宮城県の水道民営化問題

命の水を守るため、水道の情報公開を求めていきましょう!

9/9県庁前での「日本の水まもる隊」の宮城県水道民営化反対スタンディングと、大内真理県議の代表質問でのみやぎ型に関する質疑応答です。

2021年9月9日、宮城県議会で9月定例会が行われる中、日本の水まもる隊が、宮城県庁前で、午前10時から午後1時にかけて宮城県水道民営化反対スタンディングを行いました。

この日の県議会では、大内真理県議が、午後3時からの代表質問でみやぎ型についての質問をしました。

 

日本の水まもる隊の宮城県庁前水道民営化反対スタンディング

 

 

スピーカーの言葉

それでも、みなさん、仕方がないと思いますか? 黙ってられますか?
私はもう、他人任せは、ここでやめようと思います。
一緒にノーと意思表示しませんか?
水は、私たちの大切なライフラインです。

子供たちの未来と宮城県のきれいな水を守りたい!
ただそれだけです!

水道民営化日本初で、宮城県スタートとなれば、次、この余波がどこへ行くのかわかりません!
大阪では、宮城県で水道民営化が可決されたことを懸念し、すでに反対署名活動が始まっております。

新潟県妙高市にお住まいの方々は、来年から水道民営化ですよ~
大丈夫ですか~

気付いたときには、民営化やってきてます。
飲み込まれるのなんて一瞬です。

水道民営化は、もはや宮城県の問題ではなく、日本の問題です。

 

 

日本の水まもる隊

             日本の水まもる隊のチラシ

ブログ筆者注

1)チラシ右上のパリでの料金グラフの2010年再公営化の下に記述されている「初年度で約45億削減 料金・8%」に関しては、下記をご参照ください。

「オー・ド・パリ」は再公営化のために、かなりの額の初期費用をかけなくてはならなかったが、それにもかかわらず、初年度から3500万ユーロ(約42億円)もの経費を節約してみせたのである。

 この節約分を原資として、「オー・ド・パリ」は翌11年の水道料金を8%下げることに成功した。

(「水道、再び公営化! 欧州・水の闘いから日本が学ぶこと」岸本聡子著/集英社新書 ©2020 47ページより)

 

2)「イギリスは利益が株主へ渡り民営化禁止」に関しては、下記ご参照ください。

 このように、下院・公会計委員会からPFIのデメリットを手厳しく指摘され、政府も長年の政策を放棄するしかなくなった。

 そして、ついに財務省が新規のPFIを凍結すると宣言したのだ。2018年10月のことだった。その際、財務大臣は「官民パートナーシップは金銭的なメリットに乏しく、柔軟性がなく、そしていたずらに複雑だった」と記者らに弱音を吐いている。

(「水道、再び公営化! 欧州・水の闘いから日本が学ぶこと」岸本聡子著/集英社新書 ©2020 81ページより)

 

 イギリスは水道の運営権だけでなく、水道施設すべてを民間企業に売却する「完全民営化」を世界に先駆けて実施した国である。新自由主義的な改革を始めた、あのサッチャー政権の時代のことだ。

 イングランドウェールズの水道公社10社を1989年に株式会社化し、施設所有権までをふくめてすべて民間に売却し、イギリス政府は52億2500万ポンド(約7315億円)の株式売却益を手にした。だが、景気のよい話はここまでだった。サッチャーが水道事業を売却してから28年たった2018年の時点で、10の水道会社は合計510億ポンド(約7兆1400億円)の債務をもつにいたった。

 ところが、この10社は、じつは必要のない借り入れを故意に繰り返していたのである。その目的は次の三つだ。

 

 ① 借入金をふくらませて、税金の支払いを少なくする

 ② 株主への多額の配当を確保する

 ③ 漏水率の改善など、必要なインフラ整備をサボタージュする口実として借金をする

 

 グリニッジ大学のデヴィッド・ホール氏らの調査によれば、2007年以降この10社が株主に配当した金額は年間平均18億1200万ポンド(約2537億円)にのぼる。民営化以降の30年間の総額では、560億ポンド、およそ7兆8000億円という巨額な数字になる。

 民間水道会社はこの巨額の配当金を支払うために借金を重ねた。そして借金とふくらむ利子の返済に水道利用料金が使われ続けた。ホール氏の研究グループによれば、年間12億ポンド(約1680億円・一世帯の負担額は年間53ポンド=約7420円)を、債務の返済のために使ってきたのだ。

 この事実に市民が敏感に反応した。水道事業が公営なら、株主への配当は必要ない。また、借り入れをするにしても、利息の高い民間の金融機関ではなく、低利の公債で調達できるので、支払利息は大幅に少なくできる。いや、そもそも公営水道なら数兆円単位の借り入れなどしなかったはずだ――。

(「水道、再び公営化! 欧州・水の闘いから日本が学ぶこと」岸本聡子著/集英社新書 ©2020 82~84ページより)

 

 

 

3)ボリビアで水道が民営化されてどのような影響があったのか? については、ボリビア水戦争のリーダーだったパブロ・ソロンさんが、2002年3月24日に来日し、「世界水フォーラム・プレシンポジウム」で、スピーチを行いました。

am-net.org

am-net.seesaa.net

 

4)米ピッツバーグ市での水道水の鉛汚染問題については、下記をご参照ください。

 鉛汚染をうけて公共水道機関は2016年10月、「ヴェオリア社は水道供給を独占的に受託しているという立場と信頼を悪用して水道水の管理を怠り、われわれを欺いた」として訴訟を起こし、1250万ドル(約14億円)の損害賠償を求めた。これは、公共水道機関がヴェオリア社に支払った金額と同額である。

 ヴェオリア社は「グローバルな水問題と環境問題を解決する企業」と自認するが、世界各地で、環境汚染、健康被害、賄賂、水道料金をめぐって訴訟を含む紛争が絶えない。事実関係が調べられるなかで2018年1月、ヴェオリア社が鉛汚染の責任の多くを逃れていたことが明らかになった。ところが、1年以上に及ぶ非公開の調停の結果、ヴェオリア社と公共水道機関は「申し立ても要求もお互いに行使しないし、認めない」という共同声明を発表したのだ。そこでは、以下のように述べられている。

「濃度が上昇した原因は、水道管と建物をつなぐ管やそれらをつなぐポンプの老朽化、サンプルの取り方の問題などである。公共水道機関とヴェオリア社のどちらの行為が原因であるかは判断できない」

 ピッツバーグ市のウィリアム・ペドゥトー市長は、本来ならばスタッフの給与と設備維持に使われるはずの税金がヴェオリア社の懐に入ったと、契約の問題点を2017年3月に行われた公聴会で指摘した。

「2012年に結ばれた契約では、コスト削減をすればするだけヴェオリア社への支払いが増える。ヴェオリア社にコスト削減の動機付けを与えたのだ。では、どこでコストを削減するのか。それは、スタッフの解雇と必要な投資の見送りである」

 しかも、水質が悪化したにもかかわらず水道料金は上がる。ヴェオリア社との契約から1年後の2013年、以後4年間の水道料金の20%値上げをピッツバーグ市議会は承認した。

 ピッツバーグ市の職員たちは、ヴェオリア社との調停結果に納得していない。また、アレゲニー郡のチェルシー・ワグナー監査委員は声明文で、次のような趣旨を述べている。

 「この調停で、ヴェオリア社は進行中の鉛汚染問題という窮地を抜け出した。同社は契約が終了すれば、ピッツバーグ市から去ることができる。だが、市民たちは移動できないし、問題の解決まで向き合っていかなければならない」

 実際、調停に合意はしたものの、鉛汚染は解決していない。2018年1月に発表された水質検査による鉛濃度は21ppbで、国の安全基準である15ppbを大きく上回っている。

 2012年からの3年間でヴェオリア社は少なくとも1100万ドル(約10.5億円)以上の利益を上げたが、鉛汚染の解決にその利益を使うことはない。他方、公共水道機関は17年末にペンシルベニア州環境保護局から240万ドル(約2.6億円)の罰金を科された。罰金の理由は、鉛などの重金属を水道水から除去する化学薬品を許可なしに変更したうえに、鉛濃度が国の基準を超えたためである。いずれも、ヴェオリア社の管理下で起きたものだ。

 調停には、ヴェオリア社が490万ドル(約5.4億円)以上の報酬要求を取り下げ、水道料金を支払えない世帯のための基金に50万ドル(約5500万円)を寄付することが含まれていた。しかし、この寄付金は240万ドルの罰金を考えると大きな意味を持たない。

(「日本の水道をどうする!? 民営化か公共の再生か」内田聖子編著/コモンズ ©2019 72~74ページより)

 

 

5)みやぎ型契約解除の違約金については、実施契約書案では下記のようになっています。

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宮城県上工下水一体官民連携運営事業(みやぎ型管理運営方式)公共施設等運営権実施契約書(案)令和2年12月24日改訂版 宮城県 45ページよりhttps://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/825573.pdf

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宮城県上工下水一体官民連携運営事業(みやぎ型管理運営方式)公共施設等運営権実施契約書(案)令和2年12月24日改訂版 宮城県 123ページよりhttps://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/825573.pdf

 

大内真理県議の代表質問でのみやぎ型に関する質疑応答

 

 

miyagi-pref.stream.jfit.co.jp

 

大内真理県議(日本共産党宮城県会議員団)

水道3事業の運営権を外資水メジャーに売却する水道みやぎ型について伺います。

先の6月定例会では、村井知事にとっての一丁目一番地、みやぎ型水道コンセッションの実施が、自民党公明党議員などによる議会過半数で議決されてしまいました。

 

miyagi-suidou.hatenablog.com

 

6月定例会最終盤、建設企業委員会で、わが会派の福島かずえ県議が、SPC=特定目的会社の提案で、多賀城市大代にある仙塩浄化センター敷地内に、汚泥ストックヤードの建設計画があることと問題点を指摘しました。

 

多賀城市 大代 仙塩浄化センター 汚泥

 

これは、7億6000万円の建屋を、国と宮城県、市町村による全額持ち出しで作らせて、焼却施設が点検で稼働できない約2カ月間、排泄物の塊である汚泥を、この建屋の中に保管し、契約期間中の処理経費を約3億4000万円浮かせるというもので、建設費の負担よりも、経費削減額が安く、費用対効果もありません。

こんな悪臭公害を生む恐れのある汚泥ストックヤードの計画は、絶対に認められません。SPCに対し、きっぱり拒否し、撤回させるべきです。いかがですか?

今日の水道事業の経営的困難の背景には、将来の水需要を過大に見積もり、管路や設備への過剰投資が行われてきたことにあります。

地域の水循環や水需要などの科学的分析のもとに、管路や設備の適切なダウンサイジングと、地域の実情に即した水源の確保活用を含む仕組みを再構築すること、また、道路や橋梁のように、国に、水道施設の更新費用にも、税金投入を求めていくことこそが、本来の解決の道です。

ところが、村井知事は、ここでもひたすらに、人口減少論で不安を煽り、自らの持論を押し通そうとしています。しかし、以下のような問題点が続出しています。

1つ。県と直接契約を結ぶSPCが隠れ蓑とされ、実際の運営管理を担う新OM会社の実質的支配権を外資ヴェオリアが持っていたことが、6月議会直前になって明らかとなり、大きな衝撃が走りました。

2つ。その新OM会社に、県が直接、行政指導、規制ができるような契約を結ぶよう求めたわれわれの提案は、拒否されました。

3つ。PFI検討委員会は、応募した企業名を伏せて検討したと説明されていましたが、会議録を見ると、委員は参加企業名をほぼ特定して、JFEグループを失格にし、外資ヴェオリアを含むメタウォーターグループを選定していたことがわかりました。

www.pref.miyagi.jp

4つ。対象9施設で、現在、外部委託で働く人は266人に上りますが、このうち、みやぎ型では、わずか75人が働くことになっています。人件費167億円削減も予定されています。長年現場で働いてきた人たちの高い技術力を失って、災害時や非常事態など、いかなる時でも安全性が保てるのか? はなはだ疑問です。

5つ。実施契約書は、公募後に161カ所も変更され、SPCのリスクを下げ、県の負担が増えました。契約書案には、空欄となっている箇所が多々あり、今後も、変更される可能性があります。

6つ。危機管理マニュアルやセルフモニタリング実施契約書など、受水自治体に示すべき13の計画書は、12月まで明らかになりません。さらに、主権者県民の代弁者である県議会は、予算や契約案件での議決や監査の対象からも外されます。

こんな問題だらけの事業を、来年4月から無理矢理開始するなど言語道断です。みやぎ型管理運営方式は、直ちに撤回することを知事に求め、所見を伺います。

櫻井雅之公営企業管理者

大綱1点目、村井知事の4期16年を問うについてのご質問のうち、みやぎ型管理運営方式における汚泥ストックヤード計画の提案についてのお尋ねにお答えいたします。

優先交渉権者の提案する仙塩浄化センターの汚泥ストックヤードは、汚泥焼却施設の定期点検期間、場外へ搬出処分している汚泥を、場内に一時的に貯留し、点検終了期間、点検期間終了後に処分焼却処分するための施設であり、令和6年度から、具体的な設計等に着手する計画としております。

本施設の整備にあたっては、事前に県が内容を確認し、承認した後に着手するものとしており、県としても、汚泥の場外搬出処分に要するコストの削減に加え、場外処分場へのトラック輸送等の環境負荷軽減にも貢献できる提案であると受け止めております。

当該計画は、提案段階であり、今後具体的に検討されていくものであることから、県としては、事業効果はもとより、臭気等周辺環境への対策内容等についても確認したうえで、関係市町や地域住民の理解が得られるよう適切に対応してまいります。

次に、みやぎ型管理運営方式は撤回すべきとのご質問にお答えいたします。

わが県のみならず、全国の水道事業は、急激な人口減少等により水需要が減少する一方、老朽化する施設の更新費用の増大が見込まれるなど、今後、一層厳しくなることが予想されており、経営基盤の強化を図ることが、水道事業者の喫緊の課題となっております。

みやぎ型管理運営方式は、国に働きかけて実現した改正水道法により、県が水道事業者として最終責任を担いながら、民間の力を最大限に活用することにより、経営基盤の強化を図るわが県にとって、最も効果的な取り組みであります。

運営権者との実施契約書の内容や事業計画書、事業計画等については、詳細が確定しだい、議会に報告するとともに、県民に対しても正確な情報発信に努め、来年4月からの事業開始に向けて着実に取り組んでまいります。私からは以上です。

大内真理県議(日本共産党宮城県会議員団)

(前略)

続きまして、水道みやぎ型関連の汚泥、ストックヤードについて伺います。

これは、SPCにとって得なだけで、住民はもちろん、国、県、市町の負担が甚大なうえ、一時的に貯留すると言いますが、2カ月間も、施設から多大なる悪臭が周辺に放たれる可能性があります。先ほどは、まだ決まったわけではないと答弁がありましたが、経費に関わる事業なんです。

SPCの提案を鵜呑みにして、当局自身がよくわからないのに議会に提出し、議決させたことになります。とんでもない話です。知事、これどう思いますか?

櫻井雅之公営企業管理者

はい、あのう、計画の内容について、具体的な計画についてはこれからだというご答弁をさせていただきました。

あのう、運営権者、あのう、予定者からの提案では、ま、7億、7.6億円程度の整備費をかけて、この2ヶ月間ので、だいたい年間の、あ、失礼いたしました、年間の使用費6,900万なんですけども、このことについて、約32%ほど低減していきたい、と。こういった内容が、ま、ある意味、検討委員会中でも、選定委員会の中でも、評価されたということでございますので、第一義的には、この内容がしっかりと担保できるのか? こういったことについて、これから、われわれとしては見ていくということでございます。

また、当然、そういった汚泥を焼却いたしますので、そういったことについての対策はどうなのか? ということについて、われわれも見ますし、必要に応じて、えー、関係市町として、住民の方々にもご理解がいただけるように、えー、検討いたしましても、進めてまいりたい。こういうことでございます。

大内真理県議(日本共産党宮城県会議員団)

宮城県は、関係市町や住民に、現状で説明もなく、「経費節減ができるなら、それでよし」としているわけです。

汚泥ストックヤードのような事業が、まだまだ隠されているはずです。

SPCからの提案書のうち、提案内容の記述がある93ページのうち、80ページには黒塗りの非開示部分があり、中には真っ黒というページもあります。議会と県民に、全面開示することを求めますが、いかがでしょうか?

櫻井雅之公営企業管理者

はい、いま現在、あのう、いわゆる厚労省のほうで、この事業の認可手続きを進めているところございます。

同時並行的に、14種類ほどございますけれども、いろいろな計画を作ってる最中でございます。だいたい1次版ぐらい出てておりますけれども、まだまだこれから整理しなければならないところでございます。

これらについては、出来しだい、その、えー、彼らとの契約の中では、(事業開始)90日前までに県に提出し、そして、30日前までに県が承認する、こういったシステムになってございますけれども、その前に、確定しだい、市町村、どこにも話をし、そして、議会のほうに、県民のほうにも、説明してまいりたいというふうに考えてございす。

大内真理県議(日本共産党宮城県会議員団)

汚泥ストックヤードの事業計画は、周辺に多大な悪臭をもたらす可能性があるにもかかわらず、当該の多賀城市にも相談できない、地域住民にも説明できない、県当局自身もよくわかっていない、費用対効果もない。

SPCからのこんな提案は、知事の責任で撤回すべきでは ありませんか? 伺います。知事に伺います。

村井嘉浩知事

はい、あのう、このような計画を立てて、それが、あー、ま、承認、認められて、結果として決まった、と。

今、あの、悪臭を放つ可能性があるということがありますけれども、この辺はですね、当然、地域住民に迷惑かけるようなことがあればですね、それは改善をしていただくということは、当然のことでありますので、あの、おー、えー、決めたので、全て何でもOKというわけでは決してない。それを、われわれがしっかりとチェックをしていくというふうに、先ほど、えー、管理者から答弁いたしました。

あー、従って、可能性があるからダメだということになると、やっぱり、しっかりと、検証していくということは、重要ではないかなと思っております。

大内真理県議(日本共産党宮城県会議員団)

水道みやぎ型自体の撤回を求めて、次に移ります(議場から複数の罵声が上がる)。

(後略)