宮城県の水道民営化問題

命の水を守るため、水道の情報公開を求めていきましょう!

9/4「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」前編 みやぎ型は最悪の水道民営化だ!!

2021年9月4日、命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ主催の「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」が、仙台弁護士会館4階およびZoomにて開催されました。

 

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youtu.be

集会当日のZoom動画を、浜松の「水はいのち」さんが素晴らしいクオリティーの音声と映像に編集してくださいました。浜松の「水はいのち」さんのご厚意に大変感謝いたします。

「水はいのち」さんの YouTube チャンネル

https://www.youtube.com/channel/UCZiw0-oY2vspnUjo_Q0wf-w

 

今回の記事内容

開会の挨拶

● 佐久間敬子共同代表(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

● 菅間進県議(無所属の会)

「やっぱり民営化だった「みやぎ型管理運営方式」 ここまでわかった上工下水道民営化」 中嶋廉さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

県議会議員からの報告

● 岸田清実県議(社民フォーラム県議団)

● 福島かずえ県議(日本共産党宮城県会議員団)

 

開会の挨拶

 

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

みなさん、こんにちは。「ストップ!水道民営化 市民集会」を始めたいと思います。 私は、司会を務めます市民ネットワーク事務局の多々良でございます。どうぞよろしくお願いします。

えー、今日の集会は、えー、本来であれば、仙台弁護士会館でですね、大勢で集まってやりたかったところなんですけども、宮城県にも、コロナ感染拡大によって、緊急事態宣言が発せられるということになりまして、オンライン集会に切り換えました。

ただいま、Zoom を通じては50人を超える方々が参加してくださっています。えーー、プラス、さらに加えてですね、あんまり大きな声では言えないのですが、実は、弁護士会館にも50人ぐらいの方が集まっておられます(笑)。ということでありまして、すでに100人を超える集会が成立しているということであります。

えーー、6月県議会で、えー、水道民営化=みやぎ型管理運営方式導入関連の議案が可決されるということになりました。えーー、まあ、県当局のほうは、「これで水道民営化の問題は決着がついた」と、「終わった」というふうに言ってると思うんですが、「決してそうではない」と私たちは思っています。

むしろ、県議会の論戦を通じて、さまざまな問題がさらに明らかになっています。

「決して、宮城の水道民営化問題は終わっていない。むしろ、問題が深まった」と思っていますから、私たちはこれからも、粘り強く、諦めずに、この問題に取り組んでいきたいというふうに思っています。今日は、そのための集会であります。よろしくお願いします。

では、まず最初に、えーとー、市民ネットワーク共同代表の佐久間敬子さんから、開会のあいさつをいたします。よろしくお願いします。

佐久間共同代表(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

みなさま、こんにちは。ハイ、あのう、この会場、リアルの方、それから、Zoomの方と、いま多々良さんがご報告しましたように、大勢の方にご参加いただいて、大変ありがとうございます。しかも、あの、Zoomはたぶん、全国の方が見ていただいているんではないかなというふうに思います。

あのう、6月の県議会ですけども、水道のみやぎ型の実現をするための大きなステップですね、運営権の設定を承認するというような議案が、大変残念ですけれども、与党の多数で可決成立いたしました。

あのう、大変残念だし、あのう、大勢の全国の応援いただいたみなさまにですね、「力不足だったなあ」と大変申し訳なく思っております。ただですね、この議会というのは、大変大きな議論を巻き起こし、成果も上げた議会であったというふうに思っております。

そして私たちは、この集会を、この6月県議会のご報告をしつつ、その成果をみなさまと共有して、そして、今後の第2ステップに進むためのこれからの運動をですね、みなさまと確認して、そして全国のみなさまには、引き続き宮城の民営化反対運動にご支援いただきたい。そういう目的で設定いたしました。

あのう、どうぞ、これからもですね、私たち様々な行動を展開してまいりますので、ここにご参集のみなさま、全国のみなさま、ぜひ私たちと一緒に、この宮城の水道民営化は全国に波及する可能性がある、そういう意味では全国の課題でありますので、そういうようなことで、ご支援いただきたいと思います。

あの、6月の県議会、私たちはどういうスタンスで臨んだか? いうことですが、えっと、中嶋廉さんの報告に出てまいりますけども、まず、「この議案の中身がちっともわからない」と。「ブラックボックスだ」と。「肝心の中身がまったく空虚じゃないか」ということですね。議案を上程するだけの機が熟していない。

それは、県民、この水に対して非常に重大な関わりを持つ県民に、説明が圧倒的に足りないし、県から水を買っている、ま、受水市町村ですね、その首長さんをはじめ、えー、みなさんが心配している。その説明が足りない。

そして、まあ、前に1回パブリックコメントやっておりますけれども、状況が大幅に変わっているので、パブリックコメントを取り直して、県民の意向を確認しろ、と。

こういうことを要求してまいりました。これらの段取りを経ないで、内容が不明の議案を上程する、これはとんでもないことだということです。

みなさんのお手元にある資料の2ページになりますけども、ここ1年間の私たちの運動の経過をまとめてありますが、今年に入りまして5回ぐらいですね、そういうことを踏まえた意見書とか要請書とか申し入れ書を出しました。

    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

そして、議会が開催される前にはですね、「議案の上程は見送ってくれ」という要請を行っております。そして、実際議会に議案が出されてからはですね、「出された議案を撤回しろ」という申し入れをしています。それだけ内容がわからない、曖昧な議案であったということです。こういう趣旨でみなさまに請願の賛同をお願いしたということで、これは大変大きな成果を上げたと思います。

みやぎ型というのは全国初の水道民営化の事業です。そして、あのう、200万人近くのですね、県民が対象になる大型のプロジェクトなんですね。これを突破口に全国に波及する危険がある、と。

そういうことで、みなさまに請願にぜひ賛同してほしいとお願いを申し上げたところ、みなさんこれにパッと反応してくださって、大変大きな数の署名が集まりました。

    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

1ページにありますように19,449筆。海外からもですね、あのう、集まったということです。で、これは、ま、県議会の議長さんに提出いたしましたけども、議長さんは大変重く受け止めてくださったというふうに思います。

 

miyagi-suidou.hatenablog.com

 

それから、報道でも大きく取り上げていただいたし、まあ、これに関心を持っている市民のみなさまにも、「こんなに大勢の人が反対したのか」ということで、ちょっと驚きを持って受け止められたのではないかと思います。

ただ一人ですね、村井知事だけがね、「1万越えですね」と、いかにも軽くですね(笑)、あのう、あしらったという感じでというふうに、見識を疑いましたけども。ま、逆に、強がりを言ったのかなとも思っております。

あのう、それから、今回の県議会ですけど、きょう野党の議員さん、4人の方にお越しいただいてますが、議員のみなさまと私たちが、結構、意見交換をやったりしておりましたので、そういう意味での連携がうまく働いたというふうに思っております。

私たちがいろいろ不安に思ってること、議員さんが的確にですね、取り上げて委員会、あるいは本会議で追及していただいた。それから、請願が採択されるようにご尽力いただいたということです。

あのう、今日お越しの議員のみなさま、不眠不休で6月の県議会に取り組まれたというふうに思いますので、私たちは大変ありがたいというふうに思っております。引き続きですね、あのう、みなさまと連携を取りながら、この民営化問題、まだまだ戦う局面がたくさんありますので、共に頑張ってまりたいと思います。

で、まあ、こういう私たちの運動も影響したのだと思いますが、あのう、議会の与党の議員のみなさまが、みやぎ型に異を唱えるという局面がありました。

「なんでヴェオリアなのか? 外国でいろいろ不祥事を起こして、そして水道事業の再公営化の、まあ、元凶になった、そこにどうして宮城の水を委ねるのか? 」と。

「宮城の水、これは県の財産だ」と、「これを外資に売っちゃうのか? 」と。こういう、非常に大胆な質問をした方がいらっしゃいました。

 

miyagi-pref.stream.jfit.co.jp

 

また、県議会の最中に、いまの与党のみなさんが、厚生労働省の担当者から、「この コンセッションというのは何なのか? 」というレクチャーを受けるということも報道されました。

で、参加した議員のみなさんからは、「外資に水を売るのか? 」ということで、大変危機感が表明されたというようなことです。

    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

で、あのう、お配りした資料の1枚目にですね、さて採決の結果はどうだったか? ということでご紹介してますが、あのう、専門委員会、建設企業委員会というところですが、ここはですね、賛否が4、4に分かれて拮抗したんです。対になったわけですね。

そして、委員長が最後の1票を投じて、5対4で、残念ですが私たちの主張は通らなかったということですね。ただ、委員会で委員長採決で物事を決するというのは、宮城県政史上初のことだということですから、これもまた驚くべきことだったというふうに思います。

ま、あの、この県の委員会もですね、非常に白熱して、問題点を深掘りしていただいた。そういう議論は、本会議ではなかなか活かせなかったということがありました。 あのう、県議会議員のみなさん、どういう人を選ぶか? ということは、私たちにとって、もう一回よくよく考える重要な問題ではないかなというふうに思いました。

ただ、あのう、本会議でもですね、この表にありますように、与党の議員のみなさんで、えー、お二方が退席するということで棄権した、採決に加わらなかった。しかも、このお二方は、まあ、ベテランの、まあ、与党の重鎮の議員の方々だった。

そして、なんで棄権したかというと、「経済安全保障上の 不安がある」。まさにズバリそのものですね。そういう理由で退席したんだというふうに、まあ、新聞でも報じられていました。こういうような与党にも、ま、「諸手を挙げて賛成ではないんだ」というようなことが広がったということは、大変良かったと思います。

 

(筆者注:この議案採決における全議員の賛否一覧が、日本共産党宮城県議団ニュースに掲載されました。各議員の選挙区も明記されています。)

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         日本共産党宮城県議団ニュース2021年7月NO.145より

 

それから、あの、このZoom集会に、きょう橋本淳司さんがご参加いただいておりますが、私たちがいろいろ考えて意見を発表するときに、ま、水問題の第一人者、橋本淳司さんと、それから、法律面での専門家の尾林芳匡弁護士が、終始、私たちのことにいろいろとご助言いただいた、と。これも大変ありがたかったなと思ってます。

で、まあ、橋本さんからは、コンセッションっていうのは何か? と。枠組みであって、肝は契約とモニタリングなんですということを教えていただきました。それを、後ほどの報告の中にありますが、果たして、契約内容、モニタリングが、天秤のプラスになるようになってるかどうか? ここが問題ですね。

それから、まあ、尾林弁護士は、PFIって何か? ということで、実はPFIっていうのは利権なんですよ。第二次世界大戦でですね、あのう、ヨーロッパの列強が中国に進出して、いろいろな事業活動を展開するときに、租界、租借地というものを作りましたけど、そこがこのコンセッションの淵源っていうか、源だと聞いて、ホントにちょっと 恥ずかしい思いをしましたね。

そして、尾林弁護士には、水道事業はコンセッションにしてはいけないんだということを、はっきりとお話しいただきました。

で、この議会で明らかになったこと、中嶋廉さんの報告にありますが、あの、やっぱり、審議の最初がブラックのままだった、と。徐々に様々なことが、五月雨式に明らかになってきましたけども、ホントに審議の機が熟してないということを痛感しました。

それから、まあ、あのう、SPCとは違った新OM会社という伏兵がですね、あの、ひそかに仕掛けられていて、ここがヴェオリア・ジェネッツが51%の議決権を持っているところで、しかもここが20年を超えて宮城の水事業を支配するのではないかというふうなこともわかってまいりました。

あと、あのう、私が衝撃を受けたのは、コスト削減ってことですが、果たして、コスト削減が実現するかどうかと、その疑問の傍らですね、あまりにも巨額のコスト削減は、水道事業の健全性にとってマイナスではないか? と。

人件費の大幅カット、それから、設備の更新費用の大幅カット、これで本当に安全安心な水道事業が維持できるのか? と。こういうような非常に大きな疑問も湧いてまいりました。

で、こういうふうに、いろんな、あの、疑惑もまだ出てきましたし、成果もあった、と。さて、えー、これからどうするか? ということについては、後ほど小川さんが ご報告いたします。

あのー、今ですね、えーっと、この前の運営権承認の議案が通ったことを踏まえて、厚労省許可申請をしている段階です。で、これの事前審査というのに、ちょっと時間がかかりまして、ま、9月末ぐらいまでにそれは出るのではないかという話のようです。

だから、9月議会も始まっておりますけども、これから様々な、あのう、これまで知らなかったこと、明らかにされなかったことが出てくると思いますので、そういうことを節目節目に、こちらのほうに意見表明していくことになると思います。

それから、まあ、このみやぎ型っていうのは、村井県政のもとですね、まあ、新自由主義的な思想のもとで、いろんな民営化が進んできた。空港から水産特区からですね。

そして、この水道の民営化ということですね。果たして、われわれ県民にとって、こういう政策がいいのかどうか? ホントに考える、そういう一つのきっかけになってると思います。

で、私達は、本当に私たちが安心してですね、この宮城県で暮らしていけると、そう いうためにこの水道事業というものは、決して利益の対象に してはいけないんだと、一番、社会的共通資本と言われるもの中でも、一番、民間に任せてはいけないんだということの確信を持ってですね、これからまた、運動を展開してまいりたいと思いますし、この水道事業というものを一つの切り口にしてですね、あのう、地方の政治のあり方、住民自治のあり方、それから環境問題、こういうものも視野に入れて行動していく、と。それはもうヨーロッパでは始まってることですね。

そういう切り口として考えつつ、運動を展開するということになれば、この先の運動にまた希望が湧いてくると思いました。以上です。ちょっと長くなって申し訳ありませんが、それでは、これからの報告、どうぞよろしくお願いいたします。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ハイ、佐久間さん、ありがとうございました。

えーと、それでは、えーと、続きまして、えー、県議会において、えー、知事と県執行部をですね、鋭く追及してきた県会議員のみなさんを代表して、県議会コンセッション勉強会の代表であられる菅間進県議からご挨拶をいただきたいと思います。菅間先生、よろしくお願いします。

菅間進県議(無所属の会

えー、みなさん、こんにちは。

ただいまご紹介いただきました県議会議員の菅間進でございます。

えー、コンセッション勉強会の事務局を私ども無所属の会でお引き受けさせていただいておりますので、その会長として代表と書かれてるんだと思いますが、今日も登壇する岸田清実県議会議員、福島かずえ県議会議員、ゆさみゆき県議会議員と、共同で世話役をさせていただいております。えー、よろしくお願いいたします。

えー、それで、もう、いま主催者挨拶ということで、詳しく佐久間共同世話人のほうからお話がありましたが、えー、いくらか私のほうからも、かいつまんで6月議会の経過についてお話をさせていただきたいと思います。

えー、6月議会、えー、まあ、先ほど共同代表からも話ありましたが、残念ながら、 えー、可決というような形になりましたが、だいぶ私ども相談して、発言の機会を見つけてですね、かなり議会の中では露出しましたし、えー、まあ、新聞のほうも、だいぶ取り上げていただいて、今までは関心持たなかった県民の方も、「あ、こういうこと やってるんだなってことを感じた」ということでの声も聞かれました。

えー、6月議会で、一般質問で社民フォーラムの代表の岸田県議が、一般質問ではこれ
一本で質問をしました。後ほどご報告があるかと思いますが。また、共産党の県議団、
三浦団長さんと天下みゆき幹事長さんも、一本でありませんでしたけど、取り上げてですね、いろいろと質問、また再質問等されておりました。

それで、その後に、それぞれ常任委員会が行われたわけでありますが、建設企業委員会には、えー、何度も名前を出させていただくわけでありますが、岸田県議、そして福島県議、ゆさ県議が、委員会のメンバーでありますので、2日、3日とホントに質疑をしてですね、えー、頑張っていただきました。

最終的に、えー、請願と議案についての採択、採決というふうに持ち込まれるわけでありますが、その結果については、先ほど議会の結果ということで、共同代表のほうからも話がありました。

その中で、えーー、なんと、建設企業委員会の委員でもある岸田県議と、あと私がですね、その建設企業委員会に、えー、いわゆる請願の紹介議員として、説明者としてですね、呼ばれましてですね、やり取りをした、と。

だいぶこう、きつくいろいろとやられましたけども、ま、それなりに精一杯に答えさせていただきました。ま、結果としては、えー、先ほどの報告のように、請願不採択、議案は可決ということになりましたが、いろんな場面で出る機会がございました。

えー、それと、その後にですね、えー、本会議において5日の日、請願の採択を求める討論を福島かずえ議員がやっています。その後に、少数意見の留保が建設企業委員会で認められましたので、少数意見の報告ということで、ゆさみゆき県議が、やはり報告をしています。その後、共産党の金田もとる県議が反対討論、私も反対討論をさせていただきました。

 

miyagi-suidou.hatenablog.com

 

ま、かなりいろんな項目で、細かくきちっとそれぞれの登壇の中で主張しておりましたので、特に一番最後の私の場合は、えー、そこをまた繰り返すわけにいきませんので、先ほど佐久間共同代表が言っていただいたように、えーとー、社会的共通資本というところで、えー、少しお話をさせていただいて、繰り返しになりますが、えー、日本人としてノーベル経済学賞に一番近いと言われていた宇沢弘文経済学者の社会的共通資本ということでのお話をあげさせていただいて、えー、ちょっと読み上げますけど、「社会的共通資本は、たとえ私有ないしは私的管理が認められているような希少資源から構成されていたとして、社会的な基準によって管理運営されるべきもの」とされております。

さらに、その管理については、それこそ先ほど佐久間共同代表の言葉にも出てきましたけど、「社会的共通資本は決して国家の統治機構の一部として官僚的に管理されたり、また」、それこそ、ここなんですね、「利潤追求の対象として市場的な条件によって左右されてはならないこと」というふうに、宇沢先生は主張されているわけです。

 

 

ま、これは、あのう、コンセッションという名前で、20年間の長期にわたる、「これは運営権を売るだけの話であって、宮城県が財産を持ってるんだ」というふうに主張されるわけでありますが、その20年間というのは、まさに市場的状況での利潤追求に晒されなければ、その会社は成り立たないわけですから、そういったところが、やはり、これからより厳しく追及していかなくちゃいけないのではないかというふうに、個人的には思っています。

以上、おー、言葉不足ではありますが、えー、挨拶を兼ねての県議会のご報告とさせていただきます。ありがとうございました。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ハイ、菅間県議、どうもありがとうございました。えー、それでは、早速中身に入ってきたいというふうに思います。

今日お配りしているプログラムにありますとおり、まずはですね、1つ目のテーマとしては、もう、今、だいぶ話は出てきたのですが、この6月県議会の論戦の中で明らかになったことを、ちょっと深掘りして取り上げようということであります。

で、第2部ではそれを受けて、ま、今後の予定と言いますかね、今後どういう手続き、手順があるのだ、と。それに対して、私たちの運動の方向性は、どういうふうにかまえていこうか? ということを、2番目に取り上げていこうと思います。

で、その1つ目の、県議会で明らかになったことということの1つ目の報告としまして、私たち市民ネットワーク事務局の中嶋廉さんからね、えー、みやぎ型はやっぱり、水道民営化だったということで、報告をいただきたいというふうに思います。それでは中嶋さん、よろしくお願いします。

やっぱり民営化だった「みやぎ型管理運営方式」 ここまでわかった上工下水道民営化

 

    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

この報告の資料は下記からダウンロードできます。

http://www.miyagikenmin-fukkoushien.com/pdf/index/9.4suidounakajima.pdf

 

中嶋廉さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

みなさん、こんにちは。事務局に参加しております中島廉と申します。

私のレポートは、この後、県議会の議員の方々も発言されますから、えー、みやぎ型というのが最悪の民営化だというところに、こう、焦点を絞って、レポートしたいと思います。

えー、これは私の個人的な好みでそういう話し方をするのではなくて、事務局会議で話し合った結論です。どういうことかと言いますと、コンセッションっていうのは、語源は佐久間先生が紹介されたように、香港を中国からイギリスが租借したその疎開、これを表現した言葉がコンセッションっていう語源で、「利権」っていうものを意味したそうです。

PFIの制度の中では、コンセッションっていうのは民営化の一つの形態というふうに紹介されていて、いろいろな民営化のやり方があります。完全民営化もあります。しかし、一部民営化というものがあって、行政が資産を保有したまま、民間企業に運営権を売却するやり方をコンセッション方式というふうに呼んでいます。

 

    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

えー、この図は、社団法人日本水道協会が調査報告書を出した時に作った図で、現在も掲載制度について紹介する文章の中で、厚生労働省の文書、それから総務省の文書の中にも、今でもこの図は使われております。

ところがですね、県議会の最終日に、えー、最大与党の自民党県民会議の議員が討論に立ちまして、「みやぎ型管理運営方式は水道事業そのものを売り渡す民営化ではない」と。でー、「自民党の会派の議員がそう申し上げたから、そうなんだ」。で、「民営化ではないと再三再四申し上げてきたのに、それを批判してる人達はいつまでも民営化だと言う」と。「なんで理解できないんでしょうか」っていう、全く理解のできない討論したんですね。

これは、自民党の人のオリジナルではなくて、厚生労働省が所管する水道法、あの、2018年に改正されたんですが、その改正直後に、厚生労働省が、「水道法改正についてよくあるご質問にお答えします」という冊子を作ってまして、えー、民営化と言われることをすごく恐れる解説を付けてるんですね。

それで2つ言ってまして、「水道事業自体を民営化するものではない」と。要するに、完全民営化じゃないってことは、私たちも知ってますから、それはその通りなんで、その前に言葉が入ってるんです。

「国や自治体の関与を強めたものだ」っていうことを書いてありますね。それでね、それがね、問題なんです。あのう、地方自治の本旨ということを、みなさん聞いたことがあるかと思いますけれども、中身が3つあるんです。

住民自治が前進すること。

団体自治が前進すること。ま、地方自治体の権限、役割が大きくなるってことですね。その団体の意思を決定するのは、議会なんです。ですから、その議会の関与、議会の権限が強くなったかどうかってことが、地方自治の前進を測る物差しです。

そして3番目に、結果的に、行政の公平性が確保されること。

これが、地方自治の本旨と呼ばれている3つの内容です。水は非常に公共性が高いものですから、その公共性にふさわしい取り扱いがなされたのかどうかということですね。

それでね、厚生労働省のその説明の中にね、国や自治体の関与強めたってことを書いてありますけど、なるほど国の関与は強まったんです。知事の関与も強まったんです。 ところが、住民自治は、ものすごくないがしろにされた。議会の関与は大幅に削られて、ものすごい限定的なものになったんです。

そのために、本来公共性が高いものとして尊重されなければならない水道事業が、全くその趣旨に反するように取り扱われるようになった。だから、最悪の民営化なんです。これを論証するのが、私のレポートです。

 

    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

まず、次、行きますが、まず、私たちの意思は踏みにじられたわけです。2年前、運営権の設定を可能にする条例改正がやられた時に、パブリックコメントが取られたんですけれども、出された意見の中に、賛成意見っていうのはごくわずかで、ほとんど反対意見。そして、「拙速だ」「わからない」っていう人の意見ばかりでした。

今回、あのう、優先交渉権者が決まり、そして、どういう事業をやられるのかについても資料が出された後、住民説明会がやられたんですが、コロナの中ということもそれはあったかもしれませんが、参加者はわずか198名でした。

で、出てる意見については、疑問視する意見ばっかりなんですけれども、「ご理解ください、ご理解ください」っていう説明ばかり。

約2万の請願というのは、ま、否決をされたわけで、週刊金曜日に、内田聖子さんが、
水は誰のものだということを、タイトルをつけて記事を書いたのは、この間の経過を、よく物語っているものだと思います。

そして、住民自治を蹂躙したことを象徴する発言が、村井知事から行われました。

 

    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

「2万近い署名をどう受け止めてるか?」ってことを聞かれて、「全ての県民ではない」と。「1万人越えのみなさんが、今回の上工下水みやぎ型管理運営に対して疑問を持ってるというふうに受け止めておりました」。

その後がすごいですね。「非常に多くの県民は、この件について、ご理解をいただいているというふうに思っております」と言い切ったんですね。で、議員の天下議員が、「びっくりするご答弁でございました」と。こういうやり取りがありました。

 

miyagi-suidou.hatenablog.com

 

それで、今度の議会には、あの、運営権を設定していいか? 運営権を売却していいか? 問われる最後の議会でしたから、優先交渉権者であるメタウォーターグループが出した提案、これが果たして実行可能なものかどうか? これを検証する役割が、議会に問いかけられました。

当然、その審議に必要な、情報ってものが必要なんですが、議員の方に配られた提案審査書類、私もコピーいただきましたが、107ページあるうち、あのう、白紙のページもあったので、情報が書いてあるページっていうのは93ページなんですが、会場にいる人は見えますかね? 

 

    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

Zoomの方はもうわかるように、パワーポイントに代表的なページ入れといたんですけれども、80ページを部分開示で、えーと、マスキングがあるんですよね。それで、これだけではとても審査はできません。

それで、この提案文書に基づいて、セルフモニタリング実施計画書とか、事業計画書 とか、情報公開規程だとか、危機管理マニュアルだとか、14の文書を来年の2月までに作らなければならないっていうふうになってるんですね。

 「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

この文章が全部出てるんであれば、あるいは、事業の中身について、議員の人達も判断ができたかもしれません。しかし、6月議会までに完成して公表されたのは、情報公開取扱規程ただ1つです。みなさんが議員だったら、これで判断できたでしょうか?

それで、そのことを考える上で役に立つテーマを1つ拾い出してみたいと思うんですが、この表は、優先交渉権者の提案におけるコスト削減の比較という表です。

 

    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

でー、この表の見方なんですけれども、一番左の列に現行モデルと書いてありますが、これは、これまでどおり県が水道事業、下水道事業を経営していた時に、これから20年間どれだけかかるだろうか? っていうことを、いちおう仮り置きした数字。

真ん中のコンセッションモデルっていうのは、県の職員がですね、コンセッションを 導入したら、どれだけ経費を削減できるんだろうか? っていうことを、県の職員が 試しに計算してみて、ちょっと経費節約できそうだってことで、県自身がシュミレーションしたものです。

1番右側が、優先交渉権者メタウォーターグループが出してきた提案です。それで、赤丸をつけてありますが、修繕費のところ、えーと、県が計画した数字よりも101億増えてる。それから、下の方に設備更新費を出してありますけれども、県がこのまま事業継続した時と比べると、県が計算したのと比べると、347億、まあ、少ない。

これは、「おや?」というふうにみなさんも思うかもしれませんけれども、あの、新自由主義政策で、いま世界で何が問題になってるかというと、必要な社会的な投資が行われない、巨大企業がとにかく儲けを溜め込むという現象が起きています。

水道事業の民営化に関わっても、水道の設備や管路の更新のために必要な投資がなされないでボロボロにされてしまっていたということが、後で判明して慌てて公営に戻した、と。そういうことが起こってるんですね。

で、宮城の水道民営化が行われた時に、設備更新が回避されたり、必要な投資がされないということがあってはいけないので、これはよく審査しなければならないんですけれども、この、先ほど見ていただいた経費削減計画を見ると、えー、修繕で間に合わせてね、設備更新の回数やその費用を大幅に減らすものになってるわけです。

 

    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

当然、「それは大丈夫ですか?」っていう質問が出るんですけれども、県はこれに対して、これは、岸田先生の質問に答えたやつを、あのう、ちょっと紹介させていただきますが、こう答えてるんです。

「温度や振動等を継続的に監視するセンサーの導入により、最適な時期で修繕をしたり、長寿命化に向けて、耐久性の高い部品への交換などによって、健全度を維持する 手法を取り入れ、県の計画に対して更新費用を削減する一方、修繕費用を積み増しするものになっている。それについては、PFI検討委員会における技術ワーキンググループで検討して、まあ、適正性を評価したんだ」ということを言っています。

それで、「20年後にボロボロになって返されるってことはないのか? 」ということについては、「直後に健全性を評価し、20年後に健全性を評価し、20年後に現在と同等の健全性を保っているようにするから大丈夫なんだ」っていう説明なんですけれども、 その健全性の評価というものを、どういうやり方でやるのか? については、あのう、提案書には3ページ書いてはあるんですけれども、黒塗りの部分があってわからないんです。その健全性の評価計画というのは、来年2月に出てくるんです(笑)。

そうするとね、この6月の議会で、県会議員の人が判断できると思いますか? これ、あのう、判断が分かれるかもしれませんが、私は、あの、ちょっと自分の判断に責任が持てないですね。えー、そういうことが、まあ、議会の中で投げかけられてたということです。

それで、えーっと、あのう、議会やってる最中に、えーとー、2月のPFI検討委員会の会議録は公表されてませんで、先ほど岸田先生から教えられましたけれども、ワーキンググループの会議録もごく最近やっと公表されたようで、議会の際中は、これ、示されていないんですよね。

こういう審議のやり方っていうのは、果たしていいのかどうか? これから民営化されてしまった場合、事業開始後のモニタリングの大きな課題になるだろうというふうに思います。

それから、情報公開の範囲はメタウォーターが決めるということがはっきり致しました。

 

    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

情報公開規程が公表されたんですけれども、水道事業に運営権が設定されて、それが売却されますから、県がこれまでやってきた水道事業に関わる情報が、行政情報から企業情報になります。
行政情報については、知る権利を保障した情報公開法の対象になりますから、原則すべて公開です。しかし、企業情報の開示制度については、会社法とか金融商品取引法などに規定があって、債権者とか株主の保護、投資家の利益の保護に資するものであって、知る権利を保障するものにはなっていないんですね。

それで、SPCが公表した情報公開取扱規程は、第2条に、えー、「情報公開のルールっていうのは、会社法その他の法令で定めるところによる」ということを宣言してまして、「行政情報ではなくなったんですよ」ってことを宣言してるんです。

それで、第6条に、えー、開示する情報を制限できる条件っていうのが定めてありまして、極めつけは第5番目で、「当社の企業経営上の正当な利益を害するおそれがあるものは非開示とできる」と。要するに、メタウォーターグループの判断で、いくらでも非開示にできる。

それから、SPCが、あのう、特定目的会社としてPFI事業を司るんですけれども、えー、実際の現場の運営と、それからメンテナンスは、新しい 会社が作られてそこに委託するんですけれども、この会社は、県とは直接契約関係がありませんので、この会社の情報がどういうふうになるのかは未定だと思います。

そして、情報公開制度、県の情報公開制度は、非開示にされた時に不服審査を申し立てすることができるんですけれども、あのう、メタウォーターグループの情報についても、非開示にされた時に申し立てが出来ます。

で、再検討を請求できるという規定があるんですけれども、再検討する主体は顧問弁護士なんですね。果たして、県の情報公開審査会のように客観的で公平な審査ができるとは思えないんですけれども、公営企業管理者が、まあ、何とも驚くような答弁をいたしました。

 

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    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

それで、そうなると、まず、きわどい情報は非開示になるだろう、と。それから、メタウォーターからいろいろな情報が県に報告されますけれども、メタウォーターグループの側が公表していない資料の公開を県に請求しても、県もその情報については開示しませんから、県の情報公開制度についても大幅な後退が起こるというふうになると思います。

それから、先ほど佐久間先生からお話がありましたが、えーと、提案審査書類の16ページに、えー、OM会社は、あの、出資についてはSPCと同等というふうに表現があるんです。ですから私は、あの、OM会社についても、議決権の株主式の割合も同じものだと思い込んでました。

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    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

 

ところが、先ほどらいお話がありましたけれども、5月19日に会社の設立の登記がされて、それを県が調べてわかったのは、OM会社についてはヴェオリア・ジェネッツが議決権株式の51%を持っていて、ま、会社法の規定によれば、このOM会社はヴィオリア・ジェネッツの子会社になる、と。そういうことがわかりました。

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    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

この情報は、PFI委員会が審査した時には隠されていたはずで、PFI委員会はOM会社を作ること、そのことによって地域の雇用を増やすことを高く評価して点数をつけたんですけれども、これが公表されていたら、果たしてこの会社になってしまったのかどうか? そういうことも考えられます。

で、OM会社とは直接の契約関係のありませんので、様々な点でOM会社を県がどうコントロールしていくのか? が非常に重要な問題になります。

5月21日の建設企業委員会に、あの、学者としてPFIを推進してる方で、ま、政府の審議会の委員もしている石井晴夫さんという東洋大学客員教授の方が来てお話をして、私もそれを聞いたんですけれども、「直接OM会社と契約関係がないってことについては、大変心配だ」ということを、先生もお話をしておりました。

それで、さっきの経費削減計画の表に戻るんですけれども、この一番下をご注目ください。

    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

えーと、ちょっとお待ち下さいね、当期純利益の数字が書いてあるんですけど、20年間で92億飛び800万円、この経常利益を生み出すことが書いてあるんですね。

それでこの数字を知らせましたら、県民の皆さんの反応ってのは、こうです。

「そんなに利益が出るのか」と。「そんなに利益が出るんだったら、それを活用して私たちの水道、下水道料金の引き下げをやってもらえないか」と。「このまま行ったら、料金の引き上げが起こるから民営化するって説明だったはずだけれども、こんなに利益が出るんだったら、民営化そのものをやめたらいいんじゃないか」真っ当な意見だと 思います。

で、これについては、自民党の人が反応したんですね。

えー、この92億の純利益、どう使われるかって言ったら、出資者の配当金にかなり回されるわけですよ。ヴェオリアの出資者っていうのは、世界中に散らばってるわけでしょ。で、私たち宮城県民が払った水道、下水道料から、海外の投資家にそれが流れていく、と。

で、国富の流出だっていうことを、自民党の議員が問題にして、それで、かなり激しく追及するっていうことが行われたのが、今度の議会の面白いところでした。

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    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

 

それで、宮城県の導入っていうのは、あのう、非公開で民間の銀行とかシンクタンクを呼び集めて、一年間かけて準備して、第3回未来投資会議に、あのう、「水道民営化を考えてるから、水道法の改正をしてほしい」っていうことを村井知事が発言して、そこから動き出していきました。

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    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

 

それで、非公開で開催された検討懇話会に参加していたのは、こういう人たちであります。こういう、まあ、企業、シンクタンクの人達ですよね。

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    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

 

それで、時間が来ましたので、結論的に申し上げますけれども、事業の運営権を手に入れた企業体が、上工下水道の事業を決定するわけです。県が、左右するという立場から外れるわけですね。議会の議決権が、契約期間20年間及ばなくなります。

で、公営の間は、問題があれば県の監査委員会が監査したり、包括外部監査の対象にはなったわけですけれども、それが外されます。情報は非開示が横行するでしょうし、県の情報公開も後退するでしょう。行政全体が、産業化していく一歩になるのではないか? ということが心配です。

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    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

 

これからですけれども、実施契約が厚生労働大臣から認可を受けた後、メタウォーターグループと実施契約が取り交わされるわけですけれども、契約書そのものについては、議会は議決する権限を持っていません。

そして、経営状況や水質などのモニタリングは、きわめて重要になるんですけれども、モニタリングは県議会にあるわけではなくて、知事が任命する経営審査委員会が当たります。

必要な情報がきちんと提供されるかどうか? 今回、OM会社の議決権株式の保有割合については、隠されていたわけですけれども、そういうことが起きないのかどうか? この(経営)審査委員会が、きちんとチェック機能を果たしてくれるのかどうか? 

で、議会には報告がされるという条例改正がやられましたけれども、報告はされますけれども、しかし、左右する議決権っていうのは持っていないんですよね。

経営審査員会に提出された非開示の資料も含めて、議会に開示され、説明されるのか どうか? こういう多くの点で課題があると思います。

ですから、最初申し上げましたように、「住民自治、団体意志を決定 する議会の関与、これが大きく後退する完全民営化に限りなく近い最悪の民営化だ」と、私たちは判断して良いと思います。

そして、コンセッション方式導入の水道民営化の最初の事例になるようですけれども、SPCとOM会社、株を持ってる人が違う、と。で、この点でも、最悪のスタートではないかと、そう思います。

で、開示請求、それからモニタリングの設定、こういうものを武器にして、戦っていく必要があるかと思いますが、今後の問題については、小川さんのレポートのほうで行われます。

今日は、県内のみなさん、全国のみなさん、それから、岸本さんは、どちらで視聴しておられるでしょうか? 海外で視聴しておられるんでしょうか? ものすごい広い範囲の方が、今日の集会、見守っていただいてると思います。

これまでの連帯と支援に心から御礼して、御礼を申し上げて、私のお話、終わります。ありがとうございました。

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多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ハイ、中島廉さん、どうも、ポイントをしっかり押さえたわかりやすい報告ありがとうございました。

それではですね、いまの中嶋さんの報告も踏まえて、次にですね、実際に県議会で論戦を戦わせた県議会議員のみなさんからのご報告をいただきたいというふうに思います。
えー、まず最初に、えー、岸田清実県議から、えー、ご報告いただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

県議会議員からの報告

 

岸田清実県議(社民フォーラム県議団)

ご紹介いただきました県議会議員の岸田です。
えー、6月の県議会で、ま、様々な課題、今、あのう、中嶋さんのご報告に、いくつもありましたけれども、様々な課題ありまして、ま、その、えー、それぞれ繰り広げました。
その中で、えー、今日、特に、あのう、ご報告したいと思いますのは、えー、SPCおよび新OM会社の議決権の問題ですね。この経過も含めて、ご報告申し上げたいと思います。

 

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             岸田清実県議報告資料より

えー、今、あのう、画面に出ておりますのが、ま、10社なので、10社の構成なんですけれども、そのうち主なとこ、2つ、ま、2つ取り上げました。

メタウォーターグループには、メタウォーター株式会社本体と、それから、メタウォーターサービスっていう子会社とありまして、たとえば、SPCの出資のとこ、35%となってますけど、メタウォーター株式会社が、親本体が34.5%で、メタウォーターサービスが0.5%の合計で35%っていうふうになってるので、メタウォーターグループになってます。

それで、あの、ま、こういうことが最終的にはわかったわけですけれども、最初ですね、えー、わかってたのは、SPCの出資のとこですね、メタウォーターグループが35%、それからヴェオリア・ジェネッツが34%、ま、あのー、日立が何%とかですね、そういうのがずっとあるわけですけども、主なとこで言うと、こういうことが明らかになっておりました。

しかし、あのう、SPCの議決権、新OM会社の出資および議決権、出資はですね、提案書のところでは、えー、SPCと同等っていうふうにはなってました。ただ、数字は、出ていませんでしたけどね。

ですから、具体的に明らかになっていたのは、SPCの出資だけで、その他の3つはですね、えー、明らかになっておりませんでした。私も、こういうことについては、あのう、素人なので、えー、「出資がそのまま議決権なのかな」というふうに思い込んでおりました。
で、えー、いろいろ、あの、ネットでですね、情報を集めてたんですけれども、メタウォーター株式会社のホームページを見た時に、あのう、SPCの、おー、ま、メタウォーターマネージメントみやぎっていうのが正式名称なんですけども(筆者注:「株式会社みずむすびマネジメントみやぎ」が正式名称です)、このSPCをですね、連結子会社にしたというふうにですね、あのう、メタウォーター株式会社のホームページに、あの、報告と言うんですかね、あのう、きちんと、要するに知らせなきゃないので、えー、そういうことが、あのう、メタウォーター株式会社のホームページに、あのう、お知らせ欄にですね、載っておりました。

 

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メタウォーター株式会社HPの2021年のニュース

「2021.04.27 子会社(特別目的会社)の移動に関するお知らせ」より

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS08491/68eb1fb1/859c/4251/9f62/8b9157a01862/140120210427401461.pdf

しかし、出資が35%なので、連結子会社ってのはどういうことだろう? と思ってさらに調べたら、最終的にSPCの議決権は、メタウォーターグループは51%、ヴェオリア・ジェネッツは34%の出資はするけれども、議決権を伴わない出資が、株式があってですね、議決権を伴うのは18%っていうことなんですね。ですから、あの、出資割合と議決権割合は違うってこと、その時初めてわかりました。

で、それがわかったのは6月の、えー、9日、10日の辺りで、それですぐにですね、あのう、県の企業局に新OM会社の出資と議決権はどうなってるのか? っていうふうに、あの、問い合わせをしました。

で、えー、その日の6月10日の夜にですね、私に回答がありました。まあ、それがこれですね。

で、それで、6月11日に、えー、建設企業委員会、県の、県議会の建設企業委員会の委員にですね、この一覧表が配布をされました。ですから、たぶん私が問い合わせないと、出てこなかった、配布されなかったんだと思うんですね。

で、それで、じゃ、これは、新OM会社のこの出資割合および議決権っていうのは、 いつ県がわかったのか? ってことですね。

この、えー、みずむすびマネジメントみやぎSPCで、えー、みずむすびサービスみやぎっていうのが、新OM会社なんですね。2社ですね。これは5月の19日に登記が終了しています。ですから正式に会社が誕生したのが、5月の19日なんですね。

議会の再質問の時に、じゃ、県はいつこれを知ったのか? っていうふうに再質問しました。「5月の19日登記の後にですね、すぐに県は報告をもらったので、その時点で、わかっていました」ということなんですよ。たとえば、翌日、報告を受けたとしても、5月20日ですよね。当日受ければ5月19日。

ですから、私が問い合わせたのは6月10日です。県議会は、6月15日召集の本会議がありました。ですから、あのう、非常に重要情報ですよね。

で、会社法は、会社法第2条3号で、えー、ある会社が、えー、他の会社を支配している場合、つまり議決権を過半数取っている場合には、子会社とするいうふうに、会社法第2条第3号でですね、規定をされております。

ですから、こういう議決権っていうのは非常に重要なわけですよね。要するに、あの、えー、メタウォーターグループがSPC、えー、みずむすびマネジメントみやぎを支配しているってことですよ、会社法の規定から言ってもね。

こういうことを、しっかりと、6月15日から議会が始まって、このことを、あのう、 えー、運営権設定の重要議案が出される議会ですよね。そこにこういうことをしっかりとですね、ホントは提供、情報提供、情報開示、しっかりしなきゃならないはずです。非常に重要な情報なわけですよね。

しかし、これが、えー、問い合わせるまでですね、全く開示がされていなかったということであります。これは、まあ、大きな問題点だろうと思います。

このことを本会議で、「問題ではないか? 」っていうふうに、あのう、企業局の管理者にですね、えー、追及をしましたけれども、企業局管理者は、問題だとは認めませんでした。

しかし、何回もこのことを、あの、質問して追及をしていたら、たまりかねて、知事が手を挙げてですね、えー、「反省すべき点がある」というふうに、あのう、知事が答弁をいたしました。

 

miyagi-suidou.hatenablog.com

 

でー、その後の6月定例議会の中の、あの、委員会、開かれたので、企業局、建設企業委員会の中でね、企業局管理者に、えー、「知事はそう言ったけれども、企業局管理者は同じ認識なのか? 」っていうふうに改めて、あの、質問いたしました。

あの、「同じ認識です」と。「だったら本会議で言えよ」ってなもんですよね。えー、まあ、そんなことでございました。

それで、まあ、改めて、先ほどの中嶋さんの報告にもありましたけど、改めてちょっとこのことの問題点をですね、もう一度、別な角度で見てみたいと思います。次の写真、お願いします。ハイ、そっちですね。

 

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             岸田清実県議報告資料より

それで、あのう、これがですね、あのう、ま、提案書の中にあるポンチ絵なんですけど、えーっと、上が県ですよね、そして、このグリーンっぽいところがSPC、特別目的会社です。で、これが、あのう、ま、受け皿になって、県と契約結ぶわけですよね。

ところが、実際の処理場あるいは浄水場なんかの維持管理は、あの、水色っぽい新OM会社がですね、えー、担うということになるわけですね。

で、そうすると、あのう、たとえば、あのう、SPCは、えー、改築なんかはSPCが、あのう、やります。ですから、あのう、ま、どういう機械を入れるとかですね、そういうものはSPCが判断をするということになります。ここは、メタウォーターグループが、51%との議決権持って当たるわけですね。

それから、新OM会社については、ヴェオリア・ジェネッツが51%の議決権株式持って、支配下にある新OM会社が、ここにあたるということになるわけですね。特に新OM会社は、県と直接の関係がありません。

こういうことをですね、えー、20年間、しかも新OM会社は、さらに20年間の契約期間が終わった後も、存続するわけですよね。こういう重要な公的事業がですね、それぞれ、メタウォーターグループ、あるいは、ヴェオリア・ジェネッツという特定の会社が支配する会社にですね、子会社に、えー、公的事業が20年間任せられる。

新OM会社は、20年の契約期間を過ぎても存続して、えー、それにあたるということになるわけですね。こういうことが、私は、公的事業としてはふさわしくない、適切ではないというふうにですね、えー、思うわけです。ハイ、次、お願いしまーす。

 

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             岸田清実県議報告資料より

で、もう1つはですね、あのう、これも提案書の中にあるんですけれども、えー、たとえば、えー、みなさんから見て左上のとこですね、えー、プロフェッショナルの育成だとかですね、えー、全国レベルのノウハウを地域に継承とか、ま、いろんなことがあります。

これは、あのう、SPCと新OM会社が共同で、ま、こういうことを、地元の宮城県内の 各自治体だとか、あるいは県内の事業者だとか、あるいは県の職員に対してもですね、こういうことを、えー、やろうということが提案されております。

そうすると、20年間でこういうことが積み重ねられてくると、新OM会社抜きに、県内の、たとえば市町村水道の事業運営にしてもね、そういうことに、えー、大きな影響力を持つことにならないのか? ということですね。

そうすると、えー、極端な話、あのう、20年間、あの、こうやって積み重ねてきて、 えー、みやぎ型管理運営方式が契約期間を終了。で、もしかすると、別のグループが、あのう、SPCを担うかもしれません。

しかし、この新OM会社は、引き続き重要なところは、この新しいみずむすびサービスみやぎでないと担えないっていうことがですね、出てきかねないわけですよね。

こういうところに、ヴェオリア・ジェネッツが51%議決権株式を持って支配をしている会社に、こういうことを任せていいのか? っていう危惧の念もですね、えー、出てくると思っています。

えー、議決権株式の問題1つとっても、経過上そういう大きな問題がありましたし、 あるいは、えー、こういう内容上もですね、えー、重要な、あー、課題問題がですね、あるということ、えー、沢山ありますけども、今日はこの点に絞ってですね、報告をさせていただきました。以上で終わります。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ハイ、岸田県議、ありがとうございました。えーー、今のお話を聞くとですね、えー、まあ、「結局宮城県は、グローバル水メジャーヴェオリアに、まんまとしてやられたんじゃないか? 」という、そういう懸念が生まれてきますよね。非常に危惧をするわけです。

ハイ、続きまして、もうお一方、えー、次はですね、福島かずえ県会議員からご報告をいただきたいというふうに思います。福島さん、どうぞよろしくお願いします。

福島かずえ県議(日本共産党宮城県会議員団)

こんにちは。ご紹介いただきました県議会議員の福島かずえです。

私も、えー、岸田さんや、この後、発言される ゆささん と同じ所管の建設企業委員会に参加してました。本当に、6月県議会は、大勢のみなさんが関心を持って見てるこのみやぎ型の条例が2つ出ました。

で、それについて、議案を直接審査した委員会なんですけれど、非常に、あのう、先ほどからもお話がありましたように、ほとんど議案審査に必要な情報が出てこないということが、まず第一の問題だと思います。

ちょっと、私は、あの、資料を、あの、みなさんに作ってこなかったので、中嶋さんが作った資料を参考に、ちょっとお話ししたいと思うんですけど、これの、今日みなさんのお手元に配られた5ページですね。

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    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

県議会が判断する材料は十分だったのか? というのがありますけれども、下の方です。

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    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より

これ、あの、14の計画文書とありますが、えーとー、これは、あの、市町村の水道担当者、水道関係の課長さんに対して示した文書が、元の文書なんですけれども、ですから、あの、市町村のみなさんが、水道課のみなさんが、あるいは、市町村の水道事業として、どうしてもこれは知らないと、卸しで買うわけですから、あのう、不安だということについて、まとめた文書なんですけど、実は、あの、これだけではなくて、えー、あのう、宮城県がSPCと結ぶ契約書というのがあります。

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www.pref.miyagi.jp

これは、あのう、令和2年の3月かな? には、発表されて、それが、あの、12月に、「大幅に」と私たちは思っているんですけども、改定されました。

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www.pref.miyagi.jp

今も、あのう、ホームページにありますが、えーとー、やはり、あの、民間、しかも、あのう、外資も入った民間会社とのこれから20年間の取り決めが、この契約書ですから、やっぱり、契約書がどういう中身なのか? それが確定していて、それについて、いいか悪いか? これが、ホントに問われてることだと思ったんですが、あのう、えーと、123ページにわたる実施契約書、他にも、あの、契約書と同等の文書ということで、他にも、えー、5文書ぐらいあるんですけれども、要求水準書とか、モニタリング計画書とかあるんですけれども、そういったものが確定してないまま、議案として出されているということは、非常に問題だと思っています。

で、この、特に123ページにおよぶ契約書のうち、えー、別紙というのが、契約は116条なんですけれども、その55ページから別紙という形で、その別紙っていうものについて、あのう、今もたぶん、ホームページ見るとわかると思うんですが、あの、抜けているんですよね。

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宮城県上工下水一体官民連携運営事業(みやぎ型管理運営方式)公共施設等運営権実施契約書(案)令和2年12月24日改訂版 宮城県 p67~68より

https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/825573.pdf

箱の中が空白であったり、黒丸点々みたいな形で、いくらになるのか? というのが示されてない。ま、こういう形でちょっと見にくいかもしれませんけれども、えー、出されているわけです。本来こういったものは、完成して議会に提案されるということが必要だと思うんですけれども、そういうものがありません。

えー、特に、あのう、私たちは水道、飲み水ですが、関心持ってますけれども、下水道や工業用水についてどうするのか? ということについては、ほとんど、あのう、草案すらも示されてなくて、説明もされてないというのが、ま、状況になっています。

それから、ただし、もう、これは、あのう、「この契約書そのものが、議決案件ではありません」みたいなことを、えー、6月議会では、当局、言ってるんですけれども、ただ、今回6月で承認した私たちの条例、これを承認すると、もう、20年間にわたるその契約について、もう、議会が関与することがほとんど難しくなるということも、大きな問題だと思います。

で、あのう、実は、去年の12月に、大きくこの契約書が変わった。公募の前に作った契約書案が、公募後に、競争的対話という企業とやり取りする間に変わったというのは、これまで日本のコンセッション取り入れた浜松でも須崎でもやってないということを、えー、ありますけども、それが、大きく5項目も変えられて、中でも知的財産権の使用料は、ホントは払わなくていいということだったんですが、えー、だいたい業務開始年間5,000万払うということや、それから、20年の間にその使用料も変更されて増額することが、7月1日の委員会審査でも明らかになりましたし、さらに21年目以降も、その特許とか、あのう、独自の権利があるんだと主張されたものについては、永久に、それを使い続ける限り払わなくちゃいけないというのが、この契約書の中身になっています。非常に問題だと思います。

で、この契約書は、実は今も、あの、確定してなくって、あのう、県が今、えー、事前調整というか事前協議という形で、事前審査という形で、かなりやり取りをしているんですけども、この中でも変わっていく可能性、変わる可能性もあるんじゃないのかなと思ってます。

あの、後で小川さんから報告あると思うんですけれど、スケジュール的には、もうすでに、あの、申請書を出してなくちゃいけないですけども、出せない。

で、事前審査という形でやり取りをしているということですから、私たちがこの契約書完成版を目にするのは、本当に契約してからしかダメなのかなあっていうくらい、非常に問題だと思ってます。

ま、私たちは、認可の前で確定したら、契約前に、ぜひ、あの、議会と県民に公開すべきだということは求めています。やはり、この契約書の中身というのが、非常に問われてます。

それから、6月の県議会で、その2つの条例案が出されました。それについて、本当は、大事なお金の問題がそれに絡んで示されなくちゃいけなかったんですけれども、たとえば、あのう、この20年間に、みなさんから集めた料金を、その、SPCに払うんですけど、それがいくらなのか? という、年間いくらになるのか? というのが、書き込まれてないんですね、条例には。

浜松では、下水道条例そのものに、えー、運営権者に渡す利用料金の上限が3割だというふうに書き込んでありますし、その条例施行規程に、23.8%というパーセントまで、はっきり言ってるんですが、宮城県の場合、条例の中には、一切、じゃ、いくらその宮城県が、このSPCにお金を払うのか? というのが入っていません。

そして、あのう、この運営権の売却の価格が、わずか10億円であるということも、えー、はっきりと示されておりません。

えー、本来、完全民営化であれば、宮城県が持っている上水、下水、工業用水の全資産は約2,909億円です。それを民間会社が買って、初めて運営できる、これが完全民営化ですけども、そんなお金を払わなくても、わずか10億円ぐらいで、えー、やりたい放題っていうか、運営して儲けられるのが、このみやぎ型であります。

ちなみに、あのう、えーとー、浜松では、25億という、40万の(給水人口の)下水道の、えー、運営権対価が25億ということですから、ま、それから見てもどうなのかな? というふうに思います。

そして、えーとー、SPCが言ってる事業費削減額が、20年間で287億円というふうに私たちは説明を受けてますが、それについても、契約書にも、それから、条例提案されたものにも、一切そうした数字はありません。ですから、本当に、あのう、「287億円削減するんだと言っているけれども」という形にならないようにしていかなくちゃいけないと思っています。

そして、先ほど来から出ている情報公開のルールです。

中嶋廉さんが説明している資料としては、みなさんのお手元のさっきの5ページの上のかな? 5ページだと思うんだけど、あの、SPCであるメタウォーターグループが、提案審査書類っていうことで県に出した書類は、107ページに及ぶものなんですけれども、議会で委員会審査するのに、「これがないと審査できない」と議会でのっぱって、それ出させた資料ですが、このように真っ黒くろなんですね。

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    「宮城の水が危ない! ストップ水道民営化 市民集会」資料より


で、これはなぜかと言えば、企業の経営利益を損ねる恐れがあるとか、個人の情報だから教えられないということで、黒塗りで出ててきています。今後、あのう、私たちが何か問題だと思って、SPCに情報開示してと言われても、こういう形で出てきて、それを、あのう、県の審査会も、なかなかなんですけれども、本当に、あの、SPCが設置した審査会みたいなものは、本当に、あのう、私たちが知りたい情報を、きちんと公開してくれるかどうか? 本当に定かではないというふうに思っています。

えー、また、先ほど岸田さんが言ったそのOM会社を県がコントロールできるのかどうか? SPCの情報でさえもこういう状況で、OM会社の情報は、本当にどこまで出てくるのか? わからないということです。

で、あのう、情報開示の問題では、この3グループの中で、このメタウォーターグループが、あのう、ま、当選したと言うか、決められた。優先交渉権者になったんですが、その経過も非常に不透明です。

えー、議会の中では、知事も、「PFI検討委員会では、応募した会社名を伏せて機能しているから、わからないで、いい案をやってる」と、いい案を選んだいうふうに言ってますが、実は、えー、6月に入ってから、あのう、情報公開されたそのPFI検討委員会の議事録をみると、たとえばこんなふうにあります。

「Aコンソーシアムで第5株主と第6株主である現受託2社が、JVを組織してOM事業を受託する」、これは、あのう、失格になったところで、いま受託してる会社が入ってるのが、Aグループということが、委員の中でも会話でわかります。

それから、えー、ヴェオリアですね、Cコンソーシアムは、第2の株主、ヴェオリアのことです、国内外7,000カ所の浄水場下水処理場の運転実績を有している世界トップクラスのグループ企業ということで、名前こそ出てませんけれども、その3つのグループがどういう企業で構成されてるのかがわかって、PFI検討委員会では議論していくということですから、あのう、ヴェオリア外資であるとか、そういったこともわかりながら、あのう、Cグループを選んだということで、そして、いま受託してる会社が入った地元企業、七十七銀行とか日本政策金融公庫とか、そういったことが出ているAグループが失格してるというのも、非常に問題だというふうに思っています。

www.pref.miyagi.jp

そして、えー、後で小川さんのほうであると思うんですけど、広域化事業とセットで、えー、ヴェオリアは県の卸し事業だけではなくて、末端の蛇口まで民営化を狙っているということ、最近、あのう、水道広域化推進策定に係る調査検討業務委託報告書というのが、3月にまとめられたのがようやく明らかになったんですが、これは、あのう、メタウォーターグループにも出資しているSPCの一員である日水コンというコンサル会社がまとめた、あのう、広域化に関する報告書です。

水道広域化推進プラン策定に係る調査・検討業務報告書 令和3年3月 宮 城 県https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/867462.pdf

それから、新たに今年度から、えー、広域化の具体的な計画を県が作っていくんですけど、そのアドバイザリーも日水コンが受注してる。

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令和3年度水道広域化推進プラン策定に向けた検討推進業務の企画提案募集 - 宮城県公式ウェブサイト

これはもう随意契約というか、1社しか応募してなくて、日水コンが取ってるということですから、民営化だけじゃなくて、広域化の問題も本当にあると思っています。

引き続き、みなさんとご一緒に頑張りたいと思います。以上です。

多々良さん(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

ハイ、福島県議、どうもありがとうございました。

えー、本来議会で判断すべきですね、必要な情報が決まっていない、開示されていない中で、承認を求められたということで、私も傍聴していて、この議会の、その、議員の人達は、こんな状態で最後議決を迫られるのは、気の毒だなあというふうに思いました。

だけど、なぜか、その、知事の与党の側の方々は、あまり自分たちを気の毒だと思っておられないようでした。