2021年3月15日、命の水を守る市民ネットワーク・みやぎが、みやぎ型管理運営方式の優先交渉権者の決定及び協定の締結を、関係市町村での説明会とパブリックコメントをやり直すまで行わないよう村井知事に緊急申し入れ書を提出しました。
記者レク
緊急申し入れについて
みなさんお忙しいところありがとうございます。
命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表の佐久間でございます。
3時に宮城県知事に、みなさまにお配りしています緊急申し入れ書ということで、この書面を提出して参りましたので、そのご報告をさせていただきたいと思います。
冒頭の3行に申し入れの結論を書いてございますけれども、3月12日に水道のみやぎ型について、PFI検討委員会というところが審査をして、最優秀事業者と次点の事業者を発表するという形で答申がありました。
今後のスケジュールとしては、政策・財政会議という県の重要な施策について議論する機関の審議を経て、知事がたぶん3月中にも正式決定をするという形になると思います。
私たちは、これまで県民に対する説明が決定的に足りないということを重ねて主張して参りました。県のほうも、それはある程度認めているところです。特にコロナの元で、なかなか説明会も実施できないし、出前講座もなかなか実施できないということもあって、いっそう県民に対する説明の重要さが、スケジュールが進行する中で明らかになったきたと思います。
今回、これまでと同様、それ以上に、県民に対する説明を重視していますのは、昨年の12月24日に当初の公募関係の様々な資料が大幅に変わっている。中身が変更されているんですね。
これを検討すると、県と国にとって不利益に負担が多くなる内容に変わっいてるんではないかというふうに思われました。
2月4日に、そういうことも踏まえて、県民に対する説明会をしてくださいという要請を行って、県のほうからは一応お返事はありましたけれども、今回PFI検討委員会の答申もあって、正式決定のスケジュールがいよいよ2週間後ぐらいに迫っているという中で、今回のPFI検討委員会の答申は、12月24日に応募要項が改定されたものについて県民にちゃんと説明もないし、県民からの意見も徴取していない。これは非常におかしい。
もう一度説明会をやって、パブリックコメントを取り直してもらいたい。最初やりましたけれども、それは前の実施方針に対するパブリックコメントで、今回大幅に変わったものに対してではないですね。新しい大幅に変わった内容について取り直しをすべきだと考えて申し入れを行いました。
議会でもいろいろ議論になっているんですね。議会の委員会でですね。ある政党は、やはり今回の大幅な改訂については全市町村で県民説明会をすべきだという要請を行っているとも聞きましたし、今回の大幅な改訂というのは、果たして県が拠り所にしているコンセッションの基本的な枠踏みに合致しているのかどうか、非常に疑わしいと思っていますので、是非そこら辺について説明会をやる、と。
それから、ホントに広く県民から意見を徴取する、パブリックコメントをやるということをやってほしい。それまでは、知事は正式決定はしないでほしいということを求めました。
知事が正式決定すると、今回の優先交渉権者の構成企業と基本協定というのを結ぶことになるんですね。こういう手続きも一時ストップしてほしいという申し入れをしています。
申し入れのあて先は宮城県知事になっていまして、協定の締結というのは公営企業管理者とやるんですけど、契約当事者は誰かというのは、こういう行政のやり方についてトップの関院者である知事ですね、是非この申し入れを真剣に受け止めて、そして、県民が納得するような事業運営とか政策運営をしてほしいということで申し入れをしたということになります。
請願について
それから、みなさんにお配りした資料で、県議会に対する請願があります。これ、原稿なんですけど。
知事に(答申を)送って、基本協定締結以降に、6月に県議会に運営権を優先交渉権者に設定するという承認を求める議案が出される、スケジュール上そうなりますが、いま申し上げたように、このスケジュールはちょっと凍結すべきだと思っています。
【 請願事項 】
1、県に対して、「みやぎ型管理運営方式」に関わる新たな県民向け説明会を、関係するすべての市町村で開催するよう求めること。
2、県に対して、再度「みやぎ型管理運営方式」に対するパブリックコメントを取り直すよう求めること。
3、それまでの間、運営権の設定と関係する議案は採決せず、手続きをいったん凍結させること。
請願事項、1、2、3と3つあります。
1が、新たな県民説明会を、関係するすべての市町村で開催するようこと。みやぎ型は変わってきている。だから説明会を新たにやるべきだ、と。
それから2番目は、これは大変大きな県の政策の転換ですよね。今まで公営企業でやってきたものを、20年間の長期にわたって、運営権全体を一括して民間企業に任せるということで、知事もおっしゃっているように、全国初の水道、下水道、工業用水道、3者一体9事業を民間に任せるという全国初の政策になりますから、やっぱり県民説明会を開くだけでなくて、パブコメを取り直すことが必要だ、と。
私たちの向こう20年間の命の水をどうするのか? ということになりますので、これはホントに切実な課題ですね。命を守る、健康を守るそれから産業にとっても重要なものですから、そういう意味でパブコメを取り直してほしい。
3番目が、それまでの間に県は運営権設定と関連する条例案をお出しになるようですが、それは採決しないで、いったん止めてほしい。
「県民の意見を十分聞いたよ。パブコメは取ったね。だいたいの人はわかったよ」といういことになるまで、手続きを止めてほしいという請願です。
この請願ですけど、私たちは、県民だけではなくて、広く全国の人に呼びかけたい。
それは、知事が「全国初の事業で、モデル事業になる」とおっしゃっていましたから、まさにそういう意味では全国に波及する新たな政策だと思いますので、私たちのもとに、他の県の方から「宮城のほうでどうなってるのか? 何かお手伝いしたい」という声がかなり届いています。そういう方々にも声をかけて、この請願書を援護してもらいたいし、ネットでも集めたいと思っています。
これ、原稿でまだ完成しておりませんが、これが表で、裏のほうはまだ未完成で原稿に過ぎないので、完成しましたらお届けしたいと思ます。
裏にわかりやすい内容を書き込んで、県民のみなさんもそうですけど、県外のみなさんにも関心を持ってもらって、私たちの運動に力を貸してもらいたいということで、請願というのも予定しています。
市民集会について
それから4月3日、水問題の第一人者の橋本淳司さんをお招きして、お話をしていただきます。
橋本さんはこの著書のご紹介にも書いてあるんですが、水問題を本当にライフワークとして長く取り組んでこられた方です。
そして、短期的にではなく、長期的に水というものはどういうものなのかということに取り組んでこられたし、環境とどう関わるかということも取り組んでいるし、全世界の水状況はどうなのか? 水が足りない、水でいろいろ争いがあったり、戦争だと言われることもありますので、そういう中で、世界を見据え、将来を見据えて、宮城の水道はどうあるべきか? という大きな視点で問題提起をしていただきたい。お考えになっていることをお話していただきたい。
そうすると、私たちの視野もずっと広がるし、短絡的に赤字になるんじゃないかとか、管路の更新の費用が足りないんじゃないかとか、そういう問題を少し超えて、20年間だけではすまない、未来永劫、水を使っていかなくちゃいけないですね。そういう大きな問題だという視点で視野を広げて、橋本さんが今まで取り組んでこられた、いかに水が大切かという問題について、改めて私たちにいろいろお教えいただいて、私たちも少し違った観点からこの問題を再確認するということにしたいと思っています。
あとは報告で、県議さんたちにもお声がけして、県議会の議論の状況とか、県議会としてこの問題について懐疑的な方々がいらっしゃいますので、これを機に、議会ではどう討論されているのか? という話もしていただきたいと思っています。
ざっとお話しましたけれど、この3つの資料のご説明を行って、本日の知事あての申し入れの趣旨についてみなさんにご報告させていただきました。どうもありがとうございました。