宮城県の水道民営化問題

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9/16 県議会一般質問では福島かずえ県議のみやぎ型に関する質疑応答が、県庁前では日本の水まもる隊が呼びかけた宮城県水道民営化反対スタンディングが行われました!

2021年9月16日、宮城県議会の一般質問において、福島かずえ県議がみやぎ型に関する質問をしました。それに合わせ、日本の水まもる隊の呼びかけで、宮城県庁前で宮城県水道民営化反対スタンディングが行われました。

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福島かずえ県議の一般質問でのみやぎ型に関する質疑応答

 

        福島かずえ県議 Facebook より

 

miyagi-pref.stream.jfit.co.jp

 

福島かずえ県議(日本共産党宮城県会議員団)

日本共産党の福島かずえです。

(中略)

最後に、みやぎ型管理運営方式という名の水道事業民営化と広域化の問題点について 伺います。

知事は6月28日の定例記者会見で、みやぎ型管理運営方式の課題について問われ、次のように述べています。

「広域化をして一つの水道事業だけでなく、二つ三つの水道事業を足し合わせて大きくしていく、あるいは、県のやっているみやぎ型との垂直連携により一緒にやっていく。これが非常に大きな課題だと思います。各家庭の入り口のところからダムまでを一つにするというのが垂直連携ということです。

市町村がどうするのかということをこれからしっかりと導いていかなければなりません。

私は垂直連携の方が大きな効果は出るんじゃないかなと思います。これは20年間の大きな課題ということで、次の方にバトンタッチしたいと思います。」

この発言で、知事が市町村までの垂直連携を視野に入れて、今回のみやぎ型を推進していることが明らかです。

メタウォーターグループが作ったSPC=特定目的会社と県との実施契約書にも、SPCが、市町村の水道、下水道、浄化槽や集落排水事業に、コンセッションでも、委託事業でも、参入できる条項があります。

垂直連携で、各家庭の蛇口からダムまでを一つにすることを知事は望み、それを推進しようとしていますね。いかがですか? 知事に伺います。

現在、環境生活部において、市町村水道の広域連携、すなわち事業統合、合併を目的に、調査や推進プラン作りが進められています。

しかも、19年度のシュミレーション調査、20年度水道広域化推進プラン策定の調査、 検討、21年度プラン策定のための検討推進業務、これら全てを、SPCの株主であるコンサル企業の日水コンに委託しています。

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宮城県上工下水一体官民連携運営事業(みやぎ型管理運営方式)メタウォーターグループ提案概要 4ページより

https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/853756.pdf

 

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株式会社みずむすびマネジメントみやぎ 株式会社みずむすびサービスみやぎ HPより

https://www.mizumusubi.com/home

 

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株式会社みずむすびマネジメントみやぎ 株式会社みずむすびサービスみやぎ HPより

https://www.mizumusubi.com/home

これは、県事業との垂直連携で、各家庭の蛇口からダムまで一つにして、SPCまたはヴェオリアが実権を握る運転維持管理のOM会社が独占的に仕事ができるプラン作りを、SPCとOM会社の株主企業が受注するという構図です。

このようなやり方は、公平性や競争性に反し、道義的にも許されない進め方と言えますが、知事の考えを伺います。

「SPCがOM会社に対して、20年間の長期にわたり入札もせずに、全ての浄水場や浄化センターの維持管理運転業務を委託するのは、独占禁止法違反になるのではないか?」という意見が寄せられました。

企業局に質問したところ、公正取引委員会東北事務所へも相談し、SPCとOM会社の契約は、随意契約等の契約方法を問わず、当事者の個別判断、民間同士の契約であり、問題ない」という結果を報告されました。

しかし、この判断を用いれば、SPCが発注する改築工事や修理工事も全て、入札を行わず、随意契約でもいいとなります。たとえば、SPCの株主であるゼネコンやメーカーが、随意契約で高値で受注しても、それは構わないということです。

改修工事での費用増は、SPCの人件費や更新費を削減すれば、全体として抑えることが可能です。SPCから先の契約状況は、まさにブラックボックスと言えます。

公の仕事によって、特定の企業グループが独占的に利益を上げることは許されることではありません。官民連携という一部民営化で、特定企業に特権を与える 今回のみやぎ型管理運営方式は撤回すべきです。知事にお考えを伺って第一問といたします。ご清聴ありがとうございました。

村井嘉浩知事

(前略)

次に大綱三点目、みやぎ型管理運営方式という名の水道事業民営化と広域化の問題点についてのご質問のうち、市町村の水道事業とみやぎ型管理運営方式との垂直連携についてのお尋ねにお答えいたします。

県では、市町村と水道事業体の経営基盤強化を図るため、全ての水道事業体が参画した水道事業広域連携検討会における議論等を踏まえ、来年度までに、水道広域化推進プランを策定することとしております。

水道広域化にあたっては、水平連携ですね(と両手を水平に開いて示し)、水道広域化にあたっては、共同発注、施設の共同利用等の水平連携や事業統合のほか、みやぎ型管理運営方式の運用権者に業務委託を行うことなども、一つの選択肢となりますが、これらはあくまで、水道事業体がそれぞれの事業環境を踏まえ、主体的に検討し実現していくものであります。

県といたしましては、今後も、垂直連携以外の選択肢も含めて、水道事業体との意見交換も丁寧に行いながら、プランの策定と水道事業の広域化を推進してまいりたいと考えております。私からは以上でございます。

櫻井雅之公営企業管理者

大綱3点目、みやぎ型管理運営方式という名の水道事業民営化と広域化の問題点についてのご質問のうち、特定企業が利益を独占する恐れがあるみやぎ型管理運営方式は撤回すべきとのお尋ねにお答えいたします。

みやぎ型管理運営方式は、民間の創意工夫を最大限に引き出すため、PFI法に基づく コンセッション方式を採用しており、同法および国のガイドラインにおいては、SPCが行う業務委託や工事の発注方法に特段の制約を定めておりません。

一方で県としては、公正で効率的な事業運営について説明責任を果たす必要があることから、外部有識者等からなる経営審査委員会をはじめとした三段階のモニター体制を構築し、SPCが行う事業の運営状況を確実に監視していくこととしております。

みやぎ型管理運営方式は、県が事業の最終責任を担いながら、民間の力を最大限活用し、将来の料金上昇抑制を図る、県民の利益を第一に考えた取り組みであり、来年4月からの事業開始に向けて着実に準備を進めてまいります。私からは以上でございます。

鈴木秀人環境生活部長

(前略)

次に、大綱三点目、みやぎ型管理運営方式という名の水道事業民営化と広域化の問題点についてのご質問のうち、市町村水道広域化に関する調査等の業務をSPCの株主が受託していることについてのお尋ねにお答えいたします。

みやぎ型管理運営方式における優先交渉権者は、外部有識者等で構成されるFPI、あ、 失礼しました、PFI検討委員会において、今年3月に選定されたものであります。

一方、県が策定する水道広域化推進プランに係る業務受託者は、令和元年度から毎年度、公募型プロポーザル方式により選定されたものであり、いずれも公平公正で厳格な審査を経て決定したものです。

市町村等水道事業体の経営基盤強化の方法については、水平連携や垂直連携をはじめとした様々な広域連携策の中から、水道事業体が主体的に検討を行い、決定するものであります。

さらに、当該連携策の実施に必要となる事業者の業務の受託者も、水道事業体ごとに、それぞれ入札やプロポーザルなど、公平公正な手続きを経て決定されるものであることから、SPC株主企業による業務独占につながるものではないと考えております。私からは以上でございます。

福島かずえ県議(日本共産党宮城県会議員団)

ご答弁ありがとうございました。初めに水道問題です。

知事に伺います。引用した記者会見で、知事は宮城県と市町村水道が垂直連携する方が大きな効果が出ると言いました。どんな効果ですか? 知事に伺います。

村井嘉浩知事

はい、あのう、おー、同じように規模が大きくなることによるスケールメリットという意味であります。

福島かずえ県議(日本共産党宮城県会議員団)

知事は、2017年3月の日経地方創生フォーラムで講演して、「水道から蛇口までを一体管理することにより、民間の投資対象として魅力が増す」と言っております。

つまり、大きな効果というのは、参入企業の利益が大きくなるという意味でありませんか? 知事に伺います。

 

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上工下水一体官民連携運営の検討(みやぎ型管理運営方式の構築に向けて) 宮城県知事 村井嘉浩 27ページより

https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/618966.pdf

村井嘉浩知事

いや、あの、全く違いまして、これは、あの、自治体そして県も含めてですけども、にメリット、そして、それがひいては、県民、えー、利用者のメリットにつながるという意味であります。

福島かずえ県議(日本共産党宮城県会議員団)

市町村水道の広域化プランのコンサル、えー、今年度は、優先交渉権者のメタウォーターグループが決まって、ま、そこに日水コンが入ったということが、すでに決まってから、ま、日水コンを、そのコンサルに決めたという経緯があります。

SPCの株主であり、OM会社の株主でもある日水コンが、今後の広域化プランを進めていくというのは、どう考えても我田引水になるのではないか? と思いますが、知事に 伺います。

鈴木秀人環境生活部長

申し上げましたが、それぞれの業者を選定する過程の中におきましては、それぞれの、あの、手法で、あの、選定、あの公平、えー、公平公正にですね、しかも、あの、競争原理は働かせながらやってるということでありますので、あの、まあ、先ほどご質問にあったような業務特性にはつながらないというふうに申し上げたこところでございます。

福島かずえ県議(日本共産党宮城県会議員団)

優先交渉権者の選定の仕方ではございません。「広域化プランのコンサルは1社しか、日水コンしか応募してなくて、そこに決まったということ、これはおかしいんじゃないですか? 」 と言ってるんです。

鈴木秀人環境生活部長

はい、プロポーザルした結果、応募した企業が、1社だけだったということでありますので、あの、ま、そういう、あの、先ほどお答え申し上げたようなことでございます。

福島かずえ県議(日本共産党宮城県会議員団)

知事はこういう選び方、どう思いますか?

村井嘉浩知事

問題ないと思います。

福島かずえ県議(日本共産党宮城県会議員団)

日水コンがプランを作り、垂直連携で蛇口から水源まで一体管理して、まあ、独占的に自分たちが仕事を取っていく。ま、こういうことが十分に考えられます。

で、そんなことは許されません。特定の企業グループに特権、利権を与えるみやぎ型と、そして、上からの水道広域化はセットでやめるべきでございます。今ならまだやめることが可能ですが、いかがですか?

村井嘉浩知事

ハイ、あのう、粛々と進めていきたいと思います。

福島かずえ県議(日本共産党宮城県会議員団)

ま、引き続き委員会でも伺いたいと思います。

(後略)