宮城県の水道民営化問題

命の水を守るため、水道の情報公開を求めていきましょう!

9月定例会決算特別委員会建設企業分科会でも「みやぎ型」の質疑応答が行われました。   管路の耐震化状況や南部山浄水場から放射性物質が混入した浄水発生土が出ているという報告もありました。

2020年10月20日宮城県議会9月定例会決算特別委員会建設企業分科会で行われた質疑応答では、みやぎ型および東日本大震災後の水道管路の耐震化状況に加えて、福島第一原発事故に係る損害賠償金として、上工下水道合わせて12億9,000万円が東京電力から支払われ、南部山浄水場からはまだ放射性物質が発生しているとの答弁がありました。

 

令和元年度公営企業会計決算補足説明資料

 

公営企業管理者の説明への質疑

  

福島かずえ 宮城県議会議員

福島かずえ委員

管理者の決算要旨に対する質問をいたします。冒頭に、水道事業と広域水道事業の課題ということで述べられており、さらに、工業用水事業についての課題がコンパクトにまとめられています。

最初の水道事業では、上水だけに限らず工業用水、下水、全体を含めて課題とおっしゃってるのかなと思いますが、流域下水道事業は決算年度から企業局に移管されたものであり、個別の課題、あるいは求められているものがあれば伺いたいと思います。

櫻井公営企業管理者

基本的には全国でも同じ傾向だろうと思いますが、やはり流域下水道もある時期に非常に早いスピードで整備をしてきたという歴史があります。だいたい20年から30年ぐらい前から急に進めてきたという歴史が全国的にあります。ちょうどその設備が老朽化してきた。これは上水道事業も似たようなことだと思います。また、人口減少の中で処理水量が下がってきて、収入が減ってきている。総じて上水道事業、工業用水道事業含めてということで。

もう一つ、これまで下水道は国庫補助事業で整備してきました。それが老朽化してリニューアルあるいは省事業化というところに向かっている。こういった予算をどうするか? これは全国的な問題だろうと思っています。あえて言うとなるとそういったことかなと思っています。

福島かずえ委員

上水は目に見えて毎日飲んだり使ったりするものですけど、やはり下水道も日々の暮らしに欠かせないものであり、特にこういうコロナ感染症拡大の折には衛生施設として 一日も止められないものですので、この点はますます貴重な都市のインフラということで改めて見直しが必要じゃないかなと個人的には思っています。

工業用水道事業の仙南工業用水は、水需要が見込めないということから、平成21年度に事業廃止を決め、平成22年度に廃止手続きを行って、決算年度には清算事務が完了し、会計そのものもなくなりますが、振り返っての所感を伺いたいと思います。

櫻井公営企業管理者

仙南工業用水道事業は、まさに仙南地域、柴田、村田の工業団地を作っていく中での工業用水の供給という目的で発祥したわけですが、残念ながら、業態と言いますか、工場の水道の節水型あるいは使わないものが出てきてる中で、特にこの仙南工業用水道、ダムの負担金も含めて途中まで事業が続いたわけですが、急激な社会の変化にともなって工業用水の需要がなくなった。これらについては、ダムのほうの環境用水という中で、一定程度国のほうからもその部分については、工業用水にとっては非常にいいご判断をしていただいたなと思っています。

 

ゆさみゆき 宮城県議会議員

ゆさみゆき委員 

令和元年度11月県議会建設企業委員会で留保した少数意見において、事業内容、情報 公開の徹底、受水市町村・県民の理解、市町村の水道の広域化検討について、早く検討を進めることと述べました。令和元年のこの委員会の中でも、これについてはしっかりと対応していくとご答弁をいただいた経緯があります。その対応の成果について伺います。

櫻井公営企業管理者

県民の方々からご心配の声をいただいております。われわれも可能な限りシンポジウムあるいは説明会をその後も開きながら、事業内容の説明に努めていきたい所存です。 先般、公開質問状もいただきましたが、なかなかわれわれの説明に対してご理解いただいていないという事実もありました。これらについては引き続き、様々な機会をとらえながら説明していきたいと考えています。それから受水市町村の方々、担当、首長さんに併せて説明をしてまいりました。

わたくし個人的には、一定程度の理解が進んできていると思っていますが、なおご心配のところ、たとえば危機管理、あるいはモニタリングをどうするのか? これらはある程度事業を進めていきながら、より具体的な説明をしなければならないと思っています。これらについても、市町村のほうもある程度理解していただきながら、ある市町村によっては、「運営権者予定者とあるいは運営権者になった後も、直接会ってしっかりと要望を伝えたい」というある意味前向きなご回答をいただいていますので、引き続きこれも取り組んでいきたい。

ゆさみゆき委員 

水道の広域化検討については、環境生活部とともに(企業局も)水道ビジョン全体を 進行管理しているんですが、私どもからするとまだまだこちらのほうは遅れていて、 みやぎ型管理運営方式のほうが突出している。

新水道ビジョンに掲げる「恵水不盡(けいすいふじん)」、水の恵みに感謝と畏敬の念を持って、蛇口から 水源まで、人と人、地域と地域の未来をつなぐ水道、この理念をしっかりと継承する。その中心には、やはり県民または市町村からの水道の広域化が進んでいないんではないかという指摘があります。その辺はどうでしょうか?

櫻井公営企業管理者

まさに両輪で進めていく広域化、それから市町村の水脈と言いますか、市町村に水を 供給していくという県水道事業、これらの経営をしっかりと進めていくということが、やはり一番の王道だと思っていますし、それぞれの市町村にもこれを訴えていきたい。

いま担当部局のほうで広域化を進めています。その中でいろいろなモデルを示しながら検討している。われわれもその中に入りながらいろいろと意見交換をしている状況です。

私自身も首長さんと直接お話をしながら、あるいは担当がそれぞれの水道の担当者と話をしながら意見交換をさせていただいていますが、今すぐわれわれのほうにやってもらいたい、縦連携を目指すお考えを示す市町村さんはなかなかいないなという感じを持っています。

ある市町村のほうは、いま広域連携を進めていてそこの可能性をしっかり見ていきたいというお話もあって、その中で可能であれば県との縦連携も視野に入れていきたい。 だいたいの市町村さんがそういったお考えかなとわれわれは思っています。

議員としてはそれぞれ同等にしっかりと進めていくべきだとお考えだと思いますが、 一定程度切れ目を入れながら絶え間なくやっていくことも可能かと思っていますので、まずはわれわれのみやぎ型管理運営方式を進めつつ、市町村の広域化も合わせて進めていくという戦法で参りたいと考えています。

ゆさみゆき委員 

戦法は戦法で理解しますが、みやぎ型管理運営方式は進めているんだけど、広域化を なかなか進めていない、進行管理上遅れている認識が、令和元年からの成果であるんですけど、櫻井さんどういうふうにお考えですか?

櫻井公営企業管理者

われわれもまったく「環境部局で進めているから」ということではなく、その検討会に入っていますので、その部分についてはしっかりと進めるように、われわれも協力しながら当事者意識を持ちながら進めて参りたい。

ゆさみゆき委員 

新水道ビジョンは非常に素晴らしいものですね。3者セクションということになれば、主催は利用者です。しっかりとその利用者に説明をしなければなりません。利用者に説明をして、安全性、安定性、持続可能の確保と書いてありますが、いま令和元年の成果をみて信頼性が欠けているのではないかと考えています。そこをしっかりと確保するためには、総括質疑にもありましたが、プロセスの公開と情報公開の あり方をしっかりと対応すべき。もう一度そこを確認させていただきたいと思います。

櫻井公営企業管理者

議会でご指摘のとおりでございます。しっかりと県民そして受水市町村あるいは公共管理下水道市町村に対して、われわれのシステムそれから内容について、可能な限り情報開示を行いながら理解を求めて進めて参りたい。

ゆさみゆき委員 

今回の令和元年の議論があった時、県民が何を心配していたかと言うと、20年間委託をすると行政のコントロールが働かなくなり、最近のフランスではそれの汚職事件が起こり(コンセッションが)改正になったということで、5年とEUでは期間を短くしたという経緯があります。

私は様々な情報提供をいただいていますが、たとえば公営企業の利益処分の考え方、 これを一つの事例にとってみますと、利益処分の部分と積み立てにする部分については企業局の中で行っている。もし、この令和元年に(みやぎ型管理運営方式の)導入を決めた時に、これ万が一の想定とします。これまで過去に振り返って経理上の問題を抱えていた時に、今それを解消しないで、このまま新しい形のみやぎ型管理運営方式を展開した場合、後から経理上の問題が噴出した場合、取り返しのつかないことになるのではないか? という懸念があります。

確認します。いま企業局が抱えている経理上の課題はないのか? あるいは粉飾的な 決算的なものはなかったのか? そういったことの可能性はないのか? 少しでもそういう可能性があれば、開示してしっかりと対応すべきと考えます。それはある程度想定した質問ですけれども、仮定とした質問ですけど、そういうことはあってはならない。そこについて櫻井さんの話を伺いたいと思います。

櫻井公営企業管理者

粉飾決算といったことは全くないと思っています。今までのたとえばケアレスミスの中でそういったことはなかったかという委員のご指摘もありましたけど、それを知りながらやっているということは全くあり得ないと思っていますし、今般、運営権を譲渡しながら上水道用水の一部をあてがうということを言っておりますので、もちろん、運営権者の経理等々についてしっかりと見ていくことは当然ですが、いまわれわれが抱えている問題をそこに引きずるといった問題はないと思っています。

 

岸田清美 宮城県議会議員

岸田清実委員

監査委員の監査意見の中に、「宮城県や各市町村などの進捗状況等随時公開しながら、適宜的確な情報発信と説明責任に十分に留意すべき」。こういうことが指摘されています。これまでの議論の中でも、出せるものと出せないものがあるという話がありましたが、公開しにくいものと、しかし伝えなければならないということについて、どういうふうに考えているか? あるいは今後どういうふうにしていくつもりか? この辺伺います。

櫻井公営企業管理者

監査委員からのご指摘事項、これの私なりの理解をしているのは、やはり県民からの不安の声というのが一方であるということと、それから受水市町村からいろいろとご質問をいただいているという事実があります。

みやぎ型方式については、どうしても今言えることと言えないこと、競争的対話の中身も含めて、あるいはそれぞれ競争的対話を通じながら作り上げていくという部分もあって、たとえば危機管理をどうするかみたいな話については、ちょっと先に時間をいただくということもあります。それらについては時間がかかるといことも含めて今までわれわれも説明しているつもりです。

ただやはり、これらについては可能な限り、繰り返しになりますけど、タイミングよく適切に情報公開をしていく必要があると思っています。どうしてもそれぞれの企業の ノウハウというのがあるので、われわれとしてはもうゼロベースで出したいと思っていますが、どうしても彼らとの調整が必要だと理解しています。

これらはやはり情報公開制度の趣旨に則りながら、われわれとしてどう情報を開示していくかという姿勢を彼らに示しながら、一方で企業の情報も保護しなければなりませんので、それについてはここ(建設企業委員会)に判断しながら開示して参りたい。

岸田清実委員

競争的対話の中で3,600問ぐらい質問が出ていますが、こういうものもある程度類型化して、個別のグループの内容が明らかにされないような形で公開していく、あるいは受水団体に示していくということは可能なんじゃないですか?

櫻井公営企業管理者

おっしゃるとおりで、実質的には受水市町村にはもう流している?(と田代課長に確認して)まだこれから。ある程度、こういった意見、こういった会話をしているといったことは、受水市町村にも話したいと思いますし、県民に向けても可能な限り、議員ご指摘のようにカテゴライズしながら、どういった会話をしてるかといったことについては、しっかりとHP等にも公表して参りたい。

岸田清実委員

進行中の問題ですからできるだけ速やかに、その点、実施していただきたいと思います。

それから、モニタリングの重要性も指摘されています。特に、「モニタリングを確実に行える職員の養成と技術力等の日々向上」という指摘がされているわけですね。この点についてはどういうふうに考えていますか?

櫻井公営企業管理者

このコンセッションに限らず、全国的に技術力、技術者が少なくなってきているということが歴然としてあります。ただ、コンセッションをしていくうえで、しっかりとモニタリングをしていかなければならないということがありますので、日々の勉強、研修も含めて、それから東京都が非常にいろいろな多岐にわたる研修をしていますので、そういうところへの派遣も含めて、また民営企業が行って実際にアイドリングしていくときに、やはりそれぞれの浄水場で職員がどういったことをしているのか、モニタリングというのは日々どういうふうに管理、運転をしているかというのを日々勉強しながら見ていくのが大事だと思います。その辺の職員の教育も含めてしっかりと取り組んでいこうと思っています。

岸田清実委員

金曜日に渡した新水道ビジョンの中でも、実際の企業の研修に併せてそれぞれの現場の特性を習熟する必要があるという指摘をされている。ですから、ぜひ現場を知悉するということを重視していただきたいと思います。それとの関連で必要な人材の確保と育成に向けた取り組みが課題という指摘もされています。しかもこの必要性は工業用水道、広域下水道についても同様であるという指摘もされています。いま企業局の職員はローテーションで指示部局、土木部なんかとローテーションしてるわけですけども、そう いう中での人材確保についてはどういうふうにお考えですか?

櫻井公営企業管理者

ご指摘のとおり、指示部局との人事ローテンションの中で企業局の職員がやっているところです。これはやはり指示部局と密接に連携を取りながら、われわれが欲しい人材、われわれが欲しいスキルということについては遺漏なく企業局に対処できるように連携強化していきますし、みやぎ型管理運営方式になっても変わらず、それ以上に企業局に適切な人材を確保するということは、しっかりと意見交換しながらやっていきたいと思います。

岸田清実委員

その時に先ほども言った現場の特性を熟知するということと、ローテンションということは、ある意味矛盾するような点もあるのではないかと思うんですが、その点についてはどうですか?

櫻井公営企業管理者

これまでも各浄水場にはいろいろな特性があったりしましたが、今までの企業局との調整に基づく人事配置も、その辺のところを一定程度配慮していただいていると思って います。これからもそういった体制で人事ローテーションが可能であろうと思っています。

 

水道経営課長の説明に対する質疑

 

福島かずえ委員

先ほど管理者にも伺いましたが、仙南工業用水の会計自体、決算年度で閉鎖されるということです。この事業にかけたお金がどのぐらいだったのか? 改めて確認させてください。

水道経営課 田代課長

仙南工業用水道については当時、建設債勘定のほうに約125億円計上していました。 そのうち(筆者注:以下、田代課長のマイクが声を拾えていない部分が多いです。)・・・が17億、・・・92億なんですが、・・・15億3,000万なんですが、残りの15億3,000万については水道事業経営課のほうで処理したということになっています。

福島かずえ委員

結局15億3,000万を一般会計のほうで支払ったということと、最初に125億の仮勘定でやったもののうち、結局支払った金額と支払わなかったものとを、もう一回確認したい。

水道経営課 田代課長

全体125億のうち、国庫補助金を免除されたものが17億、借入金が免除されたものが 92億です。それを除いた約15億を、一般会計で予算措置を認められて繰り入れたというふうになっています。

福島かずえ委員

金額的な本質としては、実質的にそういうことになったということですが、ここに至るまで多くの時間とそれから人手がさかれたということがあると思います。結局、必要がないままに仙南工業用水は廃止したということでよろしいですか?

水道経営課 田代課長

七ヶ宿ダムを建設する際に、人口上需要があるという中で水源を確保するということでしたが、その後社会状況の変化によって、思ったよりも需要がなくなり、廃止を決定して今回に至った状況です。

福島かずえ委員

いま思えば、着手しないまま廃止という英断も必要なことであったし、もう少し前に、需要見込みの時の判断がどうだったのかということが問われると思います。

工業用水については、あまり今まで指摘してこなかったので取り上げていますが、仙塩、仙台圏、仙台北部も、給水能力に対する契約水量の割合は、決算年度もそれぞれ28%、41%、35%にとどまっています。結局、用意した水量の3割、4割ぐらいでとどまっている現状で、大変厳しい状況です。施設の統合、ダウンサイジングの具体的な 検討も進んでいると前回伺いましたが、大梶の浄水場のダウンサイジングはいつ頃取り組むようになったのか伺いたいと思います。

水道経営課 田代課長

仙塩工業用水道の計画水量は1日当たり10万㎥、10万トンの計画を持っています。実際には9万9,000トンまで計画水量が達しましたが、いま現在このような社会環境の変化によって・・・みやぎ型管理運営方式が始まれば、改築更新の是非については運営権者の裁量となりますが、われわれが計画している・・・浄水場の更新計画においては、1日に10万㎥を4つの池、2万5,000㎥の池が4つあり、それで水の処理をしているんですが、そのうち3つを令和19年から20年度に・・・を更新するという考え方で今現在います。

福島かずえ委員

台北部工業用水事業において、建設中の落土対策水処理施設は約12億ということですが、一般会計からの補助金です。こういう他会計からの補助金は、みやぎ型管理運営方式になるとそもそもあり得ないということで押さえていいのかどうか、あるいはあった場合どういう扱いになるのか、伺いたいと思います。

水道経営課 田代課長

現在このような形で広域水道事業と工業用水道事業において処理場の一時工事の取り扱いは具体的にはありませんが、われわれとしてはこういうこともあり得るということ、また特に災害の時に、東日本の災害の時に、一時的な工事は補助金を取って構成されています。そういった中においては、われわれのほうで予算措置を行って、運営権者であったり別途事業を発注するような仕組みになっています。ですので、北部工水の落土対策事業のようなことがありますが、われわれとしては受け入れたうえで補助金でもって整備する。これが水道料金の低減につながる仕組みとしてあります。

福島かずえ委員

今回は、先ほどご説明があったように、直接(議会の)決算で貸借対照表とか財務諸表とか説明を行っていますが、運営権者が行うようになっていけば、四半期に一度など いろいろ契約書にありますけれども、議会でのやり取りはどういう形になっていきますか?

水道経営課 田代課長

議会への報告、県民に対する報告は大変重要だと認識していて、現在は、どういう形で説明していくかを検討しているところです。

福島かずえ委員

監査委員の意見書の流域下水道会計のところで、「特例的支出において不適切な取り扱いが認められた。今後十分注意されたい。」という意見があります。どのようなことを、この意見書に基づいてどういうふうに対応したのか伺いたい。

水道経営課 田代課長

特例的支出というのは、特別会計時代の3月末の未払い金の支出です。今回1回、後にも先にも、今後も出てこないものですが、これを企業局において予算定義をする際に誤りがあり、千円未満の端数に予算の予備費を充当したということで「注意されたい」というご指摘を受けたものです。これは今回限りですが、他の予算措置も含めて、十分注意していこうと考えています。

福島かずえ委員

「人件費については議会の流用ができないという定めがある」というのがこの意見書の中にありますが、それに抵触したという理解でよろしいですか?

水道経営課 田代課長

人件費等ではなく、あくまで未払い金の千円未満の端数を、本来、予算書に含めて計上しておかなければならなかったものを、あくまで予算上ですが予備費を流用させていただいたということで、議会の議決とかそういうものではありません。

福島かずえ委員

軽微なものでそういう扱いをしたということだと思いますが、監査委員からはこういう指摘があったということを今後の会計処理で生かしていただきたい。

次に、水道料金に関してですが、初期投資に要した企業債償還が概ね決算年度で終了するということで、決算年度の9月に水道料金の改定の提案がありました。併せて、料金算定のあり方が資金収支方式から損益収支方式に変更するということも示されました。しかし、需要がなく過大すぎるダムや管路の減価償却費を、そのまま料金算定に組み込んでいくというこういうやり方は見直していくべきだと思いますが、いかがですか?

水道経営課 田代課長

結果的に、仙南仙塩であれば日量55万3,000㎥、・・・契約水量になっています。当時はそういう計画があり、55万3,000㎥を・・・ダムの建設があった。管路については大崎広域水道も同じですが、ルールで償却していかなくてはいけません。そのルールについてはわれわれがどうこうできるものではなく、他の水道のルールもあるので・・・ご理解願いたいと思います。

福島かずえ委員

先ほど、会計処理上でこの間、問題点はなかったのかという質問が、ゆさ委員からありました。私もいくつか過去の決算認定についての議論を時間の許す限り見たところ、 平成14年の9月において、13年度の公営企業会計決算認定のところで、水道供給事業と工業用水で、完成した施設を建設途中であるかのように見せかけて建設仮勘定に計上することによって減価償却費を低く抑えるやり方、支払利息を建設仮勘定に計上して経費を少なくするやり方など、会計処理上に大きな問題があることが明らかになったということが過去にあった。

それだけに、ルールで決まっている減価償却費に手を付けることはできないと今おっしゃっているのではないかと思いますが、料金の見直しの理由として、初期投資の企業債はほぼ払い終わって終了するからという理由がありましたので、更新する管路などは 過大な見積りで更新するような減価償却で計算するのでは計算が合わなくなっていくのではないかと思います。必要なだけのサイズの施設更新の減価償却に見直すということは絶対できないことなのでしょうか?

水道経営課 田代課長

13年度14年度のご指摘については、実際には稼働率を適用していた事実があります。 これは当時、総務省でも認めていた他の事業体も採用していた手法です。もちろん実施予算の状況を見ながら料金の低減の観点から採用したものです。ただ、これについては、企業債の償還も進んでいったという中で、いま現在はもう適用はしていません。

ただ、・・・の部分があるということは間違いなく・・・。今後、未来に向かっての話になってきますと、ダムについてはわれわれの・・・ではありませんが、設備、管理を含めて減少、また将来の水量を・・・して更新していきますので、あくまで過去の償却については、会計上のルールで正直どうしようもないところですが、将来については減価償却費を含めて今後の水量に見合った形で整理し計上していくことを考えています。

福島かずえ委員

ただ、今年度から採用される料金算定のあり方の損益収支方式だと、料金の算定の中で減価償却費が大きくウエイトを占めると私は受け止めています。

過大な工事計画もまだ、大崎広域水道の南川ダムの第2期工事が止まっていますし、仙南仙塩広域水道でも、白石川から取水するという稼働系第3期第4期計画がストップしたままです。ただし、計画としては中止という形でハッキリと決定していなくて、まだ計画水量も生きています。

もはや過大な工事計画は、国の了解を取りながら、受水団体とも相談しながらはっきり中止して、管路の更新計画もそれに見合ったダウンサイジングをしていかないと、実際に必要な水量の2倍3倍の計画でいま料金設定が進んでいると思いますので、ここはぜひご検討いただきたいと思うんですが、いかがですか?

水道経営課 田代課長

仙南仙塩であれば55万3,300トン、大崎広域水道事業では12万トン程度の水量を持っていますが、そこについては・・・しないのではないかというご指摘についてはかなり厳しいものだと考えています。

ただ、実際の料金算定量については、先ほどの大崎広域水道事業の12万トン、仙南仙塩の55万3,300トンを前提にした料金を徴収しているわけではありません。必要な金額として算定して計上していますので、会計上のかなりテクニカルな話になってしまうん ですが、計画水量を見直すことによって料金が下がるというわけではないことをご理解いただきたいと思います。

福島かずえ委員

計画水量を見直しても、初期投資の減価償却のままだと、単価が上がっていって結局 同じ負担だという理解はしますが、特に今回みやぎ型管理運営方式を導入する中で、 料金の上昇を抑えることを目的の一つと謳っているので、料金が今後どうなっていくのか? どうしようとしているのか? ここのところを十分に、利用者、受水団体にも、説明責任を果たしながらきちんと理解を得ないと、先には進めないことだと思うんですが、いかがですか?

水道経営課 田代課長

昨年の12月、実施するための条例を提案させていただく際に、上水道、下水道、工業用水の見通しを提示させていただきました。今後、引き続き応募者の提案により他の数値も変わっていきます。そういったものも、極力わかりやすい資料を作ってご理解願えるよう努めていきたいと考えています。

福島かずえ委員

今回の実施契約書も、改めていくつか伺っておきたい基本的なことがあります。公共施設等運営権実施契約書(案)が3月に出され、これに基づいて今、手続きが進められていますが、契約書(案)自体は1本でするという形になっています。

9事業はお互いにお金を移動したり融通したりということはできず、9事業の会計はそれぞれ完結して運営していくという説明がありましたが、契約自体は1本でも法的に問題はないのかどうか、改めて伺いたいと思います。

水道経営課 田代課長

契約書自体は1本です。運営権の設定は事業ごとに9つ、会計については、地方公営企業法上も独立採算で行わなくてはいけないというのが、みやぎ型管理運営方式の仕組みになっています。

福島かずえ委員

委託に関する定めも実施契約書にありましたが、運営権者が第三者への委託をするなどの場合、再委託の要件についても書き込みがありました。運営権者が委託契約する場合、公契約と言えるものなのかどうか伺いたいと思います。

水道経営課 田代課長

民間の契約となると考えています。ただ、当然のことながらこの原資は水道料金となりますので、誠実な契約と執行を運営権者に求めることにしています。

福島かずえ委員

20年間の運営の中で、一番コストが縮減されるのではないかと思われるのが、この委託金のところであると私は考えています。委託して、再委託してという中で、そこで働く人たちの人件費が安くなっていくのではないかという懸念がありますので、これが民間契約なのか公契約にあたるのかというのは非常に重要だと思って聞きました。

次に、実施契約書のリスク分担、これは非常に重要で、われわれの分科会、委員会でも今後詳細にみなさんとも議論していかなくてはいけないところですが、この実施契約書のとおりになれば、運営権者はほとんどリスクを抱えなくても、20年間普通に事業をやっていけばホントに心配ないなあっていう、何かあった時には全部県があるいは国の補助事業を使って進めていくという形に見えているんですが、その点どうでしょうか?

水道経営課 田代課長

広域水道事業、流域下水道事業という事業の性質上、県側が適正にリスク分担することによって、最も大切なトータルの料金設定ができるという考え方でリスク分担を決定しました。ここについては、計画時からこの事業に参画を検討している企業と意見交換 しながら、もちろん市町村とも意見交換しながら作り上げたもので、われわれとしては最適なリスク分担になっていると認識しています。

福島かずえ委員

経営審査委員会のこともこの実施契約書の中に定めがありますが、選任や人数などについてはまだ明らかにされていません。これはどのように考えているのか、いつごろ明らかになるのか、伺います。

水道経営課 田代課長

経営審査委員会は大変重要な組織であると認識しています。運営権設定の議案をお願いする来年の6月または9月の県議会に同時にお願いしようと考えていますが、大変重要な組織だと考えていますので、市町村はもちろん県議会の委員の方々も含めて意見を伺いながら手続きを踏みたいと考えています。

高橋宗也委員長

福島委員、決算審査でございますので、ご確認いただきたいと思います。

福島かずえ委員

最後の質問にさせていただきたいと思います。経営審査委員会が第三者のモニタリングというところにも位置付いていますので、非常に重要な問題だと思っています。できるだけ早くご当局が応募者と煮詰めて明らかにしていただけるのか? できるだけ早くと思っています。

最後に、議会の関与について伺いたいと思います。料金の改定は議会の議決を経なければならないということがあります。それから、先ほどこうした決算審査について議会でどのようにしていくのかは検討していかなくてはいけないという答弁がありましたが、9事業の運営経営のあり方を、議会がどう監視チェック することができるのか? 私たち委員にとって非常に重要なことであり、県民のみなさんも非常に関心をお持ちのことです。

「民営化ではない。県が所有し、県が責任を持つ事業だ。みやぎ型管理運営方式だ。」と、たびたび、みなさんおっしゃる中で、そういうことであれば、議会自体が 住民の代表として、みやぎ型管理運営方式に関与してチェックしていく仕組みを進めていかないといけないんじゃないかと思うんですが、その点については契約書とかいろんなものにも一切考え方がないんですけど、どうお考えですか?

櫻井公営企業管理者

基本的にPFIという手法は、運営権を譲渡し、運営権者が運営をしていくという大原則があります。一方で県民のみなさまはいろいろなご心配もありますので、それらについて経営審査委員会でしっかりと経営あるいは企業の今の負債状況も含めて議論し、それを告示をするという形になっています。

ご指摘の議会の関与をどうするかというのは、まさに今の仕組みがそうなっているということです。ただ、課長が申し上げたとおり、人選をどうしていくか、どういった形で選んでいくかということについては、もう少しお時間をいただきながら、ただ、基本的にはそういったことだということはご理解いただければ、その中でどうわかりやすい説明、そしてわかりやすい情報提供をしていくかということについては、もう少しお時間をいただきながら検討させていただきたい。

福島かずえ委員

今の管理者のご答弁を突き詰めて考えれば、結局、運営権は売却するのであり委託ではない、と。委託であれば、議会の関与チェックは当然ありますが、やはりここは運営権の売却=民営化ということであると、一つはっきりしたなと思って受け止めたい次第です。決算審査ですのでこのぐらいでとどめて、また次の機会に聞いてみたいと思います。

ゆさみゆき委員

今ご説明にあった建設勘定工事、翌年の繰り越しがかなり多いです。水道事業の安定性と安全性を確保するためには、繰り越し事業、令和元年はどうだったのか? その進捗をしっかり管理をしながら、管路の工事に対応しなければならないと考えています。

これかなリ繰り越しが多かったんですけど、重要なことなので今どうなってるかご報告をお願いします。

水道経営課 田代課長

繰り越し事業が特に多いところは仙南仙塩広域水道かなと思います。ここは今、・・・連絡管という事業を実施しています。全体事業費は約90億ですが、3カ年、4カ年の継続工事を実施しています。実際には平成28年から平成30年度まで、最終年度の平成30年度は繰り越しを行いましたので、令和元年度まで続いています。この継続工事の全体工事費が25億程度ありました。そこの繰り越しが4カ年にすべて入ってきているということもあってかなり大きくなっています。

当然、当該年度の予算は当該年度で執行というが大原則ですので、特に令和4年の4月 からみやぎ型管理運営方式も始まるということで、昨年、今年と進行管理を強化して、繰り越しも少なくするよう進行管理を徹底しているところです。

ゆさみゆき委員

(みやぎ型管理運営方式は)まだ条例提案されてないし、始まるかどうかは議決をしなければならないということは注意してくださいね。

この建設繰り越し工事は、しっかりとロードマップを作って今どのようになってるのかを見える化していかないと、(みやぎ型管理運営方式)導入にあたって、県民の納得は得られないと思いますので、今の状況報告についてしっかりと対応いただきたいと思います。

それから、工業用水道事業、これは令和元年は2億円の累積欠損です。仙塩は28%、仙台圏は41%、(仙台北部は)35%です。これは施設のダウンサイジングを図りながら やっていかなければならないと思います。

しかし、みやぎ型管理運営方式になりますと、ダウンサイジングもすべて、運営権者の計画になっていきます。これまでの企業局が抱えている課題が、運営権者に計画を委ねてしまうと、そこの間がどのような経過かわかりにくくなってしまう、今の工事も含めて。その辺をどういうふうに担保していくか? 工業用水道、これ昔から課題です。 今の時点で、ダウンサイジングを含めてどう課題解決していくのか伺います。

水道経営課 田代課長

工業用水道については、たとえば仙塩は10万トンの供給量が3万トン弱の計画水量になっています。ここについては、先ほどもお話しましたが、浄水場の更新数を減らした形で、いま現在、運営権者のほうに県のダウンサイジングを織り込んだ形で示しながら、さらに民間の経営ノウハウでもって提案を受けるという形にしています。そういったものについては、県民の方々もご理解いただけるような資料を作成して説明していきたいと考えています。

ゆさみゆき委員

それをきちんと議会に提出していただき、これまでの課題、そして今後はこうと、令和元年の決算の課題とこれからの課題をしっかりと見える化していただきたい。

流域下水道は国庫補助事業申請を踏まえた国庫補助事業になってくると思います。そうすると、流域下水道工事などは、この工事計画の中における今後の改築工事にあたっては、民間の手法を取った場合は、関係公社などもしっかりと対応すべきではないか? この辺のところ、今の関連の推移はいかがですか?

水道経営課 田代課長

みやぎ型管理運営方式移行後のことだと思いますが、流域下水道の設備の改築工事については、補助事業を適用するという中で、上水と工業用水とは、違う適用できる施策を計画しています。そういった中でも、民間の経営ノウハウであったり、技術ノウハウを生かせるような仕組みとしていますので、そのあたりをわかりやすく説明して参りたいと考えています。

ゆさみゆき委員

決算年度の会計報告、縷々今回聞かせていただきました。やはり会計のあり方、年度別削減額と会計処理、これきちんと明確化、見える化しないといけないと思います。

福島委員の質疑の中では、今後(みやぎ型管理運営方式)導入にあたっては、財務諸表など検討中ということもありますが、まさにそこが重要なことでありまして、9本を一体化ではなくて別々の会計処理でやってと考えているわけですから、今の時点で考えているのでは、県民の信頼性や導入にあたった計画、今の時点でできないことが問題なんじゃないですか?

水道経営課 田代課長

全体と9つそれぞれ別会計と、ご理解いただけるような説明の仕方、資料作り等を工夫して、今後極力早い時期にご説明して参りたいと考えています。

ゆさみゆき委員

先ほど管理者にも伺ったんですが、利益処分の計画性です。利益処分については、積み立て、減債積立金、資本金に繰り入れるやり方を報告受けました。

(みやぎ型管理運営方式を)導入した場合、この積み立てる部分、繰り入れる部分の 計画性はどのようになるのか? その辺のところの考え方についてお伺います。

水道経営課 田代課長

みやぎ型管理運営方式が導入されたとしても、県企業局側の会計については今の考え方と変わりません。

ゆさみゆき委員

会計報告についてはどういうふうに変わりますか?

水道経営課 田代課長

あくまで県企業局の決算ですから、これまでどおりこういう場で説明していくという形になります。

ゆさみゆき委員

企業局では収益事業を考えなければならないと思いますが、小水力発電についての報告事項が見当たらないですね。水道事業もそうですが、企業局は公共事業の福祉に対して収益も考えなければならない。それはどのような形にしていくのか? これまでも指摘しました。それが全く報告がない。ある資源を生かして利益を生む。これも企業局の役割ではなかったでしょうか。それの決算報告がないというのは、どういうことですか?その辺のところご報告をお願いします。

水道経営課 田代課長

再生可能エネルギーの活用については、これまでどおり継続しています。仙南仙塩広域水道において太陽光発電であったり、小水力発電を2か所、全部で3カ所、民間事業者の力を借りて発電し、収入に計上しています。そこについてご説明しなかったことは大変申し訳ないと思っています。

ゆさみゆき委員

県政全体と企業局で方向性を持って新しいビジョンを作っているわけです。再生可能エネルギーは県政の中で大きな方向性、知事も、たぶん管理者もその方向で動いていると思います。もう一度報告いただけませんか?

水道経営課 田代課長

令和元年度の収入は、白石の太陽光発電所が408万1,000円、馬越石の小水力発電所が354万7,000円、もう一カ所白石の発電所が166万8,000円という発電収入をそれぞれ収受しています。

ゆさみゆき委員

決算を踏まえて、まだまだ可能性調査をしながら、あるべき小水力発電、そして収益事業に進むべきだと考えています。そこはどのように計画性を持って対応しているのか お伺いします。

水道経営課 田代課長

こういった無料資産の有効活用と言ったらいいんでしょうか、みやぎ型管理運営方式の中でも民営事業という提案を受ける仕組みを入れていますので、無料資産の有効活用をぜひ今後も継続していきたいと考えています。

ゆさみゆき委員

最後に管理者に伺います。今回、みやぎ型管理運営方式導入の条例が可決されました。私どもは少数意見の留保ということでお話させていただきました。冒頭あったように、やはり県民の理解なくしてこの制度なし、または市町村の 理解がなし、そして会計上の処理もまだである ということを踏まえると、今後の条例提案にあたっては、まだまだ対応できていない部分が多いと 考えています。今日は決算の審議をこれで終了しますが、まだまだ会計処理を含めて、わかりにくいことがあるという認識が私にはありますし、県民の間からもあります。 今の質疑を聞いて、管理者からお言葉をお願いしたいと思います。

櫻井公営企業管理者

今後ともわかりやすい説明に努めまして、県民、市町村、そして議会に報告して参ります。

ゆさみゆき委員

最後に、経営審査委員会の中にぜひ議員を入れていただきたい。これ提案したいと思います。私たちはしっかりチェックをして、責任ある立場でありますし、その辺のところを要望したいと思いますが、最後にご答弁をお願いします。

櫻井公営企業管理者

メンバーも含めて検討して参りたいと思います。

 

中島源陽 宮城県議会議員

中島源陽委員

大震災があって水道や諸々の管や設備の被害を受けて、その復旧に毎年毎年あたって こられて、平成(筆者注:令和の言いまちがい?)元年度の取り組みの中でもそうしたことがまだ続いているのではないかと思いますし、地元ですと、大崎からずうっと栗原まで管がつながっているんだなあと、大変長い長い管路でしたので最終的に復旧するまでホント長い期間かかったなあという思いが今でもあります。

まあ明日もう大地震がないことを願うわけですけども、あのクラスの大地震があったとしても、ああいう長期間、またはかなりの箇所で管路が途切れるという被害がないような耐震化に関しても年々進めてきたんだと思うんですが、その辺、元年度の取り組みの中でどういった取り組みがあって、県全体としてはそうしたことに対して、耐震化の 体制がもう準備として整っているかどうか? その辺だけお知らせください。

水道経営課 田代課長

東日本大震災における耐震化については、重点的に実施してきています。東日本大震災の一番の教訓は、やはり水管橋が一番の素因です。橋梁全体69橋のうち44橋が対策が 必要だと当時耐震調査を行いました。いま現在は残り1橋まで来ていて、今年着手し、来年には完了できるという状況です。

もう一点、耐震化の必要性というと、伸縮可とう管と言われる重要構造物の前後だったり、軟弱地盤のところに設置してある管ですが、これが全部で318か所、対策が必要な管は現在104基あります。できれば10年でということで頑張ってきたんですが、かなりこういった大震災関係の工事が多くなっていて、今年末で約82%、8割強まで、できるだろうと見込んでいます。あと2年から3年ぐらいでは完了させたいという状況です。

あとは送水管路の耐震補強も必要になってくるんですが、こちらはダウンサイジングを踏まえて、今後、可とう管の次に計画しています。

中島源陽委員

水はすべての生活の元ですので、ぜひそうした対策を常に進めていただきたいと思います。

あと、こちらの説明資料の1ページ目に、東日本大震災関連で福島第一原発事故に係る損害賠償金の金額が示されていますが、この内容についてお知らせいただきたい。

水道経営課 田代課長

こちらは浄水場から発生する浄水発生土と言われるものです。水分中にある泥とかです。震災前はかなり上質なものだったということもあって、グランド用材等として有償で売却していました。ただ震災後、放射性物質が混入しているため、産業廃棄物として処理しているということで、逸失利益と処分費を含めて請求しています。今回2,200万ほど計上していますが、請求額満額、東京電力から賠償いただいています。

中島源陽委員

発生土は相当あったと思うんですが、発生土の処理としてはこれで完了なんですか?

水道経営課 田代課長

平成29年度までトータルでいきますと、上工下水道合わせて、知事部局時代の下水道も含めて、12億9,000万円ほどになるんですが、仙南仙塩の南部山浄水場はまだ放射性物質の発生が出ていますので、これで終わりということでは なく、今後もどれぐらいかというのはなかなか予想がつきにくい状況です。われわれとしては、処分できない以上、賠償請求をしていきたいと考えています。

中島源陽委員

仙南仙塩のほうに金額の報告がありますが、大崎広域のほうは処理が終わったという 意味で計上がないということですか?

水道経営課 田代課長

大崎広域水道はもうすでに(放射性物質が)発生していませんので、今後、出ることはないのではないかと考えています。

 

放射能濃度測定結果

宮城県企業局の水道水及び浄水発生土に対する放射能濃度測定の結果について https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/788331.pdf