宮城県の水道民営化問題

命の水を守るため、水道の情報公開を求めていきましょう!

《緊急学習会》 私たちの水はどうなるの?   みんなの声を届けよう!

2019年9月9日、フォレスト仙台 2 F フォレストホールにて、「《緊急学習会》  私たちの水はどうなるの? ~みんなの声を届けよう!~ 」が行われました。

私たちの水はどうなるの?

◆「みやぎ型管理運営方式」実施方針素案について(宮城県 企業局 水道経営課 水道経営改革推進班 大沼伸さん)

 

宮城県が運営する水道3事業 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

みやぎ型管理運営方式導入の背景 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

水道用水供給事業における水需要と料金の見通し  「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

民間の力を最大限活用 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

みやぎ型管理運営方式 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

みやぎ型管理運営方式 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

「みやぎ型管理運営方式」区域図 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

  

みやぎ型管理運営方式導入によるコスト削減効果 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

料金の上昇抑制 県民・市町村へ還元 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

みやぎ型管理運営方式スケジュール 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

事業契約と運営権の単位 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

  性能発注について 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

事業期間について 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

運営権対価 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

  運営権者収受額の改定 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

モニタリング等について 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

災害時の対応 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

事業継続性 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 事業者選定 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

経営状況をモニタリングStep 2 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

引継を義務付け  「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

県のチェック能力の維持 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

みやぎ型のモニタリング体制  「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

料金決定の透明 性 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

議会決議による料金決 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

工水の赤字補てん目的では? 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

地元企業の仕事がなくなる 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

料金上昇の抑制効果 「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について」より

 

参照サイト

宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式)について http://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/754488.pdf

 

大沼伸さんのお話

我々、よく新聞とかで民営化とか言われるんですが、民営化とは決して思っていませんで、あくまでも官民連携です。民間のいいところを、我々が使わせてもらうというふうに思っております。

まず我々が考えているのは、料金を確実に下げたい。それによって皆さんの負担にならないように、我々の経営基盤の安定化を図るという狙いであります。

ただ、これをやるうえでは絶対守らなくちゃいけないと思っているのは、水質とか、こういった品質です。これについては、絶対守らなくちゃいけない。これは、我々が思っているところです。料金を下げながら、今の水質とかそういう基準を満たしていく方法をということで、いま現在提案しているのが、このみやぎ型と言われるものでございます。

それに対して皆さんの意見、「これは甘いよ」とか「これは違うんじゃないか」とか、そういった意見をいま受け付けているというところでございます。で、見ていただくとわかるんですが、まだ基本方針でありまして、細かいところは決まっておりません。

それはどこで決まるかというと、ある程度は11月の議会で出てきますし、3月に募集するときに、要求水準書、これは水質にかかわるものとか、施設にかかわること、こういったものを細かく書く数値的なものが出てきます。

それと募集要項ですね。こういった形で募集していきますよ、たとえば、水質でありますと、業者さんは誰でもいいというわけではなくて、水道事業とか、水道事業をやったことがあるとか、あとは、ある一定規模じゃないとダメですよとか、そういったいろいろな縛りを入れながら、募集要項を出すと、その時点でかなり詳しく出てきます。

で、その後、競争的対話というのを業者さんと繰り返しながら、条件を決めていって、最後に契約という形になります。

今後この基本方針をもとに、いろいろ考えていくというもとになるものでございますので、非常に意見しずらいかなと思うんですが、たとえば、要望みたいなものでも構わないと思うんですね。三者委員会を設けるんであれば、たとえば、専門家だけじゃなくて、我々市民、県民を入れてください、他の人たちも入れてくださいとか、情報公開をちゃんとしてくれないと困りますよとか、そういった要望でも構わないと思いますので。何でも構いませんので、パブリックコメントをよろしくお願いしたいと思います。

いま現在行っているのは、ホームページ上で行っております。宮城県のホームページの水道経営課のホームページにアクセスしていただいて、ご回答いただく、と。

パソコン使える環境にない方については、宮城県庁の中の水道経営課とか、情報公開室というのが地下にありますけど、そういったところで見れるようになっておりますし、仙台市以外の方は、各合同庁舎の地方振興事務所のほうにブースを設けておりますので、そちらをご利用してください。 

 

 

◆「私たちの水はどうなるの?~みんなの声を届けよう!~」(NPO 法人アジア太平洋資料センターPARC 共同代表 内田聖子さん)

 

内田聖子さんのお話

 

水道を持続可能にするためにはダウンサイジングが絶対必要!

管路の更新については、現場の職員の方々は、自分の地域のどの水道管がどのぐらいサビているかをよくわかっている。水道管路は、必ずしも、40年経ったから全部ダメになるというわけではない。現場では、きちんと状況を見ながら、専門性と経験を持った職員の方々が、地域の業者さんとも提携をしながら計画を立てて、順次更新していっているので、インフラが大変なことになっていくと、あまり必要以上に恐れることはない。

90年代以降、行政改革の波が本格化し、自治体では職員を増やしたくても増やせない。公務員をカットしろという非常に強い圧力が中央から各自治体に下りてきている。そういう中でどんどん民間委託が進んでいくということが起こってきた。

人口が減少していく中で、消費者としてただ水道料金を安くしたいということだけを願うのは、自治としての水、自分たちがきちんと管理して、未来世代につないでいく責任を負うという立場からすると、「安くするからみやぎ型管理運営方式だということでいいのだろうか?」という根本的な疑問を持った。 人口が減って高度成長期に作ったダムやたくさん作られた浄水場、長く引かれた水道管、これらはすべて過大投資になってしまっている。なので、これから水道を持続可能にしていく一番のキモは、ダウンサイジングだと思う。 

民営化するとか、官民連携とかという話の大前提として、どうやって縮小していく人口に合わせたサイズの施設にしていくか、ここをきっちりと考えて、そのために公共のままだったらこういうプランがある、それが無理だから民間さんに少し手伝ってもらう、というような順番でやっていかないと、やっぱりおかしなことになっていく。

 

私たちは日々使う水の情報をきちんと理解してこなかった!

民間企業は、なんでもかなえてくれる魔法の存在ではありません。民間に任せたからと言って、7%という基準が出てましたけども、削減できるかというと、これはわからないですよね。そして、それが20年30年という長い契約の期間ずっと担保されるのか、これもよくわからない。じゃあ、ではやってみようかというふうに皆さんが選択するのか、いやそうではなくて、きちんと公共の手に水道というものを置いたままでやっていくのかという非常に大きな分かれ目に、いま宮城の水道は来ているのではないか。

水道料金の決まり方というのは、徐々に人口が減ってくると、一人一人の負担率というのは、よほどのダウンサイジングをしない限りは増えていく。特に人口がどんどん減っていくような市町村は、本来であれば、人口減少に伴って料金を上げていれば赤字は食い止められるが、住民は水道料金は上げて欲しくないと思いますから、議会でも首長さんも水道料金を上げようという提案は非常にしにくい。そうやって、おそらくこの20年30年ぐらいの間、私たちは料金を上げるということを非常にタブーにしてきたというか、「絶対そういうのはダメ」「料金上げたら選挙入れないよ」というような変なプレッシャーをかけてきて、健全な議論ができてこなかった。

実は日本の水道料金は、先進国から比べるとそんなに高くはない。むしろ安い。料金という数字だけではなく、どういう水をどこから運んできて、どのぐらいコストがかかっていて、だから今料金はこれぐらいだという、私たちが日々使っている水のトータルな情報を、きちんと理解するということをしてこなかった。

日本は明治の終わりごろ近代水道というのができて、以来130年ぐらいほぼ100%公共の水道をずうっと全国の自治体で維持をしてきた。世界でもまれに見る素晴らしい、非常に水質が高くて、漏水率が低い、世界でもトップレベルの水道サービスを実現してきたという先人たちのレガシーがある。そういう素晴らしいこれまでの水道に、私たちはあまり危機感を感じなくても、いつでも24時間365日水が好きなだけ手に入ってきた。だから、皮肉なことに、あまり考えないですんできた。唯一あるとすれば、災害の時、ホントに水のありがたさを感じます。 

 

国主導で進められてきたPFI、コンセッション、官民連携

さて、今話題になっている水道法の改正が2018年12月にあって、宮城県を含めていくつかの自治体でコンセッションということが始まっていますが、先ほど県の方のご説明で私がちょっと気になった点は、県の資料の中にはコンセッション方式だとは特に書いていないということです。

コンセッションというのは、そもそも水道法というよりは、PFI法です。プライベート・ファイナンス・イニシアティブという官民連携のスキームがそもそもあって、これは空港とか図書館とか病院とかいろんな施設ですでに起こっていることですが、水道はPFIのコンセッション方式というのはまだ全国どこにもありません。

唯一あるのは下水道のコンセッション契約を2018年4月に静岡県浜松市がやって、そして昨年いっぱいぐらい、今度は上水でもこのコンセッションやるんだと鈴木市長が提案をして、そこで市民が非常に懸念を持って大きな運動を起こし、粘り強く情報公開請求をしたり、いろんな情報発信をして、デモやったり、集会やったりして、今年の4月の市長選・市議選の一つの争点にもなり、今、浜松での水道コンセッションは止まっている。市長さんがさすがにちょっとこれはやってはまずいと思われたようです。

国のほうは水道事業であれ、空港であれ、鉄道とか公共施設であれ、PFI、コンセッション、官民連携というのをどんどん増やそうと、この10年ぐらいずっといろんな政策を掲げてきました。

 

現状の民間委託とみやぎ型はまったく違う!

なぜコンセッションという言葉を使わないのかなと思ったのかというと、PFI、コンセッションにする、つまり運営権というものを設定して、それを企業に売却するわけです。県が持っている運営権を企業に20年という期間売り渡す。そのことと、今までずっとやってますよと言っているいわゆる民間委託、つまり、行政がお金を出して業者さんに運営をお願いしますという話は、全く違うんです。単純に契約期間が4~5年だったものが20年になるとか、契約の単位が事業ごとであるとか、みやぎ型であれば9事業一体であるとか比較して県の資料には書かれているが、そもそもの経営権の所在が違う。これまでは県が持っていた経営権が、みやぎ型では完全に企業に移るわけです。

ですから、先ほどの従業員の雇用の話というのは、非常にそこを表す象徴的なご質問だと私は感じました。従業員の雇用が安定するかどうかというのは、企業の裁量に完全になりますから、もちろん安定してほしいとみんな思いますけれど、それはわからないということになってしまう。単純に契約期間が変わるとか、契約の単位が変わるという以前の前提として、経営をする権利というものが企業に移っちゃう。これは、オーナーシップの問題です。今までは県のものであった水道事業、つまり県民のものということですね。税金でやってるんですから。それが、20年という年限は限られてはいるものの、経営をする権限が企業の方に移る。そこが現状との根本的な違いです。

モニタリングはきちんとできるのか、情報公開はきちんと県民や行政の側になされるのか、料金はどうやって決めるのか、といういろんな問題が出てくる。基本的にあり方自体が大きく変わるということを、私たちはきちんと知るべきですし、できれば、県のご説明の時にもそういう形で言っていただけるといいんじゃないかと思います。

 

県(住民)ではなく、企業が水道をコントロールするのが、みやぎ型だ!

みやぎ型というのも、コンセッション方式の一つだが、その場合、いろんな論点がある。最大の問題は、水という私たちの暮らしに欠かせない、命に欠かせない事業の経営が、今までの県から企業に移るということは、私たち住民からすれば遠くなっていくということです。つまりコントロールができない。「しますよ」というのがご説明であったんですけれども、「しますよ」というのは、そもそもできなくなるから「しますよ」と言うのです。

たとえば、浜松で下水のコンセッションがすでに始まっているのですが、いろんな問題が出てきているんですね。28年6月から公募があって、一社だけでは巨大な水道事業は担えませんので、だいたいの場合はコンソーシアム企業を作って、その企業が自治体と契約をしてやっていくんですが、ヴェオリアとかオリックスとか東急建設とか須山建設というのだけ地元の企業で、グループがあってやっていくということなんですね。20年間で86億円のコスト削減だとか料金の総額は変更なしとか、たぶん今皆さんがここで学ぼうとしているようなプランを提示されてやっていくという流れは変わらないのですが、下水道の場合は、非常に住民が何も知らない間に決まってしまったというのがあります。

それで今度は上水になるということで、みんなが立ち上がってやってきたという経緯がありますが、そういう中で浜松では、今年に入って、市の側がコンサルタント会社にコンセッション事業を実際にやった場合どういう効果があるのかということを導入可能性調査として委託をして、これは国が1億3千万円ぐらい全額補助金をコンサル企業に出して結果をまとめた。当然「これはやったほうがいいですよ」という結果になったんですが、後になって住民が情報開示請求を本当に粘り強くして、いくつかの記録から、なんと市の側がコンサル企業に対してコンセッションが最善だというふうに書いてくれと伝えていたという大問題が発覚して、静岡の新聞が報じた。これがさらに浜松での運動を強化していった。

 

改正水道法が目指したのは、苦しい状況にある市町村水道の基盤強化だった!

先ほど言ったように、全国どこでも高度成長期に作った施設は過剰施設なので、絶対縮小していかなくてはいけない。みやぎ型では、IoTを使うだとか、薬品を一括で買ってコストを安くすると言っているが、おそらくそこの点での縮小というのはわりと少なくて、やっぱり施設をどうやって統廃合していくかということが非常に大きい。

これは宮城のいろんな方が指摘されているが、今回のみやぎ方式というのは、県の事業、卸売りの部分なんですよね。本来水道法の改正が促進しようとしていたもともとの一番の目的というのは、コンセッションの導入ではなく、やっぱり苦しい各地の自治体がきちんと広域化をして、ダウンサイジングをして、持続可能な地域の水道を作ろうと、そのために国がやるべきこと、県がやるべきこと、自治体がそれぞれやることがいろいろあるわけですけれども、きちんと広域化をして経営基盤を強化しましょうということだった。ですが、宮城の場合は、県の事業で、しかもこの9事業に特化した広域化とコンセッションというのがバンと入ってくると、今まで広域化をやろうと、宮城の県内にいろんな自治体が統廃合してやっていこうというプランがあったのに、 そこが全く手つかずになってしまうのではないかという懸念があります。つまり本当に苦しい状況になっている各市町村、お水を皆さんに最後に届けている市町村に対する基盤強化であったり、支援策であったり、そういったものは、一体いつ、どういうふうにやられていくのか? 県が全部やる必要はないですけれども、県はそこに対してどういう支援をしていくのかなということが一番気になります。

 

公共のままでの改革案と比較しての検討が必要!

今までの委託とこのコンセッションというものは全然質が全く違うものだということは、みなさんもぜひ押さえていただきたいと思いますし、いくらコストカットできますよというのも、ダウンサイジングをしてこれぐらい、IoTを使ってこれぐらい、民間に任せてこれぐらい、もうちょっと細かい内訳が出てこないと、判断ができないですよねおそらくIoTを使うだとかいろんなことっていうのは、別にコンセッションで運営権を民間企業に売却しなくても、今ある公共のままでも、出来ることはいくつかあるわけですね。そういうことも検討したうえで、それを比べてみないといけない。公共のままでやっていった場合にどうなるのかと、いろんな改革案があると思う。そこは対案としてあるのかどうかということも、非常に気になりました。

 

今まで利害関係企業の声を5年間聞いてきた。これからは県民の声を5年間聞くべき!

みやぎ方式は今パブコメが行われているが、そもそもの計画が立ち上がった経緯は、もっともっと前で平成26年ぐらい、つまり5年ぐらい前にすでに、公共資産の民間開放というそれだけ聞くと私は怖くなっちゃうんですが、公共でずっと作ってきた公共サービスとかいろんなメカニズム、システムというものを民間にどんどん開放していこうというのが、東京の未来投資会議という政府諮問機関の中で成長戦略はこれだいう形で、非常に強く推奨されてきて、竹中平蔵さんとか民間議員と言われる人たちが水道も全部民間に解放しようといろんなものを規制改革していこうとものがプランとして出されてきたんですが、平成26年27年ぐらいには、宮城県の村井知事も宮城県の上・工・下水道の一体化、公共資産の民間開放を積極的に取り組むんだというようなことを未来投資会議等ですでに5年前からおっしゃっています。

そこからいろんな計画がどんどんできていって、平成28年度ぐらいからみやぎ型管理運営方式の大枠が出来上がってきたと言われています。平成28年といっても3年も前で、最近このみやぎ型を知ったという方にとっては、なんだ5年も前からこういう計画をしていたのかという意味では、結構衝撃じゃないかと思う。計画を作る側は何年も前から、いろんな会議体も東京にあって、いろんな企業とのコンサルさんも沢山関わっている。このみやぎ方式のプランが本格化するなかで、おそらく宮城県内でもいろんな会議が何回も開かれていらっしゃいますけれども、議事録を拝見すると、水道に関わっている企業とか業者さんとか銀行とかコンサル企業が中心で、なかなかいまの今まで市民の人たちの声と言うのはきちんと届いていませんし、情報は十分に開示されていないと思う。遡って参加するということはできません。ですから逆に、5年も前からやってきたプランであれば、絶対にそれは拙速に、この秋の議会ですぐ決めて、来年業者さん選定して再来年実施というそういうスピード感では、ちょっと県民がすごく置き去りになってしまうので、同じだけの時間、きちんと情報が開示されること、そしていろんな懸念がある程度議論を尽くして反証されるということは絶対に必要だと思う。

 

皆さんにとっては、10月に県議会選挙があります。これは非常にいい機会です。

浜松もちょうど市議選が今年の4月にあって、その前に住民の皆さんが、与党野党問わず一斉にコンセッションについてのアンケート調査をすべての候補者に出して、それをバンバンバンバン、ネットでも公開して、そうすると、自民党の議員さん、公明党の議員さんも、全員じゃないんですが、やっぱりコンセッションというのには非常に慎重だと回答を出したのが多かったです。それは、一つ大きかったのは、管工事をやっている、メーターの検針をやっている地元の業者さん。浜松の場合は宮城と違って県の事業ではなくて市の事業ですから、もう蛇口に届くまでのところを全部コンセッションという形なので、より身近に感じられるということもあるんですが、やっぱりいわゆる民営化をしてしまったら仕事が来なくなるんじゃないか、浜松は水が非常に豊かで今は黒字経営なんですが、そういう中で、どうして「やってみなきゃわからない」というような博打を打つような形のコンセッションをやっていかなきゃいけないのかということで、いわゆる保守系の方、与党系の議員さんも反対はしていないが、ちょっと待ったという形になっていったという流れが非常に大きかった。

選挙の時に、思想信条を超えて、水は思想信条を超えて誰にでも必要なものですから、自分たちの水は、最終的にだれがどういうふうに担っていくべきか、判断をしたいが情報がない宮城県議会でも、まだまだ山のようにわからないこととか、疑問点がある状態だと聞いているので、やっぱりそれは尽くしてほしいと、そういうことを優先事項にしてくれるような議員さんをきちんと選ぶことが重要だと思う。