だからそういう意味では、これが通ればフリーに、公営企業のままでもいいんだよと、みやぎ型でもいいんだよというんじゃなくて、もうみやぎ型にGOサインが出ると、そういう既成事実のようなものが敷かれてるから、反対なんだ」とお答えしたんですね。

だからこの時に決まったのは、別にみやぎ型を決めるという話ではなく、決めるのは、今回の6月議会ですね。

この時(2年前の12月)は、「みやぎ型という方法を、水道法の改正を踏まえてできるようになりました」ということですね。でも現実は、やはりみやぎ型にするということなんですね。

私たちは、6月議会で決まらなければ、公営企業でやってかまわないと思ってますよ。

昆野武裕さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

いいですか? さっきの質問なんですけども、20年間ということで、今回出すわけですけども、EU議会なんかでは、2015年かな、あまりにもいろんな問題があり過ぎたので、「コンセッション方式に関しては、期限を最大で5年とする」ということも決めてやってきてるんですよね。それほど問題が多いということで。

今回何で20年なのかということで、私、さっき聞いたと言いましたけども、その時に、宮城県PFI委員会の委員長増田さんも来ておりました。

帰りエレベーターの中で一緒になりまして、これ私的なことですけれども、「何で20年で先生OKしたんですか?」「いやあ、5年が付かなかったよね。自分は何か5年付けたかったんだ」みたいな話をしてました。

やっぱり、きちんと見直すということを、付帯決議でも何でも、付けるべきです。5年条項を。それがないと、20年間そのまま預けっぱなしということになってしまいます。何があっても手が出せないということになる。それだけは避けるべきだと思います。

あと、さっき優先交渉権者の話、出ましたけども、メタウォーター、あそこは2年前か、3年くらい前かな、いろいろ入札上で、各地でトラブルを起こして、大変な問題を起こして、「今後も入札に一切参加できないんじゃないか。」「今回も入れないんじゃないか」と言われてた会社です。

2年経ったんで、まあ法的にはあれなのかな? 罰金か何か払っておしまいということなんでしょうけども、そういう会社を筆頭にして、オリックスヴェオリアとそういうふうな10社で構成した、そういうところに、本当に預けてしまうということに関して、やっぱり報道は、もっと多くの情報を出していただきたいなと思います。個人的な意見です。

 

www.nikkei.com

www.metawater.co.jp

 

佐久間敬子共同代表(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

チラシにもありますけど、パリとかベルリンで失敗した、と。

パリはヴェオリアという会社がある所で、ここも、ヴェオリアスエズが、セーヌ川の右岸、左岸に分けて受注してたわけですね。で、料金がだんだん上がっていく、と。

それで、なぜ料金の値上げが必要かの情報が明らかでないということで、まあ、25年間我慢して、首長さんが変わったことがあって、25年間の契約が、終了の時に更新しないで再公営化というので戻ったんですね。

あとから調べたら、利益が上がっていたのは全部、役員報酬になっていた。それをやめて再公営化したら、たちどころに、8%料金下がってるんですね。そういうクリアーな事例があるんですよね。

そこのヴェオリアと、ここは子会社で違うけれども、まあ多国籍メジャーの思想というのは、一つの考え方で完結するわけですから、「パリでそれだけ利益上げるためにダメだったけれども、日本では違うよ」というわけにはいかないので、同じ資本の論理みたいなもので動いているわけですよね。

そういうことで、ヨーロッパで様々な失敗の経験をした水メジャー、日本の宮城県が大変水が豊かで良質で、そして、経営も今のところ危機的な状況ではない、そういうリッチなところに乗り込んできて、「ここで何とか利益を上げたい」ということだろうと思うんですね。

だから、そういうようなことを、私たちは特に非常に強く感じるんですね。そこについて何の心配もしないで、無防備に、20年間も、200万人余りの人たちの命と暮らしと、それから産業も関わってるわけですよね。「工業用水は産業の血液だ」と、県は言ってますからね。

こういうものを優しくして、そしてある意味でチェック体制もあまり厳密でない。能力がないですからね。「そんなことで不安を感じないのか? 」とつくづく思うんです。これはちょっと感情的な話になりますが。

こういうマズい前例があるなかで、しかも日本の会計検査院もコストの点検をしたら(PFI事業は)割高だったというのが出てる中で、何であえてそういう危ないものに、いま手を出すのか? 

 

news.goo.ne.jp

 

もう少しゆっくり考えて、よくよく、あれはどうだ? これはどうだ? そういうような様々な方式を考えて、それだけの能力とか技術がまだ残ってる今のところ、そこいら辺をよく考えてやるというのが、何でダメなのか? そういうことをつくづく思うんですね。

それから、県側もスケジュールありきなんだよね。とにかく6月に決めて、実施契約を10月ぐらいに結んで、厚労省の認可をもらって、来年の2月の末に初めて事業者から様々な詳細契約が出てくる。事業が始まる1カ月前。

お配りした資料の署名推進 News 第1号の裏面に書いてあります。

みやぎ型凍結署名 推進ニュース

             署名推進 News 第1号 裏面

 

<資料>各種計画書の策定というのがありますよね。ほとんどが事業開始の30日前までに確定すればいいんですね。

セルフモニタリングは、事業開始の90日前ぐらいまでに出て、それを協議して、確定するのは事業開始の1カ月前です。だから、2月末までに確定して、1カ月経って、4月1日から事業開始。

これが出てこないから、中身がわからないんですね。だから、中身をちゃんと明らかにして承認するんじゃなくて、とりあえず議会が承認した、と。その後、しばらく経ってから初めて、詳細なものが後から出てくる。順番が逆なんです。

だから私たちは、「おかしくないか? 」と言ってるんです。そうすると県は、「コンセッションっていうのは、こういうものなんですよ」と、なんか循環論法になってるんです。

じゃ、コンセッションにするのがおかしいんじゃないの? そもそも。公共事業で全体像が見えないままに、大切な県民の財産をお預けして、で、「いろんなことがわかるのは、事業を始める1カ月前ですよ」なんて、そういう逆立ちした話はないんじゃないか? というのが、私たちの考えですね。