宮城県の水道民営化問題

命の水を守るため、水道の情報公開を求めていきましょう!

「来年4月みやぎ型事業開始ありき」の村井知事に、ふたたび緊急申し入れが行われました!!

2021年4月14日、命の水を守る市民ネットワーク・みやぎが、村井知事に対して、「『みやぎ型管理運営方式』に関わる関係全市町村での説明会とパブリックコメントの実施、6月定例会への関係議案の提出見送りを求める申し入れ 」を行いました。

 

みやぎ型管理運営方式 命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ

 

記者レク

佐久間共同代表(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

すみません、大変お待たせいたしました。

ちょっとしたハプニング入りまして、遅れてしまいまして。あの場所での取材と思いましたが、結局、こちらに移動することになりまして、みなさんに、ちょっとご迷惑かけました。

命の水を守る市民ネットワーク・みやぎの共同代表の佐久間です(と一礼する)。

中嶋共同代表(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

中嶋です(と一礼する)。

佐久間共同代表(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

よろしくお願いします。

今日、みなさんのお手元にお配りしている知事宛の申し入れというものをお渡ししてきました。↓

 

                             2021年4月14日

宮城県知事 村井嘉浩

 

「みやぎ型管理運営方式」に関わる関係全市町村での説明会とパブリックコメントの実施、6月定例会への関係議案の提出見送りを求める申し入れ

 

                     命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ

                            共同代表  佐久間敬子

                              同   中嶋  信

 

当会は3月15日、県営の上工下水道9事業に「みやぎ型管理運営方式」を導入する計画について、関係市町すべてでの説明会開催とパブリックコメントの実施を申し入れました。しかるに、ホームページ上で案内された説明会は、大河原町大崎市仙台市の3ヵ所だけで、パブリックコメントについては案内がありませんでした。大河原町大崎市の説明会は、同じ会場で午前にも説明を行い、仙台市では同じ日に別の会場でも説明会を行うとのことですが、「6月定例会への上程が先にありき」になっています。「一応の説明はした」との居直りにとどまっているのは残念です。

当会が民主的な手続きを求めているのは、諸外国におけるコンセッション方式を含む水道民営化の失敗の轍を踏もうとしているとしか思えないからです。コンセッション方式を導入した後は、議会が実際的に関与できなくなることが宮城県議会の質疑でも明らかになりました。つまり、県民が関与できなくなるということです。情報公開の範囲は、実際的には運営権を手に入れた民間事業者が決めるという契約になっています。情報公開が限定されたら、値上げが計画された時の根拠も、水質の維持も、地元事業者が仕事を受注しているかどうかも、すべての検証が困難になります。優先交渉権者の企業グループには、宮城県の水道事業の広域化をプランニングしてきた日水コンが参加しており、市町村の上下水道事業を含めて1社独占が進むことを現実に懸念せざるをえなくなっています。

 国際社会では、水問題の危機の深まりと水道民営化の弊害の体験から、「水は人権」と強調されるようになっています。水道事業は、極めて公共性が高く、公共サービス基本法の趣旨に沿って、県民への情報公開と説明を十分に行い、県民の意思の反映に尽力することが当然です。全国初の本格的な導入事例となる可能性が高い宮城県においては、なおさら丁寧な説明と透明な手続きが求められています。

新型コロナの感染継続で、地域の合意づくりが難しくなっているだけに、民主的な手続きをゆるがせにしてはなりません。

説明会を関係するすべての市町村で開催し、パブリックコメントも新しい計画に即してとり直すことを、再度求めるものです。それまでは契約に関わる議案は提出すべきではなく、宮城県議会の6月定例会への関係議案の提出を見送るよう求めるものです。

                                以 上

 

(筆者注:「仙台市では同じ日に別の会場でも説明会を行う」とありますが、5/30オンワード樫山仙台ビル、6/3仙台市戦災復興記念館と別々の日程になっています。詳細は県のHPでご確認ください。)

 

みやぎ型管理運営方式 事業説明会
www.pref.miyagi.jp

 

表題にありますとおり、「みやぎ型管理運営方式」に関わる関係全市町村での説明会とパブリックコメントの実施をする。そして、6月定例会への関係議案の提出はしないでほしいという申し入れです。

前にも、こちらで報告させていただいたんですけども、2月4日に説明会を開いてくださいという申し入れを行いました。昨年の12月24日に、今回のみやぎ型の様々な契約内容が、私たちから見ると、かなり大幅に変わっている、と。

しかも、それは、県と県民にとっては利益にならない。負担が増える、そういうような変更でないかと思う。そういうことも含めて、県のほうできちんと説明会をしてほしいということを言いました。

それから、もう一つは、改訂された契約書等によると、受水市町村なども、このみやぎ型の中に入り込めるというか、入るようにいろいろ誘導するというような仕組みになっている。

そうであれば、関係する市町村に対しても、十分な説明をして欲しいということの申し入れをしたんですね。で、その後に優先交渉権者が決まったということがありまして、私たちは、優先交渉権者の決定を正式に行うこと、それから、そこと昨日、協定をしているんですけれども、それは、ちゃんと説明会をやるとか、パブリックコメントを取り直すとか、そういうことをしないうちは、やらないでほしい、そういう申し入れをしたんですね。

それで、昨日、基本協定書というのが締結されて、6月議会に上程するということで、説明会を3カ所でやりますという発表がありました。そしてそれが、仙台市議会の自民党公明党議員さんたちがいろいろ働きかけて、6回に増えたんですね。

ただ、このコロナでみなさんの生活が落ち着かない。そして、いろんな事業者の方々も死活問題になるような時短、自粛の営業というものを求められている。仙台市については、5月5日までまん延防止適用措置が使われている区域になっているし、その他の市町村でもいろんな公共施設等が休館になったりしてますよね。

こういう時に、なんで慌てて説明会を開くのか? ということもあります。

4月には大河原でやる。これは仙台市でないので、まん延防止の適用区ではないんだということだと思うんですが、5月、6月の県議会の直前に、仙台市でやるということですね。

そんなに慌てる必要ないんじゃないか、と。もっとゆっくり説明会を開いて、県民から意見を聞いて、考えてやってほしいということなんです。私たち、すごくこう、この県の進め方に、手続きにこだわってきております。

それはなぜかと言うと、単なる手続き問題ではなく、県民に対して十分に説明をする、情報を明らかにする、意見を聞くということをしないまま、このみやぎ型というコンセッションを採用することは、非常に危ない、と。

 

みやぎ型管理運営方式 水道民営化 宮城

このチラシにもあるんですけど、諸外国で様々な失敗の実例があるんですね。

そういうものを見るにつれ、ホントにこれを始めていいのか? そういう危険をあえて県民のみなさんがわかったうえで、「コンセッションにしましょう」というのであれば、それはそれで県民の選択だからいいんですが。

よくわからないままに、これが進められているのが非常に不安だし、今まで、公営企業ということで、さまざまな情報が、かなり克明なものが開示されてきたけど、民間の方の事業になれば、企業秘密やら何やらがあるでしょうから、そんなに、これまでのような情報開示があるのか? そういうことがわからなければ、事業の実態が見えなくなる。

料金の値上がりや水質の悪化につながったりすることが、私たちから見えない。判断する材料がないということになるんですね。

いろんな中身の不安があるということで、手続きを丁寧にやってほしいというふうにこだわっているということなんですね。

水の問題というのは、世界各国で様々な問題を引き起こしていて、水のない国もあれば、水がたくさんある国でも、分配が誤っている国もあるし、国連では「水は人権」だということを、2010年に人権理事会で採択している。

それから10年経って、水は人権という中身について、いろんな側面から分析されているということですが、それは何かって言うと、命の水だし、公衆衛生にとって不可欠な水だという面がある。そしてまた、産業にとっても重要な水だということで、特に漁業とか養殖業とか、そういうところにとっても、大切なものであるんだろう、と。

そういうようなことに、もう一回立ち返って、水道事業が抱えている問題というのは、認識は一致していると思うけれども、その解決策が果たしてみやぎ型か? ということになると思うんですね。

そこら辺を、水を考えるという時間を取って、これをホントに採用していいのか? そこを考えるという手順が必要だと思っています。

一回、これ進めちゃうと、なかなか後戻りできないんですね、20年間。

後戻りできないというのは、いろんな意味があって、途中でやめれば違約金が発生するし、それから、ある一定の段階で、やっぱり公営に戻したいと思った時に、これを担うような専門技術者がいるかどうか? というのもあるし、そもそも事業体が新しいノウハウを、そこに入れ込んだ場合に、途中から引き継いで、そのノウハウを上手く使って事業運営ができるか? と、様々な問題が出てくるんですね。

だから、そこを何でこんなに急ぐのか? という疑問があります。

さっき、ちょっと県の方ともお話してきたんが、6月議会がギリギリ、この事業を来年 4月から進めるとすれば、県議会を通すのは、それでも遅いぐらいだという話がありましたけど。

4月に始めるというふうに思うからダメなんで、そんなに急ぐ必要ないんで、ちゃんとやるような手順を踏んで、そこからスタートするというふうに、4月に始める というふうに逆算するから、6月議会に出すというふうになるんですが、そうじゃない、と。

やることをちゃんとやって、そして、みんながある程度の合意ができてスタートというのが、本来のやり方ではないかなと考えるんですね。

それで、この表題にありますように、これからの2か月の期間に、私たちが求めているような説明会をやったり、パブリックコメントを取り直すとかやるのは、なかなか日程的にむずかしいと思う。

ですから、6月議会での運営権の設定を承認してもらうという議案なんですけど、これはちょっと見送りをしてほしいと、そういうことで申し入れをしています。

私たち今、請願署名運動というのをやっていまして、これ、われわれの請願の中身と、後ろのほうに、何が問題かっていうので、4コマの漫画っていうような解説をしてるんですけども、6月は、そこで一旦、先決するということは凍結してほしいということを、県議会の議長さん宛で考えてます。

みやぎ型管理運営方式 凍結署名

この用紙のダウンロードは ↓

http://www.miyagikenmin-fukkoushien.com/pdf/index/4.3shiminnshuukai%20shomeiyoushi.pdf

 

これは、宮城県の人だけでなく、全国から署名集めてます。

それから、インターネットでもお願いしてます。↓

キャンペーン · 宮城県議会議長 石川光次郎殿: 宮城県の「水道民営化」手続きを凍結してください! · Change.org

なぜかと言うと、知事は、みやぎ型が水道事業の改革のモデルケースとおっしゃってますので。ただ、私たちは失敗する可能性もかなりある実験ではないかと。

宮城県以外の方々も、そういう不安を持って、みやぎ型がここで導入された場合に、他の県にも波及していくという不安感を持ってる方が多いんですね。

それからネット上でも、「宮城でうんと頑張ってほしい」とおっしゃる方がかなりいるということで、ネットの署名もお願いしてるということなんですね。で、水道問題、水の問題に関心がある人は、みやぎ型については非常に注目しているという状況にあります。

逆にわれわれが、あまりそこら辺を考えてなかったということもあったのかもしれないんですが、いま全国から電話をいただいたり、メールをいただいたりしていて、これは大変な問題なんだと改めて痛感しているということで、私たちもここで、いっそう大切な水、公衆衛生上不可欠な水、産業にとっても不可欠な水、これを、次世代に、未来永劫、後世に伝えていくというために頑張る必要がある。

そして、そういうことで応援してくださる他県の方がかなりいらっしゃるということで、大変ありがたいというか、みなさんのそういう疑問なり不安なりも、私たちの頑張りようによって、何とか食い止めることができるのではないかと、この請願運動をしてます。

今回の申し入れは、同じような考え方から、改めて宮城県知事にお願いしたということになります。だいたい、私のほうからは以上ですが。

Aさん

KHBのAと言います。県のほうから、回答みたいなものはいつぐらいといったことは、あったんですか?

佐久間共同代表(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

いえ、回答は求めてないです。これを、県のほうでどう受け止めるか? で、受け止めた結果をどういう形で表現してくれるか? ということですが、さっき、ちょっと申し上げたように、要するに来年の4月運用開始ということになれば、6月議会がギリギリだ、と。だから、これの先送りはできないということだったと思います。

それから説明も、大河原で午前、午後、2回やって、大崎で2回やって、それから仙台市で2回やるということで、あとは動画配信をするので、そこに来られない人は、動画を見てほしいという話で、そういう形で、みなさんの理解を求めるという精一杯の努力をしてますので、だから、そういうツールを利用して、みなさん是非これを知ってくださいというような話でしたね。そういうお答えが、お話する中であったということです。

Bさん

東北放送なんですが、今の先送りできないというのは、先ほどの話し合いの中で出た話ですか?  私は権限があるわけじゃないけど、受け取った担当者として、そういうスケジュールを考えると先送りはむずかしい、と。 そういうふうにおっしゃったってことですか?

佐久間共同代表(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

おっしゃった。ただ、「権限があるわけじゃないから」とおっしゃったんですね。正式決定ではないということだけど、担当者としては、こうスケジュールを見ると、「6月に県議会の承認をもらわないと、県営からメタウォーター、ヴェオリアオリックスとか、そういうところの事業体に引き継ぐ時間が必要なので、やっぱり6月議会はなんとしてもギリギリの線だと考えている」というような話でした。

Cさん

すいません、仙台放送なんですけれど。ごめんなさい、この関係市町すべてで、説明会開催ということ求めているんですけど、これっていうのは、受水市町村のこと?

佐久間共同代表(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

受水市町村って25あるんですね。県から水を買ってる所です。そこはやっぱり、大いに影響あるので、こういう関係者に説明しないといけない。こういう市町村から、これまでも、いろいろ質問が出てるんですが、答えがあったりなかったりして。

で、今回は、さっき申し上げたように、なんか違った仕組みになってないだろうかとnいう疑問があるんですね。そういう意味で、ちゃんと、県から水を買っているお客様、そういう所にはちゃんと説明会やってほしいということですね。

仙台市議会の自民党公明党の議員の方々が、説明会の回数を増やしてほしいということで、3回が6回になったということのようですけども、やっぱり各市町村でも説明してないし、今回3カ所ですよね。もっとほかの所でやらないと、地域性に偏りがある。

それも、いろんな事情踏まえて、動画配信するからそれで見てほしいというのが、むこうのお答えなんですね。

Cさん

パブリックコメントは、実施されてると思うんですね。ただ、今回改めてというのは、新しく優先交渉権者との話し合いで内容が変わっているから、再度ということでの理解でよろしいでしょうか?

佐久間共同代表(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ)

そうです。県は、「実施方針についてパブコメ終わってるし、今回の昨年の12月24日の改訂のは、別に枠が変わったわけでも何でもないんだ」と言う。「県にとっても、県民にとっても、いい方向に変わってるはずだ」、と。これはまあ、ムダなことは省略するということもありましょうし、パブリックコメントを取るようなそういう話ではないというふうなご意見でしょうね。

 

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