宮城県の水道民営化問題

命の水を守るため、水道の情報公開を求めていきましょう!

水から始める民主主義を本気で実現するひとしずくプロジェクトを始動します!

みなさん、こんにちは! このブログの筆者ひとしずくです。

これまで3年間あまり、みやぎ型管理運営方式という宮城県の水道民営化をめぐって、その当事者である宮城県に住む人々や、問題意識を共有してくださり、宮城県の動向を見守りつつ、全国から応援してくださった方々が、どのようなことを考え、語り合い、どういった議論を経て、さまざまな行動を起こしていったのかについて、非力ではありますが、でき得る限り克明に記事にしてまいりました。

数え切れないほどたくさんの方々にご協力をいただき、熱心に読んでくださるみなさんがいらっしゃったからこそ、ここまでブログを続けることができました。

関わってくださったすべてのみなさんと、ご一緒に作り上げてきたと言っても過言ではありません。心からの感謝を捧げたいと思います。

3年前、このブログを始めた目的は、未来の世代のために、宮城県の水道が民営化されるに至った経緯を詳細に記録することでした。

水というすべての生命を支える最も重要な問題に対して、この時代に生きた人々がどのように向き合い、どういった困難に阻まれたのか、誰かが書き残しておかなければいけないと考えたのです。

残念ながら、宮城県ではみやぎ型管理運営方式が開始され、企業が私たちの命の水を儲けの手段にすることを止めることはできませんでした。

「命よりカネ」の圧力に抗う民主主義の力が、この地ではあまりにも弱かったのです。私は、「このままでは、水道の再公営化を目指すことも、心許ない」という鬱々とした思いに深く沈み込んでしまいました。

そんな時に、敬愛するオードリー・タンさんの本を読み、大変勇気づけられました。

オードリー・タンさんがデジタル大臣を務める台湾では、人と人をつなぐデジタルの力を使って、多様な人々の視点を問題解決に生かすソーシャルイノベーションが活発に行われ、みんなが参加できる社会システムの構築が急速に進められています。

 

 

私は、公開されている動画や書籍で彼の問題へのアプローチの仕方を学び、この地域の命の水をめぐる問題を解決するために用いることによって、本当の民主主義を育てていこうと決意しました。

 

世界にデジタルが登場してから起こった変化の一つに、「誰もが、自分の視点で世界に貢献できるようになった」ということがあります。

(「まだ誰も見たことのない『未来』の話をしよう」語り オードリー・タン 執筆 近藤弥生子 SB新書574 SBクリエイティブ  ©2022 18ページより)

 

社会問題について意見を述べようとする時、私たちはつい、「自分はそのことに関してあまり知識がないから、まずは勉強をしてから」と考えてしまったり、その分野の有名な先生の講演を聞いたり、本を読んだりして、それでわかったような気になってしまったりしがちです。

もちろん、専門家の知見に学ぶことは大切です。けれども、あなたという世界に唯一無二の人にしか見えないこともあるはずです。同様に、すべての人に、その人にしか見えない何かがあります。そのことは、もっと注目されるべきです。

「自分なんかが感じていることや、考えていることなんか、大して意味がない」と思ってしまうかもしれませんが、オードリー・タンさんが言うように、「世界にデジタルが登場してから起こった変化の一つに、『誰もが、自分の視点で世界に貢献できるようになった』」ということがあります。

実際、国内では全く売れないようなニッチな商品や、関心を持たれることが少ない事柄も、時空間を超えるインターネットを通じて情報発信をすると、それを求める人が意外といたりすることはよくあります。

ただ、どんな原石も磨かなければ、その真の輝きが姿を現すことはありません。きっかけは、素朴な疑問や意見だったとしても、それを深掘りして考えたり、他の人々と議論を重ねたりしながら、ブラッシュアップしていくことによって、社会の課題を解決する素晴らしい何かが生まれる可能性につなげていくことができます。

 

社会問題とはだれかが解決してくれるのを待っていたり、自分一人で解決しようとしても永遠に一部分しか解決できません。異なる能力を持っていたり異なる角度で物事を見る人が、自分とは異なる部分の問題を解決できるのです。だからこそ、皆で分担して問題を解決するということが非常に大切です。そして解決方法をシェアしていくこともまた、とても大切です。こうした姿勢を「オープンイノベーション」と呼び、この姿勢で社会問題の解決にあたることを「ソーシャルイノベーション」といいます。

(「まだ誰も見たことのない『未来』の話をしよう」語り オードリー・タン 執筆 近藤弥生子 SB新書574 SBクリエイティブ  ©2022 75ページより)

 

ひとしずくプロジェクトは、このソーシャルイノベーションのプラットフォームを目指します。メンバー間のコミュニケーションがより円滑になるようなシステムを作り、命の水をめぐる様々なテーマについて、それぞれ分科会のようなコミュニティを形成して議論を深め、様々な情報を蓄積して活用できるようにしていきます。

 

現在、ひとしずくプロジェクトでは、スタートメンバーを募集しています。

 

解決したいテーマを自ら掲げて、調査研究やディスカッションを主導したいという方がいらっしゃいましたら、Twitterアカウントの ひとしずく #命の水を守ろう! までご連絡ください。 ↓

ご自分が極めたいと思われるテーマについて、具体的な内容を2,000字程度にまとめていただき、OneDriveで共有してくださると、あなたのテーマを深めていくためのコミュニティをスタートさせることができます。

命の水を守ることを通じて公共の福祉と持続可能な社会に資するテーマでしたら、制限は特にありませんので、ご自由にお寄せいただければと思います。ご参考までに下記にテーマの事例を挙げさせていただきます。

・すべての人の水へのアクセスを保障するベーシックウォーター

・水源涵養林の保全をめぐる林業、メガソーラーの問題

・水道現場の労働環境の改善と人材育成

・下水道、工業用水道がもたらす環境負荷を監視するシステムの構築

・住民間のつながりや意見交換の場の形成

・住民目線の行政や自治体議会をどう作っていくか

・水道事業の経営に関する会計分析

・セキュリティや知的財産権をめぐる問題

・水分野におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の動向を把握する

・地下水をめぐる問題

・地域経済や歴史、文化との連携

・住民が参画できる多様な水道事業の模索

携わりたいテーマについて、ご相談や意見交換をなさりたい方も、お気軽にTwitterアカウントまでお問い合わせください。

フラットな関係で信頼と友情を育みながら、息の長い活動にしていきたいと思います。

みんなで価値あるアイデアを作り上げるプロセスを、ご一緒に楽しみましょう!

 

 

台湾のPDIS(Public Digital Innovation Space)のブログ です ↓

pdis.nat.gov.tw